マタイ受難曲★聖トーマス教会合唱団@Kitara

J・S・バッハゆかりの本家本元の8年ぶりの来札マタイ全曲演奏会。

私のマタイ受難曲体験としては8年前がはじめてで、昨年の道内
アマチュアによる演奏会が2回目なので、今回で3回目となる。
どうにも不思議なのだが、聴くたびに、この曲の持つ「長大さ」が
私の中では段々なりをひそめていくような気分に襲われる。
決して理解が深まったなどというレベルには依然ないのだが、
曲の核を為す「マタイによる福音書」のキリストの受難に関する筋を
より楽に追いかけながら聴くことができるようになってきたからなのか、
と思っている。まあ、ストーリー性のある曲故、筋に親しんだ、慣れた、
のようなものか。(今回もステージ両端には電光による字幕装置が
設置されていたが、これは理解を助けてくれ、良かった)

さて、オケは少人数ながら、必要にして十分なボリュームで
明るめの音色を紡いでいく。それに古楽器が落ち着きを与えて、
物語を味わう手助けとなっている。
また、落ち着きと言えば、前回はやや早足気味に進んだような印象の
テンポも落ち着きを取り戻したことも貢献しているのかもしれない。
これはカントールのビラーの8年の内面の軌跡のせいなのか。
まあ、何れにせよ歓迎。

また、ソリストのうち8年前と同じだったのは男性パートの3人。
中でも、福音史家のM・ペッツォルトの安定した歌いっぷりは見事。
ただし、絶叫気味になると声が裏返ったように聞こえたのは「?」。
有名なアルトのアリアも、前回はせかせかと終わり、がっかりした
ものだったが、今回はコンマスも変わったせいか先を急がず、
たっぷりとした節回しでアルトを支えていた。
アルトはもう少し声に余裕があればなお良し、だったんですが
これは欲張りというものでしょう。

少年合唱は5,6歳ぐらいから17,18歳ぐらいまでなんだろうか。
彼らのよく統一のとれた若々しい歌声が、実に効果的。
改めて、よく訓練されているなあ~、と感心。
もっとも、第2部では集中力を欠いて、出だしが揃わぬ場面も
ちらほらしたが、長丁場故無理もないことです。

演奏終了後、指揮者が腕を降ろす前に拍手が始まった。
ビラー氏は数秒そのままの姿勢でいたが、あれは余韻をぶちこし、
残念なこと。拍手はなにも急ぐ必要はないのに…。

終わってみれば、8年前以上に好印象が残った演奏会であった。
8年前は札幌では25年ぶりとあって満席だったが、今回は
7~8割といったところか。
しかし、会場からの拍手は熱く、スタンディングも見られ、
なかなか終わらなかったことを付け加えておきましょう。
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by capricciosam | 2008-03-02 21:11 | 音楽 | Comments(0)


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