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伊藤君子JAZZコンサート@北広島市芸術文化ホール活動室2016

10年以上前にオークションに伊藤君子さんのCDが出品されていて、出品者が激賞していたのが
印象的だったのですが、特に求めることもなかったので伊藤君子さん自体は記憶の深層に埋もれた
ままでした。今回「前回の札幌公演から18年ぶり」とあるのを目にして当時のことがよみがえり、
希少な機会と思い、出かけてきました。
ご自分を「大年増」とおっしゃていたのですが、7月にライブを聴いた小田和正さんくらいのようです。
あの年代の現役バリバリで活躍される皆さんは、円熟していて聴き応えがありますね。
それに初めて聴いた「津軽弁ジャズ」ですが、訳詞が成功しているせいか、実にノリも良く、
通常聴く英語の詞と大して違和感は感じませんでした。
むしろ、詞にこめられた感情がぐっと迫ってくる感じがしました。
方言のネイティブスピーカーはまるで外国語のように感じますから、この方言に置換する試みは
成功していると思いました。実に楽しかった。
伊藤君子さんのHPを覗いたら、北海道ツアーは4カ所だけのようです。
9/16 札幌市
9/17 北広島市
9/18 旭川市
9/19 帯広市
お近くの方はぜひ。

<9.22追記>
定刻になりメンバー入場。
Vocal:伊藤君子
Piano:宮本貴奈
Bass:柳 真也
Drums:館山健二

MC「ようこそ、おいでくださいました。皆様に御礼申し上げます。伊藤君子です。
(メンバー紹介)そして、小豆島が生んだ大年増、伊藤君子でございます。」

1 ジャスト・イン・タイム
2 オータム・イン・ニューヨーク

MC「さて、いきなり津軽弁の時間です。津軽弁でジャズを歌うのは伊奈かっぺいさんの影響です。
第一弾を発売したのは2000年のことです。2015年に第2弾を発売し、「津軽弁の日」に宮本さん
との美女二人で行き、歌わせていただきました。」(以下、★印は津軽弁ジャズです。)

3★恋に恋して

MC「どうして津軽弁?と思ったんですが、初めて歌った時は恐かったですよ。
だって(津軽弁の)ネイティブスピーカーだらけですもん(笑)。でも、うけた。
それで、第2弾を出すことになったんです。」

4★ブルームーン
5★カム・レイン・オア・カム・シャイン
6 セプテンバー・イン・レイン
7 イパネマの少年? ~この夜唯一曲名紹介が省かれたので不明ですが、ボサノバでした。
8 サムウェア(「ウエストサイド物語」から)

<休憩>
宮本さんだけが登場。
MC「ピアノソロでちょこっと。ジャズピアニストですが、バークリーの映像音楽科と作曲科を
出て作曲もしているんですね。NHKの「日本の話芸」テーマを作曲しました。
TVのオープニングは20秒なんですが、今日は90秒バージョンで。」

9 NHK「日本の話芸」オープニングテーマ

MC「もう一曲。直感で日本の曲を。タイトルはあえて言いませんが、皆さんご存じです。」

10 この道

伊藤さんはじめ他のメンバー登場。

MC「私の足を心配してイスが届きましたが、立っても座っても変わらないと思います(笑)」

11 You've got a friend ~エルトン・ジョンでしたっけ?

MC「アンコール前の曲という感じ(笑)次はこの間亡くなったトゥール・シールマンスの
作った素敵な曲です。失恋している人に、大丈夫だよと。
励まされると思って聴いて下さるかな。」

12 ブルーゼット

MC「今日はお星様は見えるんでしょうか?昨日札幌歩いていたら雨が降ってきて。
よくあるんですか?どこで見た星空が思い出ですか?私は小豆島で高校までいたんですが、
あの頃は天の川まで見えました。大気がきれいだったんですね。」

13 ソー・メニー・スターズ

MC「次は有名な曲。世界中で録音されているんですが、名古屋弁で言うとピッタリ。
フリャイ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(笑)タイトルは名古屋弁だけで、歌うは津軽弁です。」

14★フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン

MC「かっぺいさんの訳が……(聞き取れず)。聴いて下さい。」

15★オーバー・ザ・レインボー

MC「次なる曲はとてもおもしろいアレンジで、(CDでは)上妻宏光さんの津軽三味線
なんですが、今夜はまっさん(柳真也)が津軽三味線風にアレンジして。」

16★ラストダンスは私に

伊藤さんが給水する間、宮本貴奈さんがMCを努め、途中から伊藤さんも加わる。
MC「新潟のフェスから羽田へ直行しハワイへ。ハワイで3泊し北海道へ来たんです。
でも、演奏の時しかほとんど記憶がないんです。
そうなんですよ、会場とホテルと食事ぐらい。」

MC「小さい頃家にあったのは広沢虎造。6つの時、美空ひばりに夢中になったんです。
それで歌手になりたくて東京へ行きたかったので武蔵野美術大学短大を受験したら、
合格しちゃったんです。ずっと端折りますが。今歌手です(笑)」

