カテゴリ:音楽( 309 )

札幌交響楽団第599回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 シューマン ミサ・サクラ ハ短調
2 マーラー アダージェット~交響曲第5番より
3 マーラー 夕映えのなかで~無伴奏合唱のための
4 ドビュッシー 海~3つの交響的素描

シューマンの宗教曲では「レクイエム」は聴いていたが、1は初めて。
というよりもシューマンの宗教曲自体があまりなじみがない。
札響も今回が初演となる。

「シューマンは早くからルネッサンス時代やバロック時代の宗教音楽に興味を持ち
研究を重ねていたが、そうした伝統を踏まえながら、シューマン独特のロマン的な
和声をふんだんに駆使しているのが大きな特徴と言えるだろう。」
(公演パンフから引用)

この作品は全6楽章からなる約45分の大曲だが、確かに親しみやすいと感じた。
それ以上に、今回初来日したラトヴィア放送合唱団(以下「LRC」という。)の
ハーモニーの高さが第1曲「キリエ」から横溢しており、ついに飽きることなく
聞きとおすことができたのは彼らの比重が高かったと言っても過言ではないだろう。

「合唱王国ラトヴィアのトップ合唱団が初来日。ラトヴィア人にとって合唱は身近
かつ大きな存在だ。1873年から5年に1度開かれている国家行事「歌と踊りの祭典」は
1990年の東欧革命でも大きな役割を果たし、バルト三国の同様の行事のひとつとして
ユネスコ無形文化遺産に登録された。言ってみれば日本の「和食」にあたるのが
「合唱」というお国柄。当然水準は高い。その頂点が1940年創設の
「ラトヴィア放送合唱団」だ。男女12人ずつ24人からなるプロ室内合唱団で、
高度なハーモニーの純正さを保ったうえで、ときに大胆にその魂を歌い上げるような
スタイルは感動的。日本の多くの合唱ファンにも熱狂的に受け入れられるはずだ。」
(月刊「ぶらあぼ」より引用)

盛大な拍手にホリガーさんが楽譜を両手で高く掲げるのが印象的。
さらに、鳴りやまない拍手を中断してホリガーさんが英語で挨拶。
聞き取れた中では「first audience」「in Japan」とあったことから、
今回のLRC初来日での初めての聴衆となったらしい。なんと名誉なことよ。


この一曲だけでも足を運んだ価値があったというものだが、
驚きはこれだけにとどまらなかった。

2で札響とLRCが一緒にステージに登場し、LRCは着席。
まず、マーラー交響曲第5番の有名な「アダージェット」が単独で札響の弦楽パートと
ハープだけで演奏される。これだけでも十分なのだが、曲の終盤でLRCが立ち上がり、
スタンバイする。曲を終えてもホリガーさんは腕を下ろさず、引き続きホリガーさんの
指揮でLRCが3を無伴奏で歌いだす。
クリュトゥス・ゴットヴァルトが16声の合唱曲にアレンジした「夕映えのなかで」だ。
ちょうど、前回来演した時のシューベルトの「アンダンテ」と「未完成」をひとつの
作品として聴かせてくれたのと同じ趣と言ってよいだろう。


驚くべきことに、まるで楽器が鳴っているようだ。
一体どこで息継ぎしているの? 本当に発声しているの?
とても人の声とは思えぬ高度に洗練されたハーモニーが大ホールを満たし、圧倒。
鳥肌が立った。安易に使うべきではないと思うが「完璧」という言葉しか見つからない。
前代未聞の場に立ち会えた幸福感が襲ってくる。
本公演の白眉。というか、生涯に渡って忘れられないもののひとつだろう。

ブラボーが飛び、鳴りやまない盛大な拍手が続き、ついにLRCが再び登壇する事態に。
アンコールはなかったが、機会があるなら、ぜひもう一度聞きたいものだ。

4では指揮者ホリガーが絶好調。
色彩豊かなこの作品の真価に初めて触れた味わいが残った。札響も健闘。
改めてホリガーさんの才人ぶりに舌を巻く。

夜公演。7~8割の入りか。空席が実にもったいなかった。
録音はされていたが、放送用か。

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by capricciosam | 2017-05-19 23:56 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第598回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲
e ラヴィ・シャンカール作曲 「ラーガー・ピールー」にもとづく即興演奏
2 ホルスト 組曲「惑星」


