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宴のあと@バンクーバー・オリンピック

閉会式も終わっていないのに、なんて一言文句を言われそうですが、
私の中では、今日でバンクーバー・オリンピックは終わったも同然。

今朝は女子パシュートの準決勝を観ようと意気込んでいたのですが、
あいにく空回りして、寝坊。
目覚めの悪いことといったら、そりゃ、もう、あなた‥
「負けてたらどうしよう‥」
こういう時は思いは、ついつい悪い方へ。
しかし、しかし、TVをつけたら、思いは通じて、見事決勝進出の結果だった。
「やったー!」
以降、TVにかじり付きで決勝まで。
決勝では序盤からリードを拡げ、これは今大会初の金メダル確実か、
と思ったら、終盤ドイツのミラクルな追い込みで、あ~ぁっ、‥‥‥

たった0.02秒の差。
これこそ、まさしく紙一重。
金メダルも同然。
田畑さん、穂積さん、小平さん、実にアッパレでした。

女子スピードの橋本聖子さん以来、岡崎朋美さんまで続く
銅メダルどまりの重苦しさを軽々とクリアした「頼もしさ」こそ、嬉しけれ。
いろんな意味での劇的な新陳代謝効果がある。
特に、出場機会のなかった15歳高木さんには4年後のソチに向けた
なによりの励みになったのではないかな。

「出たかった思いはあるし、コンマ差で悔しいところはあるけど、
先輩たちの頑張っている姿を見て、すごいなと感動した。
自分はまだメダリストにならなくてよかった。
この思いがソチ(五輪)につながるのかなと思う。(共同)」
(以上、朝日新聞より引用)

周回数を知らせる高木さんの声が実況放送から聞えてきて、
出番のなかった彼女の働きを知ることが出来たことだし、
何よりも出場できなかったくやしさを胸に応分の役割を果たした
彼女に対する先輩メダリスト3人のねぎらう気持ちは、高木さんに
3人分のメダルをかけてあげた姿勢から十分伝わった。
いいっすねー、こういう先輩後輩関係は。
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もう、フィギュアのエキシビションも終わった。
真央ちゃん、キム・ヨナのリラックスした演技も良いものだ。

競技では真央ちゃんは残念だったけれど、
何回かリピートして観ても、やはり悔しいが見映えはキム・ヨナが上回った。
今夜の放送でキム・ヨナのコーチが
「評価点をいかに上げるか、に絞った戦略を立てていた」
というようなコメントをしていたが、
確かに判定競技としては妥当な戦略なんだろうな、と改めて思った。
なるほど、真央ちゃんは難度の高いワザを成功させていた。
にも、かかわらず難度の低いワザをこなしたキム・ヨナが高評価だった。
男子2位のプルシェンコが難度の高いワザへの挑戦に評価が高くないことに
不満を述べているのは、もっともだと思うものの、
ジャッジ競技の難しさは、この辺の読みなんだろうな、と改めて感じさせられた。

振り返れば、日本のメダル銀3銅2、全てスケート。

と、なるとスキー他の種目はもっとがんばって、という気持ちになっても
おかしくはないのでしょうが、アルペンなんかは観ていても気の毒だった。
人工的環境のスケートに対して、あくまで自然環境がベース。
コースコンデションとしては最良とは言えなかったのではないかと思う。
雪不足、高温による融雪、霧、おまけに雨が降るでは
真の実力勝負だったとは言いにくい側面もあったのではないか。
ここに地球温暖化の影響を感じてしまうのは考えすぎなのかもしれないが、
地球温暖化による影響をうけるスポーツの筆頭がゲレンデスポーツらしいので、
いっときの宴を楽しみつつも、地球環境も脳裏をかすめる
バンクーバーオリンピックでした。
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by capricciosam | 2010-02-28 22:06 | 時の移ろい | Comments(2)

