カテゴリ:読書( 36 )

問題な日本語@大修館書店

◆ 「真っ退屈」!?治癒の道険し
 
 先週の木曜日にやった腰痛ですが、金曜日は休めない仕事が
 あったので出勤、おまけに残業。
 土日に休養をとればなんとかなると高を括って、とりあえず薬を
 飲んで、湿布して、ひたすらごろごろ寝ていた。要するに「安静」
 にしていた。
 怠惰な生活が招いたとは言え、天から与えられた休養、と都合
 良く解釈してはみたものの、いっこうに回復する兆しとてなく、
 回復の実感はせいぜい1割程度。
 それに薬もなくなってきたので、焦って病院へ。
 
 私「先生、依然不調です」
 医「まあ、数週間はかかるでしょうね」
 私「ほんとですかぁ!」
 医「まあ、痛い姿勢だけはとらないようにね
   ぼくもやっちゃってまだ痛いんだよ、痛っ!」 
 (ウソみたいですが、ホントの会話です)
 
 しかし、私の場合は腰をかがめることができないので、この段階
 ではまだ座ることもやっと。
 しょうがないので、またひたすら薬を飲んで、湿布して、腰痛体操
 に取り組んで、ひたすらごろごろ寝るばかり。
 ようやく、少し座っていられるようになって、これを書いています。
 ごろごろしていても退屈なので、退屈しのぎに買っては積んどいた
 本をまとめて読んでいました。ジャンルを問わない乱読です。
 
 「問題な日本語」も、その中の一冊。
 言葉は生き物、とはいうものの、時代に生きる人に使われるうちに、
 使われ方が変化している様は実に興味深い。
 その一例。
 その色の程度を強調する時に、「真」という接頭語をつけますが、
 思い当たる色と言えば、白黒赤青黄ぐらい。

 「真っ白」「真っ黒」「真っ赤」「真っ青」「真っ黄色」

 その他の色は日常では、まずお目にかからないはずなのですが、
 「真っ茶」なんて言い方も発生し始めたようです。
 本でも「茶髪」との関連を指摘していますが、私が思うにカテキン、
 缶茶ブームに見られる「お茶」への認識の高まりの延長上で
 「抹茶」という語調と結びついたものかなぁ、との感想を抱きました。
 この点はイラストでほのめかしてありましたが、共感を覚えました。
 
 その他にもいろいろあっておもしろいのですが、例えば「雰囲気」。
 これなんて読みますか?
 「ふんいき」ですよね、ところが、「ふいんき」と読む人が
 増えてきたのだそうです。
 本では、明らかな誤用としているものの「今後広く定着する可能性が
 全くないとは言い切れません」と指摘しています。
 「お騒がせ」を「おさがわせ」と言う例も同様のようです。
 でも「新しい」「山茶花」も「あらたしい」「さんざか」が本来のようなの
 に順序が入れ替わって、定着した例なのだそうです。
 これには正直ビックリしました。
 言葉は生きているんだなぁ、ということを改めて納得した一冊です。
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by capricciosam | 2005-07-13 19:19 | 読書 | Comments(0)

人は仕事で磨かれる@文藝春秋

◆ 丹羽宇一郎氏の生き様に触れてみる

  盛り上がらない話続きでしたが、私的には嬉しいこともありました。
  葬儀も終えてほぼ落ち着いた頃、仕事を終えて帰宅したところ、
  怪しげな小包が自宅に届いていました。
  「エキサイトからだ、なんだろう」と訝りながら開けてみると、
  応募した本人も忘れていたプレゼント本でした。
  「やった」
  プレゼントの類は当たった試しがない私としては凄いこと。
  