近年評価の高まっているコルンゴルトだが、1は札響も20年以上ぶりらしい。
ハイフェッツ盤で予習していたが、作品自体が良いとこどりの寄せ集めのような感じで、
ソリストの技巧の高さを聴くような印象が強い作品だなと感じていた。
実際、ソリストのダニエル・ホープも高い技巧で圧倒していた。
拍手に応えたアンコールも何やら珍しい作品だな、と思ったら即興演奏とはね。
確かに「インプロビゼーション」とは聞きとれたけど。


2の「惑星」を生演奏で全曲を聴くのは今回が初めてだった。
札響も20年ぶり4回目とのことだから、今回は希少な機会だった訳だが、
編成も大きく、女声コーラスも必要となればやむを得ないか。


広上さんは第1曲「火星」から札響を鳴らす、鳴らす。
曲が進むにつれ、緩急強弱自在にオケをあやつり、メリハリのある演奏で
楽しくなり自然に顔がほころんでいた。

本作品は作曲当時知られていた地球以外の7つの惑星に標題をつけた組曲だが、
実を言うとCDでは「火星」から順に聴いても聴きどころの第4曲「木星」が
終わるとそれ程注目せずに聞き流すことが多かった。
しかし、今回は意外にも第5曲「土星」、第6曲「天王星」、第7曲「海王星」が
俄然興味深かった。土星の沈鬱な音の移ろい、「魔術師」と副題のついた天王星の
変化自在ぶり。中でも打楽器(首席奏者、副首席奏者ともにブラボー!)が光る。
海王星での札響合唱団女声コーラスの健闘。
やはりこれはライブの力だと思う。これだから生演奏は止められない。
終演後会場からも惜しみない拍手が送られていた。


盛大な拍手に応えて広上さんが、概ね次のような挨拶を最後にされました。

「アンコール曲はありません(笑)。札響とのつきあいは20年以上になります。
今回客演指揮者のお話をいただいた時、単なる客演ではなく友情をつけたのは
札響の活動が広く札幌に、北海道に広まっていくお手伝いをしたいという気持ちを
表したくてつけてもらいました。ここ数年札響を振っていて、世界に通用するだけの力を
つけてきていると感じています。これからも、札響をよろしくお願いいたします(拍手)。」


「友情客演指揮者」を初めて聴いた時は「?」と思いましたが、この挨拶で疑問も氷解。
広上さんには今後もぜひ継続して登場してもらいたいものです。


夜公演。8~9割の入りか。
録音していたが、放送用か。

<蛇足>
余談だが、1でソリストも引っ込み休憩に入る時に、札響のお二人のコンマスが
立ち上がって彼の持ち込んだタブレット型楽譜の画面をのぞき込んでいた。
理由はわからないが、これだけタブレットが普及してくると、
紙の楽譜が当たり前じゃない時代が迫っているんでしょうかね?

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by capricciosam | 2017-05-13 11:27 | 音楽 | Comments(0)

「バベルの塔」展プレ・コンサートvol.2@東京都美術館

帰りの飛行機まで時間があったので、当日券で聴いてきました。
「東京・春・音楽祭2017」の演奏会のひとつで、東京都美術館で開催される
「バベルの塔」展にちなみ、作者ブリューゲルが生きていた時代の音楽を
演奏するというものです。
出演は、永田平八(リュート)、吉澤実(リコーダー)のお二人です。
リュートとリコーダーというシンプルな構成だけに、響きや音楽自体は素朴な
ものでした。アンコールには「さくら」を。
東京の桜も満開が過ぎていましたが、まだまだ見頃十分でしたね。
MCを務めた吉澤さんのお話が楽しく約1時間の間、笑いがしょっちゅう会場で
起こっていました。肩の凝らない楽しいひとときでした。

