カテゴリ:音楽( 314 )

PMFオーケストラ・プログラムB@Kitara2017

【プログラム】

1 リスト 交響詩「レ・プレリュード」
2 ドビュッシー 管弦楽のための『映像』から「イベリア」
3 R.シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」
4 バルトーク 管弦楽のための協奏曲

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by capricciosam | 2017-07-22 23:58 | 音楽 | Comments(0)

PMFオーケストラ・プログラムA@Kitara2017

【プログラム】

1 ベルリオーズ 序曲「海賊」
2 細川俊夫 夢を織る
3 ラヴェル バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第1部~第3部

今夏初のPMF。
準・メルクルさんの指揮は2015年のプログラムA以来ですが、
いつ登場しても安定した指揮でPMFオーケストラをコントロールされていて
実に上手い。今回も首席指揮者に決まった時から楽しみにしていました。

1からPMFオーケストラが俊敏に反応する。
特に弦楽パートのアンサンブルは見事で、今夏のPMF生のレベルに期待は高まる。
この曲での指導陣参加はティパニのライナー・ゼーガスさんのみ。

2を作曲した細川俊夫さんは2006年にレジデント・コンポーザーとして
PMFに参加されている(未聴)。
2は冒頭から繊細な音が持続されていき、次々に多様な音が重なって様々な感情を
インスパイアされる。全てを包み込んで、その中で漂っているような感情が
湧いてくる不思議な作品だった。PMF生のみで演奏。

今年は平日のPMFベルリンやPMFウィーンの演奏会に行けなかったので
休憩後の3は彼らが加わるので楽しみにしていました。
普段よく耳にするのは第3部からなる第二組曲ですが、今回は全曲。
実演は初めてだけに楽しみ。

「大編成のオーケストラを駆使し、多彩な音色で繊細な光彩までを再現した
挑戦的な作品」(PMF BOOK P.45より引用)

メルクルさんの迷いのない指揮と首席に陣取った指導陣のソロに聞きほれている
うちに時間の経つのが早い、早い。臨時編成オケとは到底思えぬ出来栄え。
改めてこの作品の魅力を教えてもらった気分になりました。好演。
しかし、指揮台の隅から隅まで駆使してエネルギッシュな指揮するメルクルさんは
こういう色彩感のある作品にはうってつけですね。

2日目公演。
PMFヨーロッパの指導者たちが最後となるため終演時にはPMF生と挨拶を交わす姿が。
6~7割の入りか。良い演奏だけに空席がもったいなかった。
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by capricciosam | 2017-07-16 22:32 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第601回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
e パガニーニ 24の奇想曲より第24番
2 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調

神尾さんのソロは2004年BBCフィルとのメンデルゾーンから始まり、2回目は
2009年札響定期とのブラームスだった。その間の着実な進化には驚くというより、
彼女なら当たり前じゃないかという感が残ったものだ。その位、彼女のポテンシャルの
高さには将来への期待を抱かせるものが感じられたということだ。
それから8年ぶりに聴く訳だが、チャイコフスキー・コンクールの覇者だけに、
1はある程度の期待はあったものの、ものの見事に圧倒されてしまった。これ程とは。
冒頭から芯のある力強い独奏がフィナーレまで持続し、しかもさらなる表現の深さが
感じられ、期待以上の高水準。いやはや、彼女は凄いな。
どこまで深まり、どのくらいの高みに到達するのだろうか。楽しみだ。
会場も湧きに沸き、アンコールを一曲。
このパガニーニの超絶技巧に、さらに会場が沸いたのは言うまでもない。

Kitara開館20周年を祝してこけら落とし演奏会の指揮を務められたのが秋山和慶さん。
1988年~1998年には札響の首席指揮者を務められていたが、
当時は札幌を離れていたため、実演で接することはなかったので、
秋山さんが札響を指揮される演奏会を聴くのは、実は今回が初めて。
秋山さんの指揮は身体全体をダイナミックに駆使しながらも、表情に現れる様子が
あまり感じられず、クールに燃えているような印象が残った。
そして、その冷静な棒さばきから、焦らず、丁寧に曲の細部を明らかにするような演奏を
札響から引き出し、見事なクライマックスを築く。練達の腕前はさすがだった。

