塚越慎子&沓野勢津子マリンバデュオリサイタル@Kitara2016

【プログラム】

1 M.シュミット 2-Gather
2 ドビュッシー(山口真由子編曲) アラベスク第1番
3 L.H.スティーヴンス リズミック・カプリス (塚越慎子ソロ)
4 安部圭子 山をわたる風の詩~2台のマリンバのための~
5 ラヴェル(M.レス&サフリデュオ編曲) 道化師の朝の歌
6 M.フォード アフタ・ステューバ! ※
7 P.チェン エチュード ニ長調 (沓野勢津子ソロ)
8 A.ピアソラ タンゴ組曲
※トリオ(賛助出演:石川千華) 記載のないものは塚越慎子&沓野勢津子によるデュオ

打楽器だけの演奏会は、以前アマチュアのアンサンブル演奏会にでかけたことがあるが
(その時の記事はこちら)、あの時はマリンバ以外にもドラム、コンガ、カスタネット等
と様々な打楽器による見事なアンサンブルで実に楽しいひと時だった。
今回はマリンバだけなのだが、塚越さんはTVで拝見したことがあるし、沓野さんは
札響定期演奏会には時々客演しているので興味が湧いた。また、演奏されるお二人は
「マリンバ界新世代トップランナー2人」(宣伝用チラシから引用)
とのことなので、楽しいひと時が期待できそうだと足を運んだ。

「人類が最初に始めた音楽は「打楽器」です。ものを打ってリズムを生み出すということ
が音楽になり、さらに、音程の違う木を並べて打ち始めました。これがマリンバの始まり
です。音程楽器でもありながら打楽器でもあるマリンバ。さらに、今や一般的な「4本バチ
奏法」で、片手に2本ずつマレット(マリンバのバチ)を持つことによって、和音を作ること
もできます。打楽器でありながら音楽の3本柱である「メロディ」「和声」「リズム」全て
を5オクターブ半もの音域で生み出すことができるステキな楽器なのです!」
(以上、宣伝用チラシから引用)

結構歴史は古いと思っていたのですが、3のソロを終えた塚越さんがMCで
「マリンバの歴史は浅いので、演奏者含めてこの楽器の可能性を追求しているんです。」
とおっしゃったのには少し驚きました。恐らく我々が目にする現在の姿に固定されてから
の歴史を指してると思うので、そうなら他の楽器同様の変遷を経てきたということですね。

ところで、その3は腰をかがめた中腰姿勢《塚越さんは、「絶対横からは見られたくない!」
とおっしゃっていました(笑)》でマレットの柄で鍵盤を打つことで「これがマリンバ?」と
思うような味わいが生み出され、かつリズミカルでシーンが目まぐるしく変化する。
今夜一番の聴きものでした。早くもブラボーが。気持ちは判りますね。

休憩後の6では一台のマリンバを賛助出演の方を加えた3人で演奏するのですが、
3人の立ち位置がめまぐるしく変わり、おまけにコント風も入り、見ていても楽しい。
しかし、12本のマレットがあれだけ激しく動くのに事故もなく、かつ見事な響きが
生み出されたのですから、見事なもんです。
(ただ既視感にも襲われたので調べてみると、先ほどのアマチュア打楽器アンサンブルでも
同様の作品を演奏しておりました。配布された資料から今夜演奏されたのは、彼らが演奏
した作品の続編のようです。)

プログラム最後の8はお二人の集中力と渾身の力が凝集された演奏に会場の集中力も
高まりました。第1番ではお二人の間に置かれた箱を塚越さんがマレットの柄で叩くと、
乾いたリズムがピアソラの世界に誘います。密やかな第2番を経て、第3番では
沓野さんが箱を叩き、激しいリズムが交錯してクライマックスを迎えます。ブラボー!!

