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札幌交響楽団第602回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 ベートーヴェン 序曲「レオノーレ」第3番
2 モーツァルト 協奏交響曲変ホ長調
3 フランク 交響曲ニ短調

指揮:ユベール・スダーン
ソロ:関美矢子(オーボエ)、三瓶佳紀(クラリネット)、山田圭祐(ホルン)、
坂口聡(ファゴット)

フルート、クラリネット、トロンボーン、オーボエの各首席奏者をソロに起用した
「札響ザ・プリンシパルズ-札響管楽器首席奏者たちとボレロの祭典」
2013年7月に特別演奏会として実施された。その時は、各楽器の協奏曲で4曲演奏され、
最後はその各楽器が活躍するボレロだった(しかも各首席は演奏しない)だけに
企画に相当な自信ありと見たが、本当に充実した良い演奏会だった。
当時のプリンシパルの皆さんは下記のとおり。
高橋聖純(フルート)、三瓶佳紀(クラリネット)、山下友輔(トロンボーン)、
金子亜未(オーボエ、現新日本フィル首席)

また、2015年1月定期演奏会でのユベール・スダーンさんの情感を保ちつつ、
表現の限界を追求するかのごとき指揮ぶりには感心したものだった。

今回は定期演奏会で「ザ・プリンシパルズ」を再現し、しかもスダーンさんの指揮
となれば、期待をするなというのは無理というものだ。
4年前はソロ楽器同士で響きあう妙はなかったが、今回は協奏交響曲という

「1770年代から80年代にかけてパリを中心に大流行し、やがて姿を消していった」
(会場で配布された資料からの引用)

形式のため

「4つの管楽器の魅力的な音色が織りなす豊麗な響きの饗宴が楽しい。」
(会場で配布された資料からの引用)

2はたとえ偽作の疑いがあろうとも、典雅にして喜悦に満ちた雰囲気には
何人をも惹きつけて止まない力があると思っている。
楽器は前回のフルート、トロンボーンの代わりにホルン、ファゴットだが、
例え楽器の構成は異なろうとも、単独でソロを務めても、ソロ楽器同士が
協奏しても、作品の雰囲気を壊すことなく見事な演奏を披露してくれた。
改めて札響の充実ぶりに感心したが、プリンシパルを活かすこの企画は
不定期でも良いので、ぜひ継続してもらいたいと思う。

1は札響の演奏回数も31回になるくらいだが、それにしても弛緩とは無縁な
良い演奏だった。今まで聴いた中では最良。
バンダトランペットは8月で退団する松田副首席。
会場から惜しみない拍手が送られていた。

3はもっぱらCDでしか聞いたことがなかったので楽しみにしていた。

「暗から明への流れが全曲を貫き、考え抜かれた転調が深い意味を告げ、
循環形式によって全体の統一が図られている。オルガン奏者として
身についた重厚な響き、ストップ操作を想わせる音色やフェルマータの
使用など独自の世界を生み出している。」
(会場で配布された資料からの引用)

ある種のストイックさにも通じるような抑制された感情が、
やがて光あふれる世界に到達するまでの葛藤でも描いたかのような
独特の趣きを感じる作品だが、スダーンさんは細部まで克明に描きつつ、
引き締まった演奏に仕上げていた。札響も2で登場した首席奏者の不在を
いささかも感じさせず、各パート一体となった演奏は見事だった。

今シーズン定期演奏会でも注目していた演奏会だったが、満足度は高い。
昼公演。客入りは9割か。

<蛇足>
2ではオーボエの関美矢子さんが鮮やかなブルーのドレスで登場
(会場も一瞬どよめいていましたね)他の3名はいつも通り燕尾なのですが、
チーフの色はブルー。「はて、珍しいな」と思っていたのですが、
関さんのドレスの端切れであつらえたものとか。
こういうセンス、素敵ですね。

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by capricciosam | 2017-08-26 23:39 | 音楽 | Comments(0)

山下達郎PERFORMANCE2017@苫小牧市民会館

山下達郎さん(以下「達郎さん」という。)のライブはPERFORMANCE2010以来2回目。
18時になると開演を告げるブザーが鳴り、会場も暗転。
5分遅れでメンバーがセットの裏から登場し、最後に黄色の灯りがともったセットの
ドアを開けて達郎さん登場。盛大な拍手。早くも会場のボルテージが高い。

<追記9.3>
ツアーも8月31日にラストを迎えました。ということで苫小牧公演の続きを。
簡単なメモとおぼろげな記憶を頼りに公演内容の一部をテキスト化してみました。
達郎さんはいつものスタイルですが、シャツは黄色でした。

1 SPARKLE
2 いつか(SOMEDAY)
3 ドーナッツソング~色々な歌を入れたメドレーで
曲間のMC
「苫小牧、こんばんわ。42年ツアーやって、苫小牧は生まれて初めて。
なのに満員御礼。ありがとうございます。ツアー終わりまであと4本。
目一杯やらせてもらいます。よろしく。」

