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尾高忠明&NHK交響楽団@Kitara2012

NHK交響楽団(以下「N響」という。)は日本を代表するオケであり、TVではおなじみ。
デュトワ時代のPMFや数年おきに巡演してきてくれるのですが、これまでは機会を逃していました。
でも、今回は指揮者がKitaraをホームとする尾高さん、その上演奏曲もなにやら興味深い。
と言うわけでN響演奏会に20年以上ぶりで足を運びました。
当夜演奏された曲は以下の通りです。

1 武満徹 ハウ・スロー・ザ・ウィンド
2 チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
3 チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調

1は昨年の尾高さん指揮による札響欧州公演や帰国記念演奏会で取り上げられています。
配られた資料の解説によれば、女性詩人の言葉にインスパイアされて作られたとのこと。
時の流れが遅く感じられる一瞬を、限られた音数や音色で反復提示していくことで、
聴く者の感性も次第に研ぎ澄まされていくという。
はじめて耳にしましたが、小編成による武満タッチあふれる一曲です。
N響も集中度の高い演奏でしたが、残念なのは会場のせきがやや目立ったこと。
札響との演奏を聴いた方も多かったのでしょうが、N響と比べてどんな感想を持ったのでしょう。

2のソリストは小山実稚恵さん。
小山さんの実演は、4年前にシンフォニア・ヴァルソヴィアとの協演で聴いて以来です。
あの時はショパンを繊細なタッチで演奏されていましたが、
今回は曲が曲だけに印象が一転してしまいました。
第1楽章を小山さんは力強いタッチで弾き進むのに比べ、N響はやや乗り切らない
もどかしさが感じられました。でも第二楽章で呼吸を整えた後の第三楽章が凄かった。
もともとが力強い展開でグッと盛り上がる楽章なのですが、
バリバリ弾く小山さんに煽られたかのように、ステージ一体となった大熱演でした。
超快速でも楽々と演奏しているように感じられたN響の余裕はさすがというものです。 
小山さんにオケからも盛大な拍手が送られていました。

3は5年前に札響定期で尾高さん指揮で、また昨年は佐渡裕さんとベルリン・ドイツ交響楽団
聴いています。札響定期の時も弦楽器にエキストラの方が入った大編成でしたが、
今回もこの曲では弦楽器が一気に増え、大編成となりました。
2曲目でN響のギアもさらに入ったようで、この曲でも一糸乱れぬ大熱演でした。
ホルンのソロもうまかったのですが、各パート全体に不安定さを感じないのは
日本を代表するオケだけのことはあります。

2曲目、3曲目ともほぼ満席の会場からは盛んにブラボーも飛び、拍手も熱かったのですが、
アンコールはなし。最後は尾高さんの、いつもの「おやすみの時間です」というゼスチャーで
お開きとなりました。チケットは完売のようで、当日券はなし。
今回の巡演は8/23旭川、8/24札幌、8/25帯広、8/26釧路です。
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by capricciosam | 2012-08-24 23:46 | 音楽 | Comments(0)

トータル・リコール@映画リメイク2012

「スターウォーズⅣ」が公開されたのが1977年。
それから13年後の1990年に「トータルリコール」は制作された。
前者がSF映画の映像へ与えた影響が大きかっただけに、後者については
「10数年後となれば‥」と期待したが、残念ながら映像としては「スターウォーズⅣ」
に及ばず。しかしながら、SF度としては原作の凝った仕掛けとサスペンスぶりを
活かしており、かつA・シュワルツェネッガーのヒーローさを強調したアメコミ風
ティストが楽しい一作だった。
従って、「トータルリコール」自体への印象は小生の中では決して悪くない。

<以下、ネタバレありますので、ご注意ください。>

さて、そんな作品が22年を経てリメイクされた。
大きなストーリーの流れはほぼ踏襲しつつ、前作へのリスペクトも感じられる部分も多く、
前作を知ってると思わず「ニヤッ」とする場面があちこちにあるし、グロさも薄れている。
それから、前作ではシャロン・ストーンが演じたニセ妻は、コーヘイゲンの手下との
愛人関係にあり、ストーリー半ばで殺されて「離婚成立」となったのだが、
リメイク版ではコーヘイゲンとの愛人関係に修正されて、終盤まで執拗な追跡をしてくる
タフな「鬼嫁」(この訳は秀逸、思わず笑った)に変貌していた。
これはストーリー展開上もわかりやすくて良かった。
また、ニセモノと見破られる時には手のひらの伏線が活きていたね。