13年目を迎えた「東京・春・音楽祭」ですが、機会があれば一度じっくり聴いて
みたいものです。

【プログラム】

1 ジョスカン・デ・プレ 千々の悲しみ
2 ジョスカン・デ・プレ コオロギは良い歌い手
3 ジョスカン・デ・プレ スカラメッラは戦いに行く
4 ジョスカン・デ・プレ(ナルバエス編) 千々の悲しみ(皇帝の歌)
5 作者不詳  グリーン・スリーブス    



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by capricciosam | 2017-05-12 23:15 | 音楽 | Comments(0)

「マタイ受難曲」★BCJ@東京オペラシティコンサートホール2017

【プログラム】

1 J.S.バッハ マタイ受難曲

昨年バッハ・コレギウム・ジャパン(以下「BCJ」という)演奏会を聴いた後の
感想記事で、「受難曲を聴かせてもらえたら嬉しいのだが」と記したが、
あの時はあくまでも札幌で、という想定だった。
しかし、BCJの今シーズンブログラムが公表されたところ、5年ぶりに
マタイ受難曲を演奏するという、しかもマタイ受難曲が初演された日の前後で。
驚くと同時に、この機を逃すな、とばかりに急きょ東京で聴くことに決めた。


今回会場で販売されていた公式パンフレットを読んだところ、
藤原一弘氏がおおよそ次のようなことを書かれていた。


「マタイ受難曲の歌詞は、紀元1世紀の「新約聖書」、ルター派協会の讃美歌
「コラール」そしてバッハと同時代に書かれた韻文「自由詩」の3層のテクスト
から構成されている。そして、この3層の歌詞に加え、2つの合唱と2つの
オーケストラという構成が、歌詞における対話と音楽における対話という形で
マタイ受難曲が上演される度に常にイエスの受難と現在を結びつける。」


つまり、3層構造の歌詞と2群編成のオーケストラの重層構造が織りなす
豊かな表現が、約2千年前のイエスの受難があたかも現在目の前で目撃している
かのような思いを聴く者の心に抱かせるということなのだろう。
何故「マタイ受難曲」が現代においても、聴くたびに新鮮に迫ってくるのか
これまで他の解説を読んでもピンとこなかった点を鮮やかに解説しており、
目から鱗が落ちる思いがした。


当夜のBCJの声楽とオケの繊細にして劇的なアンサンブルは
鈴木さんの力強いリードの下、イエスの受難をまさまざと描き切る。絶品。
こんな完成度の高い演奏を名演と呼ばずして如何にとやせん、という気分だった。
特に声楽陣の歌声には毎度のことながら感動させられる。
ソロではエヴァンゲリストのベンヤミン・ブルンスの大ホールの隅々まで届く
明瞭にして深々とした声が圧倒的で、これまで聴いたエヴァンゲリストの中では
最高の感動を残した。有名な「憐れみたまえ、わが神よ」では第Ⅰ群のコンマス
の若松夏美さんがすくっと立ち上がって弾き、ロビン・ブレイズが
よくコントロールされた歌唱を披露したが、ヴァイオリンソロも実に素敵だった。


終演後、「マタイ受難曲は当分聴かなくても十分だ。」とつぶやいたが、
実演としては今夜の感動をしばらく抱きかかえていたい、というのは本音だ。
これは東京まで足を運んで正解だった。


会場の東京オペラシティコンサートホールで聴くのは2回目となる。
1回目は約10年前。大江健三郎氏の講演と武満徹の音楽というプログラムだった。
当時の記事はこちらです。


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by capricciosam | 2017-04-21 00:11 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第597回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
2 シューベルト 交響曲第5番変ロ長調
3 ブラームス 交響曲第1番ハ短調

1の重く暗い抒情は実演で聴いた中ではこれまでで最良のものだった。

2は第1楽章冒頭から愛らしい表情を感じるのが一般的な解釈とは思うのだが、
エリシュカさんは細かく振ってやや素っ気ないテンポでずんずん進む。
そのため叙情的雰囲気を感じるヒマもなく、この曲が纏っていた虚飾を
次々はぎ取っていくようだった。
クールな解釈、クールな演奏とでも言えばよいのか。
しかし、決してこの曲の持ち味を損なっているようにも思えない。
むしろ新鮮なのだ。これは新たな発見をした気分だった。

