札幌交響楽団第500回記念定期演奏会@Kitara2007

今回の定期の楽しみは500回記念のマーラー交響曲第2番「復活」という
大曲を聴けるということはもちろんだが、まず第一は札響合唱団。
昨年結成され、年末の第九でのデビューが大層衝撃的だったらしく、
ぜひ一度はその歌声を味わいたいものだ、と考えていた。
今のところ年に数回の出演しかないらしく、今回定期が2回目のお披露目
となるらしい。第九の時同様、今回も他の合唱団も参加しているので、
純粋に楽しめるという訳ではないようだったが、思わぬ演出が待っていた。
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定期好例のロビーコンサートへの出演である。
いつもは札響メンバーが行っているのだが、今回は男性13名女性12名で
4曲(1曲目以外すべて武満徹の作品)を披露した。
パンフには総勢54名となっているので、選抜メンバーということか。
たえまなく入場してくる人たちのざわめきにもかかわらず、
よく鍛えられた歌声がロビーに響いたことから、本番への期待は
弥が上にも高まった。

「生と死」という根源的テーマに貫かれたこの曲での合唱の出番は
第五楽章の後半から。ベートーヴェンの第九によく似ています。
「蘇るのだ…」と無伴奏で神秘的にではあるが、決然として合唱が歌いだし、
二人の女声による独唱とオケも加わって壮大なフィナーレを築く訳だが、
合唱はいささかも不安定なところを感じさせない、実に充実した歌声であった。
札響は合唱入りの曲をさらに演奏する機会を設けてもらいたいものだ。
また、第四楽章「原光」があるがためソプラノ独唱に比べると、
どうしても注目しがちなアルト独唱であるが、ビルギット・レンメルトの
よくコントロールされながらも会場の隅々にまで通る歌声には、
正直驚いた。この方の歌声を聞けただけでも大満足。

余談になるが、「復活」を実演で聴くのはこれが2回目。
1回目はPMFが始まって2年目の時で、エッシェンバッハ/PMFオケで。
この時のアルト独唱はクリスタ・ルートヴィヒ。
あの頃はバーンスタインとの録音から数年経過したのちだったようでしたが、
もう往年の輝かしさや声量はなく、落ち着いた歌声に終始したように記憶して
いる。事実、1~2年後には現役引退を表明したのだが、世紀の歌姫の声を
聴くことが出来たという思い出として一生記憶に残るのだろう。

さて、肝心の尾高/札響の演奏であるが、尾高さんは札響をよくコントロール
されて、この情念がのたうちまわるかのような曲をよく描出していたし、
札響も持てる力を出してよく応えていたと思う。
ところで、記念演奏会初日ということで慎重になり過ぎたきらいがあるのか、
第一楽章ではよく整えられてはいるものの、何故か一体となって燃え上がる
ような熱気が感じられず少々不安に駆られたが、章を追うごとにこの辺は
解消されて、特に時々顔を出す嵐のような強奏では
「<よく鳴る>オーケストラに成長した」(パンフ解説より)
現在の力をいかんなく発揮したと思う。
しかし、一部管楽器の不調や4月定期の好調ぶりが耳に残るだけに
「こんなはずでは…」との思いも少々残ってしまい、十分楽しめたとは言い難い。
(この辺は向上するにつれ聴く側の要求もどうしても高くなりがちなのかな…)
二日目は修正してもっと良くなるはず、という期待を込めて
FMのライブ放送に耳を傾けたいと思う。
チケットは二日とも完売。
<6.24追記>
はい、放送を聴きました(ただし、高関さんのバルトーク以降は未聴です)
オケの響きについては放送のほうがはるかによくとらえていたのでしょうね、
かなり充実した響きが聞こえてきました。ただし、一部の管楽器の不調は
昨夜の印象よりは良いものの、やはり残念な響きを感じたのは少々「?」。
びっくりしたのは、レンメルトさんの歌声で、会場での圧倒感がありません。
これは放送の限界を示すものなのでしょうか。
(この方は実際ライブで聴くに限ります、圧倒されます)
ライブと放送との違いはあるものの、二日間聴いてみると、昨夜の感想は
予習が効き過ぎたのか、少々「欲張り」なものだったのかなぁ、
との印象を改めて感じました。しかしながら、現在の札響の持てる力を
出し尽くした記念すべき演奏会であったことは間違いないようです。
その一瞬に立ち会えた喜びを、いつまでも胸に抱いていくことでしょう。
改めて、札響定期500回、おめでとう!!

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by capricciosam | 2007-06-23 23:58 | 音楽 | Comments(0)


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