22年も経てば情報通信技術の発達は隔世の感があり、CGの発達等も加味すれば、
さらなるバージョンアップを、という期待感を抱くのも不思議ではないと思う。
確かに、小道具やカーチェイスにはふんだんにその成果が感じられ、
前作の映像をはるかに凌駕するものがある。
かつスピード感もあるので、アクション映画として十分楽しめる水準だ。
ただし、支配されるコロニーの雑多ぶりが東南アジア風なのは、
ハリウッド的視線が露骨でステレオタイプなのは、やれやれという感じ。

一方、前作が地球と火星という空間的設定を広くしていたのに比べ、
リメイク版では汚染された地球内での地域的主従関係と設定自体を狭くしたことで
前作に比べSF的大胆さが小粒な印象を受けることと、
(もっとも「フォール」という地球内部を貫通する装置を設定してあるのだが、
それ程ではない)主役のコリン・ファレルのインパクトがシュワちゃんほど強烈では
ないため、地味で小粒なアクション作品という印象も禁じ得ない。

何れにせよ、リメイクだけに期待が高すぎると評価が辛くなりがちかもしれませんが、
そんな先入観なしで見たほうが十分楽しめるような気がします。
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by capricciosam | 2012-08-16 22:55 | 映画 | Comments(2)

わくわくする大会だったねぇ~

窓から夜風が入ってくるんですが、冷たくて気持ち良いです。
というのは、日中降り続いた雨のせいで、室内がムシムシしているからなんですね。
お盆初日だとうのに、あいにくな天気です。
でも、墓参りは母とカミサンに任せ、小生は仕事でした。

とうとうロンドンオリンピックも終わってしまいました。
これまで何回も見てきたオリンピックですが、初日を除いて毎日メダル獲得が
報じられたことなんて記憶にありません。
だから、毎日、朝起きると結果が楽しみでしょうがなかったですね。
日本選手の活躍に感動し、拍手を送る毎日でした。

その結果、金7銀14銅17の合計38個のメダルは日本としては過去最高の獲得数。
アッパレ!アッパレ!!大アッパレ!!!です。
もちろん、予選敗退やあと一歩でメダルに手が届かなかった選手や競技もありました。
でも、そういう皆さん含めて、とりあえずはお疲れ様でした。
そして、真剣に戦う姿を、ありがとう、です。
オリンピックに辿り着くまでの努力は到底凡人の及ぶところではありません。

先日記事でも書いたとおり、今回は夜更かししてまでライブ中継は見ていません。
ただ、就寝前に中継された男子サッカー準々決勝、女子バレー3位決定戦、そして
男子マラソンだけは、ライブで見ることができました。
特に、隣国の指導者の無思慮な振る舞いの直後で、かつ男子サッカーが敗れた後
だっただけに、女子バレーはやや熱くなって応援している自分がいましたね。
こんな時こそ一国民としても冷静になることが必要なのでしょうが、
国家の指導者たるものの振る舞いの与える影響ということをも考えさせられました。
指導者たるもの、軽挙妄動と誹られるようなふるまいは厳に避けるべきです。
特に、外交に関わるものについては、ましてや平和の祭典の渦中になんて。
TPOをわきまえろっー!

そんな状態ですから、ブログの方は記事更新が遅れていましたが、
大会期間中は、ほぼ毎日ツィートしていました。
今更ながら、短文投稿のTwitterの良さを感じています。
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この記事を書きながら聴いているのは写真のCD。
ロンドン、英国と来て、エルガーという実にベタな選択です、ハイ。
特に、弦楽セレナードは素敵ですね。
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by capricciosam | 2012-08-13 23:13 | 時の移ろい | Comments(0)

福田繁雄大回顧展@札幌芸術の森美術館2012

M.C.エッシャーの有名なだまし絵に「滝 WATERFALL」という作品があります。
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水路を流れる水が滝つぼに落ちると、また水路を流れていき滝つぼに落ちる。
まるで無限運動のようですが、よく見るとなにやらおかしい。
奥行きと高さは個々に適合しているようですが、3次元的には適合していない。
立体を平面に押し込めた時に生じる錯覚を利用した訳ですが、
一見しただけではわかりにくいし、立体としては不可能のはずなのです。
しかし、福田さんはこれを立体的な作品として仕上げてしまった。
ある角度の視点から覗いて見るという制限はつくのですが、
それでも巧みに表現されていたのには驚きが先立ちました。
覗き窓から離れて近づいて見たりもしたのですが、やはり水は滔々と流れている。

「どんなからくりなの? えっ、福田さん。」

と、思わずニヤっとして、内心でこんな問いを発してしまった。

今回の展覧会も副題は「ユーモアのすすめ」とあるように、
「視覚」と「遊び」を融合させた、不思議で思わずクスッとくるような作品が多く、
固くなった頭には実に楽しい刺激に満ちています。
例えば、「ミロのヴィーナス」の胸像をベースに有名人の肖像をペイントしてある
一連の作品には、「どうして、こんなに似ているのだろう」と思わず唸ってしまいました。
リンカーン、モナリザ、エリザベス・テイラー‥
白人だけではありません、なんと聖徳太子、雪舟、その上、作者自身まで。
中でも、傑作だなと思ったのは歌川国芳の寄せ絵。
思わず吹き出してしまいました。

