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霜月小夜曲@北広島市芸術文化ホール2013

久しぶりに芝居を観ました。
地元札幌座の「霜月小夜曲(ノヴェンバーセレナーデ)」です。

「かつての同級生で大の仲良しだった3人娘が、25年という歳月を経て故郷で再会する。
(略)大きなわだかまりと誤解を抱えたまま長い年月を経て25年ぶりに開けられた
タイムカプセルから、今は亡き旧友からの思わぬメッセージが届く。」
(公演パンフレットから引用)

3人はそれぞれ、世界に、札幌に、そして残る一人は地元に留まるとくれば、
例えステレオタイプと言われようが、何か「物語」が紡がれない訳がありません。
その「物語」は観てのお楽しみで、ここではネタバレはしません。
その代わりと言ってはなんですが、このお芝居を観るきっかけとなったのは、
リンクさせていただいている作家の佐々木譲さんの記事です。
それはこちらですが、さすがな感想です。

それで、小生のほうは落ち穂拾い的に。
もともと芝居の観劇数は少ないので、素人が偉そうなことは言えませんが、
これまで観た芝居と比べて意表を突く演出が多く、驚きつつ、ニヤニヤされられました。

特に、劇中劇として繰り返される「人形劇」の縦横無尽ぶりな使い方は面白かった。
最初登場した時は唐突な印象が強かったのですが、何回か使われた後では
3人娘にセリフとしてただ「人形劇」と言わせるだけの頃になると、
それだけで小生も含めた客席は受けていました。
「人形劇」は余計なモノというよりは、この芝居を構成する重要なパーツでしたね。
芝居の観劇経験が乏しいので、演出としてのオーソドックスさ加減が不明ですが、
あの演出自体は印象的で、おもしろいですね。
ただ、最初の登場場面では睦美が途中で人形劇に加わるのが客席にバレバレでしたが、
ここは一旦舞台を暗転させるなりして、突如として加わったほうが客席の頭の混乱が
長引きおもしろいのかな、と個人的には思いました。

あと、興味深かった使い方が「仏壇の鈴」。
りっぱな効果音であり、想像をかき立てる大事なファクターでした。
ただ、「人形劇」も「鈴」もやや多用気味で、もう少し使う場面を整理した方が
より散漫にならず、効果的、印象的かなとも感じました。

演出で気になったのは「笑い」の取り方。
冒頭のホテルマンの馬鹿丁寧な言い方の「~ほう」の連発や、農協の加藤のTPPを巡る
説明のアルファベット略字の連発の場面などは、聴いていておかしさで吹き出したいのだが、
延々続くので客席で笑うタイミングがとれないもどかしさがありました。
この辺は演出でなんとかならないものでしょうか。
せっかくの客席側の正直な反応ができる「間」なのに、ステージ側に押し切られ、もったいない。

あと、特筆すべきは魅力的な挿入曲と主役3人の歌唱の確かさ。
あのキャンディーズを彷彿とさせる3人組になぞらえた挿入曲はどれも聴かせる上、
歌唱もTV等でよくある学芸会レベルとは違って、しっかりハモッていて、お見事のひとこと。

普遍的なテーマを扱いつつも、TPPなどカレントトピックスもありで、
やや生硬さを残しつつも、しっかり時代を呼吸していることが窺え楽しめました。

巡演予定です。
8/31 江別市・アートスペース「外輪船」
9/5~9/8 東京都・こまばアゴラ劇場
9/11 小樽市・おたる無尽ホービル3Fホール
9/13 石狩市・ArtWarm
9/15 札幌市清田区・清田区民センター
9/16 美唄市・市民会館大ホール
9/17 帯広市・北のれんが・古柏堂
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by capricciosam | 2013-08-30 22:20 | 舞台 | Comments(0)

出光美術館日本陶磁名品選@苫小牧市美術博物館2013

苫小牧市博物館に増築される形で美術館が誕生したのを機に
市内に出光が進出しているご縁で催されたようですが、
日本でも有数のコレクションを誇る出光美術館の名品がみられる機会です。
道内の美術館で陶磁器を収集対象にコレクションしている所はないはずなので、
これだけまとまって「古九谷」を鑑賞する機会はこれからも恐らく少ないだろう、
ということでちょっと遠出してきました。

展示室は2室だけで、「古九谷」はじめ73点が展示されていました。
展示内容は「五彩手の世界」、「中国画譜との関わり」、「青手の世界」、「赤絵」、
「金銀彩・瑠璃釉・鉄釉・染付」とわかれています。

