ジャガイモの世界史@中公新書

ここ数日は北海道も連日の雨でしたが、本州では
洪水被害が頻発したようです。
被害に会われた方にはお見舞い申し上げます。

昔から集中豪雨はあったのですが、どうも近年のは
性格が異なっているような気がしてなりません。
適当な言葉が見つからないのですが、あえて言うなら
「突発的」「暴力的」という表現が近いのかもしれません。
先日の東京での下水道工事での突然の大水のような例です。

北海道では台風が直撃するなんてめったにありませんでした。
大抵は、接近とともに温帯低気圧化して、勢力も弱まり
大した被害もなかったのですが、近年は直撃したり、
勢力を保って接近する傾向にあります。
これまでの経験則では予測がつかず、被害が発生しがちです。
つまり、温帯での気象条件で経験的に蓄積した防災対策が
役に立たない恐れがあるのではないか、ということです。
むしろ亜熱帯化や熱帯化しているという意識に切り替える必要が
あるのではないでしょうか。
熱帯化への移行も地球温暖化の影響なのでしょうが…

さて、こんな記事を目にしました。

米農務省は28日、2008年の米国の農家所得が前年より
10・3%増加し、957億ドル(約10兆4000億円)と
過去最高になるとの見通しを発表した。
世界的な穀物価格高騰の「恩恵」を受けた形だ。
                  (以上、読売新聞より)

バイオ燃料ブームによるトウモロコシ等の穀物価格の上昇である
ことは明らかですが、お陰で日本では食品価格の値上げです。
もちろん、この一因は原油価格の上昇もありますが、世界中で
飢えている人が大勢いる中、地球温暖化阻止効果に賛否がある
バイオ燃料に食糧を投入する必要があるのか、疑問に思います。
食糧自給率40%以下の日本にいるからこそ、よけいそう思います。
一旦、世界的食糧危機が発生したらと想像するだに恐ろしいことです。

食糧危機といえば、有史以来何度も飢饉に見舞われている訳ですが、
その度に救荒作物として登場する有名な作物は「ジャガイモ」です。
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先日読んだ写真の本はジャガイモにまつわる様々なエピソードを
ランダムに紹介しつつ、史上果たした役割の重要さを
浮かび上がらせていく、興味深い本でした。
例えば、1991年ゴルバチョフ大統領時代のクーデター未遂にも
ジャガイモが関連していたり、チェ・ゲバラが捕らえられたのは
ジャガイモ畑だったなんてことも紹介されています。

結局、「貧者のパン」たるジャガイモが史実に登場するのは、
異常な時代、即ち庶民にとっては苦難の時代であったということです。
なにしろ、食糧の確保が難しいのですから、生きていくのがやっと、
という時代が庶民にとって良い時代な訳はありません。

今は温暖化にともない、従来の農業生産を持続できるのかどうか、
という難しい時代に突入していることは間違いないでしょう。
ひょとしたら、有史以来何度目かの「異常な時代」の到来がある、
のかもしれません(来て欲しくないけど…)。

その時は「ジャガイモだ」と私も思わなくもないのですが、
史実の救荒作物であった当時は「冷害」。
今直面しつつあるのは「温暖化(というより高温化)」。
元来冷涼を好む故、温暖化に直面して実力を発揮できるのか、
と一抹の疑問がわかない訳ではありません。 
そうしたらイモはイモでもサツマイモだったり、
タロイモだったりするのかな、とつい余計なことまで考えてしまいます。
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by capricciosam | 2008-08-30 12:05 | 読書 | Comments(0)


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