歓喜の歌@映画

先日落語をきいたばかりで、今度は落語が原作の映画。
これも何かの縁。

<以下ネタバレ的内容がありますのでご注意ください>

原作は立川志の輔さんの新作落語「歓喜の歌」
これはどんな落語なのか想像もつきませんが、無責任な主人公が
心にスイッチが入るきっかけが、「ギヨーザ」。
中国産毒入りギョーザで世情喧しいこの時期に、よりによって
なんとも絶妙なタイミング、とひとり受けていました。
(食の安心・安全に反するこの騒ぎ、どこまで広がるのか…)

最初に気になった点を、
・歓喜の歌の伴奏はピアノ一台なのに、終始オケの伴奏で歌うのは?
・合唱が歌い終わっても数小節指揮していたけど、合唱用なら蛇足では?
 もっとも日本合唱連盟監修となっていたので、これはアリなのかな…
もっと根本的なつっこみとなると、
・12/31の夜の発表会なんて設定自体が無理があるのでは?
 第一、公共の施設なら年末年始の休館時期になっているはずでは
 第二、おおみそかに発表会やっていられるほど主婦はヒマか
 第三、かき入れ時に美容師や鮮魚売り場のパートが休めるか
     第二、第三については出席しやすいような時期を設定するはず
・文化会館のステージ工事が一主任の権限で可能なのか?
・日程は電話だけで受け付けないで、使用申し込み書に書かせて
 ダブルブッキングがおきないようにチェックしているはずでは?

見終わって少々疑問に感じた点を羅列してみた。
ストーリー途中での飛躍はあまり感じないものの、
やはりこまかな点では気になるところが結構ある。
これらの点も、落語で聞けば、想像して聞いているので、
大して気にならないことなのだろうが、いったん映像化されてしまうと、
いやでも細部が目にとびこんでくるので、いたしかたないことなのか。
でも、全体としてみれば主役の小林薫のゆるゆるムードが、
映画自体のペースメーカーとなって、最後にはほんわかとした
ペーソスを感じさせる仕上がりとなっている。
大笑いではなく、くすっの連続で、作り方として露骨に狙って作っている
感じも、押しつけがましさも感じない、程よい仕上がり具合だ。
この「ゆるゆる」「ほんわか」だが、中途半端ととる人もあるだろうから、
評価は分かれる点だと思うが、こういうタッチは嫌いじゃないなぁ…

合唱経験のある身としては、歌い終わった後の充足感はともかく、
合唱団がステージに立つ際の緊張感や怖さが、もう少しあっても
良かったのかな、と思う。特に、みたま町コーラスガールズは
第一回演奏会としている上に、メンバーの北京飯店の主婦を他よりも
詳しく描いている点から、その延長上で活かせたのでは、と感じた。
合同発表の条件で、レディースがガールズの実力を見せてもらう
という点も見下した目線で少々「?」だったけれど、その中で
ソロを歌った方は中々うまかったなぁ。ゴスペル?ミュージカル?
うまいと言えば、由紀さおり、安田祥子姉妹。
持ち歌の「トルコ行進曲」やお姉さんがさりげなくメンバーにはいっていたり…
歌といえば、最後の「あの鐘を鳴らすのはあなた」
あの象徴的な歌詞と相まって、クレージーケンバンド聴かせます。

最後に蛇足ですが、
公開時期を第九がさかんに歌われる年末にしなかったのは、
作業上なのか、考えあってのことなのか、ちょいと気になりました。
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by capricciosam | 2008-02-02 23:49 | 映画 | Comments(2)
Commented by むぎ at 2008-02-14 19:58 x
私も今日、観てきました。
確かに突っ込みどころ満載でしたね。

ご指摘になった疑問点は、すべてその通りと私も思います。
特にピアノ伴奏のはずなのに、オケの音が聞こえていたのはとても不思議でした。
あと、安田成美の指揮も「あの指揮じゃ、こういう歌い方はできんよ」という指揮でしたしね・・・

というようなことにはとりあえず目をつぶって、見終わった後味は悪くなかったです。

落語ではどんなふうに語られているのか、ちょっと興味がわきました。
Commented by capricciosam at 2008-02-15 00:51
>むぎさん、コメントありがとうございます。
>見終わった後味は悪くなかったです
おっしゃるとおりで、あらを探せばすぐみつかるのですが、最終的に「じゃあ、どうだったの?」と来られると、やはりなんとも悪くないんですね。やはり、原作の筋立てのうまさが映画でも活かされているせいなんでしょうか。私も機会があれば、原作を聴いてみたいですね。


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