カテゴリ:音楽( 305 )

エマニュエル・パユ&ベルリン・フィルの仲間たち@所沢ミューズ2016

【プログラム】

1 モーツァルト フルート四重奏曲第3番ハ長調
2 モーツァルト フルート四重奏曲第2番ト長調
3 ロッシーニ  フルート四重奏曲イ長調
4 モーツァルト フルート四重奏曲第4番イ長調
5 武満徹    エア
6 モーツァルト フルート四重奏曲第1番ニ長調

朝から2つの展覧会を鑑賞した後、西武線で所沢へ移動。

ベルリン・フィルはサイモン・ラトル指揮で台湾、日本をツアーし
サントリーホールでのベートーヴェン交響曲全曲演奏会を終えたばかり。
その後、メンバーの何人かは日本に滞在して演奏活動を行っていましたが、
所沢では首席フルートのエマニュエル・パユ(以下「パユ」という。)による
モーツァルトフルート四重奏曲全曲演奏会が開催されました。
同曲のCDは何枚か所有していますが、小生のデフォルトはパユ盤。
それだけに、今回はぜひ聴きたかった演奏会でした。


モーツァルトフルート四重奏曲はCDでは1番から4番まで順に収録されるし、
全3楽章から構成されるのが通常だが、今回のプログラムは各々2楽章の
第3番、第2番からはじめ、ロツシーニの作品を終えて休憩に入り、
後半は3楽章で構成される第4番、フルート独奏の武満徹作品そして
代表曲の第1番で終える構成となっていた。
聴き終えてこれは良い配置だったと思う。ナイスプログラミング。
特に、第2番と第3番をあたかもひとつの作品として扱うかのような聴き方ができた
ことは新鮮だった。また、パロディーとして割合軽く扱われがちな第4番もパユの手にかかると
実に楽しい。1番はCDと比べ遜色なく、ライブ録音として発売してもらいたい気分だった。
しかし、モーツァルト以上に印象深かったのは武満徹の「エア」。
ひとつのフルートが奏でる音色の多彩さと魅力的な刺激。名手パユの面目躍如だった。


鳴り止まない拍手に応えてアンコールを1曲。
パユが日本語で「ありがとうございます。」(拍手)
「アンコールは………のフィナーレです。」と言って始まったのが、
(残念ながら………は聞き取れず。)
フルート版は初めて聴きましたが、よく出来ていますね。

ドヴォルザーク弦楽四重奏曲「アメリカ」より第4楽章

初めて訪れたミューズは照明の加減のせいか、割合明るい印象。
正面のパイプオルガンの両脇にはミューズ像が2体配置されていました。
2階ほぼ正面で聴きましたが、音も明瞭で残響も適度でした。
今回3階席は入場を制限していたようです。

<はみだし>
行きはライオンズ電車で向かいましたが、
ついつい自らのビジター応援を思い浮かべてしまいました(苦笑)
帰りは西武球場での西武VSソフトバンクの試合が終わったタイミングと重なり、
都内行き各駅停車はガラガラなものの、選択した急行は激混みでした。
まぁ、これはしかたありません。
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by capricciosam | 2016-05-30 23:57 | 音楽 | Comments(0)

NHK交響楽団第1836回定期演奏会@NHKホール2016

【プログラム】

1 カリンニコフ 交響曲第1番ト短調
2 ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調「田園」

昼の新日本フィル演奏会が終わり、夜のNHK交響楽団(以下「N響」という。)
定期演奏会を聴くため渋谷へ移動する。

NHKホールでは過去にS・スクロヴァチェフスキ指揮のN響定期を聴いているので
今回は2回目となる。座席は3階ほぼ正面。
巨大な多目的ホールだけにこの位置では音は厳しいかなと思ったが、
あに図らんや、よくブレンドされた響きが明瞭に届き、驚いた。
N響の音は力感がありながらも繊細さも持ち合わせ言うことなし。

実は同夜サントリーホールのラザレフ&日フィルのショスタコも選択肢にはあったのだが、
本定期演奏会を選択したのはカリンニコフ第1番が生で聴ける、しかもネーメ・ヤルヴィ
(以下「パパヤルヴィ」と言う。)で、というのが最大の理由。

