カテゴリ:音楽( 316 )

クリスマスの約束@2015

1 Today…全員で

MC「15回目を迎えた「クリスマスの約束」は横浜赤レンガ倉庫からお送りしたいと思います。」

2 なごり雪…小田さんのピアノソロで

MC「かぐや姫とは同じ事務所にいました。僕らにニーズはある訳もなく、かぐや姫のお供で
コンサートに行き、前座を終えて客席の後ろで彼らのステージを見ていました。庄やんの曲は
ナイーヴで、あの声と相俟って人気がありました。いろんなことが懐かしく思い出されます。」

MC「HYの仲宗根泉さんです。」番組初登場ですが、小生にとってもWHO?状態です。
曲がイントロから順に降りてくるとの発言に、小田さん「ウラヤマシーですね。」
彼とつきあってとてもハッピーな状態だったんだけれど、バラードはせつなさを求められている
と考え、一旦彼と別れ、作品が出来た後、よりを戻したとの発言には会場からもどよめきが。
その曲を小田さんとのデュエットで。

3 366日

MC「和田唱、TRICERATOPSです。」
今回は彼との事前練習が8月から開始されていったことが紹介される。
小田さんとマンツーマンで。時には8時間近くも続いたこともあるようです。
大先輩にも物怖じしない態度に、小田さんも「アイツ、凄いなー」の一言が。
3ヶ月かけて納得できるゴールが見えてきた。
「できるだけ少ない音で、ギターだけで2人だけでやろうとしたら、
昔そう言えばこういうことを散々やってたなー、受けなかったけど、
と懐かしく思いだそうとしていた。」
こういう発言に鈴木さんとのオフコース時代を重ね合わさないファンはいないでしょう。
和田さんが幼い頃マイケル・ジャクソンが好きだったということで2曲。

4 Heal The World
5 The Girl is Mine

MC「S&Gはあまり聴いてこなかった。ハーモニーは3人以上でという気持ちがあり、
2人というのはどうも。(2人のオフコース時代は)あれはやむを得ず2人だったんだよ。
キャロル・キングの自伝にポール・サイモンが同じ大学の先輩であると書いてあり、
びっくり、その上ポールが「僕には詞が書けないんだよ」と発言していたそうです。
あんな素敵な詞を一杯残してくれた詩人ポール・サイモンの真骨頂を聴いていただきます。
引き続き和田さんと4曲。最後はなんとAKB48の曲で、会場ノリノリ。

6 Old friends…S&G
7 Bookends…S&G
8 The 59th street Bridges Song…S&G
9 恋するフォーチュン・クッキー…AKB48

MC「リハーサルで、あなたにちゃんと告りたい、と言うとみんな笑うんだよ。」(笑)
「松たか子さんです。去年ちょっとだけやったクリスマスの約束でしたが(おっ、
小田さん自ら告白。やはりねぇ~)、あの時は(お腹の赤ちゃんと)2人で参加して
くれたんだよね。」
現在生後8ヶ月になるそうですが、小田さんは親戚以外で一番抱いてるんじゃないかと
自負しているそうで、「何もなくてもいいから、ちょくちょく遊びにきてよ。」と
見事に爺ぶりを発揮していました。
「昔からの音楽仲間やライバルが亡くなってくる。ハィファイセットの山本君の曲を
やりたいと思います。きっとどこかで聴いてくれると思います。」

10 よりそって二人

MC「JUJUさんです。」小田さんが「歌番組よくでるね」と振ると、彼女曰く
「ライブにこれない人も多いから、これ(=歌番組)がライブと思えば乗り切れる。」
とアッパレな発言を。「PPMが戦争に反対して作った歌を。」

11 Cruel War…(邦題「悲惨な戦争」)
MC「それでは、いよいよ委員会バンドです。」

12 HELLO,GOODBYE…The Beatles

委員会バンドはカバー曲以外に、水野(いきもの)作のオリジナル曲「約束」を歌った
そうですが、先輩たちからリハーサルでダメだしを食らったそうです。

13 帰れない二人…陽水と清志郎が交互に一行ずつ書いて2時間でできたそうです。
14 トワイライト・アヴェニュー…松田聖子に歌ってもらう想定で根本(スタレビ)作る
15 愛はきらめきの中に…ビージーズ

MC「5人のオフコースが最後に作った「I LOVE YOU」というアルバムに入っている
解散することがわかっていて作ったしおりみたいな曲です。」

15 きっと同じ…小田さんのソロで

MC「1980年からつきあいのあるエンジニアのビル・シネイと、ある時話していたら
戦争したなんて馬鹿なことしたな、という話になり、二人でしんみりとなったことがある。
彼とは別れる時、same moonと言うようになった。」

