<   2006年 02月 ( 10 )   > この月の画像一覧

武満徹没後10年によせて②@Kitara2006

先日記した没後5年特別企画「夢窓」の命日当日に行われた
「武満徹の管弦楽-1980s」と題する演奏会は下記のような
プログラムでした。

指揮:尾高忠明★
ヴィオラ:今井信子
フルート:エミリー・バイノン★
オーケストラ:新日本フィル
曲:弦楽オーケストラのための<死と再生>
  ウォーター・ドリーミング★
  トィル・バイ・トワイライト★
  ア・ストリング・アラウンド・オータム★
  波の盆~オーケストラのための★

この演奏会は聴くことはできなかったのですが、★印のついた
部分は今回の札響定期とまったく同じです。
その上、札響もオール武満プロは定期としては30年ぶりらしい、
となれば、今回を逃すとちょいと後悔するかもなぁ、と思い至り、
なんとか仕事をがんばって時間を作って出かけてきました。
二日目昼公演の当日券でしたが、入りは7割くらいかな。
「弦楽のためのレクイエム」以外は聴いたこともない曲ばかりです。

今回のプログラムも、大江氏の言葉にあったエラボレイトを
積み重ねていった武満の作品が「弦楽のためのレクイエム」から
年代順に演奏されていったように思います。
いずれの作品も武満らしい「響き」と「うねり」が作り出す「静謐さ」
「浮遊感」「無限性」を感じさせてくれます。
「ア・ストリング・アラウンド・オータム」は独奏ビオラの落ち着いた響き
が秋にふさわしい。ただ聴いていた3階席では少々音量が不足気味
だったような感じもしました。これはビオラという楽器の特性のせい?
「ウォーター・ドリーミング」の無限に連環するがごとき様はフルートの
甘美な響きによって浮かんでは消えていく色彩や、時には「歌」も
感じさせてくれました。

誤解を恐れずに言えば武満徹の作り出した曲には「響き」やその
連なりとしての「うねり」はあれど、「歌」や「抒情」なんてある訳ない、
なんて勝手に誤解していたようです。
それを見事に証明してくれたのが最後に演奏された
「波の盆~オーケストラのための」です。
この作品には武満自身が内面に秘めていた見事なまでの
「歌」が奔流となって表出されくるのです。これには驚きました。
いただいたパンフの札響団員の方の話にも演奏しながら泣く奏者
がたくさんいる、との話を見つけ、首肯できる話だなぁ、と思いました。
この曲はもっと知られて良い曲だ、と思います。
アイブスの「宵闇のセントラルパーク」に似たところもチョイあります。

今回の体験で武満徹に抱いていた考え(先入観)が少し変わった
ようです。先日のペレーニもそうでしたが、
「食わず嫌いはあきません」を実感しています。

札響もよく健闘して武満トーンを表現していた、と思いましたが、
音に集中するあまり、音量が不足気味だったのではないか、とも
感じました。あの集中力で、もう少しボリュームがあれば、きっと
鳥肌モノだったのではないか、と改めて思います。
しかし、曲ごとにステージ上での転換がめまぐるしかったので、
大変だったでしょうが、見ている分にはおもしろかったです。(^^)

さすが定期らしく、フライング拍手、フライングブラボーもなく、
快適でした。でも、弱音やデミニュエンド気味に終わろう、という時に
咳が何回か飛び出したのは残念。録音して放送されるだけに、
せめて口をハンカチで押さえてくれればなぁ。
c0007388_8564323.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-26 09:08 | 音楽 | Comments(6)

武満徹没後10年によせて@東京オペラシティコンサートホール

今日は武満徹が亡くなって10年目にあたりますが、
ちょっと変わった体験をしたことを思い出しています。

亡くなって5年目の2月22日のことです。
この時東京に出張していて、偶然変わった演奏会に出会いました。
東京オペラシティコンサートホールを使った没後5年企画の一環で、
ちょうどその日は講演と演奏が組み合わされていました。
題して「音と言葉」
最初の講演は大江健三郎によるもので、1960年代に数年間
お互い近所で暮らしていた時があり、大雪のエピソードをイントロに、
武満の初演にほぼ立ち会いながら、演奏会後はすぐに帰宅して、
さきほどの作品をひとり振り返っていたこと、これを「独座観念」と
称していたこと、それは桜田門外の変で死亡した井伊直弼に
由来すること等が話されていきました。
話の展開はなかなかおもしろかったように記憶しているのですが、
次第に観念的、抽象的である部分が多くなるにつれ、頭がついて
いけなくなり、詳細まで記憶に残った訳ではありませんでした。
でも、その中で取り上げていた<elaboration>は心に残りました。

elaboration ①骨を折って作る、(完成への)苦心、丹精
          ②苦心の大作

つまり、武満徹ほど、その作品、思想、人間そのものを徹底して
エラボレイトして生きた人はいなかったし、その結果として
広く愛されながら決して通俗化せずに、社会的には独立している
生き方を貫けた、と大江氏は結論づけているのでした。

