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札幌交響楽団第603回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 スッペ 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲
2 グルダ チェロと吹奏楽のための協奏曲
3 ブルックナー 交響曲第1番ハ短調(ウィーン版)

指揮:下野竜也
チェロ:宮田大

久しぶりの下野竜也さん登場だが、いつもどおり凝ったプログラム。

1は軽いのりで流されそうだが、実にシンフォニックな響きで堂々たるもの。
こんな堂々とした作品だったっけ?早くもフラボーが飛ぶ。

1曲目が終わった後の舞台転換は時間がかかるため下野さんがマイクを持って登場。

『覚えていらっしゃいますか?先ほど指揮をしていた者です(笑)。私の演奏会の
テーマは支持率が低いのですが(笑)、今回のテーマは「ウィーン」です。
ウィーンゆかりの作曲家にはJ・シュトラウスはじめ色々いらっしゃいますが、
1曲目のスッペもその一人。2曲目のグルダはウィーン出身なんですが、
ウィーンの伝統に抗った人。チェロの前にマイクがあります、宮田さんはマイクなし
で演奏できる人なんですが、これはグルダの指示によるものです。
そして3曲目はブルックナーです。交響曲第1番は普通リンツ版がよく演奏される
のですが、晩年改訂したウィーン版があって、今日はこれを聴いていただきます。
それでは(ステージの)準備ができたようなので、私も支度をしてきます。』(拍手)

「支度?」一瞬変だなと思ったが、再登場して納得。
下野さん、サングラスをかけて頭にはど派手なはちまきをして現れた(驚)
オケの皆さんも下野さん同様で、サングラス、はちまき、帽子等の小道具を
身にまとっています。傑作はファゴット首席奏者。あのカツラにはだまされた(笑)
トリッキーなグルダ作品は、格好からいくぞ!ということなんでしょう。

2は両端楽章がファンキーでポップなのだが、チェロのカデンツァを配する中間部は
シック。楽器構成も特異なら、曲としても一風変わったティストの作品。
これもグルダの奇才ぶりの現れなのでしょうが、実際に演奏されると、
ソリストの宮田大さんと札響メンバーの名技が炸裂して、おもしろいことこの上なし。
宮田さん、カデンツァでは「鳥の歌」を挿入していましたね。
定期演奏会でこんなに愉快な気持ちになれたのは初めてでした。
この挑戦的選曲は賛否を呼ぶでしょうが、私的には下野さんらしい凝ったプログラム
のお陰で新たな発見をしたと肯定的にとらえたい。
企画を決断した札響にも「ザ・プリンシパルズ」以来のあっぱれをあげたい気分。
下野さんには引き続き定期演奏会への登場を期待したい。

3は所有CDが全て「リンツ版」のため(というより素人のため)版の違いは
わからないが、総体的により装飾的で流麗な印象が残った。
札響でブルックナーを聴いたのは2014年定期演奏会以来だが、札響がますます
充実したブルックナー演奏が可能なオーケストラに変貌しつつあるようで、
これは嬉しいことだ。

昼公演。客入りは7~8割か。

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by capricciosam | 2017-09-23 22:17 | 音楽 | Comments(0)

東京都交響楽団札幌特別公演@Kitara2017

【プログラム】

1 ワーグナー 歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
2 シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調
3 サン=サーンス 交響曲第3番ハ短調《オルガン付》

指揮:大野和士
ヴァイオリン:パク・ヘユン
オルガン:室住素子

近年、Kitaraで在京オーケストラを聴く機会は限られている。
来札してくれるのはNHK交響楽団と東京都交響楽団(以下、「都響」という。)
で、今回は都響が2年ぶりに札幌特別公演として演奏会を開催してくれた。
これまで都響は4回聴いたが、都響にポストを有する指揮者が振るのを聴くのは
今回が初めて。毎回素晴らしい演奏を聴かせてもらい満足しながら帰路につくため、
大野和士音楽監督登場となれば、期待するなというのは無理というもの。

挨拶がわりの1。毎回都響の金管には魅了される。

2はソロとしての派手さが目立たないだけに深みを感じさせてもらいたいところ。
ソリストの技量は高いのだろうが、可もなく不可もなくで淡々と終わった印象。
大野さんもオケも無難にソリストを支えていた。
拍手に応えてアンコールにちょっと変わった曲を演奏してくれた。初耳。