MC「苫小牧と言えば王子製紙。大洗からフェリーに乗って16時間。
(昨夜のラーメン屋の話はネガティブになるからと止めちゃいました。)
46本目。明後日の網走も初めてで、一番北になる。
2008年からライブを再開した、その時55歳。来年は年金受給者です(笑)
身体は至って元気。以前は冬にやっていたんですが、60代半ばになり、
つらいし、寒いし、乾燥する。前回はツアー中に4回風邪を引いたので、
金輪際冬のツアーはやらない。
「暮れ男」だったのに、たった数年で「クリスマス男」になった(笑)

4 僕らの夏の夢
5 風の回廊

MC「なかなか良いホール。このくらいが楽しい。1980年代はアルバム作っては
ツアーをやっていた。80年代の曲はしばらくやっていないので、なるべく昔の曲に
陽の目を当ててやろうと。お陰様でだいぶやってきた。80曲ぐらい。
全レパートリーの3分の一弱。
レコーディングの時高く歌うのを「高い高い病」と言ってるんですが、
キーを下げたら『あーあ、あいつもダメになったな』と言われる。
6名のリズムセクションは生涯のベストメンバー(拍手)
ライブの場合は楽器が限られる。テープはきらい。口パクの人もいるようですが。
80年代は他人に曲を提供していた。作曲家というのは自分が歌えない曲を作る人。
そういうことで作っていたら困った。セルフカバーが歌えない(笑)
今まで一度たりともライブでやったことがない。」と言いつつ6へ。

6 guilty~鈴木雅之への提供曲、佐橋さんのソロが素敵
8 FUTARI~ピアノを弾いて、8も
8 潮騒

難波弘之さん、伊藤広規さん以外のメンバーが一旦退出し、
達郎さんはアコースティックギターに。

MC「(プロ活動を始めて)37年経った。「RIDE ON TIME」で下積みから抜け出した。
バンドは10名。90年代は色々あってちょっと(ツアーを)やれなかったが、
時々ライブハウスやスタジオでやったが、狭いので10名ではできない。その時は3名で。
他人呼んで「還暦トリオ」「ジジイトリオ」3人あわせて190歳になります(笑)
またの名を「城北トリオ」(達郎さんは池袋、難波さんは巣鴨、伊藤さんは西新井)
城北はガラが悪い。小学生の時一人称は「俺」南の世田谷あたりだと「僕」
我々のテリトリーで「僕」なんて言おうもんなら「あーっ、こいつ僕って言いやんの」
そんな難波さんも今じゃ「私(わたくし)」東京音大教授ですからね。
この3人は37年一緒。人間が合うかどうかわからないけれど、音楽は合う。
(ステージの狭い新宿ロフトで2日間やった時は6万人応募が来たそうです。)
そんな訳で曲によっては3人でやります。
3人のアコースティックライブです。」

9 ターナーの汽灌車~伊藤さんのベースに目を見張る

MC「洋楽一辺倒で、今で言うとオタク、カルトのようなもの。
『60年代、知らねぇだろー』と上から目線でした。
前回ツアーでは「君の瞳に恋してる」をやったんですが、
受けたなんてもんじゃなかった。自分の曲より受けた(笑)
そこでひとつ悟ったんですが、お客も喜ぶ曲やろう。
七面倒くさいのイヤ。60代半ば、私も人間が丸くなってきた(笑)
(次の曲は)山下達郎とカラオケに行ったつもりで聴いてください。
この方は私と対局にあるような方です。」

10 IT NOT UNUSUAL

MC「トム・ジョーンズでした、タイトルは二重否定ですね。
私は彼の隠れファンでレコードは全部持っています。もみあげが特徴的ですが、
初期のころのアルバムを見ると私ももみあげをそんな風にしています。
若いころはプレスリー等の「南部の人」へのあこがれがあったんですね。
さっきの6は鈴木雅之に作った曲なんですが、
(と、トム・ジョーンズと鈴木雅之の歌まねを。特徴を捕まえて上手い。)
鈴木雅之より明るいけれどトム・ジョーンズより暗い。これが山下達郎のキャラ(笑)
高校を卒業したのが1971年。世の中は騒乱状態。
十代の義憤から大学は3か月で辞めた。
ミュージシャンになったのは交通事故みたいなもの。トラウマ抱えてなった。
ものの考え方を作品に込めたい、政治的にコミットしない、音楽で語る。」

11 THE WAR SONG

MC「今日は良いお客さんだ。札幌のホールは(客席との距離が)遠いんだね。
札幌より良いや。」(苫小牧は1600席余。対して札幌のニトリは2300席だから、
客席との近さは違うでしょうね。網走は1000席程度らしいので、
よりボルテージが上がったことでしょう。)