2月初めての散歩

オリンピックもそろそろ後半ですね。
早いものです。

昨日のカーリング女子の英国戦はたまたま見ていたのですが、
スキップ目黒さんの勝負を決めた一投は、鳥肌モノでした。
最終エンドを待たずして英国チームにギブアップさせたのですからね。
カーリングの醍醐味というか、凄味を見た思いでした。

今朝目にしたのはラージヒルのメダル獲得ならずという報道。
「やはり、なぁ‥」
結果論として言うべきではないとは思うのですが、
報道先行で「メダル」「メダル」と騒ぎすぎの不安が的中した感じです。

古くは札幌オリンピックのノーマルヒル。
近年では長野オリンピックの団体戦。
と、日の丸飛行隊の活躍があっただけにメダルへの期待が高くなるのは
やむを得ないことです。しかし、今回のノーマルヒルは大失速。
ラージヒルも予選で1位、2位とは言っても、ワールドカップ上位10人を
除いている訳ですから、単純に考えても実力ではメダル圏内という訳ではないはず。
それに、かつて勢いのあった頃の日の丸飛行隊のように
ワールドカップでコンスタントに上位に食い込んでいる訳でもない。
素人でも「騒ぎすぎ」「過剰な期待」じゃないのか、と心配でした。

その上、放送では「まだ、団体戦があります。」なんて言葉がアナか解説者から
聞えてきましたが、今日のラージヒル決勝の1回目では4人飛んで2人が
2回目に進めないという有様では、負け惜しみ的で、選手への過剰な負担にしか
聞えませんでした。
<追記2.24>
団体戦は5位でした。健闘しました。


もう世界の上位に食い込む層の厚みが不足している、という現実を
直視すべき時なのではないでしょうか。
もちろん、何度もオリンピックを戦ったベテランの経験とワザというのも大事ですが、
競技人口という背景も考えなければならないことは承知しつつも、
若い力の台頭を期待していくべきなのではないか、と考えます。

さて、オリンピック観戦ばかりでカウチポテト状態になっているため、
久しぶりにカミサンと散歩です。
これが今月初なのですから、さぼりすぎ。
今日は青空が広がり、風もなくホントに気持ち良い。
陽射しもかなり明るくなりました。
それにともない、暖かさも少し加わってきたような感じで、
雪の表面が溶けてザクザク感が出てきました。
これは、雪解けの時に見られる現象ですから、
「春近しだなぁ~」
とは、言っても3月中旬頃までは油断ができないんですけれどね。
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<追記>
佐々木譲さんの直木賞受賞式が先日行われたようです。
当夜の2次会に集った作家仲間たちとの関係について、
佐々木譲さんばかりでなく、志水辰夫さんも書かれていらっしゃいます。
驚いたのは、記事がほぼ同様の感想を吐露されている内容だったことです。
しみじみとした良い関係を築かれていることがわかります。
どちらも拙ブログのリンクしているページからご覧になれます。

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by capricciosam | 2010-02-21 21:05 | 時の移ろい | Comments(2)

ベルリン・フィル@デジタル・コンサート・ホール

バンクーバーオリンピックで、日本初のメダルが期待されていた
女子モーグルでしたが、それにしても上村選手はホント惜しかった。
4回目の参加で、順位はこれまで7位→6位→5位と着実に上がってきて、
今回は一気にメダル圏内か、と思われたのに、4位とはなぁ‥。

メダルはこうも遠いのか。4度目の五輪でも表彰台を逃した上村は、
「なぜだろう、というのはない。自分は全力を出したと思っている」
と結果を受け入れようとした。
(以上、時事通信より引用)

しかし、涙を流しながら気丈にインタビューに応える彼女を見ていたら、
「神様、このきざみっぷりは、彼女にはちょいと過酷ですよ。」
と、神様にひとこと言ってやりたくなった。

ところで、上村選手の記念すべき1回目は1998年長野オリンピック。

開会式では、小澤征爾さんが混成オケを指揮して第九第四楽章を
演奏したのですが、合唱団が会場以外にも世界各地に分散して
長野での演奏に合わせて同時に歌う、という形式だったと思います。
当時としては、中継での時間のズレをあまり感じさせることなく
無事終えたように記憶しています。
何しろインターネットも当時はナローバンドが主流で、
普及もいまいちだったように記憶していますから、
世界同時中継なんてのはテレビぐらいのもんで、
インターネットなんてまだまだ先の話だろう、という程度の認識でした。