エルガー 性格的練習曲集Op.24より5番

Kitaraのオルガンを活かすために選曲されたという休憩後の3が素晴らしかった。
大野さんは指揮台も取り払い暗譜。この作品は第2楽章の後半部のオルガンの
壮麗な響きが印象深いため、作品の他の部分でのオルガンの役割をあまり意識せずに
聴いてきたが、第1楽章の後半部のオルガンの繊細さ、美しさとオケの作り出す響き
には魅了された。都響の精緻なアンサンブルが見事に決まり、引き締まった演奏には
会場からも惜しみない拍手が送られていた。名演。

アンコールの前に大野さんから挨拶。
「今日は本当にようこそおいでくださいました。
皆様が無事帰宅することができますように願っています。」
との気遣った言葉が。

アンコールにドヴォルザークのスラブ舞曲第1番
胸のすくような演奏でした。

昼公演。客入りは7~8割か。
今回は台風18号直撃(しかも演奏会開催時間に台風通過!)という最悪のコンディション
だった。しかし、雨はともかく風がそれほどでもなかったので、当日行こうと決めた
方も多かったようで、当日券を求める長蛇の列ができていた。

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by capricciosam | 2017-09-18 20:11 | 音楽 | Comments(0)

アンドレア・バッティストーニ&札幌交響楽団@Kitara2017

【プログラム】

1 ヴェルディ 歌劇「ナブッコ」序曲
2 プッチーニ 歌劇「ジャンニ・スキッキ」より"私のお父さん"
3 プッチーニ 歌劇「修道女アンジェリカ」より"母もなしに"
4 プッチーニ 交響的序曲
5 プッチーニ 歌劇「トスカ」より"歌に生き、恋に生き"
6 プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」より"ある晴れた日に"
7 ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲
8 レスピーギ 交響詩「ローマの松」
e ロッシーニ 歌劇「ウィリアム・テル」序曲よりスイス軍の行進

指揮:アンドレアス・バッティストーニ
ソプラノ:木下美穂子

来年10月開場する札幌文化芸術劇場のこけら落とし公演はヴェルディの歌劇「アイーダ」
で、アンドレア・バッティストーニ(以下「バッティストーニ」という。)指揮札響が
ピットに入ることが決定している。両者に加え、当日出演する木下美穂子さんも加わった
特別演奏会がプレ・イベントとして開催された。

驚いたことに、バッティストーニは全曲暗譜。
全身を使い緩急、強弱を自在に付けて指揮するが、生み出される音楽のなんと魅力的で
活き活きとしていることか。基本的にテンポが速いためまるでスポーツカーでドライブ
しているかのような疾走感と躍動感が伝わってくる。
かといって歌心まで置き去りにしている訳ではないから驚く。
札響をドライブして、ここまで爽快感あふれる音を引っ張り出した指揮者はこれまで
体験したことがなかった。今まで聴いたイタリア人指揮者のムーティ、サンティ、
ルイージとはまったくタイプの異なる、異色の存在だろう。
素直な感動と興奮が残った演奏会として語り継がれるのではないか。

当日客演された方が「ヘロヘロ」とつぶやいているのを目にしたが、
札響団員もエネルギー消費が激しかったのではないか。バッティストーニが
首席指揮者を務める東京フィルハーモニー管弦楽団の演奏会はどうなんだろうか、
と俄然興味が湧いた。

また、当日ダブルキャストでアイーダを演じられる予定の木下さんの歌唱も素敵で、
中でもトスカは絶品だった。会場からの拍手が一段と大きくなった。

いやはやものすごい熱量溢れる演奏会だった。
終演後のサイン会は長蛇の列だし、出待ちして一目見ようとする人で黒山のひとだかり。
プレ・イベントは大成功だったのではないか。
「アイーダ」を予習しなくては。

夜公演。チケット完売だけにほぼ満席。

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by capricciosam | 2017-09-15 23:58 | 音楽 | Comments(1)

仙台フィルハーモニー管弦楽団@函館市民会館2017

【プログラム】

1 グリンカ 歌劇《リュスランとリュドミラ》序曲
2 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
3 チャイコフスキー 交響曲第5番

指揮:広上淳一
ピアノ:岡田奏

札幌交響楽団(以下「札響」という。)と距離的に一番近いプロオーケストラは
仙台フィルハーモニー管弦楽団(以下「仙台フィル」という。)だろう。
しかし、距離的には近いが、交通アクセスの利便性によっては必ずしも近いという
感情が沸いてこないものだ。私的には仙台市もそのひとつ。
むしろ仙台より遠方にある東京が圧倒的に近いと感じる。
そんな気持ちもあり仙台フィルは、私的には「近くて遠い存在、いつかは聴きたいが
多分無理かな」と思っていたオケのひとつだった。