後日、本講演がまとまって雑誌「すばる」に掲載されているのを偶然見つけ、
さっそく買って読みましたが、印象としてはおおむね間違って
いなかったようで安心しました。
c0007388_2258182.jpg

後半、演奏されたのは「蝕(エクリプス)」「海へⅢ」「スタンザⅡ」
「そして、それが風であることを知った」の4曲でした。
「弦楽のためのレクイエム」のように、一聴してすぐに心が曲に
シンクロするがごときことはなく、実に淡々と終わってしまった、
という印象しかありません。
結局、後々「言葉」が記憶に残った不思議な「演奏会」でした。
c0007388_22575692.jpg


■当時命日に尾高忠明/新日本フィルがコンサートを開いていました。
 フルートにエミリー・バイノンが加わっていましたが、指揮者、
 ソリスト、演奏曲もよく見れば、2/24、25の札響 定期演奏会
 とほぼ同じ。当時聞けなかったので、チャンスかも。
[PR]
by capricciosam | 2006-02-20 23:27 | 音楽 | Comments(0)

ミクローシュ・ペレーニ@Kitara2006

ペレーニは一部の方達には有名な人らしいのですが、
何しろCDですら聴いたことがないので判断不能。
先日も書きましたが、器楽曲はあまり手を出さないジャンル故、
「早々に退屈したらどうしよう」
ましてバッハ以外はいまだかつて聴いたこともない曲ばかり、
でも今回は全国でこの札幌公演のみらしい、とのこと。
「え~い、はずれたら、それまでだ」
と、少々居直り気味ででかけたのでした。

ステージに現れたペレーニ氏は長身ながら、少々猫背気味で
はにかんだような眼差しで客席を見て、不器用な礼をします。
なにやらこの段階で人柄が忍ばれます。
「あれ、全然巨匠風じゃないぞ」

1曲目のJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第6番は
難曲らしいのですが、そんなことは微塵も感じさせない、
その完璧なテクニックに裏打ちされた誠実な音楽性が、
耳を奪います。暖かな人柄を感じさせる「音」に久々に
出会った気分でした。
当然のごとくイスに座り直して聴き始めたのですが、
2曲目のブリテンは突如として不安な気持ちにさせる音が入り乱れ、
曲自体になじめず。演奏とは別に正直つらい。
ここまでが無伴奏で、休憩をはさんだ3曲目以降が
チェロとピアノのソナタになります。
プロコフィエフはピアノとのかけあいもかみ合って、
落ち着いた雰囲気でかつ雄大な気分も時折顔をのぞかせる、
幾分親しみやすい曲でした。
最後の4曲目はドビュッシーらしい旋律がたびたびあらわれ、
空中に漂うがごとくの浮遊感のある曲。
今夜の曲ではこれが一番おもしろかったですね。
バッハを除けば、現代に近い曲中心のプログラムでしたが、
どの曲もペレーニは着実に弾きこなしていくのですから、
その力の高さは推して知るべしです。
しかも、それを一種飄々とした風情でやっちゃうんですから、
なんともすごい人です。

満席に近い会場からはブラボーもとび、鳴りやまぬ拍手に
応えてアンコールは2曲。最初がドホナーニ、ついで最後に
もう一度バッハの組曲第一番からアルマンド。
「いいなぁ」
この人のバッハは確かにうまいのですが、暖かさとか、
人間性のぬくもりのようなものを感じてしまいます。
生き様まで含めた「規範」といっても過言ではないような
感じでしたね。

終わってみれば、満足して会場を後にすることになったのは、
実に幸いなことでした。
改めて「食わず嫌いはあきまへんなぁ」という思いです。

■会場で札響のチェリストの方も何人かお見かけしましたが、
 4月にはこんな企画の演奏会も予定されているようです。 

■私がペレーニを知るきっかけとなったサイトはこちらです。
 お陰様で素敵な演奏家を知ることができました。
c0007388_054916.jpg
    
[PR]
by capricciosam | 2006-02-19 23:52 | 音楽 | Comments(2)