でも、中には思わず襟を正したくなる作品もあります。
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福田さんの代表的作品のひとつが写真の「VICTORY 1945」。
「ポーランド戦勝30周年記念国際ポスターコンぺ」で最高賞を受賞した作品ですが、
よく見ると、大砲から撃ち出されたはずの砲弾の向きが逆になっている。
戦う相手に与えた打撃も、結局は自分にも打撃となって返ってくるという
戦争そのものの無意味さを完結な構図と色でシンプルに訴えている傑作です。

襟を正すという感覚に近かったのが、破綻した旧北海道拓殖銀行のロゴマーク。
ある世代以上の道民にはなじみ深いあのマークです。
小生も社会人として歩みだした時に口座を開設したのが「たくぎん」でした。
破綻してから15年くらい経ちますが、展示されていたのが旧本店の看板だけに
胸にグッとくるものがありました。

福田さんの肩書きは「グラフィックデザイナー」ということなのですが、
そんなカテゴリーには収まらない自由さと深さを感じさせる作品群に
時間を忘れて見入ってしまいました。
いっしょに行ったカミサンが一足さきに出口で待っていたのですが、
小生が開口一番「あ~、おもしろかった」と言ったら、
出てくる人の感想はみな同じだった、とのことでした。
そうだろうな、と納得して退出しました。
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<蛇足>
展示されている中には木製の玩具もありました。
福田さんは長女が誕生したのをきっかけにこの玩具づくりをはじめられたのだそうですが、
その長女が福田美蘭さん。
先の記事で偶然ふれましたが、思わず「なるほどなぁ~」です。
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by capricciosam | 2012-08-04 22:47 | 展覧会 | Comments(0)

作成秘話は、コチラで。

7月末にかけての猛暑にややバテ気味の日々でしたが、
昨日辺りから一転して肌寒いくらいです。

「いくら北国だからって、急にそりゃないだろう。
もう少し夏らしく蒸し暑くてもかまわないんだけれどなぁ‥」

我ながら、実に勝手なものです、ハイ。

その上、毎日のロンドンオリンピックでのメダルラッシュ。
たとえ金メダルは少なくとも、現在(8/3現在)の国別メダル獲得数では堂々3位です。
過去には、前評判が高いのにメダルなしが続き、やきもきしながらTV観戦をしていた大会
もあったことを思えば、今回の選手の皆さんの健闘は称賛に値するというものです。

ところで、今年は、LIVE中継が夜中なので、寝不足の方も多いのでは。
もちろん関心大ありなのですが、小生は割り切って寝ています、ハイ。
朝起きたら、注目競技は結果が判明していますし、
寝不足にもならないので身体に負担も少ない。仕事への影響もない。
結果はその日の夜にも繰り返し放送されているので、
帰宅後ダイジェストで効率よく鑑賞できる。いいっすねェ~
この歳になると、一刻も早くなんて気持ちはなかなか起きないので、
実に効率的で良い大会だと思っています。

PMFオーケストラも中国へ渡り、残るはラストの北京公演のみ。
芸術監督ファビオ・ルイジの3年間が終わりました。
長年に渡ってPMFを支えてきたウィー・フィルが消えていくための過渡期であり、
挑戦期間とも捉えることのできる3年間だったような感慨を持ちます。
賛否はあるのでしょうが、この点は、また改めて記事にしたいと思います。

さて、毎夏好例になっています、道南はせたな町の観光ポスター。
「夏のセタナ」で注目してからは、遊びごころを感じさせてくれるもの続きだったのですが、
今年は意外とあっさり目に作られています。
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高台で背景にせたな町の景色を入れて、そのまんま撮った感じですが、
夏のせたな町に吹く涼風を感じさせてくれる爽やかな出来映えも、また良しですね。
ところで、毎回楽しみにしていた「ポスター作成秘話」ですが、近年は掲載されず、
寂しい思いをしていたのですが、なんと今回はこちらで見ることができます。
ゲストの乱入の写真もなかなか良いショットですね。

土日は「漁火まつり」なのだそうですが、観光ポスターの別バージョンで
制作されていて、こちらの仕上りも楽しい。
「漁火海鮮セット」の「炭火焼き」なんて文字が踊っているのを見ると、堪りませんなぁ~
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by capricciosam | 2012-08-03 23:13 | 時の移ろい | Comments(0)