ソロ2曲、デュオ5曲、トリオ1曲で構成されたプログラムは聴かせどころも多く、
実に充実したひと時でした。
アンコールはトリオで「花は咲く」。当日は3.11ですからね。沁みました。
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# by capricciosam | 2016-03-11 22:39 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第587回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 スメタナ シャールカ~連作交響詩「我が祖国」より
2 ドヴォルジャーク 弦楽セレナード ホ長調
3 チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調

今シーズンの掉尾を飾る今回はエリシュカさんによるオールスラブプロ。
注目していたプロです。

1は首席客演指揮者に就任して2年目の2009年名曲Vol.2で取り上げた「我が祖国」の
一部だけに悪かろうはずがない。(当日も「シャールカ」から札響の演奏も乗ってきた
感があった。当時の感想はこちらです。)事実、物語の内容はさておき、序曲的役割を
果たしたこの選曲は良かった。もう一度「我が祖国」全曲を聴きたくなりました。

2は2013年の名曲Vol.3のアンコールで第一楽章だけが演奏されて以来、ぜひ全曲を
聴きたいものだと熱望していたので、短期間で実現したのは望外の喜び。
近年充実している札響の弦楽パートが透明感のある音色で一貫してこの名曲を演奏。
途中第3楽章を終えたところで拍手がパラパラと起きたがエリシュカさんが制止。

3はエリシュカ&札響のチャイコフスキー後期交響曲シリーズの第2弾で、2014年4月
定期演奏会以来となる。第一弾の「悲愴」も良かったので期待は高かったが、
期待以上の演奏に終演後はしばらく座席を立てなかった。
第一楽章の冒頭の金管の音の強さは、これまでKitaraで聴いたオケの中でも最強の類で、
札響の金管からここまで力を引き出すエリシュカさんに驚きっぱなし。
(帰宅してから所有するCDで比較してみたくなり、「爆演」として名高い
スヴェトラーノフ&USSRの東京ライブ盤も聴いたのですが、この部分だけは
スヴェトラーノフ盤の方が余程マイルドに聞えました。)
しかし、強奏一本槍ではなく、きちんとした骨格を作りつつ、カンタービレを横溢
させる手腕の見事なのがエリシュカさん。第二楽章(オーボエ首席金子さんのラストソロ)
の物憂さ、第三楽章のピチカートによる軽快さ、第四楽章の喧噪の中迎えるフィナーレ。
札響も全パート一体となって燃え上がる高い燃焼度を示していました。
いやはや、まいりました。このコンビによる演奏でも特筆すべきものです。名演。

指揮ぶりも相変わらずメリハリのついたもので高齢による弛緩なんて無縁。
来月には85歳を迎えるとは到底思えないエリシュカさんだけに、10月、来年3月の
一連のチャイコフスキーとブラームスの演奏完結に期待は高まるばかりだ。

また、エリシュカさんは腕を横に上げた状態で演奏を終えると数秒ホールドしてから
腕をさっと下げて弛緩する。その間の無音の余韻を楽しみたいところですが、
相変わらずホールド状態で拍手が起きてしまい、ちょいと残念。
拍手をするタイミングとしては指揮者が腕を下ろしきってからにしたいところです。

昼公演。
当日券も発売されたのですが、ほとんど空席が目立たず9~9.5割の入か。
CD用だと思うのですが、録音されていました。
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# by capricciosam | 2016-03-06 10:48 | 音楽 | Comments(0)

ベルリン・バロック・ゾリステンwithジョナサン・ケリー@Kitara2016

【プログラム】

1 C.Ph.E.バッハ オーボエ協奏曲 変ロ長調
2 J.S.バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調
3 C.Ph.E.バッハ シンフォニア ト長調
4 ヴィヴァルディ ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 変ロ長調
5 ヴィヴァルディ 合奏協奏曲集「調和の霊感」より協奏曲第7番 へ長調
6 J.S.バッハ オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調

ベルリン・バロック・ゾリステンの来札公演は2年ぶり。
前回はソリストにベルリン・フィル首席フルートのエマニュエル・パユ(以下「パユ」という。)が
同行していましたが、今回はベルリン・フィルの首席オーボエのジョナサン・ケリー(以下
「ケリー」という。)が同行。ほぼベルリン・フィルの楽員で構成されるメンバーの合奏力の高さは
前回公演で感銘を受けたのですが、今回もソリストがソリストだけに期待は大きかった。
(ちなみにケリーは今夏のPMFで指導陣の一員として来札が予定されています。)
さらに、ディレクターとして元ウィーン・フィルコンサートマスターのダニエル・ゲーデ
(以下「ゲーデ」という。)が加わってさらにパワー・アップしていたのは当日会場で知りましたが、
嬉しい驚きでした。