今シーズン定期演奏会では一二を争う鉄板プログラムだったが、
内容も濃く、満足度の高い演奏会だった。
昼公演。空席も目立たず、ほぼ満席。
また、第2ヴァイオリン首席奏者の大森潤子さんが退団されるので
コンマスの大平さんより花束が贈られる。11年間お疲れ様でした。

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by capricciosam | 2017-07-08 23:54 | 音楽 | Comments(0)

ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団@KItara2017

【プログラム】

1 コネソン フラメンシュリフト(炎の言葉)
2 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」
e リスト 巡礼の年「ヴェネツィアとナポリ」(第2年補遺) カンツォーネ
3 ドビュッシー 交響詩「海」
4 ラヴェル ボレロ
e ビゼー 「アルルの女」より ファランドール

訪日するオーケストラの中でもベルギーは珍しいと思うのだが、実演に接するのは
今回で2回目となる。1回目は2005年のロイヤル・フランダース・フィルだった。
この時は指揮が古楽の鬼才と言われたフィリップ・ヘレヴェッヘで、指揮者目当てで
足を運んだのだが、オケの技量も高く感じられず、かつ中途半端な感じの演奏で、
国内オケを聴いてるほうがましと思うくらい、がっかり感が残ったものだった。

そんな前例があったので今回もオケ自体には少々懐疑的だったが、
指揮者のステファヌ・ドゥネーブ(以下「ドゥネーブさん」という。)が
フィラデルフィア管弦楽団の首席客演指揮者ということから興味が湧いて聴きに行った。
(来札前の日本ツァー中にセントルイス交響楽団の音楽監督就任が発表された)
オケはロイヤル・フランダース・フィルより数段上手く、バランスの良い響きだった。

1は作品として何やらつかみどころがないまま終わってしまった感じだ。
拍手に応えてドゥネーブさんが楽譜を持ち上げていた。

2はオケと対峙するはずのソリストの響きが総体的に弱く、時にはオケに埋没している
ようで楽しめずに終わった。

3は5月札響定期でホリガーさんの手で目の覚めるような演奏を聴いたばかりだったが、
それにもっと艶やかさを加えたような響きは魅力的だった。

4は終わると大ホールも拍手喝采だった。うまくまとめてあったとは思うものの、
個人的には出だしの小太鼓の素気なさが興を削ぎ、終わるまで回復することはなかった。
もっとニュアンスに富んだ小太鼓は札響で聴いている。

ドゥネーブさんが挨拶した時に結構日本語がなめらかだったが、
配布されたパンフレットを見ると17歳の時サイトウ・キネン・フェステイバルで
小澤さんのアシスタントを務めた経験があるんだね。
LAブロック、RAブロックのPブロック寄りの約半分とPブロックのパイプオルガンの
両サイドを販売しない変則的なスタイルだった。客入りは8割程度か。


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by capricciosam | 2017-06-20 23:57 | 音楽 | Comments(0)

小曾根真&ゲイリー・バートン@神奈川県立音楽堂2017

「こんばんわ」

定刻になり開演を待つ客席に突如最後方から少し外国語訛りの大きな声。
振り返ると、ステージに向かって右側通路にゲイリー・バートン、
左側側通路に小曽根さんがともにゆっくりとした足取りでステージに向かって
下りてくるのが見えた。こりゃ、いきな演出だね。
お二人がマイクを持って挨拶。
以降小曽根さんがMCを努めてコンサートが進んでいきます。


終演後公開されていたセットリスト。

1 Bud Powell/Chick Corea
2 Why'd you do it?/John Scofield
3 Eiderdown/Steve Swallow
4 Remembering Tano/Gary Burton
5 Time Thread(for Bill Evans)/Makoto Ozone
6 Opus half?Benny Goodman
<休憩>
7 Le Tombeau de Couperin/Maurice Ravel
8 Sonata K.20/Domnico Scarlatti
9 Brasilia/Chick Corea
10 O Grande Amor/A.C.Jobin
11 In your Quiet Place/Keith Jarett
12 Times Like These/Makoto Ozone
e Bags Groove/Milt Jackson


