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【私的整理用】ラドミル・エリシュカ&札幌交響楽団演奏会@Kitara

10月27日と28日の感動的な演奏会が終わっても、
SNSでは依然「エリシュカ余震」が続いている。わかるなぁ~

ところで、10月定期演奏会の配布資料にエリシュカさんと札幌交響楽団の演奏歴が
一覧としてまとめられていたので、これを利用して私的整理をしておきたい。
記録とともに当時の感想をリンクさせておくことにします。

■2006年12月8日&9日 第494回定期演奏会
・スメタナ/交響詩「ボヘミアの森と草原から」
・ドヴォルジャーク/交響詩「金の紡ぎ車」
・R・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」
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※<伝説>の「シェエラザード」である。
聴き逃したが、ようやく最後の演奏会で聴くことができた。
聴けなかったら一生悶々としていたかもしれない。
特に10月28日の演奏は素晴らしいものだった。ライブ盤発売を期待。

■2008年4月11日&12日 第508回定期演奏会  CD化
・ヤナーチェク/狂詩曲「タラス・ブリーバ」
・モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番 ソロ:伊藤恵
・ドヴォルジャーク/交響曲第6番

※ただし、CDではモーツァルトは収録されていない

■2009年4月17日&18日 第518回定期演奏会 CD化
・ヤナーチェク/組曲「利口な女狐の物語」
・モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番 ソロ:木嶋真優
・ドヴォルジャーク/交響曲第7番

※ただし、CDではモーツァルトは収録されていない

■2009年10月31日 名曲シリーズ CD化
・スメタナ/連作交響詩「わが祖国」

※N響と同曲を演奏した演奏会が、そのシーズンのN響演奏会1位に選ばれている

■2010年4月16日&17日 第528回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/序曲「謝肉祭」
・ヤナーチェク/シンフォニエッタ
・ドヴォルジャーク/交響曲第5番

※ただし、CDでは「謝肉祭」は収録されていない

■2010年11月27日 名曲シリーズ
・スメタナ/「売られた花嫁」から、三つの舞曲
・ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」
・R・コルサコフ/スペイン奇想曲
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集より
・ボロディン/ダッタン人の踊り

■2011年4月22&23日 第538回定期演奏会
・ドヴォルジャーク/スターバト・マーテル

※東日本大震災後に聴くことになろうとは思わなかった
 後年大阪フィルがエリシュカさんとCD化している

■2011年10月15日 名曲シリーズ
・ドヴォルジャーク/スラブ狂詩曲第3番
・チャイコフスキー/イタリア奇想曲
・リスト/ハンガリー狂詩曲第2番
・シャブリエ/狂詩曲「スペイン」
・エネスコ/ルーマニア狂詩曲第1番

■2012年4月27日&28日 第548回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/スケルツォ・カプリチオーソ
・ドヴォルジャーク/序曲「野鳩」
・ドヴォルジャーク/交響曲第9番「新世界より」

※ただし、CDでは「スケルツォ・カプリチオーソ」は収録されていない

■2012年11月25日 名曲シリーズ
・ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲
・ハイドン/交響曲第88番「V字」
・モーツァルト/交響曲第41番「ジュピター」

■2012年12月8日&9日 札響の第9
・ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱つき」

■2013年4月19日&20日 第558回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/序曲「自然の王国」
・ドヴォルジャーク/交響詩「水の精」
・ドヴォルジャーク/交響曲第8番

※2009年「わが祖国」以来のプログラムを全部収録

■2013年10月5日 名曲シリーズ
・ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集作品46

■2013年10月11日&12日 第563回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/チェロ協奏曲 ソロ:石川祐支
・ブラームス/交響曲第3番

※ブラームス交響曲チクルスがスタート、プログラムは全部収録

■2014年4月11日&12日 第568回定期演奏会 CD化 
・ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
・ヴォジーシェク/交響曲ニ長調
・チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」

※チャイコフスキー後期交響曲スタート、ただしベルリオーズは収録されていない

■2014年11月8日 名曲シリーズ
・スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
・フィビヒ/詩曲
・ヤナーチェク/ラシュスコ舞曲「のこぎり」
・スメタナ/交響詩「モルダウ」
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集作品72

※チケットを忘れ取りに戻って休憩後しかきけなかった、痛恨の0.5回(泣)

■2014年11月14日&15日 第574回定期演奏会 CD化
・ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
・モーツァルト/交響曲第38番「プラハ」
・ブラームス/交響曲第2番

※ブラームス第2弾、プログラムは全部収録

■2015年6月19日&20日 第578回定期演奏会 CD化
・ベートーヴェン/交響曲第4番
・ブラームス/交響曲第4番

※ブラームス第3弾、プログラムは全部収録

■2015年6月27日 名曲シリーズ
・ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
・リスト/交響詩「レ・プレリュード」
・ドヴォルジャーク/交響曲第9番「新世界より」