16 same moon
インタビューで小田さんは、「やれることはやってきたなー、一生懸命コピーして。
アマチュアでもあるまいに、何か助けてくれるだろうと。(そこまで追い詰めるのは
何故なんですか?)自分に対する責務だよ。ここで中途半端なものを提供してどうすんだよ
ということが常にあるよ。」(おっ、昨年の番組を見たファンには複雑な思いが、、、)

エンドロールは3年前の「夕日を追いかけて」を背景に。
ここでインタビューが入るが小田さんは次のように語ります。
「どうやって終わっていく、ツアーなんか。あまり深刻でなく考えたいよな。」
う~ん、小田さんも来年は69歳を迎える訳だから、いつかはツアー撤退も視野に入れて
おかなけりゃいけないのか。加齢は避けられないからね。

今年は昨年の手抜き感を払拭する丁寧な作りで、随所に小田さんの感想やメッセージを
聞くことの出来た仕上がりとなっていました。来年もこの水準を維持してもらいたいものです。

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by capricciosam | 2015-12-26 09:20 | 音楽 | Comments(2)

札幌交響楽団第584回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番ト長調
2 ブルックナー 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(ハース版)

マックス・ポンマーさん首席指揮者就任後2回目の定期演奏会も独墺系プログラム。
同じ系統としても前回がライプツィヒ・プロとすれば、今回はウィーン・プロか。

1はソリストの独奏から始まり、その独奏が曲全体の雰囲気を暗示する。
ソリストのゲルハルト・オピッツさんは、ゆったりとしたテンポを保ちつつ、
大人(たいじん)のごとき雰囲気を湛えながら弾き進めていく。
その情感溢れ、安らぎに満ちた響きのなんという心地の良さよ。ベテランの味わい。
ボンマーさんも札響をうまく統率して、ソリストの作る雰囲気を壊さないため、
情感豊かな音楽が大ホールを満たしていく。
札響がこの曲を取り上げた前回の2007年定期演奏会では小菅優さんがソリストを
努めていたが、この時も達者な演奏に満足していたのですが、今回は異なった次元
での満足感で満たされました。鳴りやまぬ拍手に応えてソリストがアンコールを1曲。

ブラームス 6つの小品 作品118-2 間奏曲

これは絶品だった。オピッツさんはソロリサイタルで聴きたい方だな。

2では弦楽器が弦楽パート中心に増員されました。
ポンマーさんはゆったりとした指揮に時折こまかなニュアンスを加えながら、
ブルックナー特有の重層的響きを連ねていきます。テンポを乱すことなく、
楽章を進めるのが、あたかも一歩一歩高い極みを目指すがごとき感じです。
ブルックナーでは弦楽パートの作る厚みに、管楽器の充実もないとつまらない
のですが、ホルンはじめ札響はよく締まった演奏で応えていたと思います。
あっさりとした味わいながら清々しささえも感じさせる秀演だった。

昼公演。8~9割の客入か。CD化を目指した録音がされていたようですが、
演奏中にハンカチ等で口を押さえずに咳をしたと思われる人や、音楽が鳴り
やんだものの指揮者が腕を下ろしきらないうちのフライング拍手などがあり、
編集でなんとかするのでしょうが、少々残念でした。
特に2は大盛り上がりで終わるだけに、余韻を楽しみたかったなぁ、、、

それから、7月定期演奏会のライブ録音されたCDが先行発売されていましたが、
今回含め公開されている来シーズンの定期演奏会プログラムからみて
エリシュカさんとは異なるスタイルでの録音がされるようですね。
一連のメンデルスゾーン作品を期待したのですが、まぁこれはこれで楽しみです。
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by capricciosam | 2015-12-12 23:56 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第583回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 ベートーヴェン バレエ「プロメテウスの創造物」序曲
2 モーツァルト ピアノ協奏曲第25番ハ長調
3 ショスタコーヴィチ 交響曲第10番ホ短調

今シーズンの札響定期演奏会を眺めていたら、優れた演奏家が指揮をする
企画に目が止まった。9月のカール・ハインツ・ホリガーさんと、
今月のウラディミール・アシュケナージさんである。
オーボエ、ピアノの分野で各々歴史に名を刻まれることは間違いなしの
第一人者であるが、近年指揮活動も活発にされているだけに注目していた。
すでに終えた9月のホリガーさんの感想はこちらです。