あれから12年ですか。
「そうか、10年余りもありゃ、ここまで到達できるんだなぁ‥」
実は、今夜19時からベルリンで開演したベルリン・フィルの定期演奏会を
自宅のパソコンで同時中継されたストリーミングで楽しんでいました。
ベルリン・フィルが世界初の試みとして定期演奏会をネットで有料で
公開するというものです。耳にされた方もいらっしゃるでしょうが、
スポンサーのドイツ銀行が今夜の放送に限って無料視聴を行ったので、
応募しての初の体験でした。
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自宅の環境としては光なのですが、受信状態はMedium Bandwidthでも
画面がひっかかるところはあまりなく、画質も鮮明で満足できるレベルでした。
音質もPC用スピーカーで聴く分には十分。
これは録音技術もさることながら、ベルリン・フィルの「力」のなせる
ところが大のようにも思いました。
なにしろ、2曲目がシベリウスの交響曲第4番という、雲が厚くたれこめたような
内省的な曲故、演奏が演奏なら聴き続けることは苦痛にでもなりかねません。
しかし、第三楽章の瞑想的雰囲気なんて、絶品でした。

20分の休憩の間は、ネットならではなのでしょうが、
内田光子さんがお一人で英語で熱く語っていらっしゃいました。
(聞き取れたのは単語程度で、しかも断片的。はぁ~)
その後ラトルと二人で登場して、2/20演奏会の収益金は
ハイチ被災者の救援金に充てられることを日本語でおっしゃっていました。
(この辺のチャリティーの意識の高さというのは日本も見習いたい)

3曲目は内田さんをソリストとしたベートーヴェンの「皇帝」
堂々たるピアノに煽られたかのように、オケも熱演。
もう、圧巻でしたね。
会場もスタンディングしていらっしゃる方がかなり見えましたが、
オケがハケてからも拍手は鳴りやまず、ラトルと内田さんが
揃って登壇して拍手に応えていました。

1曲目はちょっと編成の変わった曲。
弦楽器のヴァイオリンはなく、替わりにギター1本のみ。
ギターが単調な主題を繰り返し、他の楽器が時々炸裂する。
おもしろいのかもしれませんが、曲への共感は感じませんでした。

体験してみると、画質も鮮明で、ストリーミングの中断もほとんど感じないので、
PC用モニターで音質も満足できるなら、コストパフォーマンスを考えても
なかなか良いかな、というのが感想です。
(私は、いわゆるオーディオマニアではありません)

こんなこと言うと、「日本のオケでも‥」という感想に結びつきそうですが、
軽々に主張するつもりはありません。
世界中にファンのいるオケならではの先駆的取り組みで、
ファン人口の限られるオケでは、これをやったがために
演奏会に足を運ぶ人が減って、減収になってはという懸念もあります。

ところで、メジャーレーベルのCD発売意欲が減退していく中で、
世界の有名オケがライブ演奏を自主レーベルCDで販売して
活路を見いだそうとしています。
一方で音楽をダウンロードで入手する比率が高まるという傾向では、
CDとて普及手段としては今や過去のモノになりつつあるのかもしれません。
意外や意外、うん年後には、このデジタル・コンサートのような取り組みの方が
主流となっているのかもしれません。
そうすれば、ネツト環境が整えば、低廉な料金で世界中どこででも
ライブを居ながらにして味わえるのですから、画期的なことである
ことは間違いありません。
つまり、世界のどこにでもコンサート・ホールがあるのと同じですから、
ベルリン・フィルHPにあった下の写真は、案外、オケの将来の目指すべき姿を
指し示しているのかもしれません。
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by capricciosam | 2010-02-14 23:31 | 音楽 | Comments(0)