※「新世界」の再演となったが、聴いていない

■2016年3月4日&5日 第587回定期演奏会 CD化
・スメタナ/交響詩「シャールカ」
・ドヴォルジャーク/弦楽のためのセレナード
・チャイコフスキー/交響曲第4番

※チャイコフスキー第2弾、ただしスメタナは収録されていない
※3月8日東京公演@サントリーホール、エリシュカ&札響の東京デビュー

■2016年10月14日&15日 第594回定期演奏会 CD化
・スメタナ/交響詩「ワレンシュタインの陣営」
・ドヴォルジャーク/スケルツォ・カプリチオーソ
・チャイコフスキー/交響曲第5番

※チャイコフスキー第3弾、プログラムは全部収録

■2016年10月22日 名曲シリーズ 
・モーツァルト/交響曲第40番
・ドヴォルジャーク/アメリカ組曲
・ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」(1919年版)

■2017年3月10日&11日 第597回定期演奏会 CD化
・メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」
・シューベルト/交響曲第5番
・ブラームス/交響曲第1番

※ブラームス第4弾、プログラムは全部収録
※3月14日東京公演@東京芸術劇場、エリシュカ&札響の東京2回目

■2017年10月27日&28日 第604回定期演奏会
・スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
・ドヴォルジャーク/チェコ組曲
・R・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」

※最後の来日公演となる、28日の一般参賀は空前絶後!

<追記11.3>
エリシュカご夫妻が本日札幌を離れた。いよいよ帰国の途に就かれる訳だ。
チェコまでの長旅を無事終え、健やかにお過ごしいただくことを願っている。
心動かされる得難いひと時を数多く与えていただき感謝の言葉しかない。
一方で、残された身には、エリシュカロスが本格化していく訳だ。
願わくは心の中の大事な思い出をより強固に支えるものとして
CDの追加発売を待つしかないな。あとは記録用をDVDまたはBDで。
最後の演奏会「シェエラザード」は多分大丈夫として、
あとは2013年、2014年の「スラブ舞曲集」を全集として、かな。


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by capricciosam | 2017-10-31 23:21 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第604回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲
2 ドヴォルジャーク チェコ組曲ニ長調
3 リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

指揮:ラドミル・エリシュカ
vnソロ:田島高宏

2017-2018シーズンの札幌交響楽団(以下「札響」という。)定期演奏会一覧を
眺めて、エリシュカさんについては「来日は一回に減ったのか、寂しいな。
でも新たにベートーヴェンに取り組まれるんだな。よし、まだお元気だ。
また楽しめるぞ」と、のほほんと構えていた。
ところが、3月帰国されてから体調を崩されて長旅にドクターストップがかかり、
エリシュカさん自身が10月を最後の来日と決断された旨のアナウンスが
札響事務局からあった時の驚きと意気消沈たるや。首席客演指揮者就任時の年齢
から早晩別れがくることは覚悟していたはずなのに、やはり現実化すると
こたえるものだ。

以来、エリシュカさんの来日を一日千秋の思いで待っていたが、無事来日した
との一報の喜びは何にも優る気持ちだった。来日されてからは様子が知りたくて、
大阪フィル定期演奏会、来札、リハーサルと大阪フィル公式、札響公式や
札響ライブラリアンさん等のSNS発信をチェックする日々が続いた。

今回は夜公演、昼公演と2回とも足を運んだが、札響定期としては第488回以来
2回目となる。両公演とも当日券が販売されたものの、いづれもほぼ満席状態
のため、ホワイエはいつもより混雑していたし、Kitaraの演奏会では普段見かけない
顔が随分多かった。本公演がいかに全国的に注目を浴びているかの証なのだろう。


Kitaraでのエリシュカさんと札響の演奏会は2.5回を除きほとんど聴いている。
(0.5回とはチケットを忘れて遅刻し、後半しか聴けなかった時です。トホ。)
しかし、個人的に悔いが残ったのは札響との衝撃的な出会いとなった
2006年定期演奏会を聴き逃したことだ。あの<伝説>の「シェエラザード」だ。
しかし、最後の来日ではエリシュカさんの希望で「シェエラザード」に変更された
ことから、ついにあの<伝説>を聴くことができると、胸ふくらませるばかりだったが、
何故「シェエラザード」に、という疑問は残ったままだった。

これは、入場時に配布された資料にエリシュカさん自身の言葉で次のように記されて、
はじめてプログラム変更の意図を知ることになる。

「この優れたオーケストラである札幌交響楽団との関係は、2006年12月のおとぎ話の
組曲である<シェエラザード>で始まり、2017年10月の<シェエラザード>をご一緒
することで区切りとなるでしょう。」(以上、公演配布資料より引用)

エリシュカさんと札響との数々の音楽的軌跡は一編の物語にも似たものを感じさせるが、
出会いが千一夜物語をベースにした「シェエラザード」だから「おとぎ話」で始まり、
「おとぎ話」で終わる。エリシュカさんは札響との演奏の数々は「おとぎ話」なんですよ、
とでもおっしゃっりたかったのか。
だとしたら、なんて素敵な「おとぎ話」を我々に残してくれたのだろう。