アシュケナージさんと札響との共演は1970年以来とのことですが、これは未聴。
kitaraでは2001年、2004年に指揮者として来演して以来とのこと。これも未聴。
(以上、配布された資料による。)
小生としては1992年北海道厚生年金会館でのピアノリサイタル以来だから、
実演に接するのは20年ぶり以上。その間TVでもっぱら○響の音楽監督としての
指揮者としての活動を見ていたにすぎないのだが、正直言って
なんとも大雑把に見える指揮で、よく○響は演奏できるな~、と素人考えで
あっけにとられていた。

そんな指揮ぶりをいよいよ目の当たりにできる訳だが、
1では確かに「TVで見るそのままだー」的なミーハー的驚きはあったものの、
すぐに音楽に耳を傾けることに気持ちを切り替えていた。
1,2ともに指揮者としての個性は特段感じられず、一言で言えば「無難」。
取り立てて心揺さぶられることもなく、淡々と過ぎ去っていった感じで終わった。

しかし、ドラマは最後の3にあった。
今年2回目で、夏のゲルギエフ&PMFオーケストラの熱演が記憶に久しいだけに、
聴く側のハードルはやや高くなる。この作品はショスタコーヴィチ自身が
言ったと言われる「人間の感情と情熱を描いた」と評される暗く、重々しく、
厳しい側面を有するが、第一楽章冒頭から札響各パートが凄い集中力で演奏を
展開していき、しかも途切れることなく最後まで持続したのには少々驚いた。

もちろん、いままで聴いた定期演奏会でもこれ以上の力を傾注をしていたのだ
とは思うのだが、なにしろ演奏される場の孕む緊張感が、
「これまでこんなのあったかー!?」的な驚きの連続で、
こんな演奏にはそうそう出会えないんじゃないか、という驚きが先に立った。
札響各パートは持てる力を発揮することになんら躊躇することなく、
アシュケナージさんの指揮に即応して力量の限りを示していたと
断言しても過言ではないだろう。プロとしての矜持の高さとでも言うべきか。
これほどの凝集度の高い演奏というのは、なかなか出くわすことは難しい。
「一期一会」なる言葉が脳裏に浮かんで仕方なかった。名演。

ソリストの河村尚子さんについては、この方が将来について
どのようなベクトルをお持ちなのか?その点を感じられないまま終わった感が強い。
かといって、演奏がつまらなかった訳ではない。
むしろ、活き活きと演奏されたように感じられる部分も少なからずあったのだが、
果たして彼女の指向性はモーツァルトなのか? 他の作品でも聴いてみたいものだ。
ソリストアンコールは

4 J・S・バッハ(ペトリ編曲) 羊は安らかに草を食む

昼公演。8~9割の客入か。録音されていた。

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<追記11.30>記事の一部について加筆、修正しました。


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by capricciosam | 2015-11-28 22:05 | 音楽 | Comments(0)

オッコ・カム&ラハティ交響楽団@Kitara2015

【プログラム】

1 シベリウス 交響詩「フィンランディア」作品26
2 シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47
3 シベリウス 交響曲第2番ニ長調 作品43 

"プログラムを見るとシベリウスの定番中の定番曲だから名曲コンサート。
でも、東京で交響曲チクルスが3日間かけて行われることを考えると、
札幌でのシベリウス受容の限界をも示していると言えるのかもしれない。
あまりにも斜に構えた見方か。しかし、興行として集客を考えるなら
凝ったプログラムで空席にする訳にもいかず、やむを得ない面もあるか。
(事実チケットは完売、やはり名曲、定番スタイルは強い)。
また、名曲だからこそ聞く側も耳に馴染みがある以上ハードルも上がり、
いわゆる「受けない」怖さも演奏する側にあるのではないか。
おっと、これはうがちすぎか。"
なんてことをつらつら考えていたら、Kitaraに着いた。

ラハティ響は初めて聞くのだが、指揮者のオッコ・カムさんは
2005年小樽で札響との共演を一度聴いている
また、フィンランドのオケということでは、2001年に
レイフ・セゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルをKitaraで聴いている。
このときはちょうど9.11から4日後で、世界中にテロに対する恐怖と怒りが
渦巻いている最中だった。余談だが、この時レイフ・セゲルスタムさんは
演奏を始める前に曲が終わっても拍手をしないようにと言ったと思うのだが、
なにせ外国語。終曲後に結構な拍手が起きてしまったのは残念だった。
興行側が機転を利かせて急遽通訳してその思いを伝えてほしかったと思う。
閑話休題。いずれもプログラムの1と3は共通。しかも、順番まで。
「フィンランディア」が先で「交響曲第2番」は後。
この2曲はシベリウスの代表曲として広く受容されている証なのだろう。

