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役に立たない法律

福岡で酒に酔って橋の上で追突事故を起こし、幼い3人の命を奪った
事件の被告に福岡地裁の判決が下った。
当初、危険運転致死傷罪の適用と思われていたが、途中から雲行きが
怪しくなったな、と思ったら案の定業務上過失致死傷罪の適用であった。

25年が7年ですか。
「う~ん、納得し難いなぁ」
げに裁判所の判断は厳密ではあるのかもしれないが、
何故か「木を見て森を見ず」の心境になってしまう。
裁判官の厳密ではあっても、結果的に被告に寛容な判断が、
逆に遺族を苦しめてしまう結果を招くのではないか、と心配になる。

そもそも「危険運転致死傷罪」とは。
同罪は
①飲酒などの影響で正常運転が困難な状態で走行
②制御困難な高速走行
③赤信号をことさら無視した高速走行
を故意に行った場合に適用される、とある。
どうして故意と限定してあるんだろうか。
「故意に行った」じゃなくて単に「行った」じゃないのか。
過失であったって、「危険運転」は「危険運転」じゃないか。

飲酒運転や危険運転に対する世間の目も厳しなってきたのに、
不幸にもそのような事態が発生しても適用しにくい法律なんて、
一体存在意義があるというのだろうか。
役に立たない法律なんて、絵に描いた餅のようなもの。

あの時、母親が必死に水に潜っては幼子を一人ずつ2人まで
助け上げた(結局死亡)ことを忘れる訳にはいかない。
その時被告は救助すらせずに現場から逃亡し、
友人に水を持ってきてもらい、大量の水を飲んで証拠隠滅を
図っている。この落差がより被告に対して厳しい眼差しと
なっているのかもしれない。
by capricciosam | 2008-01-09 00:01 | 時の移ろい


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