<   2008年 07月 ( 11 )   > この月の画像一覧

朝目覚めた時すべきことがある、ということ

今夜のTV「カンブリア宮殿」から。

高齢化した人口2000人余りの山間の過疎の村。
ところが、おばあちゃんたちが元気だ。

元気の素は「葉っぱ」

日本料理の彩りに欠かせない「葉っぱ」
その葉っぱはこういう村だからこそ、ふんだんにある。

毎朝この村の農協に全国から注文が届く。
10時にはFAXでおばあちゃんたちへ一斉送信。
おばあちゃんたちは自分で受注する葉っぱを選択し、
その葉っぱを採りに行き、出荷する。

PCを操る80歳代のおばあちゃん。
何を見ているか、というと毎日の葉っぱの市況と
自分の売り上げランキング。

葉っぱで稼いで、新築の家が次々に建つ。
一人当たり医療費は県内で最低。
奇跡的!

このニッチで活性化した村の仕掛け人
「いろどり」代表取締役横石知二さんの発言から。
「朝目覚めた時、今日やるべきことがある、ということが大事」

現役世代としてはこの発言は別になんともないことのようですが、
高齢化とか、生き甲斐という視点で考えると
含蓄のある言葉のように感じました。
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by capricciosam | 2008-07-28 23:55 | 時の移ろい | Comments(0)

ファビオ・ルイジ&PMFオーケストラ@PMF2008

PMFオーケストラの楽しみはなんと言っても、その「成長ぶり」
会期が進むにつれ、オケとして格段のまとまりと輝きを増す。
それだけにKitaraでの札幌ラスト公演は聴きたいところでしたが、
今年は前売りで買い損なってあきらめていました。
でも、若干の当日券が発売されるとの耳寄りな情報が。
ダメもとで並んでみたところ、お陰様でなんとか入場できました(^^)
さすが空席は目立たず、カメラも複数見られ、ほぼ満席。

1曲目ドン・キホーテ
独奏チェロによるドン・キホーテと独奏ヴィオラによる
サンチョ・パンサを主軸にした音絵巻、といった感じの曲である。
しかし、ソロだけでなく、オケもがんばらなければ、この音絵巻は
楽しめない。オケにとっても成果を試すにはうってつけだったような
気がするが、ハードルがちょいと高かったか。
総じて管楽器の不安定さが目立ち、「こんなはずでは?」
しかも、オケ全体の音にものびやかさが不足している感じ。
先週聴いた時に比べ、一瞬後退したような印象に戸惑う。

2曲目幻想交響曲
言わずと知れた名曲のせいか、1曲目よりも安心して聴くことが
できた。1曲目では不安定だった管楽器もホルン以外は立ち直り、
オケの音色も安定し、輝き出す。
大盛り上がりで終演。

F・ルイジさんの指揮で聴くのは2004年芸術の森以来2回目。
あの時は位置が良くなかったのか、演奏を楽しむまでには至らず、
印象も乏しく、今回が事実上初めてのようなもの。
ルイジさんはせわしく身体全体を使って、オケにもこまかく指示を
与えていきますが、紡ぎ出す調べは割と堅実な印象を持ちました。
開演前には2010年から芸術監督就任とのことで、ステージに
登場されて英語で挨拶されましたが、好印象。
さて、2010年はどんなプログラムで楽しませてくれるのでしょうか。
<7.28追記>
「どうして来年からじゃないのか?」
北海道新聞によれば、来年は20周年ということで、
PMF初期に芸術監督として支えたマイケル・ティルソン・トーマスや
クリストフ・エッシェンバッハが参加するからのようですね。
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by capricciosam | 2008-07-26 23:46 | 音楽 | Comments(0)