さようなら玉置宏さん

訃報があるたびに記事を書くなんざぁ、本意ではないのですが、
私的メモワールを兼ねる小生のブログ故と、ご寛恕の程を。

司会で長年活躍された玉置宏さんが亡くなられました。
昨日亡くなり、今日葬儀ですから、遺族の方の「覚悟」の程が伺いしれる
ような重篤な状態だったのでしょうね。

玉置宏さんと言えば、なんと言っても「ロッテ歌のアルバム」

「一週間のご無沙汰でした。司会の玉置宏です。」

名調子でしたね。
マイクに向かってやや前屈みになりながら、笑みを絶やさない
あの顔が思い浮かびます。ホント、当時のあの方の、
その場の雰囲気を壊さない才能はたいしたものでした。
世情がますますギスギスしてくると、なおさらそう思うのかもしれません。

玉置さんの場面は残念ながらほんの数秒です。

玉置宏さんのご冥福をお祈りいたします。
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by capricciosam | 2010-02-12 23:23 | 時の移ろい | Comments(0)

小三治@映画2010

先日の独演会の一席目のまくらの最後のほうで話題にしていたのがこの映画。
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「今(札幌で)やっているんですってね。あの映画は観てない。
(NHKの)プロフェッショナルで懲りちゃった。何回も再放送したりして、
飽き飽きした。(人の)身体を鶏ガラだと思って、何度も何度もスープをとって。
(入船亭)扇橋と仲がよい? 仲良かぁないよ。
温泉に爺ぃと爺ぃが入ってる? 観たかぁーないよ。」

そして仲良し、友達というところから「長短」へと入っていく訳ですが、
会場で配布されていたパンフを見たら、ごく短期間の上映だったので、
こりゃ見逃したら当分見れないだろうと思い、足を運びました。

高座も「らくだ」「鰍沢」とそれぞれ一部ですが、収録されていてお得。
それから、弟子の柳家三三の真打ち披露口上での挨拶が、また良い。
もちろん高座以外の師匠の姿も楽屋やプライベート含めて追っていて、
師匠の含蓄のある発言も随所に出てきます。

「音符を並べたら音楽か。言葉を並べたら小説か。
そうじゃないんだろうな。音符も言葉も道具や記号に過ぎない訳で、
ただ並べただけじゃ何も伝わらない。これは落語も同じ。
何を演ったかではなく、何をお客に伝えたか、ということが大事なんで、
カタチなんて関係ない。ココロなんですよ。」

半端なプロでも言えそうですが、これが当代随一の噺家の発言となると、
とたんに重みが増します。
師匠のはにかむ笑顔と対照的な遠くを見つめるかの如き内省的な視線。
その芸に触れた者ならば、その言葉にウソはないことを実感するはずです。

それにしても、「鰍沢」を演る前の楽屋の様子が興味深かった。
小三治師匠が口数も少なくなり、「鰍沢」に集中しようとする一方で、
隣の間では弟子たちがワイワイガヤガヤ。全然おかまいなし。
つまり、大看板も弟子もいっしょの楽屋。
同じ古典芸能の歌舞伎でも大看板は楽屋が別だろうし、
クラシック音楽なんかも、指揮者やソリストは個室を与えられるのではないか。
ともに、本番前に集中を高めることは同じだろうに、
ジャンルによる環境の違いというのはこうも違うものなのか。

このドキュメンタリー映画の公開自体は昨年なので、
今回札幌での上映はリバイバル上映ということになります。
映画館の紹介パンフには、館主とおぼしき人の公開当時の潜入ルポが
記してありましたが、見事な不入り(?)だったらしい。
でも、今回はミニシアターだったせいか、中高年主体に結構な入りでした。
結局、独演会後の復習みたいな形になりましたが、観て良かった一本でした。
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by capricciosam | 2010-02-08 22:57 | 映画 | Comments(0)