日本色絵陶磁器の黎明期の江戸時代前期に誕生した「古九谷」ですが、
使われている緑、黄、青、紫、赤の五彩に共通するのは、暗さ、深み。
しかし、それらが大皿というキャンパスに力強く、大胆な構図で描かれると
それらの持つ力が混然一体となって現れる存在感には圧倒されます。
特に、緑と黄の二色を基調とした「青手」の一群には、器全体に生気が
みなぎる感じが強まり、より大胆になった作風が魅力的でした。
パンフレットに使われている口径47cmの「色絵菊文大皿」はその代表です。

実を言うと「古九谷」はそれ程好きではなかったのですが、
その意匠の迫力に触れて、小生の中では好感度アップです。
こぢんまりとした展示でしたが、配布されたパンフの解説も充実しており、
見応えのある内容でした。展示は8/25まで。
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<蛇足>
展示を見終えて退室しようとすると、もう一室あり、そこには出光の紹介が。
本業としての出光興産の紹介はもちろんですが、創業者の出光左三氏が
コレクションを始めるきっかけとなった一品を手にしたパネルも。
どんなコレクターにもある、コレクションのきっかけとなる一品。
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by capricciosam | 2013-08-16 06:53 | 展覧会 | Comments(0)

PMF2013を振り返って-partⅡ

前記事でも書いたように会期中の演奏会ではスマホによるツイートを行なっていました。
感想をつぶやくにしてもそれ程時間もかからず、その位手軽にできるものなんですね。
また、つぶやき出すと、他の方がどんなつぶやきをしているのかも興味が湧きます。
そこで、会期中はPMF組織委員会の公式ツイッターと思われる「PMF-PR」のつぶやきに
注目していました。「朝からリハーサル」などと舞台裏を紹介するつぶやきには
演奏会への期待が高められるなど、とても楽しみにしていました。

また、twitterでは「リツイート」といって、他の方のつぶやきをそのまま自分のtwitterで
紹介できる機能があり、「PMF-PR」も折に触れリツイートさせていただいていたのですが、
少し残念だったのは発信にムラがある点でした。

前半は7/14まではほぼ毎日のようにつぶやかれているのですが、
それ以降は7/21に一回つぶやいたっきりで、札幌終盤の7/28までありません。
後半の準・メルクルさんやPMFアメリカ指導陣の演奏会情報などは皆無です。
特に、残念だったのはメルクルさんが札響を指揮する演奏会情報が
さっぱりつぶやかれなかったことです。地元オケとのめったにない組合せなのに、何故?

もちろん、つぶやかなくても別段集客には影響はないのかもしれませんし、
ツイートを担当されている方の業務負担の問題もあるとは思います。
ただ、スマホ等の普及とともに手軽な発信受信が一般化していくと、
結構新たなファン層の開拓に貢献する部分も少なからず期待できるのではないか、
と思う(恐らく経済的効果としては測定不能でしょうが)ので、
少なくとも期間中は単なる演奏会告知だけの発信だけでもあまり途切れずに
続けていただければ、と期待したいところです。
また、仮にスタッフの手がまわらないなら、会期中はツイートのみのボランティアスタッフ
を募集して対応してみては如何でしょうか。
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それに関連して、全国の主要なプロオーケストラの利用状況はどうなっているんだろうと
気になって調べてみました。調査日は8/10、調査対象は札響から九響までのHPを有する
全国主要オケ21団体です。
調査ポイントは①FACEBOOK、②twitter、③ブログ、④動画、⑤ENGLISH、
⑥文字サイズ変更ですが、⑤は国際化、⑥は高齢化に対応しているかという点での
ついで調査です。調査の視点はHPのトップページに、明らかに明示してあることです。

①FACEBOOK、②twitterはどちらもほぼ半数が利用していました。
一方、③ブログ、④動画は30%程度の利用で留まっています。
やはり、③の利用は伸び悩み、①、②の利用にシフトしているのは、
発信手段の手軽さという点からなのでしょうね。
また、④の普及は発信までの手軽さが乏しいせいか、少ないですね。
①~④が揃っていたのは、神奈川フィル(③は公式ではなく、スタッフブログ)のみでした。
①、②だけなら、都響、東響、関西フィル、オーケストラ・アンサンブル金沢、名フィル、
山響、広響の7つありました。調査数の約30%です。
①、②どちらかなら、前述したように約50%です。
逆に、①②ともになかったのが、N響、東フィル、読売日響、兵庫管、京都市響、札響、
群響、九響の8つ、約40%です。強固なファン層に支えられているのか、
利用価値なしとみているのか、そこまで手が回らないのか、事情は不明です。
以上から①、②については、その利用目的は様々なのでしょうが、
情報を発信する手軽な手段のひとつとして浸透してきているように思われます。