プログラムはほぼ一曲おきにオーボエが登場する構成となっていましたが、
1曲目からケリーの端正な中にも芳醇な響きがたまらない。
前回のパユの時はフルートという楽器の特性からか、華やぎが前面に出た感じがあったのですが、
ケリーのオーボエは華やぎの中にも落ち着きを強く感じさせてくれました。
これは楽器の特性による違いなのかもしれないのですが、どちらも紛う方なく
バロックであることは間違いありません。どちらも驚くのは管楽器がたったひとつなのに、
合奏するとフルオーケストラに近いサウンドの厚みを感じさせることだ。
ゾリステンとの見事な合奏は密度のある厚みのある響きを創りだし、
華やぎの中にも豊かな情感が感じられて、いやはやリッチな気分。
名手の名手たる所以というものでしょうか。

2曲目のJSバッハの「2台のヴァイオリンのための協奏曲」では
ソリストの一人をゲーデが勤めましたが、2人のソロの響きの素晴らしいこと。
これぞバッハと言わんばかりの豊かで芳醇な響き。
早くも会場からブラボーが飛びました。

プログラムを終えた後の鳴り止まぬ拍手にアンコールを1曲。

ヘンデル オラトリオ「ソロモン」より「シバの女王の入城」

拍手がさらに大きくなったのは言うまでもありません。
終演後はサイン会が予定されており、帰りがけに見ると用意されている席は
メンバー全員分のようでした。これも前回同様ですね。スゴイ。

名手による演奏会は充実しており、帰路も満足した気持ちに浸りましたが、
唯一残念なのは客の入り。当日は比較的穏やかな今冬では珍しく一日中吹雪という
あいにくの大荒れの一日。当日券で聴こうとした人の中には断念した人も多かったのでは
と推測するのですが、案の定3階席の空席が目立ち実にもったいなかった。
(前回同様P席とLA席、RA席のP席寄りは販売されなかったようです)
改めて、冬の演奏会開催の難しい一面を感じました。

近年は来札する国外オケの数がKitara開場の頃に比べたら少なくなってきただけに
数少ない機会のひとつが天気に邪魔されたのではと思うと少々残念でした。
あと深読み過ぎかもしれませんが、古楽は札幌では受けないのではないかという懸念も少々。
興行として成り立たないと次回がなくなる可能性もあるので心配です。

2/5大阪、2/6東京、2/7福島、2/10札幌と国内を巡演し、2/12北京、2/15ソウルへ。
大阪、東京、福島ではヴァイオリニストの神尾真由子さんも同行したようですが、
ゲーデと神尾さんの2台のヴァイオリンか、と想像しただけでもたまらないですなぁ~
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# by capricciosam | 2016-02-11 15:01 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第585回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】
1 ラヴェル 組曲「マ・メール・ロワ」
2 メンデスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調
3 ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編).

指揮者のマティアス・バーメルト(以下「バーメルト」という。)は2014年1月定期に
登場(残念ながら未聴)し、再演の要望が強かったとのことで、今回2度目の登場と
なったらしい。1曲目からメリハリはつけながらも、総じて淡々と指揮しているように
見える様はまるで「職人の親方」のようで、確信に満ちてオケをドライブしている。

1曲目は子供のためのピアノ連弾曲の管弦楽版なので、おとぎ話的な不思議な音世界が
出現するのだが、バーメルトの手にかかると札響から実に繊細にしてきらびやかな
響きを紡ぎ出していく。そのため大ホールの空間に音が浮遊しているような錯覚に
襲われた。より色彩感の増す3曲目でもバーメルトの指揮ぶりに変化は見られない。
淡々とではあるが、手綱を緩めることなく着実にオケを高みに引き連れていき、
見事なクライマックスを形成するいぶし銀の手腕には感心した。
こういう力み返った音の感じられない、洒脱な音を引き出す指揮者は初めてだった。
また、以前の記事にも書いたように記憶しているのだが、
現在の札響はフランス作品に優れた適性を有するように感じる。

