ぶっちぎり落語会@栗山Eki2008

生まれてこの方、落語の実演は一回しか聞いたことがない。
その一回も子供の頃住んでいた田舎で行われたNHKラジオの寄席番組
の公開放送にいったぐらいだから、遠い記憶の彼方に行ってしまっている。
ほぼ未体験と同義と言っても過言ではない。
まあ、全国でも寄席はどのくらいあるのか知らないが、
そんなにあるとは思えないので、実際に落語をきく、という行為を
経験している人は案外少ないのではないか、と思っている。
私も小さい頃から落語はもっぱらTVで親しんできた。
最近はそういう番組も減って、今じゃ「笑点」ぐらいしか思い浮かばない。
その「笑点」も最近はメンバーに世代交代がみられ、中でも
春風亭昇太の明快で切れのある語りには惹かれていた。
今回も春風亭昇太目当てにちょいと遠出ではあったが出かけた。

さて、そんな昇太師匠ですが、今夜の本編は「時そば」
おなじみの古典中の古典。
まず、なんと言っても利口な兄貴とおろかな弟分との会話における
両者の違いが語りの中で明確になっており、時々混ぜる少々伝法な
口のききかたも小気味よい。
錯覚を活かす場面の間のうまさ。一方、形だけまねて、失敗してしまう
弟分の間の悪さ。きっちり描き分けられていて申し分なし。
わずか10分ちょっとの古典であったが、力の片鱗を披露してくれた。

落語によくでてくる利口なナントカと間抜けなナントカの頓珍漢なやりとりは
昇太の前に登場した春風亭昇吉(昇太の弟子)と林家たこ平(正蔵の弟子)
も取り上げていた。開口一番で登場した昇吉は「子ほめ?」をそつなく
演じていたが、語りがやや早口で、まだ登場人物が活き活きとしてくるには
至っていない。次のたこ平はまくらも忘れたようで、いきなり泥棒の親分
子分の話に入ったが、その他の登場人物も含め描き分けというのか、
メリハリというのか、終始笑いが不発で、くすぶった感じで話しが終わって
しまったのは残念。

とりに登場した正蔵師匠は、父親が読んでる「龍馬がゆく」を息子が
無断で持ち出して学校に持っていき、読書の時間で読むはめになったが、
実は中味はポルノ小説だったから、さあ大変、という20分余りのお話を
しましたが、これが実におかしい。想像して笑わせる、という話芸の見本
のようなもので、創作なのでしょうが、きちんと本筋は押さえてあると
感じました。どうも「こぶ平」のイメージが強すぎて、軽くみていましたが、
地元ネタを即興で取り入れて会場をくすぐったりして、オーソドックスでは
あるがツボは押さえてあるという点には感心しきりでした。

昇吉が10分、たこ平が20分、昇太が40分、正蔵が30分。
25分あまりの昇太のまくらが、また笑いっぱなし。
一方の正蔵のまくらは10分。これはまくらの途中で前列にいたお客がひとり
立ち上がって会場を去ったことで中断したようで、ライブの雰囲気というのは
実に微妙なものだ、と改めて感じた。
また、昇太までは客席も明るかったのですが、正蔵の時は暗くするなど
雰囲気を変えていました。あれは演じる側の注文なんでしょうか。
当初予定していた休憩もなかったのですが、楽しいひとときでした。
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<2.2追記>
正蔵の落語は「読書の時間」。有名なのかな…
ググってみると、お二人のぶっちぎり落語会は、昨年道内では
7/9北斗市、10/24根室市、11/1置戸町で開催されていました。
結構いらっしゃっていたんですね。

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by capricciosam | 2008-01-30 23:38 | 舞台 | Comments(0)


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