今回の来函公演は「北海道新幹線開業1周年記念」という節目で実行された訳だが、
確かに函館圏は新幹線で仙台市と結ばれたから、企画としては「あり」ですね。
ただ、会場が多目的ホールだけに初めて聴く上で少々不安があったが、
そこは指揮者が広上淳一さんとくれば、練達の腕前でなんとかしてくれるだろう
との期待があった。案の定、会場は残響に乏しく、よくブレンドされた音色の響き
としてはあまり望むべくもないことがわかったが、オーケストラ自体は各パートの
バランスもよく、アンサンブルには随所にプロらしいうまさが感じられた。

淡々と終わった1の次に演奏された2が会場を興奮のるつぼと化した。
この熱狂はソリストが地元函館出身という地元びいきだけのものとも思えない。
力強い打鍵で表情豊かに、かつパッション溢れる演奏には惹かれた。
広上さんと仙台フィルもピアノを力強く支え熱い演奏を繰り広げた。
鳴り止まぬ拍手にドビュッシー「月の光」をアンコール。見事なクールダウン。
十代半ばからフランスで研鑽を積んだ成果なのだろう。
豊かな表現力と芯の強さを感じさせる将来楽しみな才能が現れたものだ。
2で暖まった仙台フィルが、休憩後の3ではさらなる熱演を披露し、
大盛り上がりの内に終演となった。

鳴り止まぬ拍手に広上さんがひと言挨拶
「(函館は)25年ぶりです。その頃はもっと髪の毛がありました(笑)
私たちの音楽が皆さんの心の支えになれるようこれからも活動してまいります。
仙台フィルは躍進しているオーケストラです。
これからも仙台フィルをよろしくお願いいたします。」(拍手)
「では、やさしい音楽を。」と言ってアンコール。

グリーグ ホルベアの時代より「サラバンド」

初めて聴く仙台フィルは、東日本大震災で一時的に定期演奏会どころか演奏活動
自体もままならなかったと聞くだけに、今回その実力の片鱗を十分に味わわせて
もらったことを喜びたい。果たして仙台フィル定期演奏会の開かれるホール
ではどんな風に聴こえるのだろう。いつか本拠地のある仙台で定期演奏会を聴き、
その真価を味わいたいものだ。
昼公演。ほぼ満席。

<蛇足>
確か、かなり前に札響と仙台フィルの合同演奏会があったはず(記憶が曖昧、未聴)。
まだ先の話だが、札幌まで延伸される予定の北海道新幹線を使えば
札幌と仙台の往来も今よりスムーズになるのだろう。そうなったら合同演奏会
でなくても、お互いの本拠地に乗り入れて演奏会を開くということも実現可能だよな、
とつい夢想する。

<蛇足2>
この日の夜は「函館バル街」で、これも函館まで足を運ぶ動機のひとつになったことは
否定できない。札響の演奏会に遠征される方も北海道の食を味わうことを楽しみに
遠征されているようだが、旅の楽しみ方としては極めて妥当なことだと思う。
その点、札幌でも食の一大イベントに急成長したオータムフェストが開かれる毎年9月は、
札響も演奏会の企画を凝らして道外ファンの集客にも目配りしても良いのかもしれない。

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by capricciosam | 2017-09-11 23:07 | 音楽 | Comments(0)

ゴッホ展@北海道立近代美術館2017

「1853年にオランダに生まれたフィンセント・ファン・ゴッホは、1886年にパリに
移り、この地でさまざま刺激を受けながら、自らの絵画表現を模索していきます。
そこで大きな役割を果たしたものが、日本の浮世絵でした。ファン・ゴッホは
浮世絵版画を収集し、それを模写した油彩画を描き、構図や色彩を学び取っていきます。
さらにファン・ゴッホは、浮世絵をはじめとする美術作品や日本を紹介した文章を
咀嚼しながら、独自の日本イメージを醸成していきます。1888年には、芸術家たちの
共同体を作ろうと南仏のアルル へ赴きました。大いなる期待を胸に訪れたこの地を、
彼はしばしば日本と重ね合わせています。ファン・ゴッホにとって日本は、
創意の源であり、夢にまで見た理想郷だったのです。」
(以上、「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」HPより引用)

<書きかけです。>


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by capricciosam | 2017-09-08 23:16 | 展覧会 | Comments(0)