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ワーキングプア

蔵出し最終回です。
「クリスマスの約束」のラスト曲「東京の空」の歌詞の一節に

「がんばっても がんばっても うまくいかない」

というのがあります。本来は二人の間のことなのですが、
恋愛以外にもこの詞のような深刻な事態がある、というのが
今回の話です。

「ワーキングプア」という番組は2回にわたって放送されたので、
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
放送を見ていくうちに、私にはこの言葉自体の持つ「ミスマッチ感」は、
「異様さ」に、そして「衝撃」に変わっていきました。
それにしても労働人口に占めるこの層が、たいして表面に出ることなく、
徐々に増大している社会というのは、なんとも不気味なことです。
しかも、国がその実態を把握していない、というのもショックなことです。

番組でも指摘していたように終身雇用制度の崩壊とともに、
派遣社員や請負労働に代表される「非正規雇用労働」の増大が
一番の原因なのでしょう。ならば、景気回復とともに、正社員の採用が
増えれば解決するようですが、企業がいまさら正社員を増すとは
到底思えません。同じ仕事なら、ローコストでやってもらった方が
良いに決まっていることは、明らかです。労働環境は悪化するばかりです。
しかも、もっと問題だと感じたのは、構造改革や規制緩和の名のもとに
競争が激化して、いやでも敗者が生じざるを得ないのに、社会的に
「セーフティネット」が整備されていない、ということなのです。
いったん敗者になったら、支援制度も貧弱なのでもう浮かび上がれない、
というなんとも凄まじい社会がその姿を現しつつある、ということです。

でも、家族やローンを抱えた中高年も大変なんですが、
もっと深刻なのは若年層でしょう。
若年層が一旦この層に入ってしまうと、なかなか脱出することが難しく、
かつ非正規雇用はキャリアにもならないために、いわゆる正社員への道が
ますます遠のいてしまうか、なっても年齢の割りに給与が低いということです。
彼らは、意欲もあり、懸命に働いているのにもかかわらず、
生活保護水準以下の暮らしから脱出できない境遇に居続けざるを得ない。
番組に出演していた内橋克人さんの言う「貧困の再生産」に陥ってしまう
ことですが、やはりこれは異常な状態でしょう。
こうなりゃ、結婚も家庭もおいそれとはかないませんから、出生率の低下に
歯止めなんかかかるわけがない。老人が多くなるのに、それを支えてくれる
若年人口も減り、老人とておちおち安心して暮らせない。
しかも、この「ワーキングプア」層が今後も増えるだろう、というのですから、
事態の深刻さに認識を改めざるを得ませんでした。

やはり、将来の社会を危うくする要因となりかねないこの問題が
放置されてよいとは、到底思えませんでした。
果たして現内閣の掲げる「再チャレンジ政策」が功を奏してくれる
とよいのですが、何れにせよ、このままの状態が続けば、
私たちを待ち受けるのは、あまり愉快な社会ではないように思えました。
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写真はこの番組を見た後に、書店で同じタイトルに惹かれ買ったものです。
一読してみて、我が国社会を蝕んでいるこの現象を要領よくまとめてあり、
この現象の全体像を掴むには手頃な本だと思いました。
本文の前のクイズだけでも、ちょっとしたショックを受けました。

さて、今年も駄文、拙文を連ねてまいりましたが、
更新は今日にていったんお休みさせていただきます。
今年もいろいろ交流させていただきありがとうございました。
また、来年もよろしくお願いいたします。
では、皆様、良い年をお迎えください(^^)
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by capricciosam | 2006-12-30 17:57 | 時の移ろい | Comments(4)

クリスマスの約束@2006

俳句に季語があるがごとく、私のブログにも季語があるとしたら、
さしずめ小田和正さんの「クリスマスの約束」は、
「冬の季語」と言ってかまわないのでしょう。
昨夜放送分を録画しておいたのを見終わって、今書こうとしています。
とりあえず曲順に。