以前NAXOSのカタログに掲載されていた年間売上げベスト1位だったのが
カリンニコフ交響曲第1番(テオドル・クチャル指揮ウクライナ国立響盤)。
聴いてみたところ素朴な叙情が横溢するこの曲にたちまち虜になったという訳だ。
その後パパヤルヴィ盤も聴き、以来カリンニコフ第1番と言えば
クチャル盤とパパヤルヴィ盤の2枚は欠かせなくなった。
しかし、実演では1回も聴いたことがない状態が続いただけに、今回は干天の慈雨だった。
(あとで当夜演奏されていたN響首席奏者のツイッターで知ったのだが、この曲はN響も
1993年スヴェトラーノフ以来演奏していないらしいということのようだ。
であれば、なおさら希少な機会ということになった訳だ。)

第1楽章から、まるでセッション録音でもしたかのような素晴らしさ(完璧!)。
ライブ盤として発売しても良い仕上がりには感動してしまった。
スヴェトラーノフ&N響ライブ盤(未聴)は有名だが、将来パパヤルヴィ盤もリリース
されたなら、結構高い評価を得られるのではなかろうか。

ベートーヴェン「田園」も膨大なレパートリーを誇るパパヤルヴィにとっては
お手のものなのだろう。N響から見事な音を引き出していたと思う。秀演だった。

当夜はTVカメラが配置されていたので、後日放送されるのだろう。楽しみ。
また、ブラボーを長くのばす(ロングブラボーとでも言うのだろうか)というのを
初めて耳にしたが、パパヤルヴィは耳に手をあてよく聞こえないふり(笑)。
途端にホールのあちこちから(普通の)ブラボーが飛んだ(笑)。

<蛇足>
ヤルヴィ家は指揮者一家としても有名だが、兄のパーヴォ・ヤルヴィは札幌で2回聴いている。
今回父親のネーメ・ヤルヴィを聴いたので、残る弟を聴けば全員聴いたことになる。
当夜の翌々日にその弟のクリスチャン・ヤルヴィ指揮都響の昼公演を選択できれば3人とも聴く
という少々珍しい体験をすることになったのだが、帰る日なのでこれはあきらめた。

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by capricciosam | 2016-05-24 23:57 | 音楽 | Comments(0)

新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会@すみだトリフォニーホール2016

【プログラム】

1 モーツァルト 交響曲第38番ニ長調「プラハ」
2 J・S・バッハ ピアノ協奏曲第1番ニ短調
3 シューマン 交響曲第3番変ホ長調「ライン」

東京にある音楽専用ホールではいくつかのホールで演奏を聴いてはいるが、
墨田区錦糸町の「すみだトリフォニーホール」は初めてだった。
新日本フィルハーモニー交響楽団(以下「新日本フィル」という。)が本拠としている
ので、ここで聴くなら新日本フィルでと思っていた。
それだけ今回は良い機会だった。旅の日程の都合上、聴いたのは定期演奏会ではなく
「新クラシックへの扉」という名曲(?)コンサートの昼公演だった。

実はクラシックの演奏会に足を運ぶ前、地元の札響以上に新日本フィルはN響とともに
身近なオケだった。ともに共通するのはTV放送である。
新日本フィルは「オーケストラがやってきた」のレギュラーとして毎回のように出演して、
クラシック入門当時に「オーケストラって凄い!」と思わせてくれたものだ。
実演は東京で以前1回聴いていたので今回で2回目となる。

有力オーケストラひしめく在京オケの中で新日本フィルがどのような評価を得ているのか
まったく知らないのだが、安定したアンサンブルでどの曲も楽々弾きこなしているような
印象が残った。うまいね。また、今春札響から移籍されたオーボエ首席の金子さんが
出演されていればなお良しだったが、これは空振り。仕方ありません。
(入場する時、オケの奏者配置図に奏者名が記された用紙が配布された。初めて見ましたが、
事務局の手間はかかるでしょうが、楽しいアイデアですね。)

指揮者はダンカン・ワード、ソリストはフランチェスコ・トリスターノ。
ともに若く、きっと伸び盛りなのでしょう。
指揮者は1、3を暗譜で振り、かつ1は指揮棒なしだった。
メインとなる3も素晴らしかったが、音楽が活き活きと伸びやかに聞こえたのは1だった。
拍手に応えてアンコールを1曲。

