アース@映画

一年ほど前「不都合な真実」を観て母なる地球の「温暖化」という
環境悪化に衝撃を受けた。あの映画をきっかけに世界的にも
「地球温暖化」への関心は急速に高まったのだろう。
それからほぼ一年経ち、「アース」という名のこの映画が公開された。

BBCの数多くのフォトグラファーが地球のあちこちで営まれている
生態を驚異のカメラワークで映し出していく。
「どうしてこんな映像が撮影できたのか!?」
というような場面が次々にスクリーンに映し出される。
圧倒。

<以下ネタバレ的内容ですので、ご注意ください>

ランダムに展開するようだが、
北極から1100kmにいる北極グマの親子から始まって
「北極から1900km」のツンドラ地帯
「北極から2600km」のタイガ地帯…
と南下していきながら、その地点での動物の営みを映し出していく。
とうとう南極に至り、最後はもう一度、泳いでいる北極グマを映し出し、
「このままの状態では2030年には北極グマが絶滅する」
「今ならまだ間に合う」
というナレーションが流れてこの映画は終わる。

映像の迫力、美しさは圧倒的、しかし何故か全体の印象は散漫。
「何故なんだろう」
動物の生存を賭けた営み、動物の親子の情といった、
従来からある野生動物のドキュメンタリー映像としての印象は
強く残ったが、地球を取り巻く環境悪化が共通の認識として
醸成されつつある今、「地球」そのものを取り上げたタイミング
からいって、地球温暖化という危機感をテーマとして一貫させたのか、
というとその印象は薄い。
最初と最後の部分では温暖化による解氷現象が北極グマの生存を
脅かしていることに触れてはいるが、それ以外の場面での訴えかけが
弱い(というか感じられない)ため、唐突なつけたし的印象を残して
締めくくったような印象しか残らなかったためではないか。

まあ、今の地球で営まれているこれらの映像も、このまま地球温暖化
が進行すると、うん十年後には貴重な記録になりかねない訳だから
「警告」としての意味はあるとは思うが、如何せん映像にもそのような視点
をあまり感じず、編集もうまくいってなかったようで、やや肩すかし。
まあ、そういうメッセージ性の薄さも、逆に迫力ある美しい映像を観る
上では妨げにならないのかも知れません。
ある意味、ごちゃごちゃ理屈をこねずに、素直にこの地上での営みを
受け止めて、「これが無くなったらイヤだな」と思ってもらうだけでも
意義は十分あるのかもしれない。
しかし、北極グマがあと20年程度で死滅するかもしれないなんて…
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by capricciosam | 2008-01-14 16:38 | 映画 | Comments(8)
Commented by kossy at 2008-01-14 23:01 x
編集という点では、せっかく地球縦断しているんだからヘリに乗って本当に縦断しているような効果も作れたはず。
なんだかあちこちに飛んでしまって、よくわかりませんでした。
Commented by capricciosam at 2008-01-15 06:31
>kossyさん、コメントありがとうございます。
>あちこちに飛んでしまって
地球規模で撮影しているのをダイジェスト編集で見せようというのですから、盛りだくさんになりがちなのはやむを得ないこと。だからこそ、編集の力、編集方針のようなものが鍵になるのでしょうね。
Commented by chankin1 at 2008-01-16 18:09
アースを見られたんですね^^
最近、映画とはずいぶんとご無沙汰してます。

この映画は訴えたい事が弱くなってしまっているのでしょうか?だとしたら、おっしゃるように理屈はいらなかったかも知れませんね〜(^_^;)
Commented by capricciosam at 2008-01-16 22:31
>chankin1さん、コメントありがとうございます。
>訴えたい事が弱くなってしまっている
地上で展開される動物たちの営みが温暖化で危機にさらされている、という視点、主張が一貫して感じられないまま、映像が流れていったかのような印象でした。残念ながら、私にはどっちつかずの中途半端な感じは否めませんでした。
Commented by aiden301 at 2008-01-17 00:54
こんにちは。
アース、ご覧になったのですね!。
ネタバレ以下は読んでいないのですが(笑)、私も観に行きたいと思っています!。^^
Commented by むぎ at 2008-01-17 13:00 x
私も行ってきました。
なので、こちらの記事もネタバレ以下は今日、ゆっくり読ませていただきました。
確かにこの映画から地球環境云々のメッセージを受け取ろうと思うと、中途半端には思います。

>ごちゃごちゃ理屈をこねずに、素直にこの地上での営みを受け止めて、「これが無くなったらイヤだな」と思ってもらう
子供たちもたくさん観に来ていたので、そんなふうに思って環境に興味を持ってほしいと、私も思いました。

Commented by capricciosam at 2008-01-17 21:58
>aiden301さん、コメントありがとうございます。
>ネタバレ以下
は全くの私見です。野生生物のドキュメントとしては一級であるとは思うのですが…。この作品も賛否が分かれる傾向があるようです。
Commented by capricciosam at 2008-01-17 22:12
>むぎさん、TB&コメントありがとうございます。
>環境に興味を持ってほしい
あっさり捉えれば映画の中でいとおしいと感じられた野生生物が住む環境への関心を高めるための啓蒙的意味はあるとは思いますね。
後ほど記事のほうにもお邪魔します。


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