3は名曲だけに札響の演奏回数も多く、これまでも札響含め実演に接する
機会も多かった。そのためブラームス交響曲全曲演奏の完結にこの曲を
持ってきたエリシュカさんの意気込みは相当のものがあったはずではないか。
2で示された方向性がさらに徹底していたようだ。
大きな流れよりも細部が浮き上がるという印象が強い。
そのため委細かまわず一体となって頂点を目指すような解釈とは距離を置く、
随所を明晰にしたことで浮かび上がる作品それ自体に語らせる
という印象の強いものとなった。
手垢にまみれた名曲ブラ1の新たな一面を示されたような思いがした。

独墺系の定番曲ばかりのプログラムだが、エリシュカさんの手にかかる
と新鮮だ。「眼光紙背に徹する」という言葉がある。
指揮者にあてはめるなら、楽譜を読んで作曲家の意図をくみ取り、
どれだけのものを演奏者、聞く側に提示できるかで、
この言葉にふさわしいか否か、ということが言えるのかもしれない。
エリシュカさんが札響を振ると刮目させられることが多々あったが、
今日の演奏を聴いて先ほどの言葉にふさわしい一人ではないか、
という思いが一層深まった。

弦楽器や木管の艶やかな響きは一貫していたが、金管の響きには
やや違和感が残った。特にホルンには力強さは感じたが、固さも感じた。

昼公演。空席もそれ程目立たずほぼ満席。
鳴り止まぬ拍手とブラボーに客席の満足度が現れていたと思う。

次回は「英雄」で10月定期に登場するエリシュカさん。
新たにベートーヴェンの交響曲に取り組むようです。
すでに取り上げた「第九」「田園」4番も重複して取り上げるのかな?


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by capricciosam | 2017-03-11 20:01 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第596回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】
1 J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番ニ長調
2 J.S.バッハ 管弦楽組曲第2番ロ短調
e J.S.バッハ 管弦楽組曲第2番ロ短調より第7楽章「パディヌリ」
3 J.S.バッハ 管弦楽組曲第1番ハ長調
4 J.S.バッハ 管弦楽組曲第4番ニ長調
e J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番ニ長調より第2楽章「アリア」

管弦楽組曲はJ.S.バッハのオーケストラ曲の代表的作品で、第3番第2曲「エール」が
「G線上のアリア」として演奏会でも耳にすることが多い。
しかし、全曲演奏会となると話は別で、今回が初めてだった。

札響での演奏回数も組曲ごとにみると、第2番が13回と比較的多いものの、
1番、3番は一桁台、4番に至っては今回が札響初演。
つまり「札響とバッハ」は案外ありそうでなさそうな取り合わせだったという訳だ。
その上、出演は団員の半分程度でパートによっては出番なしの変則編成だけに、
定期演奏会より名曲がふさわしいのかも?なんてことも頭をよぎる。
今回は「バッハ・プロジェクト」の第1弾として企画されたようだが、
よくぞ踏ん切ったと企画そのものにあっぱれをあげたい気分だ。

所有するCDでは番号順収録なので、順番に聴くのを常としていたが、
今回の演奏順はポンマーさんの指示によるものだそうだ。
華やかに始まり、協奏曲を経て華やかに終わるという構成は、
全体をひとつの作品としてとらえられ、なかなか新鮮だった。

札響も弦楽器を中心にオーボエ、ファゴット、トラペット、ティパニ、チェンバロが
緊密なアンサンブルを築き、素晴らしい響きが大ホールを満たす。
特に、トランペットとチェンバロは見事だった。
また、フルート協奏曲の趣のある第2番ではフルート首席がソロを務めたが、
堅実で安定感があり十分楽しめた。欲を言えば更なる華か。

ポンマーさんは、古楽器演奏で聴かれるようなゴツゴツした演奏ではなく、
音楽の自然な流れを重視した明るく、親しみに満ちた演奏を求めていたようだ。
昨年秋の特別レクチャー(未聴)でポンマーさんは

