地球の入り&地球の出

やや旧聞に属するが、日本が打ち上げた月探査衛星からの
ハイビジョン映像を地上波で見ることができた。
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アポロ11号の月面着陸をライブで興奮して見た世代としては
まず、その映像の鮮明さに驚いた。さすがハイビジョン。
当時の薄膜でもかかったかのような画像とは、やはり違う。
細部が鮮明だ。コントラストもくっきりしている。
次に、動画であることだ。
当時、月の表面から青い地球がぽっかり浮かぶ写真の鮮烈だったこと。
どんなに衝撃的だったか。でも、あれは静止画。
もちろん、当時も宇宙飛行士の船外活動等の動画はあったが、
今回「かぐや」が活写した「地球の入り&地球の出」は当時は静止画だけ
だったはず。それが、わずか70秒足らずとはいえ、動画で見られたが、
画像の鮮明さと相まって、まるで自分が実際のかぐやの船内にいるかのようだ。
また別の意味で異なったものを感じて、胸に迫るものがある。
CGが発達した現在では、まるでCG並、と思わずとってしまいそうになるが、
おっと、今回ばかりはリアルだった。
月に鳥はいないのだろうが、一種「鳥瞰図」的趣がある。

JAXAのサイトにある動画を繰り返し見ては、不思議な感慨に襲われている。
なんとも形容しがたいが、あえて言えば目線の高さの変化とでも言おうか、
日常性からの離脱とでも言うのがふさわしいのか。
普段ではまず考えたこともない、「超越した存在=神」なんてものまで
考えてしまいそうな、そんな気持ちになってしまう。
そこで、思い出したのが立花隆著「宇宙からの帰還」である。
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徹底的に理系な人たちであるはずの飛行士たちが、宇宙からの帰還後は
神を意識したり、宗教に走ったりして、まるで人生観を一変させてしまう
という現象が次々に語られていく。実に刺激的。
著者はむすびでこう記す。

「つい読みすごしてしまうような軽いタッチの短いセンテンスの中に、
驚くほど深く、スケールの大きなメッセージが込められていたりする。
(略)彼らのメッセージが(略)できるだけ深い所でその人を刺激する
ことを私は願っている。」

私がこの本を読んだのは、約10年前にちょっと長期入院をした時だった。
退屈しのぎに手にとってはみたものの、あまりのおもしろさに
一気に読み終えて、妙にワクワクする気持ちに陥ったことを今でも記憶。
著者の願いどおり、まんまと「刺激」されてしまった。
宇宙空間へ飛び出す人がますます増える現代。
この本の値はいまだ色褪せることなく、ますますその価値が増すのでは、
と考えている。
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by capricciosam | 2007-11-17 21:26 | みて楽しむ | Comments(0)


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