白い恋人の裏切り

うん十年前の話です。
映画を見に行くと本編や予告編が上映される前にCMがよく流れていました。
MILKLAND HOKKAIDO」(焼酎のミルク割りなんてのも当時盛んでした)
とともに印象深いのが
石屋製菓の「白い恋人」
ちょっとロマンス仕立てのストーリーと今と変わらぬメロディが
なんとなく、この商品への憧憬と信頼感を形作ったように思う。
(確か社長自身もCMへ出演していたような記憶も…)
ネーミングも良かったろうし、商品戦略としては大ヒットしたようで、
現在では同社の売り上げの約80%を占める一大商品となっただけでなく、
六花亭の「マルセイバターサンド」やロイズの「生チョコ」とともに
北海道を代表する観光銘菓となった。

それなのに、恣意的な賞味期限の改ざんがまかり通っていた。
しかも11年前から。
しかも、しかも社長も承知していた、とは…。
食品を作っているという倫理感が薄れたのか、もともと無かったのか。
今夜辞任を表明したが、北海道を代表する経営者だっただけに、
残念なことだが、しかしここまで明るみに出れば仕方のないことだろう。

また、今回は「白い恋人」の商品としてのインパクトの強さから
賞味期限の改ざんがクローズアップされがちだが、
同社のアイスクリームやバウムクーヘンから検出された
大腸菌の多さのほうが健康面への直接的脅威の度合いが強い。
今回もミートホープ事件同様、この件の「内部告発」がきっかけだった。
それも会社に2回したのに無視されたことから、社外に告発したらしい。
辞任を表明した社長が一代でここまで発展させ、しかも同族経営だった。
社長会見では「風通しの悪さ」を悔いていたが、後の祭り、か。

北海道の「食」に対する信頼を裏切ったことはミートホープ事件と同じだが、
観光も巻き込んだことで、影響度はこちらの方が数段上かもしれない。
今後、地元の銀行が支援に入ることになるようで、新社長が経営陣からの
同族脱却を表明したことは、経営再建に向けては歓迎すべきことなのだろう。
しかし、事実上「白い恋人」頼みの経営だけに、どれだけ業績が落ち込み、
どれだけ回復できるのか、なんとも不透明なことだ。
それにしても、「食」が売り物の北海道で信頼を裏切る事件が続くとは…、
道民のひとりとしては申し訳なさ、情けなさ、ふがいなさが…
「しっかりしようぜ、北海道の食」

ところで、同社はサッカーJ2の首位を走るコンサドーレ札幌
オフィシャルスポンサーかつメインスポンサーである。
ユニホームの胸には「白い恋人」が、そして同社の本社工場として有名な
チョコレートファクトリーの側には練習場のある「白い恋人パーク」が。
恐らく辞任を表明した社長の個人的意志が強かったのだろうが、
新社長はこの支援については現時点とはことわっているものの、
白紙」と言っているのは、少々気になる。
恐らく本業の業績回復を最優先していくのだろうが、しばらく遠のいていた
J1復帰の可能性が高まっているのに、熱心なファンではないが、
なんとも心配な点ではある。
<11.24追記>
販売中止以前の特約店とほぼ同数の400店で11/22販売が再開
されたところ、ほとんどの店で完売状態となった。
TVでは新千歳空港での陳列から完売までの様子が放送されていた。
他社製品では「白い恋人」の座を奪取することは難しかったという訳だが、
それだけガリバー的存在であることから影響も大きかった。
これに安堵して再び販売中止に追い込まれるようなことのないように
期待したい。

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by capricciosam | 2007-08-17 23:51 | 時の移ろい | Comments(0)


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