17 愛燦燦
18 オールド・デヴィル・ムーン

初めて来てくれた伊藤さん、宮本さんに北広島市、千歳市の両ジャズ倶楽部から花束贈呈。
アンコールの手拍子に応えて

19 フォロー・ミー~アランフェス協奏曲第2楽章から

<おまけ>
歌われた津軽弁ジャズ(記事中の★印)の聞き取った歌詞の一部分をランダムに並べました。
文字にしてみると、津軽弁が親密で感情が迫ってくると感じたのは間違いなかったようです。

「好きだ 好きだ みなみなわのものだして~」
「わーば好きだはんで だまってそうしてろ~」
「あんだの好きな人と踊ってくればいいがし~」
「あの虹っこば越えて飛んでいぐんだ~」
「好きだ 好きだ 好きだ 恋はどこさ行ってしまったんだべ~」
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by capricciosam | 2016-09-17 23:36 | 音楽 | Comments(0)

音楽の昭和@北海道立三岸好太郎美術館2016

「音楽の昭和~三岸好太郎を巡る音の風景」と題する講演は特別展「三岸交響楽」
(9/3~10/19)に関連して特別展初日に開催された。講演の行われた三岸好太郎美術館は
北海道知事公館のある一画の北側に位置する。

三岸節子氏をはじめ遺族4名から220点の三岸好太郎作品が北海道に寄贈されたのを機に、
1967年、北海道で初めての美術館となる〈北海道立美術館(三岸好太郎記念室)〉として、
当館は札幌市中央区北1条西5丁目に開館しました。その後、北海道立近代美術館の開館に
ともない、1977年に北海道立三岸好太郎美術館と改称して再発足し、さらに1983年、
三岸好太郎のアトリエのイメージを設計の一部にとりいれた新館を現在地に建設して移転、
新たな開館をしたものです。」
(三岸好太郎美術館HPより引用、以下三岸好太郎は「三岸」と略する。)                              

美術館はこじんまりとしており、その1階展示スペースの一番大きなところにイスを並べて
本講演が行われた。もちろん、三岸の代表作<オーケストラ>も展示されている。
開演前には座席が追加される盛況だった。

定刻になり登場した片山杜秀氏(以下、「片山氏」と略する。)は、やや顎を上げて
斜め上に視線を飛ばすお馴染みのスタイルでやや早口気味に、三岸の<オーケストラ>が
描かれた当時の日本の音楽状況等を語りだした。
以下は、その概要のごく一部をテキスト化したものです。

展覧会初日にお招きいただき光栄です。
<オーケストラ>は三岸の代表作。彼が日比谷公会堂の新交響楽団演奏会に通っていた頃の
印象をもとに描かれたものです。
では、その新交響楽団は1930年頃はどんな音を出していただろう。

★第二次世界大戦の学徒出陣の際に演奏されて有名なルルーの「分列行進曲」を聴く

ところで、三岸は近衛秀麿指揮の新交響楽団を誰と聴いていたのかというと、
「魔性の女」吉田隆子と連れだって日比谷公会堂へ出かけていた。

★彼女と聞いたであろう新交響楽団によるマーラー交響曲第4番を聴く
 片山氏曰く、当時のマーラーの知名度はR.シュトラウスと比べてずっと低かった。

三岸は札幌時代含めてクラシック音楽の素養はあったようだ。
彼は天才なので、理屈(を知って描く)よりもすぐに描ける人、感覚的な人だ。
感覚的な人は理屈の立つ人にコンプレックスを持つ(笑)私もそうなんですが(笑)
吉田隆子は理屈の立つ人、理屈先行型であり、カリスマ型。
年下のモダンな女性が文化教養にあこがれる若者である三岸を音楽に導いたと言える。
彼女は社会的にはまだこれからの人だったが、三岸が彼女とのどろどろした関係を清算し、
妻の節子に連れ戻された時に描かれたのが<オーケストラ>だった。
単純な線で描かれ抽象化されているので、一見吉田隆子との関係を想起させるものは
ないが、絵の背後には隣に座っていた人が投影されていると考えられる。
三岸にとって自覚的に作風が晩年様式になったことはない。まるで墓碑銘を書くように
極限的なスタイルに転換していく。作風が飛躍したのだ。
この時代は色々な人が錯綜しているが、三岸が亡くなった昭和10年以降本格的な音楽作品
を書ける人が桁違いに増える。

片山氏の話は結構横道にそれるが、その膨大な知識故か退屈することはなかった。
上記以外にも、三岸はカンディンスキーの影響を受けたとの話から、
①カンディンスキーとシェーンベルクの妻の不倫の結果誕生した無調音楽
②そもそも近衛秀麿、新交響楽団とは何か?
③山田耕筰のいい加減さ
④満州に避難してきたロシア人演奏家との日露交歓管弦楽演奏会の話
⑤SPレコードのヴァイオリンの生々しさ~シゲティのファリャ「はかなき人生」を聴く
等興味深い話や体験が多く、60分では短かった。まだまだ聴きたかったなー。

また、展示された資料も珍しいものが多かったが、伊福部昭の「交響譚詩」自筆譜や
「土俗的三連画」出版譜、早坂文雄「古代の舞曲」などは初めて目にしたが、
伊福部昭ファンや早坂文雄ファンには堪らないでしょうね。

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by capricciosam | 2016-09-03 22:55 | 講演会 | Comments(0)