ここで発売されたばかりの「COME ALONG 3」巨大ポップを手にして

MC「やれ、と言うので。2はレーベルを離れる直前に勝手に作られたので
公認していなかったが、33年経ったら、もういいや。
会場で販売しています、買ってくれたら、、、あれ、出てこない。
《客席から「クリアファイル」の声が》そうそう、クリアファイル。
固有名詞が出ないんですよ。初めて山下達郎を聴くという方、手を挙げてみてください。
(すぐに客電がついたが、結構な手が挙がり少々驚いた。常連が多いと思ったからね。)
ありがとうございます。
ア・カペラの「ON THE STREET CORNER」はドゥ・ワップの多重録音。
そろそろ4作ろうかな(拍手)
「ON THE STREET CORNER 2」から、20年ぶりにやります。」

12 SO MUCH IN LOVE

MC「べたな有名曲。間奏のストリングスをひとりア・カペラでやってみた。」

13 STAND BY ME
《ステージが暗転すると「諸人こぞりて」のイントロが…》
14 クリスマス・イヴ
15 蒼茫~色々な歌を入れたメドレーで《PPM、ボブ・ディラン、希望の名という光》
16 GET BACK IN LOVE

MC「一昨年の暮れ、14が連続売り上げ記録でギネスに載った。
この場を借りて、厚く厚くお礼申し上げます(拍手)
9月にシングル「リボーン」が出ます。1,2を争う難しい注文。
完成に一か月かかった。死生観がにじみ出た。
ツアーが終わったらスタジオに籠り来年にはアルバムを出せると思う(拍手)
幸せなことだな、神に感謝。
僕は変態タレント、TVに出ない、ホールツアーしかしない、おいしくないタレント。
出自がそんなので、身の丈に合った生き方をしたい。
この歳になると、年上の現役の方がいらっしゃるな、と思ってしまう。
加山雄三さん、80歳。あの方はモンスター中のモンスター。
小田和正さん、70歳。(おおっ、達郎さんの口から、小田さんの名前が。)
吉田拓郎さん、71歳。
井上陽水さん、68歳。
矢沢永吉さん、67歳。
(続いて自分も頑張って歌っていこうと思うとおっしゃったと思うのですが、
小田さんの名前が飛び出した驚きで、いささか記憶もメモも飛んでいる。)
「RIDE ON TIME」が出た当時でも、ニトリで、あそこは2300人入るんですが、
1500~1600人だった。あの当時のことを思い出して、最後は少しお賑やかしく
いってみたい。

17 メリー・ゴーラウンド
18 LET'S DANCE BABY~クラッカーの直後に「おっ、初めて(の土地)とは思えない」
19 高気圧ガール
20 CIRCUS TOWN
(17~20は会場総立ちで、達郎さんの声量に圧倒される、鳥肌ものだった)

鳴り止まない拍手にアンコール。シャツは薄いピンク色に着替えていますね。

MC「冷房ないので暑い。いつまで現役でいられるか。大瀧詠一、村田和人が逝った。
生き残った者はその(人たちの)分まで前へ進んでいかなければならない。
今回のツアーでは目標があった。3時間切り。
46回やってきたが、結局一回もできていない(拍手)
3時間でやろうと思えば2~3曲切らざるを得ない。起承転結からいったらできない。
だったら、今日できることをやっていこう。マイペースでやっていきたい。
(さっき鈴木雅之やトム・ジョーンズの歌をやったけれど)
どうせやるなら徹底的にやってやろう。
(次の曲は)辛気臭く座って聴く曲じゃない、よろしく。」

21  ハイティーン・ブギ~近藤真彦への提供曲らしいが、正直驚いた
22 RIDE ON TIME
(一同整列して挨拶)
23 DOWNTOWN
(メンバー引き上げるが達郎さんのみ残る)

MC「初めての土地。良いお客さん。国の内外がモヤモヤしている。
私のコアなお客は30代、40代、50代。いろんな問題がある。
音楽は救えないけれど、私のいくばくかの時間で慰めになってくれたら幸い。
みんなで助け合って、この国を一生懸命生きていきましょう。」

24 YOUR EYES

最後は会場を見渡し感じ入ったような表情で深々とお辞儀して退場しました。
終演21時30分。

ニトリは平日だし、あのイスでは長時間無理なので、
休日の苫小牧をチョイスしたが、大盛り上がりで正解だった。
達郎さん、少し太ったかな。
前回はツアー初期だったので、段取りもおぼつかないところがあったけれど
今回はツアー終盤だけにMCも多いし、内容もより率直な印象。
久しぶりの「怒涛の3時間30分」に大満足だった。

<蛇足>
北海道のホールの常なんでしょうが、苫小牧市民会館も網走市民会館も冷房機能がない。
(旧札幌市民会館でのPMF演奏会でも上着を脱いで汗だくで演奏したことがあったはず。)
苫小牧でも「どてら着て鍋焼きうどんを食ってるようだ」とおっしゃるくらいステージは
暑かったようです。8月27日「サンソン」では、
「茹でるような暑さで熱中症になりかけた。それで(網走では)各人に扇風機を用意した。」
とおっしゃっていました。北が一番暑かった(笑)


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by capricciosam | 2017-08-19 23:58 | 音楽 | Comments(0)