例えば1の「フィンランディア」は日本的には最後の盛り上げ的にプログラム
されることも度々目にするだけに、プログラム冒頭に置かれると
「えっ、最初から!?」的な驚きが小生にはある。
しかし、2005年の札響との演奏会でオッコ・カムさんは、のめり込みの少ない
推進力のある展開に持ち込み、終わってみると意外感に打たれて
客席に身を沈めたものだ。また、ヘルシンキ・フィルでも、やはり変な思い入れを
排除したような透明な響きで一貫していたように記憶している。
つまり、普段耳にする作曲家や曲の背景を想起させるような情報(情緒?)過多な
演奏とは対極にある、ある意味淡々とした演奏だった。

今回のラハティ響でもオッコ・カムさん指揮ということもあるのだろうが、
こういう基本線は変わらない。それに加えて厳しい自然や荒々しさを想起させる
かのような、逞しく力強いゴツゴツしたオケの響きが新鮮で興味深かった。
これは3の交響曲第2番でも同様で、一体となって燃え上がる見事な
クライマックスを築いていた。

ラハティ響がシベリウス音楽祭のレジデントオーケストラとして活動している
以上、フィンランドでシベリウスの曲に向き合う姿勢の一端を見せられたように
思うとともに、シベリウスの作品に対してこれまで形成されてきた自己のイメージ
に修正を迫られたようにも感じた。
ある意味目からウロコ状態、と言っても過言ではないのだろう。

2のソリストは神尾真由子さん。
神尾さんのソロを聴くのはBBCフィルとのメンデルスゾーン、
札響とのブラームスを経て今回で3回目だが、オケと対峙して一歩も引かず
(時には凌駕するかのような)堂々たるソロを聴かせてくれ圧倒された。
見事な集中力。着実にステップアップされているようで満足度は高い。

沸きに沸いた大ホール。鳴り止まない拍手にアンコールをソリストが1曲、
オケが3曲演奏してくれた。順に

4 エルンスト「魔王」(シューベルトの主題による大奇想曲)

5 シベリウス 悲しいワルツ
6 シベリウス ミュゼット(組曲「クリスティアン2世」より)
7 シベリウス 鶴のいる風景

オケのアンコール3曲目はヘルシンキ・フィルのアンコール曲と同じで、
レイフ・セゲルスタムさんが鶴のように腕を広げて、羽ばたくように
指揮されていたのを思い出した。

<追記>
満席。放送用か記録用か不明だが録音していた。
オッコ・カムさんは、ステージに登場される姿は普通に歩いているのですが、
指揮中はずっとイスに腰掛けていました。腰でもやられたのかな、と心配。

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by capricciosam | 2015-11-23 23:51 | 音楽 | Comments(0)

アンネ・ソフィ・フォン・オッター&カミラ・ティリング@Kitara2015

【プログラム】

1 メンデルスゾーン 挨拶 作品63-3(D)
2 リンドブラード 夏の日(T)
3 リンドブラード 警告(O)
4 リンドブラード 少女の朝の瞑想(D)
5 グリーグ 6つの歌 作品48(T)
7 シューベルト ますD.550(O)
8 シューベルト 夕映えの中でD.799(O)
9 シューベルト シルヴィアにD.891(O)
10 シューベルト 若き修道女D.828(O)
11 メンデルスゾーン 渡り鳥の別れの歌 作品63-2(D)
12 メンデルスゾーン すずらんと花々 作品63-6(D)
13 マイアベーア シシリンエヌ(T)
14 マイアベーア 来たれ、愛する人よ(O)
15 マイアベーア 美しい漁師の娘(O)
16 マスネ 喜び!(D)
17 フォーレ 黄金の涙 作品72(D)

18 R.シュトラウス 憩え、わが魂よ 作品27-1(O)
19 R.シュトラウス たそがれの夢 作品29-1(T)
21 R.シュトラウス どうして秘密にしておけようか 作品194-1(O)
22 R.シュトラウス ひそやかな誘い 作品27-3(T)
23 R.シュトラウス 明日! 作品27-4(O)
24 R.シュトラウス ツェツィーリエ 作品27-2(T)
   
※D~デュエット T~ティリング O~オッター

アンネ・ソフィー・フォン・オッター(以下「オッター」という。)は
今年Kitaraに来演するビッグネームの一人であることは間違いない。
しかも東京と札幌だけの2公演のみという稀少さだけに、チケットは完売。
ただ、ソロリサイタルではなくソプラノのカミラ・ティリング(以下「ティリング」という。)
とのデュオリサイタルとなったのは、やはり加齢(60歳)による声の衰えなのか、
と少し心配だった。