「本来の音楽がどんなに陽気な表情にあふれているか、お楽しみください」
 (会場配布資料より引用)

とおっしゃっていたようだが、まさしく本公演ではそれが体現されていたと思う。
もっとも、奏でられた音楽の表情の暖かさ、なじみやすさは温微的、表層的とも
とられかねない側面もあろうから、そういう点では好みは分かれるのかな。
しかし、

「長い間ドイツの民衆の間で発展してきた舞踏音楽と、華麗で洗練されたフランスの
宮廷音楽を合流させ、生活力あふれる素朴な民衆音楽を芸術的な高みに至らせたもの」
 (会場配布資料より引用)

という視点で見ても決して的外れなものだったとは思えない。
会場からはブラヴォー含め盛んな拍手が送られていた。
最後にポンマーさんが楽譜を高く掲げていたのが印象的。

昼公演。客入りは8~9割か。
CD化目指した録音が行われていたが、途中で大きなくしゃみがあったのは残念。

「バッハ・プロジェクト」第2弾は12月定期の「クリスマス・オラトリオ」(抜粋)です。

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by capricciosam | 2017-01-28 22:19 | 音楽 | Comments(0)

クリスマスの約束@2016

1 夜空ノムコウ ~小田さんのピアノソロで、SMAP解散のタイミングなので沁みたね

MC「18年前に鮮烈なデビューを飾るとともに、スーパースターになりました。
とにかく宇多田ヒカルさんです。出てくるだけで凄いんです。ご存知の方もいるかと
思いますが、実は第1回に出演してもらいたくて手紙を出しました。その時の様子を
ご覧いただきたいと思います。」
しかし、出演は「現状はほんの少し無理」があったという理由で共演叶わず。
この時、断りの手紙がパパから届いたんですね。
手紙で断りというと山下達郎さんを思い出します。

MC「ちなみに、彼女のパパは僕のひとつ下です(笑)16年の時を経て、いよいよです。」

2 automatic

宇多田さんの代表曲を小田さんと二人で。イイネ。やはり彼女の世界は独特だな。
冒頭の歌詞「7回目のベルで受話器をとった君」を目で追ったら、途端に時の隔たりを
感じた。固定電話が衰退して、受話器という概念自体を知らない世代が増えている。
逆に16年前なら無意識に無自覚にもっと心に食い込んでいたんだろうな、と
ふと思った。ヒット曲はその時代の気分を巧みに採り入れているな。

3 花束を君に ~《キャンプファイアーでギター一本でやるように》宇多田さん希望    

MC「小田さんの歌を歌いたいと言ってくれた。『過去の作品からご自由にという感じ
だった、歌詞をみながら「たしかなこと」を聴いていたらぐっときた、ウルっときた。
小手先ではなく、誰でも身近な言葉を使って日常的な風景の中に人の関係性を描く
スタンス、書き屋の言葉。作詞家としても共感』なんか褒められるために聞いたように
なりましたが、そのまま受け止めたいと思います。」 
『』部分は宇多田さんですが、共感しますね。

4 たしかなこと ~ちょっとロックぽく、作品の力強さが浮かび上がるようです

TRICERATOPSの和田唱登場。
MC「あのあと上野樹里ちゃんと結婚しました。今年コンサート終わってから楽屋へ2人で
来てくれて、彼女が気の利いた、貴重なことを話してくれました。後で録音しておけば
良かったと思ったのですが、普通はアンコールは盛り上がる曲をやるのに、ずっと静かな
曲をやるんですね、良い意味でビックリしました。」
札幌公演初日のアンコールはこちらです。

今年はポール・マッカートニーのメドレーです。  

5 JUNK~Waterfalls~Silly,love song(※)~My love

(※)観客も「I love you」を繰り返して参加します。その時の和田さんからの注文
「言われたという雰囲気ではなく、自らやったような雰囲気で」(笑)