1曲目は「言葉にできない」
小田さんのピアノソロに四重奏がからみ、冒頭からノックアウト状態。
2曲目は「粉雪」
レミオロメンというグループ自体初耳。技巧に満ちた歌。
3曲目は「I love you」
尾崎豊のオリジナルの荒削りでストレートなせつなさに比べ、
もっと洗練された、大人っぽいせつなさを感じました。聴かせます。
4曲目「SAKURA」
いきものがかりも初耳のグループ。彼女うまいねぇ。
歌い終わってホッと深い息を吐いていたのが印象的。ガンバレ。
5曲目「みんなひとり」
6曲目「to U」
以上松たか子さん。彼女の歌は役者の余技程度の認識しかなくて、
聴いたことはなかったのですが、途中から居住いを正して聴きました。
7曲目「いまの君はピカピカに光って」
8曲目「悩み多き者」
9曲目「グッド・タイム・ミュージック」
以上斎藤哲夫さん。今回の構成の核は案外この人だなあ、という気がしました。
7曲目は宮崎美子さんを一躍有名にした有名なCMソングですから、会場に
いた若い方でも「あぁ、アレ」てな表情が写し出されていましたね。
8曲目は小田さんが泉谷の「春夏秋冬」、拓郎「人間なんて」と同列に
していましたが、残念ながら私は知りません。メッセージ性の強い歌ですね。
9曲目は代表曲だと思いますが、メッセージ性はもっとマイルドです。
10曲目「僕らなら」
11曲目「全力少年」
以上スキマスイッチ。小田さんが紅白出場を振っていましたが、
最近は紅白もまともに見たことないし、まったく初耳でした。
10曲目はメイキングで「へーっ」という感じでしたが、少々未完成な雰囲気も。
11曲目はノリのいい曲ですね。2曲聴いて彼らの才能には驚きました。
12曲目「My home town」
小田さんの若い頃が写し出されていて、オフコース当時と重なります。
13曲目「伝えたいことがあるんだ」
こんな切迫した調子で告白されたら、告白された方としてもたまらないのでは。
14曲目「僕らの街で」
KAT-TUNへの提供らしいのですが、あまり響かず。
15曲目「東京の空」
しみじみして、番組上ではうまくクールダウンしていたように感じました。

小田さん曰く、今回は「メッセージ」「伝える」というテーマで構成したそうです。

「風のように流れていた歌に影響を受けてきた。(略)どの曲にもメッセージ
がある。聴く人の気持ちが重なって、その物語が完結していくのだろう。」

ひくべき言葉も、足すべき言葉も見あたりません。
小田さんはその歌声、オフコース当時からの作品のイメージ、
そして一昔前のタ〇リの影響か「女々しい」というイメージがつきまとう
ようですが、私は以前からメッセージ性のある、骨っぽい作品を作る人だなぁ、
という印象がありました。それで今回は、案外、彼の本質的なところで
番組を構成したんじゃないのかな、との感想を持ちました。
見ごたえのある2時間でした。

今年はこの公開録画に参加されたぼくてきさんのブログのお陰で、
例年以上に楽しく鑑賞できました。
ぼくてきさんによれば、同一曲の取り直しも含め全26曲とのこと。
オンエアーされなかった「元気をだして」なんて、ぜひ聴きたかったなぁ…。
Thanks a lot , ぼくてきさん!

写真のCDには「冒頭からノックアウト状態」の「言葉にできない」が含まれています
オリジナルのオフコースのも良いのですが、これもきかせますね
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by capricciosam | 2006-12-29 23:59 | 音楽 | Comments(2)

変換ミスコン

漢字変換ミスコンテストというのも、今時にマッチしたミスコンテストですね。
でも見方を変えれば、変換の結果を「おかしい」と判断できる漢字力も
ないことには、このおもしろさもわからない、ということです。
国語力がもっと低下すると、いつかはこのミスコンテスト自体も
なくなるということなんでしょうか。

ここまで書き終えてから、
「上の文章をもう一度文節単位ぐらいで変換してみたらどうなるかな?」
といたずら心が湧いて、やってみました。
結果は次のようになりました。下線がミスしたところです。

感じ変換コンテストというのも、今時にマッチしたミスコンテストですね。
 デモ見方を変えれば、変換の結果を「おかしい」と判断できる感磁力もない
 ことには、このおもしろさもわからない、ということです。
 国語力がもっと低下すると、いつかはこのミスコンテスト自体も
 無くなるということなんでしょうか。」

ワープロ初期の頃に比べれば変換ミスはグッと少なくなったと思いますが、
やはりチラホラあるものですね。
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by capricciosam | 2006-12-26 23:07 | 時の移ろい | Comments(4)

年賀状

昨年に続き、今年もPCが故障のため住所録が吹っ飛び、
依然復活する意欲がわかず、今年は進みません。
まあ、バックアップをとらない私が悪いのですが、
それにしても、PCライフは便利さの一面、脆いものです。

そこで今回は、一部を除いて元旦以降届いた分について、
片っ端から出すことに割り切りました。
こりゃ、元旦から酔っ払っているヒマないなぁ!?