最後に、⑤は約50%が対応していましたが、⑥は約10%の対応にとどまりました。
⑤は外国人指揮者やソリストに自分のオケを知ってもらう場合など利用価値はある
と思ったのですが、この点は案外対応が進んでいるようでした。
⑥が低いのは、高齢者の情報通信機器利用頻度が少ないためでしょうか。
しかし、ファン層もいずれは高齢化していく訳で、対応しておいても無駄ではない
ように思いますが、どんなものでしょうね。
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by capricciosam | 2013-08-15 07:33 | 時の移ろい | Comments(0)

PMF2013を振り返って

7月にPMF2013演奏会中心に記事を更新し続けた反動なのか、
それとも、この暑さ続きでぐったりしていたせいなのか、
記事更新をさぼっていたら、8月も半ば。

「日本列島は13日も猛暑に見舞われ、高知県四万十市では午後1時過ぎ、
40・0度を記録した。気象庁によると、4日連続で40度以上を観測したのは
国内で初めて。同市では12日、国内の観測史上最高となる41・0度を記録していた。」
(以上、読売8/13より引用)

日本も亜熱帯どころか、熱帯じゃないのなんて街角の声が放送されていましたが、
道外の皆様には酷暑お見舞い申し上げます。
北海道も最高気温が30℃近い日々で、道産子としてはグロッキー気味なのですが、
湿度の低さと夜になると一転して涼風となることで持ちこたえている感じです、ハイ。
お盆を迎えると秋風を感じることが多かったのですが、今年はもう少し後のようですね。

ところで、PMF期間中はtwitterをもっぱら利用しておりましたので、
そちらでの発信が多かったのですが、やはり手軽さが良いですね。
この記事はPCに向かって作成しているのですが、スマホのようなモバイルデバイスによる
発信手段としては、やはりtwiiterが手軽で、優位さがありますね。
でも、なにかまとまってダラダラと記事にしておきたい時のブログの魅力も捨て難く、
当分両方併用でいく方針です。
ですので、ブログ記事が更新されていない場合は、twitterものぞいてみてください。
きっと何かつぶやいていたり、リツイートしています。

さて、PMF2013を少し振り返っておきたいのですが、今年は芸術監督を置かずに
首席指揮者と客演指揮者が会期の半分ずつを受け持つ2人体制でした。
芸術監督の不在は、これはある程度予想されたことだったのですが、
ピンチヒッターの客演指揮者アレクサンドル・ヴェデルニコフさんも健闘されていました。
ウィーン・フィル等の腕っこきが支えているとはいえ、2回ともなかなか聴き応えがありました。
後半の準・メルクルさんは、さらにPMF生のレベルを仕上げていかれ、
結果的には見事なサウンドで圧倒されました。

準・メルクルさんに関しては、2013年4月1日付で国立音楽大学の招聘教授に就任され、
7月に来日し、7月16日同大の定期演奏会でマーラーの「復活」を指揮されてから、
PMF2013に参加されたという日程だったようです。
そのため、7/19のPMFオーケストラ演奏会の練習が一日しかとれなかったという
強行スケジュールもあったようですが、なかなかどうして結果は先に記したとおりです。
そこで、指導者としての手腕に期待を込めてなのですが、来年も国立音大の予定が
変わらないなら、準・メルクルさんの続投もありかな、なんて想像するのですが、
果たしてどんなものでしょう。

それから、2回目を迎えたPMF-GALAですが、当日券も完売という盛況ぶり。
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開場時間には、大ホール反対側の小ホール踊り場からトランペットパートの皆さんによる
ファンファーレが鳴り響いて開場です。これで、驚きつつも気分的には嬉しいのですが、
さらに入場してみると、ホワイエのクローク横のスペースでトロンボーンパートの
アンサンブルが演奏を始め、終えると、最後は階段横に陣取ったクラリネット等の
五重奏が演奏をするという、楽しいプレコンサートの連続で気分を盛り上げてくれました。
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昨年もプレコンサートはあったのですが、今年のほうが演出としては良いですね。

休憩のたびに席を立ってツィートしていたのですが、その折にみるホワイエや
カフェ・バーコーナーも大勢の方がくつろいでいるようにお見受けしました。
2回目を迎えて聴く側も少し「楽しむ」雰囲気が出てきたように感じました。
教育音楽「祭」ですから、GALAのような趣向はさらに定着してもらいたいところです。
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by capricciosam | 2013-08-14 15:30 | 時の移ろい | Comments(0)