アウトレットモール

ここんとこ毎日帰宅が遅かったので、PCにさわることも
ほぼ能わす゛の状態でした。
雪も、あんなに降ったにもかかわらず、どうやら一段落のようで、
日一日と春めく日射しに、うずたかく積もった雪もじりじりと
低くなってきたような気配がしています。
でも、昨年は頻繁に来てくれた野鳥の訪れは依然さっぱりで、
さてさてどうしたものか、と思案しつつ妙案もなく待っています。

今日は、カミサンのリクエストで新千歳空港近くのアウトレットモール
に行って来ました。どうやらお目当てのお店があるようです。
道内での本格的アウトレットモールは小樽に次いで2番目の
ようで、昨年オープンしたのですが、空港に近いという立地
もあってか、今日も荷物を抱えた旅行客と思われるカップルも
目立ったりして、そこそこにぎわっていました。
カミサンは気に入ったモノがなかったようで、買い物は
しませんでした。結局二人でドライブしてきたような感じですが、
まあ、それも楽しいひとときです。

カミサンがお店でアレコレやっている間、コーヒーを飲んで待って
いたら、ストリートでは乗馬体験を楽しませてくれているのを発見。
気がついた時は父と娘が乗って出発しようとしているところで、
奥さんがケータイで写真を撮っていましたが、なるほど今風です。
と言いつつ、下の写真も自分のケータイで撮ったモノです。(^^)
c0007388_20552626.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-18 21:20 | 時の移ろい | Comments(0)

六花亭で肉まん!?

風はあったものの、一日中良いお天気でした。
日中の日射しは暖かく春めいてきていることを感じます。
そのせいか道路も雪は融け、幹線では舗装が露出しています。
でも、今年は大雪のせいか排雪が間に合わず、一歩
中小路に入ると、道路の両側にはうずたかく積まれた雪の山。
車一台がやっとの状態も依然解消されていません。

今日はおじとおばのお見舞いに母と行って来ました。
二人とも小康状態のようで一安心です。
帰りに六花亭に寄って、お茶しながら一休みです。
そこで思わぬモノを見つけました。
なんと、あんまん、肉まん、ホタテまんが新発売でした。
さっそく3種類買って、半分ずつ二人で食べてみました。
あんまんは胡麻あんがミックスされてとても美味。
肉まんもしっかりと作ってある感じです。
注目はホタテまん。これは初めて。
具はホタテと白身ざかなのすりみです。
私は問題なく食べることができたのですが、
母は一口でギブアップ。
ユニークすぎて早々に消えちゃうかな?(^^)
c0007388_20351015.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-12 20:38 | 時の移ろい | Comments(0)

誰も寝てはならぬ…トリノ五輪!?

トリノ五輪が開幕しましたね。
道産子も大勢出場しているのですが、実力的に?な人も
選考されていたりして、選手団の人数多い割にメダルは
大丈夫なのか、と個人的にはいささか疑問を感じています。
良い意味で裏切って欲しいものです。
まあ、4年に一度ですから、選手の皆さんには持てる力を
悔いのないように発揮してもらいたいです。

さっき開会式のダイジェストを観ていたら、各国選手の入場の時、
70~80年代の洋楽ヒットをかけていたのには、正直驚きました。
安易だけれど、低コストで、しかもノリは最高でしょう。
オープニングの高揚する気分にはピッタリかもしれません。
けれどどんな方針でこれらの曲を採用したのだろうか。
ちょっと興味あります。

日本選手団が入場する時は確かビージーズだったような。
それもディスコティックな曲ですから、一世風靡した
「サタデーナイト・フィーバー」当たりの頃のものかな。
そうそう、ドナ・サマーやYMCAもかかっていましたね。
懐かしいですねぇ。

演出でフェラーリがでてきたのもイタリアらしいですが、
走り出してステージで白煙をあげて何度も回転したのには
ビックリしました。
数ある演出でもステージに何人もの人が命綱をつけて
ネットを使いながらのパフォーマンスは目新しく、新鮮でした。
「来年のスター隠し芸に使われるぞ」
なんてカミサンと話していました。

また、オノ・ヨーコが「イマジン」の詩の一節を朗読したのも、
平和が常に脅かされているコンテポラリーな雰囲気を
象徴した感じで、今更ながら胸をうたれました。

しかし、最後の演出が一番のサプライズでした。
ルチアーノ・パバロッティの熱唱。
「誰も寝てはならぬ」
これにつきました。
まいった。
c0007388_0113234.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-11 23:57 | 時の移ろい | Comments(0)

伊福部昭さん死去

北海道に生まれ、その大地とのつながりを連想させる
土俗的香りが立ちこめる独特な作風の作品を提供し続けた
伊福部昭さんが先日亡くなられました。
このブログを始めた頃にその作品を取り上げた事があり、
感慨もひとしおです。
現代音楽において独自な軌跡を残された
伊福部さんのご冥福を心からお祈りいたします。

■当時とりあげたCDです、今も書きながら聴いています
c0007388_23411046.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-10 23:45 | 音楽 | Comments(2)

運動不足?