小委員会登場。
MC「1960年代の罪のないラブソングです。」

6 Breaking Up Is Hard To Do ~「カマカマダンドヴィドゥダンダン」ノリの良い曲

MC「この曲は大滝さん本人は全部ユニゾンで、コーラスが入ってない。その人に
たてつくことはいかがなものか、と弱気になりました。ですが、あえて大滝さんに
問うてみたいと思います。」

7 君は天然色 ~歌詞の「思い出に色をつけてくれ」で画面がセピア色からカラーに

MC『5年前に高知でやった柳(ジョージ)さんの引退ライブの時、さだ(まさし)さんが楽屋に
現れて「金、女、名誉」この3つを素晴らしいミュージシャンは手に入れている。
さださんはどうなんですかと聞いたら、俺はもうちょっとうまくなりたい。
隣の楽屋で小田さんがずっと練習している。背中ごしに指差して、「なっ!」と。
そうなんです、ミュージシャンはもっとうまくなりたい、この番組は少しお見せできている
と思うんですよ。』(以上、スターダスト・レビューの根本要さん)

8 約束 ~委員会バンドの曲

松たか子登場。
MC「彼女の子供とてもなついてくれてたんですけど、ちょっと嫌われていた。
長いトンネルを抜けて、またなついてくれたんです。」それに対して松さん曰く
「小田さんのカレンダーを見て、かっくんと言ってますよ」かっくん!?(笑)

9 風を集めて ~松本隆さんが見た夢をそのまま歌詞に書いたそうです

JUJU登場。
昭和歌謡のアルバムを出し、全国ツアーのタイトルが「スナックJUJU」(笑)
「ラヴ・イズ・オーヴァー」から欧陽斐斐のお姉さんの中華料理の店になり
お腹一杯の時どうしたら最後の杏仁豆腐を食べないで済むか考えている話に(笑)

10 Both Side,now ~邦題「青春の光と影」小田さん曰く「ちょっと意味が違う」

MC「この歌は40年前くらいにNHKみんなの歌でやっていて、良い曲だなーと、
みんなも良い曲だねと言ってくれたので。」

11 赤い花白い花 ~小田、松、JUJUのトリオで

12 僕等がいた ~小田さんのソロで

MC「今年のクリスマスの約束、はじめにボブ・ディランのこの曲を選びました。
30歳を過ぎた大人を信じるな、ノーベルを受賞しましたが、あの頃のディランなら
拒絶していたと思います。」受賞してくれるな、という残念な気持ちの表れでしょうね。

13 時代は変わる ~改めて歌詞に心打たれる

収録後のインタビューで。
「最後の『時代は変わる』も良かったし、宇多田さんは贈り物みたいなものだし、
30過ぎた大人は信用するな、こっちは70歳になろうとしている、ここで自分のやるべき
音楽や付随する活動もどうなのかな、いつもの人たちががんばってバトンを渡していく、
考える良い機会だったな、この曲を選んだのも何かの因果だったのかなとも思うし。」


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by capricciosam | 2016-12-26 20:32 | 音楽 | Comments(0)

まなみーるDEクラシック@岩見沢市民会館2016

【プログラム】
1 レスピーギ:リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲
2 ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)
3 コープランド:市民のためのファンファーレ
4 アンダーソン:ブルータンゴ,フィドル・ファドル,プリンク・プランク・プルンク
5 J.ウィリアムズ:「スターウォーズ」組曲より
         インペリアルマーチ,レイア姫のテーマ,メインタイトル
e エルガー:威風堂々第1番

今年の聞き納めは先月の札響定期演奏会の予定だったのですが、
垣内悠希さんが指揮される演奏会が岩見沢市であるとわかり、
急遽聞き納めを延期しました。
垣内さんは今年新たに札響指揮者になられましたが、
ブザンソン国際指揮者コンクール2011年の優勝者です。
これまで垣内さんが登場する演奏会に接する機会がなく、どのような指揮をされる
のだろうと興味がありました。しかも、今回は実演で聴くのは初めての1と3も
あるため楽しみでした。
また、まなみーるで札響を聴くのは2008年以来のことです。