ところで、今年も年賀状の発売枚数は減少しているようです。
一年に一回のお互いの安否確認という考え方もあるでしょうし、
まったくの虚礼とみる見方もあるでしょう、さらにはもっと手軽に
あけおめメールで済まそうとする方もいるでしょう。
まあ、この辺は世代によって受け取り方も違うのでしょうね。
でも、これだけネットや携帯が普及すると、コストと手間のかかる
年賀状はいずれ廃れる習慣になっちゃうのかなぁ。
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by capricciosam | 2006-12-25 23:54 | 時の移ろい | Comments(2)

やはり、降った。

朝起きてみると、シンシンと雪が降っている。
たいして雪も降らずに年越しか、と思っていたら、やはり降りましたね。
休日で出かける用事もないので、こんな時は雪が降り止むのを待つ。
小降りになった10時過ぎ頃から除雪を始めたが、湿っていて少々重い。
自宅を終えて、母のところへ。この頃にはうっすらと青空も見えてくる。
ご近所の方と除雪をしていたので、それを手伝って、昼を食べて、
それからよもやも話をして帰ってくる。
すっかり晴れ上がった午後にはカミサンと散歩。
案の定、雪の後なのでいつもの散歩コースがほとんど歩くことができない。
それでも車を避けつつ、なんとか終える。
どうも歩き方がだらしない、というかしまらない感じ。
やはり、散歩の間隔が開きすぎるせいなのかな…。
それにしても除雪車ははいらなかったよう。除雪費もケチられているね。
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おかげで夕食を食べて寝込み、今頃更新しています。
この歳になると、クリスマスイヴなんて一体なんの話、という感じですが、
一応写真のCD「スーパースター・クリスマス」を聴きながら書いています。
雰囲気だけですが。
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by capricciosam | 2006-12-24 23:09 | 時の移ろい | Comments(2)

びっくり

蔵出し第三夜です。

録りためた番組を整理していたら、珍しい方たちが取り上げられている
番組がありました。その方たちとは上杉春雄さんと米沢傑さんです。
方や勤務医として札幌で、方や大学教授として鹿児島で活躍されている
現役医師でありながら音楽家です。上杉さんはピアニストとして、
米沢さんは声楽家として、それぞれプロ顔負けの活躍をされてます。

ところで、時期は違うのですが、私はお二人の実際の演奏会に
行った経験があるのです。余談を交えて書いてみます。

まず上杉春雄さん。
現役の医学生でありながらピアノの腕も達者ということで話題になった
18年前の北電ファミリーコンサートに出演した彼の演奏を聞きました。
場所は来春には閉館になる札幌市民会館。
恐らく上杉さんも正式なデビューコンサートだったのだろうと思います。
ステージに登場する時から手足の動きがぎこちなく、あがっていることが
ありありで、大丈夫なのか、と一抹の不安を覚えました。
曲はモーツァルトのピアノ協奏曲だったと思います。
演奏自体はやや窮屈な感じはあったものの、素人にもわかるような
目立ったミスもなく無事弾ききり、盛大な拍手を浴びていました。
弾き終わって聞いてるこちらも、急に肩の力が抜けたようになった
記憶があります。やはり応援する気持ちもあったのでしょうね。

最近、上杉さんは中断されていた演奏活動を再開されて、道内外で
積極的に演奏をされているようです。きっかけは、ご自身が勤めている
病院にあったピアノを弾いている時に、入院患者に「なぐさめられた」等
の好意的な反応をもらったことだ、とおっしゃっています。
再開後の演奏は聞いていませんが、最近聴衆の一人としての上杉さんを
異なる演奏会場で立て続けにお見かけしました。
最初はアーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジークスで、これは納得。
そしてもう一回は、なんと、エリック・クラプトンだったので、これにはびっくり。