PMF組織委員会へのリクエスト

先日のPMFコンサートではオール・バーンスタイン・プロだから
でしょうか、会場ホワイエにバーンスタインの遺品と
第1回PMFの品々が展示されていました。
楽譜を持ち歩いていた鞄や最後の演奏会で身につけていた
蝶ネクタイ、ベスト、指揮棒。
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それに第1回PMFのポスターと公式記録です。
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ところで公式記録なんですが、LPレコードサイズなんですね。
当時はまだCDよりもレコードが主流でしたから、
ちょっとオシャレにひねったものなんでしょうが、
当時でも、見づらいし違和感を感じたものでした。
第2回以降は冊子化されていますが、
やはり、記録をまとめて整理する上ではサイズがあわないので
非常にやっかい。それに別に保管すると、紛失しやすい。

そこで、組織委員会にリクエストしたいのは、
第1回分を内容をそのままに、第2回公式記録と同じサイズで
冊子化して販売していただけないものか、ということ。
案外需要はあるように思うんですが…
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by capricciosam | 2008-07-21 21:24 | 時の移ろい | Comments(0)

バーンスタイン生誕90年ガラ・コンサート@PMF2008

PMFはレナード・バーンスタイン抜きにはあり得なかったのは、
散々語り尽くされていますが、今年は彼の生誕90年。
第1回に僥倖にもその演奏に接することができた一人としては、
PMFが彼の死を経て19回目になったことに感慨一入のものがあります。
毎年、何らかの形でバーンスタインに関連して演奏会が
開かれてきたが、今回のような多岐に渡る
オール・バーンスタイン・プログラムは初めてかもしれない。

さて、その1曲目は「キャンディード序曲」
指揮のL・ビアヴァさんは最近のご常連ながら、PMFオケの
トレーナーに徹されていて、公式演奏会での登場は初。
手堅く、しかしながら鳴らすところは鳴らしてくれます。

2曲目交響曲第2番「不安の時代」
登場したオケには札響の首席奏者がズラリ(但し、この曲のみ)。
数年前の「武満徹/波の盆」を思わせる札響とPMF生とのコラボ
となった訳ですが、指揮はもちろん尾高さん。
いいですね、こういう企画。ぜひ継続を。
ところで、指揮者にして作曲家と言えばマーラーが代表的
なのでしょうが、私には交響曲でもマーラーに比べれば、
レニーの作品は、正直それ程耳になじむようなものとは言えません。
今夜も少々不安を抱えつつこの曲を耳にすることになりましたが、
10周年時にこの曲をM・T・トーマス指揮、J・Y・ティボーテ独奏で
聴いた時との印象に比べて、少々オケの鳴りっぷりは小ぶりながらも、
丁寧な演奏に好感が持てました。
ピアノの小曽根真さんは、以前札響の定期にも登場するくらい
ジャズの分野を超えた活躍をされている方。
総じて無難な安全運転という印象が残ったものの、
「さすが!」と感心したのが、終盤のカデンツァ。
この場面、あろう事か、ケータイの着メロが不意に場内に鳴り渡る。
3回程鳴って、聴いているほうもヒヤリ度が高まった頃、
小曽根さん、即興でそのメロディをカデンツァに取り入れたから、
会場のアチコチから「笑い」が。いや~、ホッとしました!!
さすが、即興に強いだけあります。救われました。

休憩をはさんだ3曲目は「プレリュード、フーガ、リフ」
ジャズのビッグ・バンド用に作曲された作品のため弦楽器群はなし。
芸術主幹のP・シュミードルさん登場。指揮は川瀬さん。
作曲後6年も放置されていたようですが、なんとなくわかる感じも…
ちょいと前衛的で、両端でつじつま合わせのようになじみ易くなりますが、
やはり娯楽作品としてはすんなり楽しめるという感じではないかな。

4曲目セレナード
オケは管楽器なしで、指揮に再びL・ビアヴァさん登場。
ヴァイオリン独奏はアン・アキコ・マイヤースさん。
第1回のPMFでヴァイオリン五嶋みどり、指揮バーンスタインで
この曲を聴いているため、どうしても思い出しつつ比較してしまうことに。
今夜は独奏、オケともによく鳴っていたとは思うものの、
「迫力」では第1回には及ばないように感じた。
当時は厚生年金会館ですから、Kitaraの音響には及ぶべくもないので、
単に音量だけではないとは思うのですか゛…