予習を兼ねて所有するオッターのCDを聞いていたが、声量が抜群にある訳では
ないのに不思議に惹きつけるものがある人だな、と改めて感じた。
声に「演技力がある」、「表現力が巧みだ」、とでも言うのだろうか。
優れた俳優のようにその声で物語を語るかのような、本来の歌唱力にプラスされた
何かが滲んでくる不思議な魅力のある人だな、との感想を抱いた。
この感想がそうはずれたものではないかな、と思ったのは
当日のステージでオッターの歌声を直に聴いた時。

ティリングは歌手としては身振りも少な目に本来の歌唱で本番に臨んでいる
オーソドックスなスタイルなのだが、オッターは歌曲を歌うというよりは
視線の移動含めた顔の表情や身振り、仕草含めて演技的要素が豊かで、
まるでひとり芝居を見るかのようだった。
曲に込められた思いを具体的に表現する力が強い、とでも言うのだろうか。
オッターが長期にわたって一線にあり続けられ、多彩な活動を展開しているのは
実は声量というより、声質に付随するこの演技力、表現力が抜群だからではないのか、
天性のものがあるのではないか、そんな感想を抱いた。
それがため、加齢による声の衰えをカバーし、現役としての活動はもっと伸びる
のではないか、とも思った。

多彩なプログラムをデュエットしたり、交互にソロをとったりして聴かせてくれたが、
はじめに会場が沸き立ったのはティリングのソロによるグリーグだった。
豊かな才能を感じさせてくれ、ポテンシャルの高さが感じられた。
次にオッターのソロによるシューベルトでは4曲のうち2曲
「月に寄せるさすらい人の歌」「魔王」が「ます」「若き修道女」に変更になったが、
至福のひと時。時間の経つのが惜しまれ、もっと聴きたかった。
最後のR.シュトラウスではティリングとオッターが交互に歌う形をとったが、
歌い終わると、ステージ後方のイスに座り、互いのソロに聴き入るスタイルをとっていたが、
ティリングも身振り豊かになり、オッターも心持ちじりっと前に出たような力強い印象で
歌い上げた。二人が互いの持てる力を存分に解放していく様には圧倒された。
当夜の白眉。

ピアノのジュリアス・ドレイクの歌への寄り添い方も徹底していたが、
最後の一音が消え入るまで丁寧に伴奏していたことが印象的だった。
会場からのフライング拍手もなく、聴衆もすばらしい時間の共有に貢献していたと思う。

鳴り止まぬ拍手に応えてアンコールは3曲
1 オッフェンバッハ (「ホフマン物語」より)舟歌
2 ブラームス 姉妹
3 フンパーディンク (「ヘンゼルとグレーテル」より
             夜には私は眠りに行きたい 
2の前にはピアニストが英語で姉妹の関係を説明し、3ではオッターが
「もう眠い」とばかりに両目を両手でこするポーズをとっていた。

夕映えのような色鮮やかなロングドレスに白髪。
オッターは実に堂々と老いているようで、その自然な歌い方とともに
鮮烈な印象を残した。素晴らしいティリングの歌唱とともに、
なんと濃密で贅沢なひとときだったことか。
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by capricciosam | 2015-09-29 06:55 | 音楽 | Comments(0)

熱帯JAZZ楽団@札幌市民ホール2015

【セットリスト】

1 ミッション・インポッシブル
2 My favorite things
3 Azul ~ピアニカが沁みる
4 I've got the world on a sting ~シナトラで有名らしい
<メンバー紹介>ブラスのみ
5 ルパン3世 ~B.Saxをメインにテンポを落としたアレンジで
6 Kangaroo '98
<休憩15分>
7 Hip To Be Square ~ヒューイ&ニュースの曲
8 Alba Blanca
9 Eddie Pal Monte
<メンバー紹介>リズムのみ
10 Spain ~名曲、今夜の白眉
11 (メドレー)今夜はDon't Stop-スモーク・オン・ザ・ウォーター
   -ダンス天国-ねらい撃ち-狼少年ケン-今夜はDon't Stop
12 Celebration
<アンコール>
13 September~客電点き、ほぼ満席の会場は総立ち

今年で結成20周年を迎える日本を代表するラテン・ジャズ・ビッグバンド。

「カルロス菅野がオルケスタ・デ・ラ・ルスを脱退後にスタートした、
日本のインストゥルメンタルシーンを代表するミュージシャンを一堂に
集めたラテン・ジャズ・ビッグバンド。無機質な音楽が溢れている昨今、
メンバーが創り出すパワフルなリズムとハーモニーは年齢を問わず
幅広い観客を魅了する。」(以上、チラシより引用)