初秋@ハヤカワ・ミステリ文庫

かなり旧聞に属しますが、ロバート・B・パーカーさんの訃報が報じられました。
ご存じ私立探偵スペンサーもので有名な方です。
最初に断っておきますが、小生はシリーズ第7作として刊行された
「初秋」しか読んでいません。しかも、20年以上前に。
しかし、当時の私にはこの一冊でインパクトは十分でしたね。
それで、訃報をきっかけに本棚の奥にある本書を久しぶりに手に取ってみました。

離婚したがっている両親の、お互いへの「いやがらせの道具」的扱いにされている
無気力な子供ポールの成長に、スペンサーがかかわっていくという物語で、
ハードボイルドものとしては異色の作品です。

両親に生きるということに関して何一つまともな示唆を与えられなかったポールが
たまたま関わったスペンサーから、両親からの自立を説かれる。

「自立心だ。自分自身を頼りにする気持ちだ。
自分以外の物事に必要以上に影響されないことだ。
おまえはまだそれだけの歳になっていない。
おまえのような子供に自主独立を説くのは早すぎる。
しかし、おまえにはそれ以外に救いはないのだ。
両親は頼りにならない。両親がなにかやるとすれば、
おまえを傷つけることくらいのものだ。
おまえは両親に頼ることはできない。
おまえが今のようになったのは彼らのせいだ。
両親が人間的に向上することはありえない。
おまえが自分を向上させるしかないのだ。」
ポールの両肩が震えはじめた。
「それ以外に途はないんだよ」
泣いていた。
(p.156より引用)

このシーンはポールの頑なな心をついに溶かす場面なのですが、
再読していてもジーンときてしまいました。
幼くしてかくも過酷な運命に立ち向かっていかざるを得ないなんて。
その上、現実に親にネグレクトされている子供たちがいるだろうことを
想像すると胸ふさがれる思いになるのです。

「男とは」、「人生とは」なんて決まり文句で収まるだけじゃない
味わい深い一編に仕上がっていることが感じられる佳品です。
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by capricciosam | 2010-02-06 21:18 | 読書 | Comments(0)

畏敬の念を感じなかった者の引退

横綱審議委員会のこれまでの判断のゆるさ加減には、
別になくてもいいんじゃないの、と思ったことも度々だったが、
その中では、先日任期切れとなられた内舘牧子さんの直言に
溜飲を下げていた。

しかし、今回の朝青龍の暴行事件での対応では、
横審の対応は素早く、引退勧告書をつきつけていたらしい。
その内容は、

「朝青龍関引退勧告書
平成二十二年一月十六日未明に発生した横綱朝青龍の
一連の不祥事は畏敬さるべき横綱の品格を著しく損なうものである。
示談の成立は当事者間の和解に過ぎない。
横綱に対する国民の期待に背いた責任を免れるものではない。
よって横綱審議委員会規則の内規5、ロ、の
「横綱としての体面を汚す場合」により横綱引退を勧告する。
 平成二十二年二月四日 鶴田卓彦」
(以上、スポニチアネックスより引用)

一読して、簡潔にして十分だと思った。
結局、これが理事会でも居直る朝青龍に引導を渡したようだから、
横審の面目躍如といったところか。

ところで、昨夜の朝青龍の引退会見を見たが、記者から「品格」について
問われても、「品格、品格と言うけれど、土俵上では鬼になってやってきた」と、
開き直りともとれるピントのずれた回答をしていた。
確かに勝負に勝とうと励んだのだろうが、彼にまつわる
見苦しさの多くは土俵内もさることながら、土俵外での素行の悪さとでも
言うべきものだった訳だから、これでは心技体を標榜する相撲道の
頂点に立つ力士として、そもそも、なってはいけないことだったのだろう。
第一、彼を見ていても、ならずものに近い傲慢さは感じても、
「畏敬」を覚えることがなかったのは不幸なことだ。

やはり今回の一件は日本社会が育んできた相撲道というものを
身につけずに最高位につくという不幸が招いたような気がするだけに、
朝青龍だけではなく、親方、相撲協会の責任も相当重いと言わなければならない。
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今夜までのYahoo!リサーチの結果では、引退を惜しむ声を上回って
やむなしという声が60%となっている。
ネット上という限定はあるものの、国民の気分をよく反映しているように
思われてならない。
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by capricciosam | 2010-02-05 23:58 | 時の移ろい | Comments(0)