5曲目「ウエストサイド物語」から「シンフォニック・ダンス」
指揮は尾高さん。
オケはPMF生のみですから、客演指揮者としての真価が問われます。
曲自体の魅力故楽しめたのは言うまでもないのですが、
オケもそつなくまとめ上げていたのは、さすがでした。
こういう演奏に接すると、「教育」という側面を意識すれば、
地元にいる尾高さんは欠かせない、と思いました。

アンコール代わりなんでしょうが、最後に8月生まれのバーンスタインの
誕生を祝って「ハッピー・バースディ・レニー」でお開きとなりました。
時計を見ると、21時50分頃。
いつもの演奏会の終演時間を大幅に超えていましたが、
ほぼ満席の今夜は、さすがに帰る人は少なかったように感じました。
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by capricciosam | 2008-07-19 23:20 | 音楽 | Comments(0)

パイオニア野茂英雄の引退

今夜、野茂英雄引退のニュースを目にした。

ロイヤルズを解雇された時に、横浜、楽天の名も上がって
最後は日本球界に復帰するのか、と思ったが、
両球団が明確に否定したものの、他球団の続報は聞かれず、
とうとう「引退」が現実のものに。

今じゃ、NHKですらスポーツニュースで日本人メジャーリーガー
の活躍を報じることが当たり前になっている。
そのくらい多くの日本人選手のメジャーでの活躍する時代が
到来しているが、野茂が挑戦した約10年前には信じられないこと。
日本人メジャーリーガーの記録としては2番目ながら、
メジャーへの扉を大きく、大きく、開いたのは
明らかに彼であることは衆目の一致するところだろう。

「パイオニア」

この言葉こそ、彼にふさわしい。
お疲れ様でした。
あなたのことは忘れない。
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<野茂英雄略歴>
1968年生
1990年近鉄入団、新人王・沢村賞・MVPをトリプル受賞
1995年ドジャース入団、新人王、奪三振王、オールスター出場
1998年メッツへ移籍
1999年カブスとマイナー契約、ブリューワーズへ移籍
2000年タイガースへ移籍・日本人投手初の開幕投手として勝利
2001年レッドソックスへ移籍・大リーグ2度目のノーヒット・ノーラン
2002年ドジャースへ移籍
2005年デビルレイズへ移籍・日米通算200勝、ヤンキースとマイナー契約
2006年ホワイトソックスとマイナー契約
2007年ベネズエラのウインターリーグに参加
2008年ロイヤルズとマイナー契約し、のち昇格
2008年7月17日引退を表明
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by capricciosam | 2008-07-17 21:17 | 時の移ろい | Comments(2)

準・メルクル&PMFオーケストラ@PMF2008

春にPMFのチケットが発売された時、演奏会一覧をざっと眺めて
食指が動かなかったのが、実は今夜の演奏会。
確かに北海道初演らしいから記念にはなるんですが、
メシアンですよ、トゥーランガリア交響曲ですよ…
(ファンの方ごめんなさい)
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写真のCDも一年に一回聴くか、どうか、という程度ですから、
正直足を運ぶつもりなんて全然なかったんですが、
いろいろ事情があってチケット確保どころでなく、出遅れていたら、
予定していたF・ルイジの演奏会は完売。
仕方なく、という感じで今夜をチョイスしましたが、
大当たり!でした。いや~、楽しめました。

実を言うとトゥーランガリアを聴いて、メシアンの他の曲は
聴く気がしなくなったので、未だメシアンはこの曲しか知りません。
そのくらい、この曲の複雑怪奇な独特の響きの連なりは
オモシロイのですが、CDで聴いてもなじめないままでした。
しかし、今夜はオンド・マルトノに注目して楽器の動きに注目していたら、
全然飽きないどころか、実に聴き応えのある曲でしたね。
音の曼荼羅、とも称される意味が感じられ、改めて、
この曲に対して目を見開かされた思いがした一夜でした。
トゥーランガリアは実演に如かず、そんな気分です。