初めて聴きましたが、この言葉につきる感じ。楽しいひとときでした。
なお、セットリストは終演後掲示されてオープンになっていたのですが、
記事ではMC内容や感想を追加しています。

2を終えた後のMCでカルロス菅野さんが、
「結成20周年を迎えることができました。ありがたいですね。(この楽団が)
駆け出しの頃、札幌の野外公演(芸森のことでしょうか?)で、思いもよらぬ
熱烈な歓迎を受けたんですが、そこから駆け出すことができた。
札幌のお陰です。ありがとう!(会場から盛大な拍手)
20周年記念CDを出しました。今夜も熱く盛り上がっていきましょう!」
とおっしゃっていましたが、札幌への思い入れがあるんですね。

さらには、10の前では
「赤いの(還暦)が近づいてくる。(客席の女性からの「歳とらないよ!」に応えて)
よし、歳とらない。このままで、あと20年いってみたい。(拍手)
札幌には毎年何らかの形で来ます!(会場から盛大な拍手)
と、ファンにはたまらない発言も飛び出しました。
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<追記9.27>
本演奏会を聴きに行くことになったきっかけは神保彰さんです。
CASIOPEAも熱帯JAZZ楽団も結成当時は神保さんがドラム担当でした。
(現在は脱退し、CASIOPEA 3rdではサポートドラムという立場らしいです。)
そんな繋がりがわかって以来関心があっただけに、長年聴きたかった3公演を
今年一気に聴くことができたのは幸いでした。

なお、ワンマンオーケストラはおおよそセットリストが判ったのですが、
3rdは終演後もなかなか判らず、これがため記事にするのも遅れてしまいました。
記事作成は遅くなりましたが、記事の日付はメモリーとして各々の公演が
行われた月日に設定してあります。

◇神保彰ワンマンオーケストラの記事は、こちらです。

◇CASIOPEA 3rdの記事は、こちらです。

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by capricciosam | 2015-09-25 23:58 | 音楽 | Comments(0)

CASIOPEA 3rd@栗山カルチャープラザEki2015

【セットリスト】(参考)

1 CATCH THE WIND★
2 FEEL LIKE A CHILD★
3 MODE TO START★
4 HELLO THERE
5 SET SAIL
6 THE SKY★
7 Do-Loo-Doo?★
8 LOOKING UP
9 Midnight Rendezvous★
10 Time Limit★
11 DAYS OF FUTURE
12 A・O・ZO・RA
13 大高清美ソロ
14 BRAIN TO BRAIN
15 神保彰ソロ ~おなじみ手拍子、足拍子で客席も参加(笑)
16 鳴瀬喜博ソロ ~客席を巡りほぼ総立ち状態にしていく(笑)
17 ときめき(TOKIMEKI)
18 Fight Man★
<アンコール>
19 Asayake★
20 ARROW OF TIME

はじめにおことわりしておきますが、セットリストは終演後もわからず仕舞い。
参考として掲載したものは、後日北海道ツアー2日目の七飯公演セットリストを
検索してようやく見つけたものです。栗山公演でも野呂一生さんがMCを
兼ねたのですが、「(MCは)専門職ではないから」と会場から笑いをとっていた
くらいで、曲名も言ったり言わなかったりで、おまけにメモもとらなかったため、
曲順含めてツアーだからほぼ同一だろう、という程度です。
ただし、★印は記憶に残っていたので順番はともかく演奏されていました。

本公演は6月の神保彰さんのライブですでに告知されていたのですが、
また栗山では、距離と仕事から厳しいかな、と二の足を踏んでいました。
北海道は9/10札幌からスタートして七飯町、伊達市、栗山町、大樹町、
遠別町、湧別町の全7公演です。札幌近郊では栗山町のみで、
しかも料金が札幌の半額以下!これは強力なプッシュとなりました。
日本を代表するフュージョンバンドだけに一度はライブで味わってみたいところです。
しかし、札幌近郊もクラシックの演奏会ではちょくちょく足を伸ばしていたのですが、
よく探すとポップス含め色々あるんですね。

演奏では野呂さんのスーパーテクニックに圧倒されるのはもちろんですが、
ベースの鳴瀬さんのチョッパーぶりも凄まじいものでした。
あんな雄弁かつおしゃべりな(ここ掛けてマス)ベースは見たことありません。
CASIOPEA時代の神保彰さんはメンバーの一員でしたが、3rdでは
サポートドラムという立場のようです。6月のワンマンオーケストラに比べると
控えめに支えているという感じでしたが、「ヴァーチャル千手観音」は健在(笑)
年齢的に若い大高さんも腕達者な感じがしましたが、4人ともテクニック抜群で
一体となって醸し出すうねりは見事なグルーヴ感に満たされていたので、
そのノリに身体が自然に反応するという感じでした。
ちょっと広めのライブハウス的な感じで楽しめました。
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by capricciosam | 2015-09-15 23:17 | 音楽 | Comments(0)