次は米沢傑さんです。
3年前の札幌アカデミー合唱団の演奏会「ヴェルディのレクイエム」に
ソリストとして来札されました。当然プロと思っていたので、パンフをみて
「えっ、アマチュアなのか」とびっくりしたのですが、実際の歌声を聞いて
二度びっくり。声量豊かな歌声は、他のプロにまったくひけをとりません。
しかも、音程も安定しているので、聞いてて気持ち良くなりました。
とてもアマチュアとは思えません。
番組の中では、米沢さん自身もイヤホンで予習しながら歩いていたりして
時間を惜しんでいることがわかりましたが、奥様が東京まで行ってプロの
レッスンを受けて、それをそっくり米沢さんに伝えてレッスンに代えている、
と紹介されていることには少々驚きました。
やはり、あの声の維持には並々ならぬ努力があるのだなぁ、と。
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ところで、米沢さんは「999人の第九」の7年前の演奏会に
ソリストとして登場していることがわかり、これまたびっくりです。
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by capricciosam | 2006-12-23 20:49 | 音楽 | Comments(0)

「異国の丘」リハーサル見学会・朗読会2006

昨日の「蔵出し」の続きです。
今日はミュージカルのリハーサル見学体験の話です。

劇団四季のミュージカル「異国の丘」が道内巡演した時に
見学会・朗読会が行われ、ひょんなことから開演前の
リハーサルを見学することができました。珍しい体験でした。

この作品は「李香蘭」「南十字星」とともに第二次世界大戦を舞台にした
四季オリジナル作品で、「昭和の歴史三部作」として知られています。
昭和は一言で言えば戦争の時代、と何かで読んだ記憶がありますが、
この三部作も戦争抜きには作りえなかった作品でしょう。
戦争による惨禍の最大の犠牲者は一般国民であることは
これまでも、そしてこれからも変わらないでしょうから、
国民は戦争回避の動きをこれからも支持していくべきなのでしょう。
ただ、単なる戦争反対だけでは、直接的に安全を脅かそうとする勢力
への対抗策としては極めて弱いことも否めないことです。
テロや不穏な隣国を考えると、「戦争と平和」という重いテーマに
真剣に向きあわざるを得ない時代でもあるのでしょう。
ちょっと脱線してしまいました。話を戻します。

会場に一歩足を踏み入れると、もうリハーサルが始まっています。
ステージを見ると、出演者が皆私服で立っています。
ちょうど作品中のいろいろな場面での「立ち位置」の確認を
演出家の指示で次々に行っているところでした。
会場が変わることによる立ち位置の微妙なズレを修正している
のでしょうが、結構てきぱき、あっさりとやっていました。

印象的だったのは、主役を中心とした男性パートが
ひとかたまりとなって歌う場面。
群像の顔を部分的に出させたり、背筋をのばしたりして
全体の修正をかけていくのですが、修正を終えてみると
一群が見事なシンメトリーを成していたのには驚きでした。
後で判ったのですが、これは開幕冒頭のシーンらしく、
この段階の男性合唱による歌だけでもちょっとジーンときました。

また、NYのバーでのダンスシーンも音楽なしで、手拍子だけで
踊っていくのですが、四季のダンス力はさすがです。
それでも演出家の方は部分的にもっとメリハリをつけるよう
ダメ出しをしていました。なるほどグッと良くなります。
演出ってすごいなぁ、と改めて感心しました。

リハーサルが一旦終わった後に役者の方が何人か出てきて、
会場からの質問を受けていました。
そのうちのひとつ「出演する予定はどのくらいまで判っているのか」
との質問には、「せいぜい一週間ぐらい」との答えでしたが、
これは意外でした。その理由が、急遽別なステージに
でたりすることがしょっちゅうあるからなのだそうです。
四季はロングランシステムを大々的にとっていることは有名なので、
たとえダブル、トリプルキャストでも、出演者は割と固定して
腰を据えているのかな、と思っていただけに予想外な答えでした。

最後に「異国の丘」を作るに当たって参考にしたという
体験者や関係者の文章を各出演者が朗読して、見学会は終了しました。
時間にして45分程度の短いものでしたが、
演出することの意義を改めて発見させてもらったと思います。