  著者は現役の商事会社会長でこの6月には退任するそうですが、
  社長になってからの生き様は時々新聞やTVでも取り上げられて
  いて、常々興味をもっていました。
  中でも以前新聞に載っていた「ゴルフの本を100冊読んで
  シングルになった」という逸話は印象深いものでした。
  サラリーマンはせいぜい週一回ぐらいしかゴルフできないんだ
  から、筋肉よりも頭脳で覚えるしかない、そのためまず本を読む
  こと、読んで得たコツはラウンドで試して、うまくいったら頭脳に
  インプットする、というものでした。
  たいしたことではないようですが、ちょっとゴルフをかじった人には
  実践がいかに難しいものか、よく分かる話です。
  それでシングルプレーヤーとは凄いなぁ、というのが感想でした。

  さて、肝心の本ですが、さっそく読んでみました。
  ある仕事に取り組んでいれば、到達時間に個人差はあっても、
  その仕事のある一定の技量、地位といった「高み」には達する
  訳です。さて、その高みに達してからどのような行動をするか、
  で仕事を通じて獲得した人間性、人格の陶冶ぶりがうかがえる、
  と私は考えます。
  その点、著者には巨大な組織の頂点を極めながらも、現在の境遇
  を享受しておかなければ、という欲張った意識はなく、その境遇の
  終わった先に視線が向けられていて、むしろ「達観」の域にある
  ように思われました。
  それ故、社長、会長になってからも黒塗りの車を断って、東京近郊
  からの電車通勤を続け、自家用車は「カローラ」に乗り続ける。
  その信条は「社長を辞めたらタダの小父さん」という言葉に集約
  されているようでした。
  では、ビジネスには淡泊か、といったら、全然そうではなく、トップ
  としての果断な経営判断を次々に実行していく手腕には、
  「枯れた」印象は微塵もありません。
  身の処し方の清々しさが、濱の真砂ほどある凡庸な経営者像とは
  かけ離れた印象を与えているのでしょう。
  全編、著者の語りを文章化したようなスタイルで読みやすくなって
  います。
  単なる成功したトップの自慢話やビジネス書としてよりも、むしろ
  「いかに生きるべきか」「人生論」としての側面を強く感じる内容は
  期待に違わぬものでした。
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by capricciosam | 2005-06-18 15:23 | 読書 | Comments(2)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか@光文社新書

◆ 身近な疑問、そこには「本質」があるようだ

  遅々として進まぬ我が読書かな、との思いは変わらぬが、
  それでも一応去年以上の冊数はこなしたようだ。
  と言っても、まだヒトケタではねぇ…
  さあ、まだ半年以上ある、まだまだ読める

  最近読んだ本から
  山田真哉著「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」
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  気楽に手にとってはみたが、おもしろかった一冊。
  身近なエピソードをランダムに連ねる構成で、
  「会計」をわかりやすく解説していく。
  例えば、表題以外にも
   ・ベッドタウンに高級フランス料理点の謎
   ・完売したのに怒られた!
   ・あの人はなぜいつもワリカンの支払い役になるのか?
  等の、「つかみ」で惹きつけるエピソードが並ぶ
  それぞれ、会計の基本的概念を事例に置き換えて
  おもしろく読み進むうちに、それなりに納得。
  著者は「会計はもっと身近なもの」で、「会計の本質は
  それほど難しくはない」との信念から、この書を成した
  ようだが、「会計の本質を大まかにつかむ」という所期
  の目標は達成したように思う。
    
  
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by capricciosam | 2005-05-11 22:49 | 読書 | Comments(2)