2曲目のイザベル・ファウストは2015-16シーズンの大注目ソリスト。
これだけの大物をよく呼んでくれたと、札響にアッパレをあげたい気分(笑)
とは言え、選曲がロマンティックな曲故、頭の中は疑問符だらけだった。
しかし、曲が始まってみるとソロがオケを制圧する訳でもなく、かといって
ソロがオケの音に埋没する訳でもなく、繊細にして精緻な音色の連続で、
極めて上質な織物でも織り上げていくような気分に襲われた。
こういう模範的でありながら感動させるメンコンは聴いた記憶がない。
聴衆のみならずオケからも盛大な拍手が送られ、アンコールを一曲。

J・S・バッハ 無伴奏パルティータ第2番よりサラバンド

絶品。お目当て的にはこちらだっただけに大満足。

昼公演。空席はチラホラ見られたものの9割以上の客入か。
姉妹都市オーケストラ交流の一環で韓国テジョン・フィルの
ピル・キュン・ポール・キムさんがゲストコンマス。
コンマス横に大平さん、後ろに田島さんと豪華布陣。
併せて、佐藤俊太郎さん、垣内悠希さんが今年4月から指揮者就任と発表される。
これも楽しみな情報です。
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# by capricciosam | 2016-01-23 23:46 | 音楽 | Comments(0)

クリスマスの約束@2015

1 Today…全員で

MC「15回目を迎えた「クリスマスの約束」は横浜赤レンガ倉庫からお送りしたいと思います。」

2 なごり雪…小田さんのピアノソロで

MC「かぐや姫とは同じ事務所にいました。僕らにニーズはある訳もなく、かぐや姫のお供で
コンサートに行き、前座を終えて客席の後ろで彼らのステージを見ていました。庄やんの曲は
ナイーヴで、あの声と相俟って人気がありました。いろんなことが懐かしく思い出されます。」

MC「HYの仲宗根泉さんです。」番組初登場ですが、小生にとってもWHO?状態です。
曲がイントロから順に降りてくるとの発言に、小田さん「ウラヤマシーですね。」
彼とつきあってとてもハッピーな状態だったんだけれど、バラードはせつなさを求められている
と考え、一旦彼と別れ、作品が出来た後、よりを戻したとの発言には会場からもどよめきが。
その曲を小田さんとのデュエットで。

3 366日

MC「和田唱、TRICERATOPSです。」
今回は彼との事前練習が8月から開始されていったことが紹介される。
小田さんとマンツーマンで。時には8時間近くも続いたこともあるようです。
大先輩にも物怖じしない態度に、小田さんも「アイツ、凄いなー」の一言が。
3ヶ月かけて納得できるゴールが見えてきた。
「できるだけ少ない音で、ギターだけで2人だけでやろうとしたら、
昔そう言えばこういうことを散々やってたなー、受けなかったけど、
と懐かしく思いだそうとしていた。」
こういう発言に鈴木さんとのオフコース時代を重ね合わさないファンはいないでしょう。
和田さんが幼い頃マイケル・ジャクソンが好きだったということで2曲。

4 Heal The World
5 The Girl is Mine

MC「S&Gはあまり聴いてこなかった。ハーモニーは3人以上でという気持ちがあり、
2人というのはどうも。(2人のオフコース時代は)あれはやむを得ず2人だったんだよ。
キャロル・キングの自伝にポール・サイモンが同じ大学の先輩であると書いてあり、
びっくり、その上ポールが「僕には詞が書けないんだよ」と発言していたそうです。
あんな素敵な詞を一杯残してくれた詩人ポール・サイモンの真骨頂を聴いていただきます。
引き続き和田さんと4曲。最後はなんとAKB48の曲で、会場ノリノリ。