見学会・朗読会では、進行を勤めた方が最後に、
「このミュージカルは重い内容を扱っていますが、エンターテイメント性
も十分にあるので、ぜひご覧になっていただきたい」ということを
おっしゃっていました。
だいぶ以前に「李香蘭」を観た時も、その扱っているテーマや
素材の重さの割に十分な娯楽性も確保してある作品だなぁ、
と感心した覚えがありますが、今回のリハーサルを見学して、
同様な印象を抱きました。
機会があれば、一度本番を観たいと思ました。
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by capricciosam | 2006-12-22 20:20 | 舞台 | Comments(0)

奇跡のりんご作り

年末も押し詰まったこの時期に、時の流れを感じる訃報が。

◆青島幸男さん
 政治家として見れば、都知事時代の失速ぶりは痛々しく、
 晩年はその輝きを失っていたように感じました。
 でも、タレント(放送作家)としての活躍は「無責任」に代表されるように
 他に類を見ない、独特のものがあったと思っています。
 青島さんは江戸っ子だったようですが、同年代の
 前田武彦(知っている人も少ないかな!?)さんが
 「最近は全国で大阪弁が幅をきかせているが、
 昔はちゃきちゃきの江戸弁が幅をきかせていたんだ」
 と言って追憶していましたが、確かに、そんな気がしますね。

◆岸田今日子さん
 TVや映画で拝見するだけでしたが、独特の存在感があって、
 演技もお上手な方でしたねぇ。
 あの独特の語り口が印象深いのですが、
 「おぉ~おくは、…」とか「イ〇ナ、私は美しい」のナレーションが蘇ります。

さて、今年も振り返ってみると、書き残した事もチラホラ思い浮かび
ますので、「蔵出し」としていくつか書いてみます。
今日は、ひと月前くらいのNHK「プロフェッショナル」に出演されていた
りんご農家の木村秋則さん。

木村さんは「無肥料無農薬」でりんごを作られているとのことです。
家庭でくだものを作られた経験がある方はおわかりでしょうが、
無肥料無農薬では、とても満足なくだものは作れません。
それが病気や虫の被害をほとんど受けずに作り、
しかもおいしいと評判になっているらしいのです。
きっかけは、農薬に弱い奥さんの身体を気遣ってトライした
とのことですが、何年も実がならずに行き詰まり、
とうとう自殺を考えて山へ。ふと見ると、肥料も施されていない
どんぐりが、病気にもならず、虫にも食われずに実をつけている。
鈴木さんが不思議に思って木の地面を掘ってみると、
フワフワの柔らかい土だった、というのです。
「これだっ」
ひらめきを得て、死のうとしていたことも忘れ、
さっき来た山道を急いで駆け下りたそうです。
そして、「りんごの木が生きるのをお手伝いする」という
気持ちで、りんごの木が生きやすい土づくりから取り組み、
ようやくこの段階に達したそうです。

番組の中で、ものすごく萎びた半分に割ったりんごが紹介されて
いました。もう2年になるというのにカビも生えておらず、それどころか
かすかによい香りがするのだそうです。
常識では考えられないことです。
木村さん曰く
「自然は腐らないんですね。枯れていくんです。」

俄には信じられないものを見た思いがいまだに持続しています。
この話は司会をされた茂木健一郎さんのブログが熱いです。
11月3日の記事をご覧ください。
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by capricciosam | 2006-12-21 21:34 | 時の移ろい | Comments(4)

スズメフォーラム ★身近な野生から学ぶ

大雪に見舞われた1月が、まためぐって来ようとしている。
雪かきに追われていたら、いつの間にか庭の餌台からスズメの姿が
すっかり消えていた。「変な現象だなぁ、一体どうしたんだろう。」
でも我家だけの話ではなくて、春になると道内各地でスズメの大量死
と姿を見せなくなったことが報道された。
しかし、その原因は依然特定されず、原因不明のまま時は過ぎてきた。
街中で割りと簡単にスズメを見かけるようになったのは、夏から秋にかけて。
それでも我が家の庭にはスズメの姿はなかった。