最終電車

◆ あ~あっ、出発しちゃったよ

  本屋に立ち寄って、雑誌や実用書をあれこれ買ってきた。
  その中に幸田真音さんの年金改革の話があった。
  シニアになると、年金も遠い話ではない、むしろ切実な話。
  年金改革も小手先の「いじり」ではもう立ちゆかない、
  それどころか破綻しかかっている、と言われて久しい。
  なにしろ、若年者が高齢者を支えるという仕組みが少子高齢化
  や出生率の低下で危機的状態に直面しているのだから。
  しかし、これはなにも日本だけの話ではないらしく、先進各国も
  この傾向は変わらないらしい。
  そこで、年金改革が成功するための目安がある訳だが、
  「その国の50歳以上の人口が有権者の50%を超えているか
  どうか」という点で、その時点を「ラストトレイン」と名付けている。
  年金改革成功のための最終電車の出発時刻という訳だが、
   イギリス            2040年  あと35年
   オランダ・スペイン      2025年  あと20年
   イタリア・デンマーク     2020年  あと15年
   アメリカ、ドイツ、フランス  2015年  あと10年
   スイス・フィンランド      2010年  あと5年
 
  さて、日本はいつなのか?と言えば、なんと、なんと
  2003年10月にすでに50%を超えてしまった、という
  ではないか。なんてこったい、と嘆息しても時の針を戻すことは
  不可能なこと。
  多少遅れても抜本的な改革をするしかもう手はないらしい。
  抜本的な改革で遅れた分を100%取り戻すことは無理としても、
  快速や特急並の効果で少しでも追いつけることを期待しよう。
  でも期待できるのか、正直、不安。
       
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by capricciosam | 2005-03-27 21:56 | 読書 | Comments(0)

あかね空@文春文庫

◆ なんとか読んだぞ!めざせ二桁

  年末に、一年を振り返って読書量が減ったことを嘆いてみたものの、
  嘆いたところで本が読める訳じゃなし、
  ましてや読んだ本が増える訳でもないのは当たり前のこと。
  それで、コツコツと取り組んでみた。
  少々、歩みは遅いが今日で3冊読了。
  やれば、やるもんだ、と感心。
  しかし、老眼になって焦点がジャストになりにくく、歯がゆさも少々。
  まあ、これはしかたないか。
  
  そのうちの一冊。
  山本一力著「あかね空」
 
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  江戸の新兵衛長屋に京風のとうふ屋を開いた永吉と
  おふみ一家の二代に渡る商いに苦闘する様子を描いた
  サムライがただの一人も登場しない下町人情物語。
  時代ものはあまり手にしないのだが、これは読みやすく
  どっぷりつかって読んでしまった。いいねぇ、この感じ。
  夫婦愛、親子愛、兄弟愛。
  「愛」という言葉の本来もつ滋味に久しぶりに触れた充実感。
  そして安堵感。
  さすが、直木賞受賞作というところか。
  何年か前の受賞時に、作者がこの物語の舞台となった下町
  に住んでいて、奥さんと二人の子供達とともに発表会場に
  自転車でかけつける様子がドキュメントで放送されていて以来、
  興味があった作品でもあった。
  
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by capricciosam | 2005-01-30 23:23 | 読書 | Comments(0)

たったこれだけ

◆ 片手+1
  
  本は生活(というより人生)で欠かせないアイテムだ、
  と今でも思う。
  ちょっと自信がないのは、年々完読できた冊数が減って
  きているからだ。
  一年に読んだ本の数の記録をとりだして今年で8年。
  今年完読できたのは6冊だけ。
  しかも文学系はゼロ。ふーっ。
  この頃、実用的なもの、人生指南的なものに片寄っている。
  得した気分にはなるんだけれど、感動の持続時間が短い。
  
  年々歳々、心のみずみずしさを失っていくんだから、
  心にも「水」をあげて潤いを保ちたいものだ。
  上質なフィクションを読んで、どっぷり浸かった後って
  いいんだよなぁ。
  もうすぐ、新年。読書の量的かつ質的転換を図っていこう。

  「災」に象徴された今年もスマトラ沖地震でとどめをさされた。
  最後くらいは陽気に終わりたい。
  オ~レ、オ~レ、マツケンサンバ!
  今年の紅白の瞬間視聴率はマツケンサンバで決まり、かな?
  
  

  
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by capricciosam | 2004-12-31 23:10 | 読書 | Comments(0)