6 Old friends…S&G
7 Bookends…S&G
8 The 59th street Bridges Song…S&G
9 恋するフォーチュン・クッキー…AKB48

MC「リハーサルで、あなたにちゃんと告りたい、と言うとみんな笑うんだよ。」(笑)
「松たか子さんです。去年ちょっとだけやったクリスマスの約束でしたが(おっ、
小田さん自ら告白。やはりねぇ~)、あの時は(お腹の赤ちゃんと)2人で参加して
くれたんだよね。」
現在生後8ヶ月になるそうですが、小田さんは親戚以外で一番抱いてるんじゃないかと
自負しているそうで、「何もなくてもいいから、ちょくちょく遊びにきてよ。」と
見事に爺ぶりを発揮していました。
「昔からの音楽仲間やライバルが亡くなってくる。ハィファイセットの山本君の曲を
やりたいと思います。きっとどこかで聴いてくれると思います。」

10 よりそって二人

MC「JUJUさんです。」小田さんが「歌番組よくでるね」と振ると、彼女曰く
「ライブにこれない人も多いから、これ(=歌番組)がライブと思えば乗り切れる。」
とアッパレな発言を。「PPMが戦争に反対して作った歌を。」

11 Cruel War…(邦題「悲惨な戦争」)
MC「それでは、いよいよ委員会バンドです。」

12 HELLO,GOODBYE…The Beatles

委員会バンドはカバー曲以外に、水野(いきもの)作のオリジナル曲「約束」を歌った
そうですが、先輩たちからリハーサルでダメだしを食らったそうです。

13 帰れない二人…陽水と清志郎が交互に一行ずつ書いて2時間でできたそうです。
14 トワイライト・アヴェニュー…松田聖子に歌ってもらう想定で根本(スタレビ)作る
15 愛はきらめきの中に…ビージーズ

MC「5人のオフコースが最後に作った「I LOVE YOU」というアルバムに入っている
解散することがわかっていて作ったしおりみたいな曲です。」

15 きっと同じ…小田さんのソロで

MC「1980年からつきあいのあるエンジニアのビル・シネイと、ある時話していたら
戦争したなんて馬鹿なことしたな、という話になり、二人でしんみりとなったことがある。
彼とは別れる時、same moonと言うようになった。」

16 same moon
インタビューで小田さんは、「やれることはやってきたなー、一生懸命コピーして。
アマチュアでもあるまいに、何か助けてくれるだろうと。(そこまで追い詰めるのは
何故なんですか?)自分に対する責務だよ。ここで中途半端なものを提供してどうすんだよ
ということが常にあるよ。」(おっ、昨年の番組を見たファンには複雑な思いが、、、)

エンドロールは3年前の「夕日を追いかけて」を背景に。
ここでインタビューが入るが小田さんは次のように語ります。
「どうやって終わっていく、ツアーなんか。あまり深刻でなく考えたいよな。」
う~ん、小田さんも来年は69歳を迎える訳だから、いつかはツアー撤退も視野に入れて
おかなけりゃいけないのか。加齢は避けられないからね。

今年は昨年の手抜き感を払拭する丁寧な作りで、随所に小田さんの感想やメッセージを
聞くことの出来た仕上がりとなっていました。来年もこの水準を維持してもらいたいものです。

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# by capricciosam | 2015-12-26 09:20 | 音楽 | Comments(2)

札幌交響楽団第584回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番ト長調
2 ブルックナー 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(ハース版)

マックス・ポンマーさん首席指揮者就任後2回目の定期演奏会も独墺系プログラム。
同じ系統としても前回がライプツィヒ・プロとすれば、今回はウィーン・プロか。

1はソリストの独奏から始まり、その独奏が曲全体の雰囲気を暗示する。
ソリストのゲルハルト・オピッツさんは、ゆったりとしたテンポを保ちつつ、
大人(たいじん)のごとき雰囲気を湛えながら弾き進めていく。
その情感溢れ、安らぎに満ちた響きのなんという心地の良さよ。ベテランの味わい。
ボンマーさんも札響をうまく統率して、ソリストの作る雰囲気を壊さないため、
情感豊かな音楽が大ホールを満たしていく。
札響がこの曲を取り上げた前回の2007年定期演奏会では小菅優さんがソリストを
努めていたが、この時も達者な演奏に満足していたのですが、今回は異なった次元
での満足感で満たされました。鳴りやまぬ拍手に応えてソリストがアンコールを1曲。