柳家小三治独演会@真駒内六花亭ホール2010

どうも、驚いちまったねぇ。
何がって、小三治独演会が当たったんだよ。ホントだよ。
あ~、今年も春から縁起がいいぜぇ。

てんで、また足を運んでまいりました。

まずは、今月21日に真打ち昇進を迎える二つ目の柳家三之助登場。
軽い枕から「代り目」へ。
酔っぱらった亭主と車屋のやりとりから、家に戻ってのカミサンとのやりとりへ。
途中話っぷりが一本調子になりかかったが、なかなか聞かせる。
表情がやや荒削りなところはあれど、楽しみな雰囲気がある。

次に登場は真打ちの柳家はん冶師匠。
昨年に続き登場です。
知らないのに知ったかぶりの話で、枕を終えて「千早振る」へ。
ご存じ、この話の典型。
百人一首の
「千早振る 神代も聞かず竜田川 から紅に 水くぐるとは」
の意味を聞かれた知ったかぶりの絶妙な解釈とは?
実は、会場へ向かう道々小三治師匠の「千早振る」を聞いていたので、
この話が始まった時の、内心の驚きたるや。「ええーっ!?」
やはり、試験は諦めちゃいけません。直前のヤマが当たるんですよー
なんて、訳のわからないことを言っちゃいましたが、
はん冶師匠、相変わらず汗をふきふきの渋い声での熱演で
会場は大笑いでした。

三番目は、お目当ての柳家小三治師匠。
体重が減ったそうで、やはりやせて見えますが、体調は良いそうです。
ちょっと間をおいて話し始めたのが、「水」の話。
先月九州で旅公演やっていたら、サントリーの天然水の中身の水が
「南アルプス」「大山」「阿蘇」と3種類のものが出回っていることに
気がついたそうです。中でも「阿蘇」はうまいそうです。
エスカレータの立ち位置も東京と大阪、神戸は違うと言う話から、
アレっと思うことを見つけて歩くと結構おもしろいという話へ。
そして、世の中は皆変人なのに、他人と同じだと安心していられる
という話から30年前はスキーファッションが皆同じだったのに、
イタリアでスキーをしたら、小っちゃい子でもオシャレだという話へ。
その時目覚めたことが、同じ人はいないということ。
自他共に認める親友なんてものより、正反対の方が仲がよい
と、長い枕から「長短」へ。
せっかちと呑気の描き分けの巧みさは、もう見ているだけで楽しい。
緩急の間の取り方の絶妙ぶりは、さすが名人芸です。

20分の休憩の後は羽織を茶系から青系に替えて登場です。
昨年は枕なしで「船徳」を熱演。私にとっては、ありゃ、一生モノでした。
しかし、今年は枕がありました。
歌のリサイタルが今秋2ヶ所(石川県、埼玉県)であるそうですが、
そもそもこの真駒内ホールでやったのが初めてだったそうです。
それで取り上げる一曲をご披露してくれました。
「あぁ、プランタン無理もない」
作詞サトウハチロー 作曲中田喜直
師匠の歌と解説を聞いて、なるほどと思っていたら、歌詞の2番へ。
歌い終えてから、ようやく郭話へ。
吉原の説明をしているうちに、なんの脈絡もなくこんな話を。
「まあ、年取ったから言うわけではないけれど、
生きてるうちです、生きてるうちですよ、楽しいのは。」
そして、「付き馬」へ。
この長い噺は初めてでしたが、退屈のつけいるスキがない。
師匠の表情を見、噺に耳を傾けているだけで、
時間があっという間に経っていた。
いやー、お見事の一言に尽きます。
しかし、また一生モノが増えました。
満足、満足。
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by capricciosam | 2010-02-02 23:52 | 舞台 on stage | Comments(0)