バルトーク ルーマニア民族舞曲。

実はプログラムを見た時、強い興味を引かれたのは2。
「バッハにこんな協奏曲あったっけ」みたいな疑問が湧いたが手がかりはなく、
当日のプログラムでヴァイオリン協奏曲第1番のピアノ版だと判り、一気に肩の力も抜けた。
こういうソロ楽器の置き換え版は札響定期のブラームスピアノ協奏曲第3番以来2回目
となったが、合奏する時ソロの旋律が弱く、時にはソロがオケの音にかき消されることも多く
あまり楽しめないまま終わったのは残念だった。2回しか聴いてないので断定することは
避けたいが、小生はこういう「置き換え」型であまり楽しめるタイプではないようだ。
ソリストがアンコールを1曲。

フランチェスコ・トリスターノ ラ・フランシスカーナ

クラシック以外にもウィングを拡げているようで、はじめバッハかと思ったら
ジャズぽくなり、これはこれで楽しい。

落ち着いた色調で統一されたシューボックススタイルの大ホール3階席ほぼ正面で聴いた。
この位置だとホールの空間一杯に音が満たされているとはあまり感じられず、
残響も十分とは思うもののもう少しあればなお良しとの印象が残った。
いずこのホールも同様だろうが、席が違えば印象も異なろうというものだ。

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<追記5.26>一部加筆、修正しました。


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by capricciosam | 2016-05-23 20:48 | 音楽 | Comments(0)

北海道交響楽団創立35周年記念・第80回演奏会@Kitara2016

【プログラム】 

1 マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活」

マーラーが初めて声楽を導入した作品にして傑作なのだが、ソロ、合唱、オルガン、
バンダと編成も大がかりであるためか、北海道では滅多に演奏されない。
実演に接するのは2007年の札幌交響楽団500回記念定期演奏会以来、ほぼ9年ぶり。
当時札響合唱団が設立されたばかりの頃で、札幌アカデミー合唱団、
札幌放送合唱団との混成合唱団とアルトのビルギット・レンメルトのうまさが
強烈な印象を与えてくれた。
これ以前で聴いたのはさらに15年前のPMFオーケストラ演奏会だから、
毎年演奏される同じ声楽付き交響曲の「第九」と比べても
今回がいかに貴重な機会だったことかがわかる。

「当団では1989年の第16回演奏会以来、2回目の演奏となります。
前回の演奏時は多くの団員の熱意で実現した、まさに記念碑的な演奏だった
と聞いております。四半世紀以上前にも演奏した団員と、その後入団した
多くの団員の情熱を再度結集してこの曲を演奏することが、35周年を記念する
にふさわしいと考え今回再演の運びとなりました。」
(以上、プログラムより引用、原文のまま)

「北海道内最大級のアマチュアオーケストラ(以上、プログラムより引用)」
らしくステージ狭しとばかりにオーケストラが展開する様は壮観で、団員も
老壮青が音楽を楽しんできたことが伺える。実は本オーケストラとは、約15年前に
「第九」の合唱団の一員として共演したことがあったが、指揮者の川越守さんが
足元がやや覚束なげになられたことに時の流れを感じてしまった。しかし、約80分の
長大な作品を立ったまましっかりと指揮しておられたことには驚いた。
演奏は以前聴いた印象と変わらないが、響きが薄かったり、不調なパートはあった
ものの、巧拙は抜きにして楽員の意気込みが伝わるような演奏は
総じて聴き応えがあった。特に、第3楽章以降はソロ、合唱一体となって
熱を帯びていき、最後の輝かしい頂点を築いていた。
あそこは一瞬アマオケであることを忘れさせる程で、鳥肌ものだった。
特に、「復活」を歌う会の合唱は混成チームとは思えぬ出来だったと思う。

入場を制限されたCブロックと合唱団のPブロック以外は空席も目立たず、
客席から盛んな拍手が送られていた。
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<追記5.9>一部修正、追記しました。



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by capricciosam | 2016-05-08 06:33 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第588回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 プロコフィエフ 交響曲第1番ニ長調「古典」
2 チャイコフスキー ロココの主題による変奏曲(原典版)
3 ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調

ドミトリー・キタエンコ(以下「キタエンコ」という。)は2006年、2013年の定期演奏会に
登場しているが、あいにく聴いていないので今回初めて聴くことになった。

1は小気味よい切れのある音楽にまとめられており、キタエンコさんの手腕の確かさを感じさせる。

2ではルツェルン祝祭管弦楽団のソロチェリストのイェンス=ペーター・マインツが登場。
普段耳にするフィッツェンハーゲン版ではなく、原典版が演奏される。
確かに耳慣れぬ部分はあったが、さほど違和感なく、達者なソロに聴き入っていた。
ブラボーと盛んな拍手に応えアンコールを。