ブラームス 6つの小品 作品118-2 間奏曲

これは絶品だった。オピッツさんはソロリサイタルで聴きたい方だな。

2では弦楽器が弦楽パート中心に増員されました。
ポンマーさんはゆったりとした指揮に時折こまかなニュアンスを加えながら、
ブルックナー特有の重層的響きを連ねていきます。テンポを乱すことなく、
楽章を進めるのが、あたかも一歩一歩高い極みを目指すがごとき感じです。
ブルックナーでは弦楽パートの作る厚みに、管楽器の充実もないとつまらない
のですが、ホルンはじめ札響はよく締まった演奏で応えていたと思います。
あっさりとした味わいながら清々しささえも感じさせる秀演だった。

昼公演。8~9割の客入か。CD化を目指した録音がされていたようですが、
演奏中にハンカチ等で口を押さえずに咳をしたと思われる人や、音楽が鳴り
やんだものの指揮者が腕を下ろしきらないうちのフライング拍手などがあり、
編集でなんとかするのでしょうが、少々残念でした。
特に2は大盛り上がりで終わるだけに、余韻を楽しみたかったなぁ、、、

それから、7月定期演奏会のライブ録音されたCDが先行発売されていましたが、
今回含め公開されている来シーズンの定期演奏会プログラムからみて
エリシュカさんとは異なるスタイルでの録音がされるようですね。
一連のメンデルスゾーン作品を期待したのですが、まぁこれはこれで楽しみです。
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# by capricciosam | 2015-12-12 23:56 | 音楽 | Comments(0)

007スペクター@2015

ロビーには007シリーズの歴代のボンド俳優が紹介されているパネルが
展示されていた。数えてみると現在のダニエル・クレイグ(以下、「ダニエル」
という。)で6代目となる。(時には5代目と勘違いされることもあるようですが)

ダニエルが主演した前3作「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」「スカイフォール」
では、それ以前のボンド俳優が主演した作品とテイストを異にする。
ダニエル作品ではボンドの再構築を行い、「シリーズinシリーズ」の趣があり、
一話読み切りの形をとりながらも、次作への連続性を強く意識した作りとなっているからだ。

主演1作目の「カジノ・ロワイヤル」ではダブルオー部門に属するエージェントで
ありながら、正式に007誕生となるまでを描く。おまけに、唯一「女王陛下の007」
で取り上げたボンドの恋愛をも描く。それも「女王陛下の007」同様、悲劇として。
そして、悲劇の背後には謎の組織があることも示唆される。
また、シリーズおなじみのテーマ曲も流れるのはエンディング間近という念の入りよう。
これでようやくボンドの誕生という訳だ。またM(前作同様ジュディ・ディンチ)は
登場するが、Qやマニー・ペニーは登場しない、というシリーズとしては異例の設定。

2作目の「慰めの報酬」ではボンドの個人的復讐譚の趣きから始まり、その中で
巨悪組織の存在が示唆されるが、その正体は明らかにされないまま巨悪組織の
一員グリーンと対決して作品は終わる。謎は残った。

3作目の「スカイフォール」ではボンドが味方の女性に撃たれるシーンがあるが、
この女性が後にマニー・ペニーとして登場するが、これも意外な設定。
またMI6ビルも爆破されるが、並行してMI6の組織としての存立自体が
脅かされていることも描かれる。MI6とて時代の流れの中では盤石ではない訳だ。
ダニエル作品以前では諜報機関の組織自体が描かれることがなかったと記憶している。
犯人はMの元部下で、Mに見捨てられた個人的恨み(本作でも似た背景を007に用意する)
を復讐しようと執拗にMを追いかけるため、犯人をおびき出すためボンドはMを道連れに
スコットランドにある自身が育った家スカイフォールに向かう。
しかも、懐かしいアストン・マーチンで。
(懐かしさもあるが、正直唐突感あり。かえって目立つだろうに、、、)
スカイフォールでは犯人を倒すものの、結局Mは死亡することに。
そして、新たなMにはMI6を追求していた側の人間がなるという皮肉が描かれる。
組織としても個人としても時代が変わりつつあることを示唆する。