2~ゲイリー・バートン・カルテットのメンバーの作品
3~同上、ベーシストの作品

5~小曽根さんはオスカー・ピーターソンにあこがれて、とにかく速く弾きたかった。
ある時パーティーの演奏に代役で出演したら、速く弾くわけにいかないので
ゆっくりと弾いていたら、後ろに立ってじっと見ている人がいたんですね。
それがゲイリーだった。そして一言。
「なんだ、弾けるじゃないか」(笑)
ゲイリーは次々にこれを演奏してみろと言ってきたが、難しいんですね。
特に衝撃を受けたのがビル・エヴァンス。
どうしても弾けなくて、30年経ってようやく書けた作品です

6~小曽根さんが父親から教えてもらい、それをゲイリーに伝えた作品
8~スカルラッティはソナタを50番も書いたそうですが、その20番目
10~9はブラジリアという割にはブラジルらしくないので、ブラジルの作品を

11~昔ゲイリーはコンサートではソロを一曲演奏していたんですが、最近はやってない。
僕もみたことがないんです、そこでゲイリーのソロを。
小曽根さんは最前列に腰を下ろして聴いていました。

12~ゲイリーに2曲作ってくれと言われたが、自宅にピアノがなかったので
なかなか作れないでいた。あるときピアノのあるゲイリーの自宅に呼ばれて
「買い物に出かけてくる、帰るまで2時間かかる、それまでに2曲作っておいてくれ」
と言われた。お見通しだったんですね、その時の一曲です。

アンコール前には最前列の人たちと一人一人握手!
e~ゲイリーはミルト・ジャクソンと二人でヨーロッパツアーをしたんですね。
という訳で最後にミルト・ジャクソンの曲を

MCは小曽根さんが努め、客席に話した内容をゲイリーに通訳するスタイルでした。
時々はゲイリーもマイクを持って話すこともあったのですが、ゲイリーの話の途中や
話を終えた途端に反応する客席に少々驚く。
つまり会話程度なら大丈夫のお客が多かったということなんだろうが、
これはジャズだから?それとも横浜だから?

アンコールを終えると会場総立ちでしたが、気分良く楽しめましたね。
会場は1000人規模の歴史ある建物でしたが、よく手入れされているようで快適でした。
会場へは桜木町駅から歩いたのですが、紅葉坂は急坂でしたね。

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by capricciosam | 2017-06-13 23:54 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第599回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 シューマン ミサ・サクラ ハ短調
2 マーラー アダージェット~交響曲第5番より
3 マーラー 夕映えのなかで~無伴奏合唱のための
4 ドビュッシー 海~3つの交響的素描

シューマンの宗教曲では「レクイエム」は聴いていたが、1は初めて。
というよりもシューマンの宗教曲自体があまりなじみがない。
札響も今回が初演となる。

「シューマンは早くからルネッサンス時代やバロック時代の宗教音楽に興味を持ち
研究を重ねていたが、そうした伝統を踏まえながら、シューマン独特のロマン的な
和声をふんだんに駆使しているのが大きな特徴と言えるだろう。」
(公演パンフから引用)

この作品は全6楽章からなる約45分の大曲だが、確かに親しみやすいと感じた。
それ以上に、今回初来日したラトヴィア放送合唱団(以下「LRC」という。)の
ハーモニーの高さが第1曲「キリエ」から横溢しており、ついに飽きることなく
聞きとおすことができたのは彼らの比重が高かったと言っても過言ではないだろう。

「合唱王国ラトヴィアのトップ合唱団が初来日。ラトヴィア人にとって合唱は身近
かつ大きな存在だ。1873年から5年に1度開かれている国家行事「歌と踊りの祭典」は
1990年の東欧革命でも大きな役割を果たし、バルト三国の同様の行事のひとつとして
ユネスコ無形文化遺産に登録された。言ってみれば日本の「和食」にあたるのが
「合唱」というお国柄。当然水準は高い。その頂点が1940年創設の
「ラトヴィア放送合唱団」だ。男女12人ずつ24人からなるプロ室内合唱団で、
高度なハーモニーの純正さを保ったうえで、ときに大胆にその魂を歌い上げるような
スタイルは感動的。日本の多くの合唱ファンにも熱狂的に受け入れられるはずだ。」
(月刊「ぶらあぼ」より引用)