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番より「サラバンド」

余談だが、ソリストがアンコールをせずに引き上げようとすると、ステージに立っていた
キタエンコさんがジェスチァーで弾くまねをして、気がついて戻ってアンコールとなった。
これには会場から笑いも。

3は滔々と流れる大きなうねりの中に身を任せているかのような思いに捕らわれるのだが、
その豊かな抒情に浸る至福感は例えようがない。

「息の長い旋律が展開され、大きな感情のうねりをもちながら、循環主題の手法で全体の統一が
はかられている。周到で執拗な主題の扱いは彼の真骨頂。」
(以上、会場配布資料より引用)

チラシによれば3はキタエンコさんの強い希望であったらしい。3について札響は過去18回演奏し
うち13回は尾高名誉音楽監督が指揮したとのことだが、札響ではこの曲は尾高さんとともにあった
と言ってもよいのだろう。小生は2005年定期、2010年定期、2015年名曲と3回聴いている。
(録音が残されているとは思うのだが、CDとしては発売されていないのが少々残念なところ。)
きめ細やかにかつしっとりと曲を仕上げた印象の残る尾高さんに比べ、キタエンコさんは各パート
を明瞭にさせ、もっとオーケストラのダイナミクスを積極的に引きだそうとしたような感じがした。
それはオーケストラの自発性を刺激しているのだろうが、クラリネットはじめ各パート首席が
交互にソロをとる第3楽章を圧倒的に聴かせたことが証左になるのではなかろうか。
楽章を追うごとにオケは一体感を増していき、圧倒的なフィナーレにブラボーがあちこちから
飛んだ。

昼公演。空席がやや目立ち、客入は8~9割程度か。
オーボエ新首席関美矢子さんが定期演奏会にデビューしました。
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by capricciosam | 2016-04-09 22:33 | 音楽 | Comments(0)

塚越慎子&沓野勢津子マリンバデュオリサイタル@Kitara2016

【プログラム】

1 M.シュミット 2-Gather
2 ドビュッシー(山口真由子編曲) アラベスク第1番
3 L.H.スティーヴンス リズミック・カプリス (塚越慎子ソロ)
4 安部圭子 山をわたる風の詩~2台のマリンバのための~
5 ラヴェル(M.レス&サフリデュオ編曲) 道化師の朝の歌
6 M.フォード アフタ・ステューバ! ※
7 P.チェン エチュード ニ長調 (沓野勢津子ソロ)
8 A.ピアソラ タンゴ組曲
※トリオ(賛助出演:石川千華) 記載のないものは塚越慎子&沓野勢津子によるデュオ

打楽器だけの演奏会は、以前アマチュアのアンサンブル演奏会にでかけたことがあるが
(その時の記事はこちら)、あの時はマリンバ以外にもドラム、コンガ、カスタネット等
と様々な打楽器による見事なアンサンブルで実に楽しいひと時だった。
今回はマリンバだけなのだが、塚越さんはTVで拝見したことがあるし、沓野さんは
札響定期演奏会には時々客演しているので興味が湧いた。また、演奏されるお二人は
「マリンバ界新世代トップランナー2人」(宣伝用チラシから引用)
とのことなので、楽しいひと時が期待できそうだと足を運んだ。

「人類が最初に始めた音楽は「打楽器」です。ものを打ってリズムを生み出すということ
が音楽になり、さらに、音程の違う木を並べて打ち始めました。これがマリンバの始まり
です。音程楽器でもありながら打楽器でもあるマリンバ。さらに、今や一般的な「4本バチ
奏法」で、片手に2本ずつマレット(マリンバのバチ)を持つことによって、和音を作ること
もできます。打楽器でありながら音楽の3本柱である「メロディ」「和声」「リズム」全て
を5オクターブ半もの音域で生み出すことができるステキな楽器なのです!」
(以上、宣伝用チラシから引用)

