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ダイ・ハード4.0@映画

ダイ・ハードから18年。
ダイ・ハード3から12年。

<以下、ネタバレ的内容を含みますのでご注意ください>

1作目、2作目では、夫婦の離婚の危機を実際の危機が救った
かのように思えたものの、3作目では離婚したことが判明。
そして、4作目では学生にまで成長した娘ルーシーが登場するが、
主人公のジョン・マクレーン刑事は心配のあまり娘のデートを
ぶちこわし、愛する娘に激怒されてしまう。

「おまえはルーシー・マクレーンじゃないか」
「いいえ、私はルーシー・ジェネロよ」

娘にまで拒絶されてしまうダメオヤジぶりが、逆にこのド派手なシリーズを
貫くテーマである夫婦愛や家族愛を明確にする。
「何故こんな目に遭うんだ」
1作目から主人公が発するこのセリフ。
これは己が運の悪さを嘆きつつ、悪党に立ち向かう職業意識だけではない、
自らの崩壊した家庭と、家族への思いが隠されているのではないか、
とチョイと深読み。

今回ダメオヤジが愚直に立ち向かったのは、ハイテクに長けた悪党。
7/4独立記念日にデジタルネットワーク化された全米のインフラを
ハッキングして機能をマヒさせてしまう。
(これを「ファイヤー・セール」投げ売り、とは、へぇーという感じでした)
おなじみの20世紀フォックスのオープニングで、サーチライトが消え、
画面がぶれ、フリーズ気味に消えるという暗示的な演出は楽しい。
悪党曰く
「ジョン、おまえはデジタル時代の鳩時計だ」
高度にハイテク化が進んだ時代に、くたびれたローテクダメオヤジが
かなう訳ないじゃないか、という一見圧倒的不利な状況を
次々打破してしまうのが、このシリーズの醍醐味。
ただ、シリーズものの宿命か、アクションシーンはスケールアップし、
マクレーン刑事のヒーロー度も高くなったような気がする。
その分、1作目に登場した時の裸足のランニングシャツ姿で、
やたら目をむいて立ち向かっていた身の丈サイズのヒーローでは
なくなっている。設定でも年代的に50歳程度(ブルース・ウィリスは52歳)
になるのだろうから、酸いも甘いも知り尽くした「大人」の雰囲気をもった
ヒーローであることは妥当なところなのだが、ただマクレーン刑事には
「スーパーヒーロー」にだけはなってもらいたくない。
やはり、彼はあこがれよりも共感とともに我々を奮い立たせてくれる
「ダメオヤジ」ヒーローであってもらいたい。

そう言えばローテクダメオヤジの象徴に使われていた音楽がCCR。
現代青年のハッカーがうるさそうにボリュームを絞ろうとすると、
マクレーンがボリュームをあげる。
この場面を見て「CCRは今の時代には受けないのかもなぁ…」
(最後もエンディングでCCRが流れていましたね)
ジョン・フォガティの荒削りな野太いヴォーカルを「懐かしい」と感じる、
そっか、オレもローテクダメオヤジの類なんだよなぁ…
ダイ・ハード4.0@映画_c0007388_23121440.jpg

by capricciosam | 2007-07-01 23:12 | 映画


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