その「シェエラザード」について。
夜公演。各パートの旋律をよく歌わせ、実に丁寧に各楽章を紡いでいき、後半にかけて
劇的に盛り上げていき、静かに物語りは終わる。作品に忠実であることで、
逆に作品についた手垢を洗い落としていく、外連味とは無縁な
いつものエリシュカスタイルが作品に新たな光をあて、新鮮かつ極上。
ついに当時の感動と興奮を追体験できた気分に襲われるが、当時騒がれたことに納得。
ただ、札響の演奏自体にはやや固さが感じられ、緊張して慎重に演奏している気配が
感じられた。これは1、2も同様。

翌日の昼公演でも基本は夜公演と変わらないが、2日目ともなれば余計な緊張がとれた
のか、よりしなやかな演奏に転じており、暖みを感じるようなまろやかさが加わり、
より魅力的に。また2曲終盤でのアンサンブルの完璧さには心底驚いた。
およそこれまでの札響では聴いたことがないレベルだ。
これだけの見事な凝集力は夜公演でも聴かれなかったものだが、
いかに札響の集中力が増していたかの証だと思う。
最後の最後まで感動的な演奏を残してくれたエリシュカさんには感謝以外の言葉が
見つからない。これはライブ盤としてぜひ発売してもらいたい。

エリシュカさんは指揮を終えると両腕を水平に伸ばし、数秒保持して、
腕を一気に脱力させて体側に音がするくらい勢いよく下ろす。
その数秒間の無音で余韻が生まれ、鑑賞者もその余韻を味わうことができる訳だが、
夜公演では録音、録画がされていたにもかかわらず、1や2では、まだ腕を水平に
保持しているうちにフライング気味に拍手が起き、終曲でもこうなのか、と少々憂鬱
だった。しかし、休憩中に「演奏終了後の余韻を待って拍手をしてください」と
繰り返しアナウンスされたことで、フライング気味拍手をされた方も理解された
ようで、3では十分な余韻を保つことができた。
ところが、さらに徹底したのが翌日の昼公演。いくら同じアナウンスがあったとはいえ、
2や3では曲ごとにも十分な余韻が確保され、そのまま終曲を迎えたのには驚いた。
聴衆も演奏会を形づくる大事な要素と考えるなら、昼公演の聴衆は実に完璧に
その役割を果たしたといえよう。

「シェエラザード」が終わり、エリシュカさんが腕を下ろすと、夜公演以上の盛大な
ブラボーと拍手が嵐のように、そう、あれは演奏への惜しみない賞賛と別れを惜しむ
感情が入り交じった客席一人一人の気持ちによってできた「嵐」だった。
嵐はそうそう止まなかったが、エリシュカさんも名残惜しそうにステージそでに
戻ってしまった。しかし、昨夜以上の力強さで拍手が続いたら、夜公演ではなかった
一般参賀がついに実現。見ると、どのブロックにも少なからぬ人が総立ちで拍手を
送っている。相当な人だ。(自分もその一人だが、これを目にして鳥肌が立った。
こんな一般参賀は後にも先にも初めてだ。空前絶後。)

エリシュカさんは両腕を胸の前でクロスさせる、いつもの感謝スタイルに加え、
腕を大きく、大きく振ってくれた。そして時々顔を覆ってしまうが、気力を振り絞って
くれたのだろう、最後は客席に向けて何度も大きく腕を振りながらステージ下手に
消えていかれた。

夜公演は記録用カメラもあったせいか空席がやや目についたものの、満席に近い9割以上。
昼公演はカメラはステージのみとなり、客席は空席もほとんど目立たずほぼ満席。
11月26日(日)14時~NHK-FM(道内)で夜公演が放送予定。

<蛇足>
近頃は少し冷静になってから作成するようにしていたが、
今回ばかりは、余韻が十分残っているうちに作成しなくてはという気持ちがまさる。
音楽ジャーナリストの岩野裕一さんが次のような一文を寄せられていた。

「しかし、エリシュカと札響の物語は、これで終わりではない。
いつの日か札響がチェコに行き、エリシュカのタクトで最高の演奏を披露すること。
あるいはエリシュカが育てたチェコの若い指揮者を札響に招いて、マエストロから
受け取ったものをさらに次の世代へと継承していくこと(略)」
(以上、公演配布資料より引用)

ふたつの提案には共感を覚える。特に、前者。
札響の欧州ツアー(英独伊)は50周年記念の2011年が最後。
エリシュカさんの年齢を考えると残された時間は極めて少ない。
ツアーの経費云々は承知の上で、アジアの一隅で起こった奇跡を
エリシュカさんのチェコで再現できないものか、と思う。

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by capricciosam | 2017-10-27 23:55 | 音楽 | Comments(0)