盛大な拍手にホリガーさんが楽譜を両手で高く掲げるのが印象的。
さらに、鳴りやまない拍手を中断してホリガーさんが英語で挨拶。
聞き取れた中では「first audience」「in Japan」とあったことから、
今回のLRC初来日での初めての聴衆となったらしい。なんと名誉なことよ。


この一曲だけでも足を運んだ価値があったというものだが、
驚きはこれだけにとどまらなかった。

2で札響とLRCが一緒にステージに登場し、LRCは着席。
まず、マーラー交響曲第5番の有名な「アダージェット」が単独で札響の弦楽パートと
ハープだけで演奏される。これだけでも十分なのだが、曲の終盤でLRCが立ち上がり、
スタンバイする。曲を終えてもホリガーさんは腕を下ろさず、引き続きホリガーさんの
指揮でLRCが3を無伴奏で歌いだす。
クリュトゥス・ゴットヴァルトが16声の合唱曲にアレンジした「夕映えのなかで」だ。
ちょうど、前回来演した時のシューベルトの「アンダンテ」と「未完成」をひとつの
作品として聴かせてくれたのと同じ趣と言ってよいだろう。


驚くべきことに、まるで楽器が鳴っているようだ。
一体どこで息継ぎしているの? 本当に発声しているの?
とても人の声とは思えぬ高度に洗練されたハーモニーが大ホールを満たし、圧倒。
鳥肌が立った。安易に使うべきではないと思うが「完璧」という言葉しか見つからない。
前代未聞の場に立ち会えた幸福感が襲ってくる。
本公演の白眉。というか、生涯に渡って忘れられないもののひとつだろう。

ブラボーが飛び、鳴りやまない盛大な拍手が続き、ついにLRCが再び登壇する事態に。
アンコールはなかったが、機会があるなら、ぜひもう一度聞きたいものだ。

4では指揮者ホリガーが絶好調。
色彩豊かなこの作品の真価に初めて触れた味わいが残った。札響も健闘。
改めてホリガーさんの才人ぶりに舌を巻く。

夜公演。7~8割の入りか。空席が実にもったいなかった。
録音はされていたが、放送用か。

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by capricciosam | 2017-05-19 23:56 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第598回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲
e ラヴィ・シャンカール作曲 「ラーガー・ピールー」にもとづく即興演奏
2 ホルスト 組曲「惑星」


近年評価の高まっているコルンゴルトだが、1は札響も20年以上ぶりらしい。
ハイフェッツ盤で予習していたが、作品自体が良いとこどりの寄せ集めのような感じで、
ソリストの技巧の高さを聴くような印象が強い作品だなと感じていた。
実際、ソリストのダニエル・ホープも高い技巧で圧倒していた。
拍手に応えたアンコールも何やら珍しい作品だな、と思ったら即興演奏とはね。
確かに「インプロビゼーション」とは聞きとれたけど。


2の「惑星」を生演奏で全曲を聴くのは今回が初めてだった。
札響も20年ぶり4回目とのことだから、今回は希少な機会だった訳だが、
編成も大きく、女声コーラスも必要となればやむを得ないか。


広上さんは第1曲「火星」から札響を鳴らす、鳴らす。
曲が進むにつれ、緩急強弱自在にオケをあやつり、メリハリのある演奏で
楽しくなり自然に顔がほころんでいた。

本作品は作曲当時知られていた地球以外の7つの惑星に標題をつけた組曲だが、
実を言うとCDでは「火星」から順に聴いても聴きどころの第4曲「木星」が
終わるとそれ程注目せずに聞き流すことが多かった。
しかし、今回は意外にも第5曲「土星」、第6曲「天王星」、第7曲「海王星」が
俄然興味深かった。土星の沈鬱な音の移ろい、「魔術師」と副題のついた天王星の
変化自在ぶり。中でも打楽器(首席奏者、副首席奏者ともにブラボー!)が光る。
海王星での札響合唱団女声コーラスの健闘。
やはりこれはライブの力だと思う。これだから生演奏は止められない。
終演後会場からも惜しみない拍手が送られていた。