連日の雪かきの疲れも、早めのケアで大事に至らず
内心ホッとしています。
今日は昼食をはさんで休憩なしで一日中研修。
午前が終わった時に、座りっぱなしのいやな予感がして、
エレベーターを使わずに階段を使いましたが、
下りは問題ないものの、上りは一気にいけたのは8階まで。
少し呼吸を整えて、上階を目指しました。
息が上がり気味で、トホホな感じです。
「雪かきの疲れというより、やはり運動不足だなぁ」
帰宅する時は、喫茶店に寄ってコーヒーを飲んで一息いれました。
無事解放されたせいか、この一杯は格別でした。
c0007388_21223334.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-06 21:25 | 時の移ろい | Comments(2)

雪かきの日々

昨日は雪が降りしきる中の雪かきでしたが、
今日は朝から青空。
さっさと家の除雪をして、母の家に向かいました。
一階の一部の窓が埋もれかけており、急いで
除雪に取りかかりました。
表側をなんとか除雪して、次は裏側です。
しかし、裏へ向かう道筋がついていないため、時々
腰まで埋まりながらのラッセルです。
なんとか雪投げスペースを見つけて除雪し終えたら、
さすが、こたえました。
歳を感じます。
「う~ん、疲れた」

■今朝、近所のガレージに積もっていた雪、深さは約1mでした
c0007388_15264037.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-05 15:28 | 時の移ろい | Comments(2)

トロイ@DVD

昨夜から降り続いた雪のため、今朝から何時間も除雪
していました。午後までかかりましたが、クタクタです。
大量のドカ雪ですが、まったくどうなっているんでしょう。

たっぷりかいた汗を流してから、すっきりして
東レパンパシフィクテニスを観ていました。
連覇のかかったシャラポワか、復活したヒンギスか。
ヒンギスが常に主導権を握り、シャラポワにゆさぶりをかけて、
ミスを誘う。さすが、元女王です。
やはりヒンギスが一枚も二枚も上手でした。
一旦引退していたとはいえ、まだ25歳。
まだまだ先がありそうです。

ところで、昨夜は先日買ってきた「トロイ」を観ました。
封切り当時も観たのですが、廉価盤でさらに割引があったので、
ついつい買ってしまいました。
よくできている娯楽映画という印象は変わりませんでした。
トロイといえば、「ヘレン」「木馬」に代表される逸話が有名ですね。
ネットでいろいろ調べてみると、元々はギリャ神話の長い長い話で、
ホメロスのイリアスもその中のほんの一部のようです。
映画は、原作に頻繁に登場する神々を一切登場させず、
人間ドラマとして再編して、エピソードをつなぎあわせます。
映画をみていると短期間で戦いが終わったようですが、
神話では10年の長きに渡ってたり、アキレスがヘクトルの遺体を
12日間もひきずっていたり、ヘレンはトロイに嫌気がさして
ギリシャへ帰りたがったり、アガメムノンは勝利して帰った途端に
殺されたり、と原作がドロドロしているのには正直驚きでした。

原作の物語がアキレスの両親の結婚(なんと、これが人間と女神
の結婚なんですよ!)の場面で、招待されなかった
嫌われキャラの女神が「一番きれいな女に贈る」と記した
黄金のリンゴを送りつけ、ヘラ、アテナイ、アフロディーテの
3人の女神が競う場面から始まるようです。
「神様なのに争っちゃう訳!?」
神々の造形のなんと人間くさいことか。
ギリシャ神話というのもなかなかおもしろそうです。

■ギリシャ神話をダイジェストで紹介しているサイトはこちらです。

■トロイ遺跡を旅行された方のサイトはこちらです。

余談ですが、最初「トロイの木馬」で検索したのですが、
ヒットしてくるのはほとんどがウィルス関連でしたね。
時代だなぁ。(^^)
c0007388_22222155.jpg

[PR]
by capricciosam | 2006-02-04 22:34 | 映画 | Comments(0)