結構歴史は古いと思っていたのですが、3のソロを終えた塚越さんがMCで
「マリンバの歴史は浅いので、演奏者含めてこの楽器の可能性を追求しているんです。」
とおっしゃったのには少し驚きました。恐らく我々が目にする現在の姿に固定されてから
の歴史を指してると思うので、そうなら他の楽器同様の変遷を経てきたということですね。

ところで、その3は腰をかがめた中腰姿勢《塚越さんは、「絶対横からは見られたくない!」
とおっしゃっていました(笑)》でマレットの柄で鍵盤を打つことで「これがマリンバ?」と
思うような味わいが生み出され、かつリズミカルでシーンが目まぐるしく変化する。
今夜一番の聴きものでした。早くもブラボーが。気持ちは判りますね。

休憩後の6では一台のマリンバを賛助出演の方を加えた3人で演奏するのですが、
3人の立ち位置がめまぐるしく変わり、おまけにコント風も入り、見ていても楽しい。
しかし、12本のマレットがあれだけ激しく動くのに事故もなく、かつ見事な響きが
生み出されたのですから、見事なもんです。
(ただ既視感にも襲われたので調べてみると、先ほどのアマチュア打楽器アンサンブルでも
同様の作品を演奏しておりました。配布された資料から今夜演奏されたのは、彼らが演奏
した作品の続編のようです。)

プログラム最後の8はお二人の集中力と渾身の力が凝集された演奏に会場の集中力も
高まりました。第1番ではお二人の間に置かれた箱を塚越さんがマレットの柄で叩くと、
乾いたリズムがピアソラの世界に誘います。密やかな第2番を経て、第3番では
沓野さんが箱を叩き、激しいリズムが交錯してクライマックスを迎えます。ブラボー!!

ソロ2曲、デュオ5曲、トリオ1曲で構成されたプログラムは聴かせどころも多く、
実に充実したひと時でした。
アンコールはトリオで「花は咲く」。当日は3.11ですからね。沁みました。
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by capricciosam | 2016-03-11 22:39 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第587回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 スメタナ シャールカ~連作交響詩「我が祖国」より
2 ドヴォルジャーク 弦楽セレナード ホ長調
3 チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調

今シーズンの掉尾を飾る今回はエリシュカさんによるオールスラブプロ。
注目していたプロです。

1は首席客演指揮者に就任して2年目の2009年名曲Vol.2で取り上げた「我が祖国」の
一部だけに悪かろうはずがない。(当日も「シャールカ」から札響の演奏も乗ってきた
感があった。当時の感想はこちらです。)事実、物語の内容はさておき、序曲的役割を
果たしたこの選曲は良かった。もう一度「我が祖国」全曲を聴きたくなりました。

2は2013年の名曲Vol.3のアンコールで第一楽章だけが演奏されて以来、ぜひ全曲を
聴きたいものだと熱望していたので、短期間で実現したのは望外の喜び。
近年充実している札響の弦楽パートが透明感のある音色で一貫してこの名曲を演奏。
途中第3楽章を終えたところで拍手がパラパラと起きたがエリシュカさんが制止。

3はエリシュカ&札響のチャイコフスキー後期交響曲シリーズの第2弾で、2014年4月
定期演奏会以来となる。第一弾の「悲愴」も良かったので期待は高かったが、
期待以上の演奏に終演後はしばらく座席を立てなかった。
第一楽章の冒頭の金管の音の強さは、これまでKitaraで聴いたオケの中でも最強の類で、
札響の金管からここまで力を引き出すエリシュカさんに驚きっぱなし。
(帰宅してから所有するCDで比較してみたくなり、「爆演」として名高い
スヴェトラーノフ&USSRの東京ライブ盤も聴いたのですが、この部分だけは
スヴェトラーノフ盤の方が余程マイルドに聞えました。)
しかし、強奏一本槍ではなく、きちんとした骨格を作りつつ、カンタービレを横溢
させる手腕の見事なのがエリシュカさん。第二楽章(オーボエ首席金子さんのラストソロ)
の物憂さ、第三楽章のピチカートによる軽快さ、第四楽章の喧噪の中迎えるフィナーレ。
札響も全パート一体となって燃え上がる高い燃焼度を示していました。
いやはや、まいりました。このコンビによる演奏でも特筆すべきものです。名演。

指揮ぶりも相変わらずメリハリのついたもので高齢による弛緩なんて無縁。
来月には85歳を迎えるとは到底思えないエリシュカさんだけに、10月、来年3月の
一連のチャイコフスキーとブラームスの演奏完結に期待は高まるばかりだ。