盛大な拍手に応えて広上さんが、概ね次のような挨拶を最後にされました。

「アンコール曲はありません(笑)。札響とのつきあいは20年以上になります。
今回客演指揮者のお話をいただいた時、単なる客演ではなく友情をつけたのは
札響の活動が広く札幌に、北海道に広まっていくお手伝いをしたいという気持ちを
表したくてつけてもらいました。ここ数年札響を振っていて、世界に通用するだけの力を
つけてきていると感じています。これからも、札響をよろしくお願いいたします(拍手)。」


「友情客演指揮者」を初めて聴いた時は「?」と思いましたが、この挨拶で疑問も氷解。
広上さんには今後もぜひ継続して登場してもらいたいものです。


夜公演。8~9割の入りか。
録音していたが、放送用か。

<蛇足>
余談だが、1でソリストも引っ込み休憩に入る時に、札響のお二人のコンマスが
立ち上がって彼の持ち込んだタブレット型楽譜の画面をのぞき込んでいた。
理由はわからないが、これだけタブレットが普及してくると、
紙の楽譜が当たり前じゃない時代が迫っているんでしょうかね?

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by capricciosam | 2017-05-13 11:27 | 音楽 | Comments(0)

「バベルの塔」展プレ・コンサートvol.2@東京都美術館

帰りの飛行機まで時間があったので、当日券で聴いてきました。
「東京・春・音楽祭2017」の演奏会のひとつで、東京都美術館で開催される
「バベルの塔」展にちなみ、作者ブリューゲルが生きていた時代の音楽を
演奏するというものです。
出演は、永田平八(リュート)、吉澤実(リコーダー)のお二人です。
リュートとリコーダーというシンプルな構成だけに、響きや音楽自体は素朴な
ものでした。アンコールには「さくら」を。
東京の桜も満開が過ぎていましたが、まだまだ見頃十分でしたね。
MCを務めた吉澤さんのお話が楽しく約1時間の間、笑いがしょっちゅう会場で
起こっていました。肩の凝らない楽しいひとときでした。

13年目を迎えた「東京・春・音楽祭」ですが、機会があれば一度じっくり聴いて
みたいものです。

【プログラム】

1 ジョスカン・デ・プレ 千々の悲しみ
2 ジョスカン・デ・プレ コオロギは良い歌い手
3 ジョスカン・デ・プレ スカラメッラは戦いに行く
4 ジョスカン・デ・プレ(ナルバエス編) 千々の悲しみ(皇帝の歌)
5 作者不詳  グリーン・スリーブス    



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by capricciosam | 2017-05-12 23:15 | 音楽 | Comments(0)

「マタイ受難曲」★BCJ@東京オペラシティコンサートホール2017

【プログラム】

1 J.S.バッハ マタイ受難曲

昨年バッハ・コレギウム・ジャパン(以下「BCJ」という)演奏会を聴いた後の
感想記事で、「受難曲を聴かせてもらえたら嬉しいのだが」と記したが、
あの時はあくまでも札幌で、という想定だった。
しかし、BCJの今シーズンブログラムが公表されたところ、5年ぶりに
マタイ受難曲を演奏するという、しかもマタイ受難曲が初演された日の前後で。
驚くと同時に、この機を逃すな、とばかりに急きょ東京で聴くことに決めた。


今回会場で販売されていた公式パンフレットを読んだところ、
藤原一弘氏がおおよそ次のようなことを書かれていた。


「マタイ受難曲の歌詞は、紀元1世紀の「新約聖書」、ルター派協会の讃美歌
「コラール」そしてバッハと同時代に書かれた韻文「自由詩」の3層のテクスト
から構成されている。そして、この3層の歌詞に加え、2つの合唱と2つの
オーケストラという構成が、歌詞における対話と音楽における対話という形で
マタイ受難曲が上演される度に常にイエスの受難と現在を結びつける。」