昨夜のウィーン・フィルのメンバーがもれなく入ったオケは
130名以上らしく、オンド・マルトノやピアノ等も置かれると、
オケがステージからはみださんばかり。圧巻。
いざ演奏が始まると、さすがR・キュッヒルさん。
オケをぐいぐいリードしていきますが、今年のPMF生も
上手な人が多いらしく、よくがんばっていました。
準・メルクルさんも達者な指揮ぶりでしたね。
それに特筆すべきは暗譜で通したエマールさんと原田さん。
ほんと、上手!さすが、です。

1曲目の「雲と光」笙とオーケストラのために
宮田さんの吹かれる笙は、一体どこで息継ぎをされるのだろう、
と一瞬思ってしまう程、四六時中吹いている感じ。
日本初演、演奏後は作曲された細川俊夫さんもステージに。

<蛇足>
ところで、オンド・マルトノって見たことありますか?
案の定、終演後はこの楽器に聴衆が殺到して、
ケータイで写真を撮っていました。
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実は、私も近くへ見に行ったひとりです。
見ていたら聞こえてきた声。
「もう二度と見られないだろうな」
う~ん、わかりそうな気がするのが、ちと淋しい。

<必見>
毎年楽しみにしているのですが、今年もyoyogi39さんが
聴講生になられて、リポートされています。お疲れ様です(^^)
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by capricciosam | 2008-07-12 22:50 | 音楽 | Comments(2)

PMFウィーン・アンサンブル@PMF2008

昨年のPMFウィーン・アンサンブルで、すっかり魅了されたので、
今年のPMFはアンサンブルが聴き初めとなりました。
もちろん、ウィーン・フィル・メンバーとは言っても、昨年と重複するのは
クラリネットのP・シュミードルさんだけ。
昨年はW・ヒンクさんのウィーン弦楽四重奏団が核になっていましたが、
今年はウィーン・フィルの「顔」とも言うべきR・キュッヒルさんの
ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団が核になっています。

1曲目グリンカ悲愴三重奏曲
クラリネット、ファゴット、ピアノのための曲なのですが、聴いていて
1996年PMF時のインターナショナル・プリンシパルズの演奏会での
P・シュミードルとM・トゥルコヴィチによる掛け合いを思い出しました。
あの時は名手による丁々発止のやりとりといった風情でしたが、
今回はややファゴットが弱い感じで、掛け合いの妙を感じる、とまでは
至らずに終わりました。これは多分に曲にもよるのかな。

2曲目シュポア七重奏曲
変則的な編成ですが、1曲目に比べれば曲自体もずいぶん
耳になじみやすい。ホルンのしっとりとした響きには魅了されたものの、
アンサンブル自体としてはややまとまりが弱いように感じた。
昨年、急遽来日中止となったフルートのW・シュルツさんがすっかり
スマートになっていたのにはびっくり。心なしか音量も落ちたかな!?

3曲目ベートーヴェン七重奏曲
いよいよR・キュッヒルさん登場。開幕当初の演奏会では不調とも
とれる評判も一部聴かれたのですが、噂は杞憂に終わりました。
全身を使ってぐんぐんアンサンブルをリードする様は、さすが
ウィーン・フィルのコンマスだけあります。急にアンサンブルの
合奏能力が高まった感じで、今夜一番の出来に満足でした。
ただ残念なのは、昨年のシューベルトで聴かせてくれたような
参加ウィーン・フィルメンバー全員による合奏でない点でした。
今夜の曲の構成ではメンバーの誰かが欠けるんですよね…
「今年はミニ・ウィーン・フィルはダメかな」
と、思っていたらアンコールで実現。
アンコールはJ・シュトラウス「騎士パスマン」よりチャルダーシュ
さすが、お手のもののJ・シュトラウスだけあって、活き活きとした
音楽が鳴り響き、大満足。

