ワーキングプア再び

今年も最後に「ワーキングプア」を取り上げてみたい。

先日NHKで二夜にわたって放送されたので、ご覧になった方も
多いではないでしょうか。
日本だけではなく、世界でも同様の現象が生じていることに、
私は改めてショックを受けていました。
二夜目の貧困層に生まれた子は、成長しても再び貧困層になり、
結局、貧困層の固定化と社会の不安定化を招く、という指摘は
重大だと思いました。長い歴史の中で勝ち得た「自由と平等」
という言葉が心の中で空疎に響く。

一夜目の30歳代半ばの男性。
それまでのゴミ箱から本を漁っていた不安定な生活が、公園の清掃で
得る月7万円という低収でも、生活が安定して、精神的にも落ち着き、
初めて前向きな意欲を持てるようになっていく様子には、
心打たれるものがありました。

景気は向上してきたとはいうものの、企業は依然正社員を増やす気配も
ほとんどなく、政府も積極的に指導する様子もない。
おまけに、正社員とて大半は賃金が不景気当時と同様抑制されたまま。
特に、若年層がワーキングプアと呼ばれる使い捨て労働層に押し込め
られやすいということは、彼らがついまでも安定的な生活が営めないこと
と同じことなのだから、将来的な社会的不安定要因を作り出している
ことと同様です。施策があってもハードルが高く、事実上使えない。
若者は結婚できず、ましてや子供も作りづらい。
こんなことを放置して、少子高齢化なんて緩和できるのか。

制度疲労を起こした社会は、そのほころびが年々加速化していって
なによりも人命が軽く扱われる社会がますます現実味を帯びてきた
ように感じられる。
住みづらい社会はなにも「地球温暖化」だけではない。
多様な側面から解決を図らなければならないのは十分承知している
つもりだが、「ワーキングプア」だけは一刻も早く解消に向かわなければ
「日いずる国」が「日沈む国」に固定化されてしまう大きな要因になる
のではないか、と懸念している。

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結局、今年も「ぼやき」で締めくくることになりましたが、
今日で記事の更新はいったんお休みいたします。
(つぶろぐはこれからも毎日更新の予定です、あくまでも予定ですが…)
今年もなにかと交流させていただき、ありがとうございました。
みなさま、どうぞ良い年をお迎えください。
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by capricciosam | 2007-12-29 21:15 | 時の移ろい | Comments(0)


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