ところで、「ブザンソン国際指揮者コンクール」は1959年小澤征爾さんが
優勝して有名ですが、その後も日本人指揮者の優勝者が続いています。

松尾葉子(1982)、佐渡裕(1989)、沼尻竜典(1990)、
曽我大介(1993)、阪哲朗(1995)、 下野竜也(2001)、
山田和樹(2009)、垣内悠希(2011)
創設以来1992年までは毎年行われていたが、その翌年からは隔年開催となった。
(以上、Wikipediaから引用)

何れもプロの指揮者として一線で活躍されている方ばかりですが、
その中で直近の覇者が垣内さんということですね。

今回は名曲コンサートで、1部ではクラシック、2部では「アメリカ」を
キーとした作品の2部構成になっていましたが、10月エリシュカさんが
取り上げた2もありますから、なかなか期待の持てるプログラムでした。

恰幅の良い垣内さんはまだ三十代。全身を駆使して躍動感のある指揮をされます。
客席からみていると腕を上下左右に自在に伸ばして振られるのが印象的です。
それでも1部ではやや慎重に指揮されているようでしたが、2部ではギアを上げた
感じでより大胆に。アンダーソンの「フィドル・ファドル」では自ら踊るような
指揮の場面も。強弱や緩急のメリハリも良く、札響から見事なアンサンブルを
引き出していきます。
これは楽しみな若手が札響指揮者陣に加わってくれました。

2はエリシュカさんの印象がまだ残っているのでつい比べてしまうのですが、
ややテンポが速かったものの、「火の鳥」の色彩感にも富んだ好演でした。
5は2年前の札響定期で下野竜也さんが取り上げられて改めて作品の魅力に
触れましたが、今回も札響サウンズ炸裂とばかりにクラシックの演奏会でも
組曲版は全然違和感ないですね。

ただ、客席の一曲ごとの拍手が途絶えがちだったのか少々寂しかったですね。
最後が盛大だったのはアンコール期待だとしても、札響がなかなか良い演奏を
していただけに、一曲終わるごとの拍手はもう少しあればなお良しでしたね。
普段演奏に親しむことの少ない方も多いという証なのでしょうが、
もっとクラシック音楽が身近になれば素敵なのに、と思わせられるシーンでした。


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by capricciosam | 2016-12-04 23:01 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第595回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」
e ビゼー(ブゾーニ編) カルメン
e リスト グランド・ギャロップ・クロマティック
2 ワーグナー 「ニーベルングの指環」より
 ・ワルハラ城への入場
 ・ワルキューレの騎行
 ・魔の炎の音楽
 ・森のささやき
 ・ジークフリートの葬送行進曲
 ・ブリュンヒルデの自己犠牲

ワーグナーの代表的作品は歌劇(楽劇)のため、普段生の歌劇に縁遠い身としては
せいぜい演奏会の中で歌劇の序曲を聴くぐらいが生でワーグナー作品に親しむ機会になる。
もっと親しもうと思うと10数分か2~4時間か、という極端な選択をしなければ
ならなくなる。これが作品鑑賞としてのワーグナーのハードルを高くしている面もある
のかもしれない。しかし、個人的には序曲集のようなCD一枚でも聴いていて飽きる
ことはなく、ワーグナー作品の持つ不可思議な魅力にからめとられてしまうのだ。
それほどワーグナー作品自体の磁場は超強力だと常日頃から感じていた。

今回指揮される飯守泰次郎さんは我が国屈指のワーグナー指揮者で、近年札響を
数回指揮されているが、ワーグナー作品は序曲1~2曲程度だっただけに、
今回のようにワーグナー作品でも長大さでは群を抜く「ニーベルングの指環」の
抜粋版演奏は久しく待っていたものだ。

また、「ニーベルングの指環」の管弦楽用の編曲版としては、ヘンク・デ・ヴリーガーに
よる「オーケストラル・アドヴェンチャー」(1992年エド・デ・ワールト指揮、
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団で初演)があり、14曲を60分程度に抜粋、編曲
している。(以上、Wikipediaによる)
ちなみに、エド・デ・ワールトが2003年PMFに登場した時にこれを
とりあげている(未聴)。