つまり、3層構造の歌詞と2群編成のオーケストラの重層構造が織りなす
豊かな表現が、約2千年前のイエスの受難があたかも現在目の前で目撃している
かのような思いを聴く者の心に抱かせるということなのだろう。
何故「マタイ受難曲」が現代においても、聴くたびに新鮮に迫ってくるのか
これまで他の解説を読んでもピンとこなかった点を鮮やかに解説しており、
目から鱗が落ちる思いがした。


当夜のBCJの声楽とオケの繊細にして劇的なアンサンブルは
鈴木さんの力強いリードの下、イエスの受難をまさまざと描き切る。絶品。
こんな完成度の高い演奏を名演と呼ばずして如何にとやせん、という気分だった。
特に声楽陣の歌声には毎度のことながら感動させられる。
ソロではエヴァンゲリストのベンヤミン・ブルンスの大ホールの隅々まで届く
明瞭にして深々とした声が圧倒的で、これまで聴いたエヴァンゲリストの中では
最高の感動を残した。有名な「憐れみたまえ、わが神よ」では第Ⅰ群のコンマス
の若松夏美さんがすくっと立ち上がって弾き、ロビン・ブレイズが
よくコントロールされた歌唱を披露したが、ヴァイオリンソロも実に素敵だった。


終演後、「マタイ受難曲は当分聴かなくても十分だ。」とつぶやいたが、
実演としては今夜の感動をしばらく抱きかかえていたい、というのは本音だ。
これは東京まで足を運んで正解だった。


会場の東京オペラシティコンサートホールで聴くのは2回目となる。
1回目は約10年前。大江健三郎氏の講演と武満徹の音楽というプログラムだった。
当時の記事はこちらです。


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by capricciosam | 2017-04-21 00:11 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第597回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
2 シューベルト 交響曲第5番変ロ長調
3 ブラームス 交響曲第1番ハ短調

1の重く暗い抒情は実演で聴いた中ではこれまでで最良のものだった。

2は第1楽章冒頭から愛らしい表情を感じるのが一般的な解釈とは思うのだが、
エリシュカさんは細かく振ってやや素っ気ないテンポでずんずん進む。
そのため叙情的雰囲気を感じるヒマもなく、この曲が纏っていた虚飾を
次々はぎ取っていくようだった。
クールな解釈、クールな演奏とでも言えばよいのか。
しかし、決してこの曲の持ち味を損なっているようにも思えない。
むしろ新鮮なのだ。これは新たな発見をした気分だった。

3は名曲だけに札響の演奏回数も多く、これまでも札響含め実演に接する
機会も多かった。そのためブラームス交響曲全曲演奏の完結にこの曲を
持ってきたエリシュカさんの意気込みは相当のものがあったはずではないか。
2で示された方向性がさらに徹底していたようだ。
大きな流れよりも細部が浮き上がるという印象が強い。
そのため委細かまわず一体となって頂点を目指すような解釈とは距離を置く、
随所を明晰にしたことで浮かび上がる作品それ自体に語らせる
という印象の強いものとなった。
手垢にまみれた名曲ブラ1の新たな一面を示されたような思いがした。

独墺系の定番曲ばかりのプログラムだが、エリシュカさんの手にかかる
と新鮮だ。「眼光紙背に徹する」という言葉がある。
指揮者にあてはめるなら、楽譜を読んで作曲家の意図をくみ取り、
どれだけのものを演奏者、聞く側に提示できるかで、
この言葉にふさわしいか否か、ということが言えるのかもしれない。
エリシュカさんが札響を振ると刮目させられることが多々あったが、
今日の演奏を聴いて先ほどの言葉にふさわしい一人ではないか、
という思いが一層深まった。

弦楽器や木管の艶やかな響きは一貫していたが、金管の響きには
やや違和感が残った。特にホルンには力強さは感じたが、固さも感じた。

昼公演。空席もそれ程目立たずほぼ満席。
鳴り止まぬ拍手とブラボーに客席の満足度が現れていたと思う。

次回は「英雄」で10月定期に登場するエリシュカさん。
新たにベートーヴェンの交響曲に取り組むようです。
すでに取り上げた「第九」「田園」4番も重複して取り上げるのかな?


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by capricciosam | 2017-03-11 20:01 | 音楽 | Comments(0)