冬になった。先日ようやく餌台に集まってくれたが、数は少ない。
やはり気になるなぁ、と思っていたら、ちょうど新聞で
スズメ大量死の謎に迫れ 17日北大でフォーラム」という記事が
目に留まり、良い機会とばかりに足を運んでみた。
会場は空席がそれほど目立たないくらい大勢の人が来ていた。
やはり私を含めた一般の人の関心も高い証拠だろう。

主催は鳥類研究家等で組織されたスズメネットワーク。
司会の方が、道内各地から駆けつけてくれた話題提供者も
まったくの手弁当と言っていたが、フォーラム自体は興味深く、
やる意義はあったと思う。それ故、主催された方たちや
話題提供された方たちの御労苦に感謝したいと思う。
フォーラムの内容はこちらで公開されているが、公開されているのと
ほぼ同様の内容が発表された。写真はパネル討論です。
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スズメは世界で6亜種に別れていて、日本、朝鮮、台湾、サハリンが
同じ種類を形成しているらしい。
ところで、スズメってどれくらい飛ぶことができるのだろうか。
新潟から標識調査したところでは最大600km離れた岡山まで飛んだ
ことが分かっているらしい。随分飛ぶのには正直びっくりした。

ところで、大量死については、やはり原因が特定できないらしい。
過去、世界で野鳥が死んだ場合の多くはサルモネラ菌であったらしいが、
今回のケースではサルモネラ菌が見つかったケースもあるが、
明らかにそうではないケースもあり、決め付けることは難しいらしい。
ただ、一度大量死が発生した場合、再発する傾向がある、とのことなので
海外で取られている餌台の消毒等の対策を打っていかないと、
特定の野鳥が減少して、自然界のバランスが崩れる恐れがあるらしい。

また、スズメは身近な野鳥とは言っても、個体数や生活史含めて不明な点も
多く、実態が把握されていないらしい。そこで、米国のイェール大学が拠点
となって米国内の野鳥観察結果を集約して、その動態把握をしているような
市民参加型のモニタリングの意義がクローズアップされてくる。
実際、北海道庁の担当者も「実態はわかっていない」と言っていたが、
これに某名誉教授が「実態把握は行政のやるべきこと」とかみついていた。
一見尤もなようにも思えるが、果たして行政だけの仕事なのか、と疑問が。
もちろん少数の研究者だけでやるべきだ、とも思わない。
広範な観察量が必要な野鳥の定点観察には一般市民の協力、研究者による
その観察結果の分析、そして行政による総合的な対策というネットワーク形成
が必要だろうと思う。問題はその仕組みが出来ていないことではないのか。
ただ、そのイニシアチブは行政がとれ、という意味だったのかもしれないが、
聴いていて、あれは単なる責任の押し付けとしか感じられず、いただけなかった。
むしろ、モニタリングであれば、鳥に対する見識のある研究側が見通しをもって
行政や市民をリードしやすいのではないか、とさえ感じた。
とにかく、意見を聞いていて、広範囲にモニタリングできる「仕組み」の構築を
急ぐべきなのだろう、という印象は残った。

また、フォーラムでは「誰でもできるスズメ定点調査のやり方」が紹介されていた
が、オヤジの私でもできそうなので、この冬やってみるつもりです。
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by capricciosam | 2006-12-17 23:55 | 時の移ろい | Comments(2)

討ち入り

帰宅してTVを見ると「討ち入り」のニュースをやっていました。
忘れていましたが、12月のニュースの定番ですね。
何百年も前の出来事ですが、これほど息長く語り継がれる
「復讐物語」も類を見ないのではないでしょうか。

都営浅草線泉岳寺駅を下車して、泉岳寺の門をくぐり、左に折れて
墓所に近づくと、線香のにおいが強くなってきます。
そして奥まったところの一角に主君と義士たちの墓があります。
何度行っても、胸に迫るものを感じるところです。
歴史と人間ドラマを感じさせてくれる都内有数のスポットでしょう。

この事件で有名な辞世の句。
まずは、主君の浅野内匠頭長矩です。

 風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん

次に、家臣の大石藏之助です。
 
 あら楽や 思いははるる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし

「迷い」と「達観」と言ってもよいのでしょうか。
この二人の性格や当時の心境を見事に描いた秀句だと思います。 
それにしてもこの一件では多くの命が失われたものです。合掌。
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by capricciosam | 2006-12-14 23:57 | 時の移ろい | Comments(0)