ステージ一杯に大幅増員された100名からなる札響は壮観の一語に尽きる。
札響の繊細かつ強烈な音はまるで、飯守さんの指揮にあわせて呼吸するがごときで、
織りなす響きが大ホールを満たすのは痛快至極で、聴き飽きすることはなかった。
近年力をつけてきているだけにどのパートも大健闘だったが、
特に、トロンボーンはじめ金管楽器群が印象深かった。
やはりワーグナー作品には強烈なブラスの咆吼が似合う。
ただ、トッティではオケとしての余裕があまり感じられなかったのは少し残念。

暗譜で通した飯守さんにも驚いたが、安心して聴くことができた。
待った甲斐があるというものだ。歌唱なしでも十分堪能させてもらった。
ただ、歌劇本来の鑑賞としては歌唱もあったほうが良いだろう、とは思う。
飯守さんと札響の組み合わせでワーグナーの歌劇を聴くとなれば、
やはり、2018年の札幌文化芸術劇場開場を待つことになろうか。
こけら落とし公演「アイーダ」以外は未発表だが、ワーグナーも上演されないかな、、

1のホジャノフはアンコール含め大ホールは大いに湧いた。
確かにピアノ小僧ぶりには驚いたし、きれいで迷いのない音は魅力的だとは思うものの、
オケとの一体感があまり感じられず、「皇帝」としては淡々と終わった印象。

昼公演。空席もあまり目立たず客入りは9割程度か。

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by capricciosam | 2016-11-26 23:58 | 音楽 | Comments(0)

鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン@Kitara2016

【プログラム】

1 J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調

バッハ・コレギウム・ジャパン(以下、「BCJ」という。)の演奏会を聴くのは
2007年のメサイア全曲演奏会以来。あの時もあまりの素晴らしさに驚いたものだが、
その後の来札では期待していたバッハの大作がなく、今回まで待ったため、まだ3回目。

今回演奏された作品は晩年のバッハが遺した宗教音楽の大作として知られている。

「(略)スコアには、1733年から死の直前1750年までの長期にわたる筆跡が見られること
が分かっている。(略)痛々しい思いをしてまでこの仕事に込めようとしていたバッハの
思いが何であったか。その目的が何であったか。それは、多大なバッハ研究の蓄積にも
かかわらず、未だ明らかになっていない。(略)この作品の制作は作曲というよりも、
むしろ主に様々な時代に書かれた作品を寄せ集め、一部改作しながら歌詞を変えていく
という作業であった。(略)この作品のなかには、野心を胸に秘めた若々しいバッハと、
成熟し自信に充ち満ちたバッハ、そして年老いて自らの衰えと闘うバッハが一体化されて
ひとつの人格をなしている。」
(当日配布された佐藤望氏によるプログラム・ノートから一部引用)

若い頃から晩年までに書いた作品を色々と転用しつつ、ひとつの作品としてまとめ
上げられたものということらしい。佐藤氏はいみじくも「作業」と喝破し、
「寄せ集めとパロディー」としている。こう書くと、お手軽で、薄っぺらな作品との
印象を持たれてしまう恐れがあるが、バッハが様々な技巧を凝らした多彩な響きに
耳を傾けていると時間が経つのを忘れる。

さて、作品自体の魅力に加え、演奏するBCJのうまさも加わり相乗効果!
BCJの器楽と声楽が一体となって作り出す明瞭かつしなやかな響きは、
宗教的峻厳さというよりは、むしろ作品に対して謙虚に奉仕するごとき様が
しきりに頭に浮かんで仕方なかった。
誠実にして、ぬくもりを感じるという言い方が適切かもしれない。至福のひと時。

終演は予告どおり21時15分だったが、長時間を飽きずに聴かせてもらった。
PブロックとLA、RAのPブロック寄りは入場させていなかったが、
それでも客入は8~9割か。
いつかは受難曲を聴かせてもらえたら嬉しいのだが、、、

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by capricciosam | 2016-11-15 23:52 | 音楽 | Comments(0)