<蛇足>
・今回はピアノ、チェロ、コントラバス以外は立って演奏していました。
・W・ヒンクさんが最近定年退団となったようです。
もうPMFに参加されないとしたら、昨年が聴き納めということに
なるのでしょうか。そうだとしたら残念ですねぇ。
PMF公式記録では1991年以来13回参加とあります。
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by capricciosam | 2008-07-11 22:35 | 音楽 | Comments(0)

1690万分の1です、ハイ。

2004年の暮れにブログを始めてから、足かけ4年。
振り返れば、だらだらと書いた駄文も本人もビックリの数に。
そこで、こんな記事を見つけました。

>インターネット上で公開されている国内のブログが
08年1月末現在で約1690万件あり、記事総数は
約13億5千万件と単行本約2700万冊分のデータ
量に相当する(略)ブログの総数は04年以降急激に増え、
06年1月に1千万件を突破した。
1カ月に1回以上更新されるブログは約300万件で全体の
2割弱。毎月40万~50万件のブログが新設されている
(以上朝日新聞)

なる程、私も「急激に増」やした一人であることがわかりました(^^)

しかも、毎月何十万もブログが開設されるのですから、
総数はまだまだ増えるのでしょうが、気になったのは、
1ヶ月に1回以上の更新をするブログの意外な少なさです。
確かに、時々訪問させていただく方の中にも、
「あれだけ活発に更新されていたのに…」
と時々のぞいては心配になる場合もあります。

まあ、書きたいことがたくさんある方もいらっしゃるのでしょうが、
割合と簡単にネタが尽きる場合もあるでしょうし、書きたいという
気持ちが起きない、持続しない場合もあるでしょう。
正直なところ、私の場合、何れも経験していますが、
それでも、書き続けられたのは、ブログタイトルどおり

「徒然なる」ままに

とばかりに、「書きたい」というモチベーションが高まるまで
結構放置しておくことも多かったからでしょうね。
まあ、地味なブログ故、読んでいただける方もどれくらい
いらっしゃるのか、さっぱり見当が付かない、という面を
悲観的に捉えず、かえって気楽、と捉えているせいかな、とも…
それになんと言っても、素人ですからね(言い訳がましいなぁ)
ブログに込めた思いは様々でしょうが、始めた上は
これからも楽しみながら続けられたら最高でしょうね。
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by capricciosam | 2008-07-10 23:39 | 時の移ろい | Comments(0)

小樽文学館

「中村善策の全貌展」の開かれている市立小樽美術館の建物には
市立小樽文学館も同居しています。
両方共通の鑑賞券があることがわかり、「中村善策の全貌展」の前に
文学館を先に鑑賞しました。
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小樽に由来の作家と言えば小林多喜二(写真奥)と伊藤整(写真手前)。
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前者は代表作「蟹工船」がリバイバルヒットとかで、書店にも平積み。
写真は若かりし頃読んだ文庫本。
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「おい地獄さ行くんだで!」
描かれたのは昭和初期。
今は21世紀。アトムの時代のはずなのに…
当時と状況は違えど、時代を覆う「閉塞感」は似たようなものか。
展望のない状況を生きざるを得ないのは、つらいことに変わりはない。

小林多喜二のコーナーで、気になったのは「田口タキさんへの手紙」
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カミサンがこの手紙が何年か前にマスコミで紹介されていたのを
覚えていて、今回も熱心に読んでいるので、私もつられて読んでみました。
当時苦境にあったタキさんへの恋愛感情を秘めたと思われる、
おもいやりにあふれた心情が全文に満ちあふれています。
そのこまやかな気遣いには感心するばかり。
プロレタリアート作家というイメージからくるギャップに戸惑いましたが、
多喜二はタキさんを結婚相手と真剣に考えていたのでしょうね。
「蟹工船」しか読んだことがなく、付随するイメージで形作られていた
多喜二像の意外な側面を見た思いでした。