また、エリシュカさんは腕を横に上げた状態で演奏を終えると数秒ホールドしてから
腕をさっと下げて弛緩する。その間の無音の余韻を楽しみたいところですが、
相変わらずホールド状態で拍手が起きてしまい、ちょいと残念。
拍手をするタイミングとしては指揮者が腕を下ろしきってからにしたいところです。

昼公演。
当日券も発売されたのですが、ほとんど空席が目立たず9~9.5割の入か。
CD用だと思うのですが、録音されていました。
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by capricciosam | 2016-03-06 10:48 | 音楽 | Comments(0)

ベルリン・バロック・ゾリステンwithジョナサン・ケリー@Kitara2016

【プログラム】

1 C.Ph.E.バッハ オーボエ協奏曲 変ロ長調
2 J.S.バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調
3 C.Ph.E.バッハ シンフォニア ト長調
4 ヴィヴァルディ ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 変ロ長調
5 ヴィヴァルディ 合奏協奏曲集「調和の霊感」より協奏曲第7番 へ長調
6 J.S.バッハ オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調

ベルリン・バロック・ゾリステンの来札公演は2年ぶり。
前回はソリストにベルリン・フィル首席フルートのエマニュエル・パユ(以下「パユ」という。)が
同行していましたが、今回はベルリン・フィルの首席オーボエのジョナサン・ケリー(以下
「ケリー」という。)が同行。ほぼベルリン・フィルの楽員で構成されるメンバーの合奏力の高さは
前回公演で感銘を受けたのですが、今回もソリストがソリストだけに期待は大きかった。
(ちなみにケリーは今夏のPMFで指導陣の一員として来札が予定されています。)
さらに、ディレクターとして元ウィーン・フィルコンサートマスターのダニエル・ゲーデ
(以下「ゲーデ」という。)が加わってさらにパワー・アップしていたのは当日会場で知りましたが、
嬉しい驚きでした。

プログラムはほぼ一曲おきにオーボエが登場する構成となっていましたが、
1曲目からケリーの端正な中にも芳醇な響きがたまらない。
前回のパユの時はフルートという楽器の特性からか、華やぎが前面に出た感じがあったのですが、
ケリーのオーボエは華やぎの中にも落ち着きを強く感じさせてくれました。
これは楽器の特性による違いなのかもしれないのですが、どちらも紛う方なく
バロックであることは間違いありません。どちらも驚くのは管楽器がたったひとつなのに、
合奏するとフルオーケストラに近いサウンドの厚みを感じさせることだ。
ゾリステンとの見事な合奏は密度のある厚みのある響きを創りだし、
華やぎの中にも豊かな情感が感じられて、いやはやリッチな気分。
名手の名手たる所以というものでしょうか。

2曲目のJSバッハの「2台のヴァイオリンのための協奏曲」では
ソリストの一人をゲーデが勤めましたが、2人のソロの響きの素晴らしいこと。
これぞバッハと言わんばかりの豊かで芳醇な響き。
早くも会場からブラボーが飛びました。

プログラムを終えた後の鳴り止まぬ拍手にアンコールを1曲。

ヘンデル オラトリオ「ソロモン」より「シバの女王の入城」

拍手がさらに大きくなったのは言うまでもありません。
終演後はサイン会が予定されており、帰りがけに見ると用意されている席は
メンバー全員分のようでした。これも前回同様ですね。スゴイ。

名手による演奏会は充実しており、帰路も満足した気持ちに浸りましたが、
唯一残念なのは客の入り。当日は比較的穏やかな今冬では珍しく一日中吹雪という
あいにくの大荒れの一日。当日券で聴こうとした人の中には断念した人も多かったのでは
と推測するのですが、案の定3階席の空席が目立ち実にもったいなかった。
(前回同様P席とLA席、RA席のP席寄りは販売されなかったようです)
改めて、冬の演奏会開催の難しい一面を感じました。

近年は来札する国外オケの数がKitara開場の頃に比べたら少なくなってきただけに
数少ない機会のひとつが天気に邪魔されたのではと思うと少々残念でした。
あと深読み過ぎかもしれませんが、古楽は札幌では受けないのではないかという懸念も少々。
興行として成り立たないと次回がなくなる可能性もあるので心配です。

2/5大阪、2/6東京、2/7福島、2/10札幌と国内を巡演し、2/12北京、2/15ソウルへ。
大阪、東京、福島ではヴァイオリニストの神尾真由子さんも同行したようですが、
ゲーデと神尾さんの2台のヴァイオリンか、と想像しただけでもたまらないですなぁ~
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by capricciosam | 2016-02-11 15:01 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第585回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】
1 ラヴェル 組曲「マ・メール・ロワ」
2 メンデスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調
3 ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編).