東京都交響楽団札幌特別公演@Kitara2015

【プログラム】

1 外山雄三 管弦楽のためのラプソディー
2 ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー
3 ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調

2年ぶりの東京都交響楽団(以下「都響」という。)演奏会は名曲コンサート。
また、指揮の下野竜也さんは札響定期演奏会でも聴いているが、
明快な指揮ぶりで、オケの力を存分に引き出す方だなと感心していたが
選曲がやや凝りすぎで、例えるなら「変化球」が多いなとの印象が強かった。
それで、昨年の感想にいわゆる名曲も含む「直球」でも聴いてみたいと書いたが、
今回のプログラムは絶好の機会となった。

1では金管楽器奏者が拍子木を一斉に叩くと大ホールに乾いた音が充ちる。
所有しているNAXOSのCDも都響なのだが、迫力が数段違う。新鮮。
おてもやんを終えて尺八か、と思った音色はフルートが奏でていたが、うまいね。
各パートのうまさと合奏しても音の鮮明さが失われない都響サウンドに早くもブラボーが。
この曲もCDよりもライブが数段楽しい。

2のソリストは小曽根真さん。
本来はジャズピアニストだが、近年クラシック曲での出演も積極的なようで
ウィングを広げられている印象が強い。
PMFオーケストラとの協演で聞いた時は、カデンツァの最中にケータイが鳴る
事故
があったにもかかわらず、その着メロのメロディをすかさずアドリブで
取り入れて何事もなかったかのように演奏を続けられるという離れ業を目撃したが、
さすが即興に強いジャズ畑の人だな、と感心した覚えがある。

今回演奏された2は本来の演奏時間は17分程度だが、今回は30分以上に及んだ。
ソリストのアドリブが随所に入り、10分ほど延長された訳だが、
小曽根さんのJAZZ心あふれる切れの良いアドリブは聞いていて痛快な気分になり、
わくわくする気持ちが湧いてきた。演奏を終えるとオケからも盛大な拍手が送られていた。
鳴りやまぬ拍手に応えてアンコールを1曲。

小曽根真 Reborn

3は今回の期待値が一番高かったのですが、下野さんも緩急を自在につけながら
都響の引き締まったクリアな音色を活かした生気に満ちたドヴォ8を聴かせてくれました。
この直球はストライクゾーンど真ん中でした。
改めて下野さんと都響のポテンシャルの高さを感じる好演だったが、
都響の中では管楽器群のうまさが特に印象に残った。

終演後はほぼ満席の会場からの盛大な拍手に応えて、下野さんがマイクを持って登場。
ヴァイオリン、ホルン、打楽器、トロンボーンの道産子団員4名を紹介した後、
「またぜひお越しください。」と挨拶されましたが、ぜひ再来札を期待したいところです。
「私の話で終えては締まらないのでアンコールを一曲」とおっしゃってアンコールを。

ドヴォルザーク スラブ舞曲第15番作品72-7

記録およびインターネット配信用に録画されていたが、YouTube都響公式チャンネルで
公開を予定しているようです。
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by capricciosam | 2015-09-13 20:42 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第580回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 フンメル 序奏、主題と変奏ヘ長調op.102
2 シューベルト アンダンテ ロ短調D.936A(ローランド・モーゼル編)
3 シューベルト 交響曲第7番ロ短調D.759「未完成」
4 バルトーク 管弦楽のための協奏曲

2015-16シーズンの定期演奏会も興味深いラインナップですが、
中でも9月は注目していた月のひとつ。
著名なオーボエ奏者のハインツ・ホリガー(以下、「ホリガー」という。)さんが指揮者
として登場するというのだ。ホリガーさんが国内の在京オケを指揮されている評判は
耳にしていたが、まさかホリガーさん程の人が、と半信半疑だっただけに、
実際に聴くことができる絶好の機会となったのは喜ばしい限りだった。

1でステージ下手からオーボエを手にして入場する足取りの軽やかなこと。
オケを背にしてオーボエを吹きながらところどころ指揮をする、という「吹き振り」
だったが、最初から安定した音量で朗朗と吹く姿は到底御歳76歳とは思えない。
札響も見事なアンサンブルで応え、これだけでも足を運んだ甲斐があるというもの。