余談だが、本作品は50周年記念作品としてヒットし、シリーズの中では上位に
評価されることもある作品だ。評価されるのは、これまでの作品では描かれること
のなかったボンドの個人的側面を描きつつ、Mとボンドとの交流的側面も初めて描き、
しかもMの死まで描いくといったシリーズには希薄がちな人間ドラマに比重を置いた、
新たな試みがいわば「新味」として受け止められたためだろうか。
しかしながら、個人的にはその新味に疑問を感じた作品。
最大のものは結局は個人の復讐譚的スケールで終わる「しょぼさ」。
シリーズ作品の魅力である荒唐無稽的スケール感のあるティストはさっぱり感じられず、
スカイフォールでの対決シーンも他作品で見たような既視感に満ちたもので、
かつ他作品でもみられるようなドラマが付加されたような印象では、「つまらなさ」が
先に立った。個人的には新たな試みとして受容するより前に違和感があった。
シリーズで形成されてきたフォーマットへのこだわりが強すぎるのかもしれないが、
「これからこのシリーズはどこに行くのか」的な戸惑いが残り、
ブログに記事としてまとめる気力も起きなかった。
閑話休題。ボンドの出自は謎だったが、本作でスコットランド生まれであることがわかる。
とはいうものの、何故今空き家なのかの説明はないまま作品は終わる。
謎が引き継がれた訳だ。

そして第4作「スペクター」では、メキシコでハデにやらかし過ぎて職務停止と
なったボンドだが、その理由は死んだMからのビデオメッセージだったという種がある。
その遺言の謎を追っていくうちに、「カジノ・ロワイヤル」でのヴェスパー・リンド
の死にからんだホワイトに行き着き、さらにはホワイトの娘とともにたどり着くのが
巨悪組織スペクターという訳だ。
シリーズの最初から背景に描かれるスペクターがここで登場することになるが、
本作ではその親玉ブロフェルドがどういう人物なのかが「スカイフォール」と
からめて描かれ、「そう繋がるのか!?」的驚きが待っているという訳だ。
(ぎりぎりネタバレしていないはず)

一方で、情報監視社会の到来にともなうMI6の廃止という組織的な危機も描かれ、
ダブルオー部門はオールドファッションとして切り捨てられていく、という
時代の流れも描かれる。見事に繋がる訳だが、鑑賞後の後味としては悪くない。
また、M、Q、マニー・ペニーもよりアクティブな形で描かれていくのもおもしろい。
脇役もアクティブ化することで、「ミッション・インポッシブル」のような
チームアクションの方向性も匂わせる。

ダニエル=ボンドの各作品は「実は4部作だったのかー」的驚きがあったくらいで、
原作や過去の作品で省略されていた部分の解釈を新たに提示してうまく作り直した感がある。
こういう新味は受け入れたいと思う。
(それでも、3作目のありかたはスンナリとは受け入れがたい。どれだけ辛目か!?)

また、次作に続く謎ではなく余韻を残したと思うのは、ボンドの恋愛が本作品では
悲劇で終わらずに、次作まで続きそうな気配と宿敵ブロフェルドが生き残った点だ。
この点は次作で引き継がれる予感(期待?)があるが、さてどうなることか。
ダニエルが主役を降板するかもしれない噂とも関連するが、次回作で続きを描くのなら
ダニエル=ボンドで引き続き第5作を期待したいところだ。
ボンドガールが2作品に連続して登場するいうのも過去には例がないが、
ダニエル作品では違うティストを付加してくるので再登板もあり?なのかな。
でも可能性としては限りなく低いだろう。
いち007シリーズのファンとしては、エンドクレジットの
「JAMES BOND WILL RETURN」
を楽しみに待ちたい。