伊藤整は自伝的小説「若い詩人の肖像」しか読んだことがない
のですが、自筆原稿も展示されており、なにやら懐かしい思いに。
写真は同じく若かりし頃読んだ文庫本。
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当時はこの本を含めて10冊文庫化されていましたが、いまではゼロ。
かろうじて「チャタレー夫人の恋」が次男の方の補訳で一冊あるのみ
(逆に、当時は発禁本扱いのため発売されていません)
時の流れなんでしょうか…

あと、意外な作家も展示されていましたが、誰でしょう。
    ↓
    ↓
    ↓    
    ↓
    ↓
答えは、「石原慎太郎」です。

あってましたか?
彼は弟ともども小学生時代を小樽で過ごしています。
「太陽の季節」で芥川賞を受賞した当時のこと、
小学校時代の恩師へのサイン本、その恩師への手紙などを
中心に展示されていました。

独身の頃とか子供の小さい頃、ちょくちょく小樽には遊びに来ていた
のですが、小樽はいまでも、懐かしさを感じさせる心惹かれる街です。
今回もたまたま、駐車場から美術館までちょいとあったので、
坂道をカミサンとブラブラ歩きました。
結局、花園銀座街を中心に歩いた格好にはなるのですが、
小路には色とりどりの看板が見え、八百屋さんなどの
昔ながらの専門店があちこちに見られ、そのレトロさ加減が
なんとなく小さい頃を思い出すのでしょうか。
<蛇足>
写真はあるお店で目に止まったポップ(表現に注目)
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「ねまりつよい!?」
道産子の私も、さすが目を白黒させる「ねまり」とは!?
これは「ねまり=ねばり=粘り」
のことだろうなぁ、と勝手に推測しました。
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by capricciosam | 2008-07-06 21:57 | みて楽しむ | Comments(2)

中村善策の全貌展@市立小樽美術館2008

生涯風景画家として優れた作品を残した中村善策さんですが、
私にとっての印象深い作品は日展で出会った「張碓のカムイコタン」
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画面のほぼ中心に置かれたのはなんの変哲もない丘。
しかし、丘が海に接するところには断崖絶壁が急に現れ、
丘の持つ穏やかさは一変してしまい、絵全体を引き締めている。
そして、海岸線の先に続く遠くの山並みや、雲高い空という
遠景が奥行きを与える。
これらは、やや暗めの落ち着いた色彩で描かれているが、
画面手前の近景には集落や木々が明るい色彩を用いて描かれ、
見事な対比となっている。
今回の展覧会で解説を読んで知ったのですが、このような
「大胆な構図と明るい色彩」の画風を「善策張り」というらしく、
まさしく氏の画風がバランスよく作品に反映された一品。

今回、氏の作品を多く収蔵している市立小樽美術館で全貌展が
開催されているのを知って、またこの作品に会いたいと思い、
久しぶりに小樽へ出かけてきました。

会場では、全73点の作品が
第1章 小樽時代の善策
第2章 一水会・疎開時代
第3章 信州風景ほか
第4章 北海道風景
第5章 円熟の境地
に分けられて展示されています。

けれども、残念ながら本作品は展示されていませんでした。
代わって第4章で「カムイコタン夏日」と題する作品が2作並べて
展示されていました。制作年代は1970年、1973年。
構図は「張碓のカムイコタン」(1968年)と同じながら、
作者の視点はそれぞれ異なっているため、一見すると同じように
見えるのですが、うり二つではありません。
1970年作は全体に躍動感に溢れ、1973年作はもっと
クローズアップした構成ですが、夏を思わせる明るい陽射しのなかに
淡々と存在する集落の静けさを一瞬にして切り取ったかのような
1968年作の完成度には一歩及ばず、という感じです。

善策さんは何度もここで写生を試み、作品を残されていたことを
初めて知りましたが、やはりこの構図は魅力的だったんでしょうね。
一ファンとしてはこれだけでも、わざわざ足を運んだ甲斐がありました。
<蛇足>
市立小樽美術館のHPで誤って「張碓のカムイコタン」と
紹介されている作品は「カムタコタン夏日」(1973)です。
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by capricciosam | 2008-07-05 22:16 | 展覧会 | Comments(0)