吹き振りは1だけで、2以降は指揮に専念。
2はシューベルトの未完に終わった三楽章形式の交響曲の一楽章を、
現代スイスの作曲家が編曲したものだが、2の終結部で弦楽器の各トップが
かけあいながら演奏が停止した瞬間に続けて3の冒頭の低弦部に入っていった。
あたかも未完成の長い前奏のような位置付けのように思われた。
ホリガーさんはテンポを守った、オーソドックスな指揮で、
3では1楽章から2楽章もほぼアタッカ状態で名曲を仕上げていた。
何やら2と3を一環したひとつの作品として提示されたような思いで受け止めたが、
不思議な余韻が残った。「こういうのもありか~」

4は札響の演奏回数も13回と少ないが、小生も実演は初めてだった。
この作品は「オーケストラの各楽器を独奏者のように扱って、色彩感に富み、
生への肯定に向かう生命力を歌い上げている。」(以上、配布された資料より引用)
とあるように、オケの力量も問われる。ホリガーさんは全身を駆使した、とても
メリハリのある指揮で牽引したが、札響もよくこれに応えて見事な演奏だった。
この曲もCDより実演のほうが数段楽しめる曲だとわかったのは収穫だった。

ホリガーさんの指揮は「名手の余技」という範囲でとどまらない、至極まっとうなもので
オーケストラのドライブも堂に入ったものでした。しかも、楽章間も汗ふきの間も
とることなく、ほとんどアタッカ状態で飄々と指揮をされる姿の若々しいこと!?
また機会があれば、他の作品で聴いてみたいものです。
それから、ホリガーさんは一曲ごとにオケに向かって拍手して健闘を称えるのですが、
終演後は札響の皆さんがホリガーさんに盛大に拍手をして指揮者を称えていました。
こんなにオケから賞賛される指揮者は久しぶりに見ました。

録音されていましたが、放送用でしょうか。
昼公演。客入りは8~9割か。
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by capricciosam | 2015-09-05 22:56 | 音楽 | Comments(0)

ヨーン・ストルゴーズ&NHK交響楽団@Kitara2015

【プログラム】

1 ベートーヴェン 「エグモント」序曲
2 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37
3 ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調作品67「運命」

前回N響を聴いたのは2012年だから3年ぶりとなる。
最初プログラムを見た時は
「なんだ、地方公演向けのオール・ベートーヴェン・プログラムか」
のような、少々がっかり感をともなったものものだった。
しかし、終演後はそんな当初の気分は何処へやらで、
N響の持つポテンシャルにすっかり満足して帰路についた。
音の密度が高いとでも言うのだろうか、力感みなぎるアンサンブルが大ホールに
満ちる様は、例えばPMFオーケストラとは異なるプロとしての矜持の高さを
示されたようで、通俗名曲の新たな発見をして感動したような気分であった。
もちろん、指揮者ヨーン・ストルゴーズさんの解釈も貢献したとは思うものの、
篠崎コンマス以下、オケの力の比重が高かったように思う。
満席の大ホールからの盛大な拍手に応えてアンコールを一曲。

シベリウス アンダンテ・フェスティーボ

ストルゴーズさんはヘルシンキ・フィルの首席指揮者を務めるだけに、
この曲での指揮は水を得た魚状態。素敵な締めくくりでした。

2ではアリス=沙良・オットがソリストとして登場。
3年前、フランクフルト放送交響楽団との来札公演で一度聴いているが、
相変わらず、すごいテクニックだなと感心した。3年前より深化している感じがする。
しかし、打鍵が総体的に弱く、作品への肉薄ぶりがあまり感じられなかった。
またオケも抑制され過ぎていたように思うので、なんとなくこじんまりした印象で、
高水準な演奏ではあるものの、総体としての満足度はもう一歩だった。
鳴りやまぬ拍手に応えてソリスト・アンコールを一曲。

リスト ラ・カンパネラ

彼女の持つ天性の奔放さが見事に現れた思い。圧巻。

3年前は裸足で登場しびっくりさせられたアリスさんだが、
今回は足元が見えないロングドレス姿のため裸足かどうかは判らずじまい。
熱心な追っかけの方によれば、ラメ入りの黒ドレス姿は今回のツアー初日の
東京と札幌のみのようです。また、会場ごとにソリスト・アンコールが異なった
との情報もありますから、引き出しの多い人なんですね。期待しましょう。

今回は東北北海道ツアーとして、8/21東京を皮切りに8/23郡山、8/25青森、
8/26函館、8/28旭川、8/29北見、8/31札幌と同一プログラムで行われた。
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<追記9.4>
記事の一部を修正しました。

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by capricciosam | 2015-08-31 23:57 | 音楽 | Comments(0)