それから、ダニエル作品の中では、過去作品へのオマージュと思われるものでは、
第2作の美女の死体がベッドの上にあるシーンを真っ先に思い出す。「ゴールドフィンガー」だ。
本作品には初代ボンドからシリーズを楽しまれた方なら、過去作品の「あのシーンにそっくり」と
思われる仕掛けが結構ある。ヒントは「ロシアより愛をこめて」です。
お楽しみください。
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<追記12.12>記事の一部を追加・修正しました。




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# by capricciosam | 2015-12-06 21:27 | 映画 | Comments(0)

札幌交響楽団第583回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 ベートーヴェン バレエ「プロメテウスの創造物」序曲
2 モーツァルト ピアノ協奏曲第25番ハ長調
3 ショスタコーヴィチ 交響曲第10番ホ短調

今シーズンの札響定期演奏会を眺めていたら、優れた演奏家が指揮をする
企画に目が止まった。9月のカール・ハインツ・ホリガーさんと、
今月のウラディミール・アシュケナージさんである。
オーボエ、ピアノの分野で各々歴史に名を刻まれることは間違いなしの
第一人者であるが、近年指揮活動も活発にされているだけに注目していた。
すでに終えた9月のホリガーさんの感想はこちらです。

アシュケナージさんと札響との共演は1970年以来とのことですが、これは未聴。
kitaraでは2001年、2004年に指揮者として来演して以来とのこと。これも未聴。
(以上、配布された資料による。)
小生としては1992年北海道厚生年金会館でのピアノリサイタル以来だから、
実演に接するのは20年ぶり以上。その間TVでもっぱら○響の音楽監督としての
指揮者としての活動を見ていたにすぎないのだが、正直言って
なんとも大雑把に見える指揮で、よく○響は演奏できるな~、と素人考えで
あっけにとられていた。

そんな指揮ぶりをいよいよ目の当たりにできる訳だが、
1では確かに「TVで見るそのままだー」的なミーハー的驚きはあったものの、
すぐに音楽に耳を傾けることに気持ちを切り替えていた。
1,2ともに指揮者としての個性は特段感じられず、一言で言えば「無難」。
取り立てて心揺さぶられることもなく、淡々と過ぎ去っていった感じで終わった。

しかし、ドラマは最後の3にあった。
今年2回目で、夏のゲルギエフ&PMFオーケストラの熱演が記憶に久しいだけに、
聴く側のハードルはやや高くなる。この作品はショスタコーヴィチ自身が
言ったと言われる「人間の感情と情熱を描いた」と評される暗く、重々しく、
厳しい側面を有するが、第一楽章冒頭から札響各パートが凄い集中力で演奏を
展開していき、しかも途切れることなく最後まで持続したのには少々驚いた。

もちろん、いままで聴いた定期演奏会でもこれ以上の力を傾注をしていたのだ
とは思うのだが、なにしろ演奏される場の孕む緊張感が、
「これまでこんなのあったかー!?」的な驚きの連続で、
こんな演奏にはそうそう出会えないんじゃないか、という驚きが先に立った。
札響各パートは持てる力を発揮することになんら躊躇することなく、
アシュケナージさんの指揮に即応して力量の限りを示していたと
断言しても過言ではないだろう。プロとしての矜持の高さとでも言うべきか。
これほどの凝集度の高い演奏というのは、なかなか出くわすことは難しい。
「一期一会」なる言葉が脳裏に浮かんで仕方なかった。名演。

ソリストの河村尚子さんについては、この方が将来について
どのようなベクトルをお持ちなのか?その点を感じられないまま終わった感が強い。
かといって、演奏がつまらなかった訳ではない。
むしろ、活き活きと演奏されたように感じられる部分も少なからずあったのだが、
果たして彼女の指向性はモーツァルトなのか? 他の作品でも聴いてみたいものだ。
ソリストアンコールは

4 J・S・バッハ(ペトリ編曲) 羊は安らかに草を食む

昼公演。8~9割の客入か。録音されていた。

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<追記11.30>記事の一部について加筆、修正しました。


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# by capricciosam | 2015-11-28 22:05 | 音楽 | Comments(0)