指揮者のマティアス・バーメルト(以下「バーメルト」という。)は2014年1月定期に
登場(残念ながら未聴)し、再演の要望が強かったとのことで、今回2度目の登場と
なったらしい。1曲目からメリハリはつけながらも、総じて淡々と指揮しているように
見える様はまるで「職人の親方」のようで、確信に満ちてオケをドライブしている。

1曲目は子供のためのピアノ連弾曲の管弦楽版なので、おとぎ話的な不思議な音世界が
出現するのだが、バーメルトの手にかかると札響から実に繊細にしてきらびやかな
響きを紡ぎ出していく。そのため大ホールの空間に音が浮遊しているような錯覚に
襲われた。より色彩感の増す3曲目でもバーメルトの指揮ぶりに変化は見られない。
淡々とではあるが、手綱を緩めることなく着実にオケを高みに引き連れていき、
見事なクライマックスを形成するいぶし銀の手腕には感心した。
こういう力み返った音の感じられない、洒脱な音を引き出す指揮者は初めてだった。
また、以前の記事にも書いたように記憶しているのだが、
現在の札響はフランス作品に優れた適性を有するように感じる。

2曲目のイザベル・ファウストは2015-16シーズンの大注目ソリスト。
これだけの大物をよく呼んでくれたと、札響にアッパレをあげたい気分(笑)
とは言え、選曲がロマンティックな曲故、頭の中は疑問符だらけだった。
しかし、曲が始まってみるとソロがオケを制圧する訳でもなく、かといって
ソロがオケの音に埋没する訳でもなく、繊細にして精緻な音色の連続で、
極めて上質な織物でも織り上げていくような気分に襲われた。
こういう模範的でありながら感動させるメンコンは聴いた記憶がない。
聴衆のみならずオケからも盛大な拍手が送られ、アンコールを一曲。

J・S・バッハ 無伴奏パルティータ第2番よりサラバンド

絶品。お目当て的にはこちらだっただけに大満足。

昼公演。空席はチラホラ見られたものの9割以上の客入か。
姉妹都市オーケストラ交流の一環で韓国テジョン・フィルの
ピル・キュン・ポール・キムさんがゲストコンマス。
コンマス横に大平さん、後ろに田島さんと豪華布陣。
併せて、佐藤俊太郎さん、垣内悠希さんが今年4月から指揮者就任と発表される。
これも楽しみな情報です。
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by capricciosam | 2016-01-23 23:46 | 音楽 | Comments(0)

クリスマスの約束@2015

1 Today…全員で

MC「15回目を迎えた「クリスマスの約束」は横浜赤レンガ倉庫からお送りしたいと思います。」

2 なごり雪…小田さんのピアノソロで

MC「かぐや姫とは同じ事務所にいました。僕らにニーズはある訳もなく、かぐや姫のお供で
コンサートに行き、前座を終えて客席の後ろで彼らのステージを見ていました。庄やんの曲は
ナイーヴで、あの声と相俟って人気がありました。いろんなことが懐かしく思い出されます。」

MC「HYの仲宗根泉さんです。」番組初登場ですが、小生にとってもWHO?状態です。
曲がイントロから順に降りてくるとの発言に、小田さん「ウラヤマシーですね。」
彼とつきあってとてもハッピーな状態だったんだけれど、バラードはせつなさを求められている
と考え、一旦彼と別れ、作品が出来た後、よりを戻したとの発言には会場からもどよめきが。
その曲を小田さんとのデュエットで。

3 366日

MC「和田唱、TRICERATOPSです。」
今回は彼との事前練習が8月から開始されていったことが紹介される。
小田さんとマンツーマンで。時には8時間近くも続いたこともあるようです。
大先輩にも物怖じしない態度に、小田さんも「アイツ、凄いなー」の一言が。
3ヶ月かけて納得できるゴールが見えてきた。
「できるだけ少ない音で、ギターだけで2人だけでやろうとしたら、
昔そう言えばこういうことを散々やってたなー、受けなかったけど、
と懐かしく思いだそうとしていた。」
こういう発言に鈴木さんとのオフコース時代を重ね合わさないファンはいないでしょう。
和田さんが幼い頃マイケル・ジャクソンが好きだったということで2曲。

4 Heal The World
5 The Girl is Mine

MC「S&Gはあまり聴いてこなかった。ハーモニーは3人以上でという気持ちがあり、
2人というのはどうも。(2人のオフコース時代は)あれはやむを得ず2人だったんだよ。
キャロル・キングの自伝にポール・サイモンが同じ大学の先輩であると書いてあり、
びっくり、その上ポールが「僕には詞が書けないんだよ」と発言していたそうです。
あんな素敵な詞を一杯残してくれた詩人ポール・サイモンの真骨頂を聴いていただきます。
引き続き和田さんと4曲。最後はなんとAKB48の曲で、会場ノリノリ。

6 Old friends…S&G
7 Bookends…S&G
8 The 59th street Bridges Song…S&G
9 恋するフォーチュン・クッキー…AKB48

MC「リハーサルで、あなたにちゃんと告りたい、と言うとみんな笑うんだよ。」(笑)
「松たか子さんです。去年ちょっとだけやったクリスマスの約束でしたが(おっ、
小田さん自ら告白。やはりねぇ~)、あの時は(お腹の赤ちゃんと)2人で参加して
くれたんだよね。」
現在生後8ヶ月になるそうですが、小田さんは親戚以外で一番抱いてるんじゃないかと
自負しているそうで、「何もなくてもいいから、ちょくちょく遊びにきてよ。」と
見事に爺ぶりを発揮していました。
「昔からの音楽仲間やライバルが亡くなってくる。ハィファイセットの山本君の曲を
やりたいと思います。きっとどこかで聴いてくれると思います。」

10 よりそって二人

MC「JUJUさんです。」小田さんが「歌番組よくでるね」と振ると、彼女曰く
「ライブにこれない人も多いから、これ(=歌番組)がライブと思えば乗り切れる。」
とアッパレな発言を。「PPMが戦争に反対して作った歌を。」

11 Cruel War…(邦題「悲惨な戦争」)
MC「それでは、いよいよ委員会バンドです。」

12 HELLO,GOODBYE…The Beatles

委員会バンドはカバー曲以外に、水野(いきもの)作のオリジナル曲「約束」を歌った
そうですが、先輩たちからリハーサルでダメだしを食らったそうです。

13 帰れない二人…陽水と清志郎が交互に一行ずつ書いて2時間でできたそうです。
14 トワイライト・アヴェニュー…松田聖子に歌ってもらう想定で根本(スタレビ)作る
15 愛はきらめきの中に…ビージーズ

MC「5人のオフコースが最後に作った「I LOVE YOU」というアルバムに入っている
解散することがわかっていて作ったしおりみたいな曲です。」

15 きっと同じ…小田さんのソロで

MC「1980年からつきあいのあるエンジニアのビル・シネイと、ある時話していたら
戦争したなんて馬鹿なことしたな、という話になり、二人でしんみりとなったことがある。
彼とは別れる時、same moonと言うようになった。」

16 same moon
インタビューで小田さんは、「やれることはやってきたなー、一生懸命コピーして。
アマチュアでもあるまいに、何か助けてくれるだろうと。(そこまで追い詰めるのは
何故なんですか?)自分に対する責務だよ。ここで中途半端なものを提供してどうすんだよ
ということが常にあるよ。」(おっ、昨年の番組を見たファンには複雑な思いが、、、)

エンドロールは3年前の「夕日を追いかけて」を背景に。
ここでインタビューが入るが小田さんは次のように語ります。
「どうやって終わっていく、ツアーなんか。あまり深刻でなく考えたいよな。」
う~ん、小田さんも来年は69歳を迎える訳だから、いつかはツアー撤退も視野に入れて
おかなけりゃいけないのか。加齢は避けられないからね。

今年は昨年の手抜き感を払拭する丁寧な作りで、随所に小田さんの感想やメッセージを
聞くことの出来た仕上がりとなっていました。来年もこの水準を維持してもらいたいものです。

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by capricciosam | 2015-12-26 09:20 | 音楽 | Comments(2)