タグ:ライブ ( 262 ) タグの人気記事

札幌交響楽団第597回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」
2 シューベルト 交響曲第5番変ロ長調
3 ブラームス 交響曲第1番ハ短調

1の重く暗い抒情は実演で聴いた中ではこれまでで最良のものだった。

2は第1楽章冒頭から愛らしい表情を感じるのが一般的な解釈とは思うのだが、
エリシュカさんは細かく振ってやや素っ気ないテンポでずんずん進む。
そのため叙情的雰囲気を感じるヒマもなく、この曲が纏っていた虚飾を
次々はぎ取っていくようだった。
クールな解釈、クールな演奏とでも言えばよいのか。
しかし、決してこの曲の持ち味を損なっているようにも思えない。
むしろ新鮮なのだ。これは新たな発見をした気分だった。

3は名曲だけに札響の演奏回数も多く、これまでも札響含め実演に接する
機会も多かった。そのためブラームス交響曲全曲演奏の完結にこの曲を
持ってきたエリシュカさんの意気込みは相当のものがあったはずではないか。
2で示された方向性がさらに徹底していたようだ。
大きな流れよりも細部が浮き上がるという印象が強い。
そのため委細かまわず一体となって頂点を目指すような解釈とは距離を置く、
随所を明晰にしたことで浮かび上がる作品それ自体に語らせる
という印象の強いものとなった。
手垢にまみれた名曲ブラ1の新たな一面を示されたような思いがした。

独墺系の定番曲ばかりのプログラムだが、エリシュカさんの手にかかる
と新鮮だ。「眼光紙背に徹する」という言葉がある。
指揮者にあてはめるなら、楽譜を読んで作曲家の意図をくみ取り、
どれだけのものを演奏者、聞く側に提示できるかで、
この言葉にふさわしいか否か、ということが言えるのかもしれない。
エリシュカさんが札響を振ると刮目させられることが多々あったが、
今日の演奏を聴いて先ほどの言葉にふさわしい一人ではないか、
という思いが一層深まった。

弦楽器や木管の艶やかな響きは一貫していたが、金管の響きには
やや違和感が残った。特にホルンには力強さは感じたが、固さも感じた。

昼公演。空席もそれ程目立たずほぼ満席。
鳴り止まぬ拍手とブラボーに客席の満足度が現れていたと思う。

次回は「英雄」で10月定期に登場するエリシュカさん。
新たにベートーヴェンの交響曲に取り組むようです。
すでに取り上げた「第九」「田園」4番も重複して取り上げるのかな?


c0007388_19585363.jpg




[PR]
by capricciosam | 2017-03-11 20:01 | 音楽 | Comments(0)

柳家小三治独演会@六花亭ふきのとうホール2017

7年ぶりの柳家小三治独演会。
毎年のように応募するものの、人気公演だけに落選続きで、
半ばあきらめ気味だっただけに今回は望外の喜び。
当日はあいにく吹雪いていましたが、天気にめげるもんじゃ~ありません。
会場は従来の真駒内店から新築された札幌本店ふきのとうホールに。

定刻になり開演。
はじめに登場したのは柳家三之助師匠。
7年前に登場した時は真打ち直前の二つ目でした。
落ち着いた雰囲気で手話落語ネタで笑いをとって「のめる」へ。
お互いの癖を使った化かし合いの古典だが、
演じ分けと小気味のよさがしっかりと伝わる。

続いて柳家小三治師匠登場。
「寒いところ、わざわざ出向いたのは、私の方です。」(笑)
例によって長~いまくらの中で自分は77歳だと言ってましたが、
久しぶりにみると、やはり外見は老けましたね。
脳内残像の師匠は7年前だから、そりゃあ当たり前か。
一瞬言葉に詰まる場面が多くなったし、
「自分で何言ってんのか、わかんなくなっちゃった」と言っては話があちこちに。

50歳の時働いて働いて、ようやく3週間のまとまった休みをとれた。
それで英語をしゃべりたくてUCLA近くに留学した。
というより、字幕なしで映画が観たいと思って行ったとのこと。
でも「英語はベラベラのベにもならない」し、
「あの国の言葉はあの国の方に任せた方が良い」と笑わせます。
米国だと英語を話せない移住者がいっぱいいる。
中華料理店で「This one,please.」と言っても反応は「?」
それでもちゃんと生きている。
だから日本に来て英語で話しかけるオマエが間違っている、と笑わせます。

昨年天皇陛下ご夫妻に呼ばれて一席やってきた時のこと。
「良い座布団がなくてね」そこで思い出したのが六花亭。
夏用の座ぶとんを使わせてもらったというエピソードを披露していました。
(これは帯広本店での独演会で使用しているものなんでしょうね、きっと。)
そして「(これも)言ってみれば、みなさんのポイントのお陰」(笑)

40分余りの長~いまくらを終えて「宗論」へ。
浄土真宗を信仰する父とキリスト教を信仰する息子のいさかいの話。
息子のデフォルメされた話っぷりで笑いをとって、さげは定番どおりに。
落語に入ると言葉の詰まりもなく、淀みなく話の世界に引き込んでいく
その様は、さすが名人という他ありません。

中入り。真駒内では定番だった茶菓の接待がありません。
あのひと時はほんわかして好きだったんですが、少々残念。

再び小三治師匠が登場。
着物を代えて羽織は着ていません。
出る直前に鏡を見て「改めて老けたなー」と笑わせます。
「(世の中には)そそっかしいのが2通りいる」ときて、「粗忽長屋」へ。
以前聞いた「船徳」「付き馬」のようなボリュームのある古典を期待していたのですが、
古典の定番中の定番だが、ちょっとこぶり。
まあ、師匠の年齢を考えたら無理はいけません。
2席聴けただけでもありがてぇ、ってもんです。
しかも、当夜の「粗忽長屋」はお手本のような出来。
どうも、うまいねぇ~、さすがだね~。

最後にご挨拶をし、「表はすっかり晴れ渡って月夜です」と一瞬言葉を切り
破顔一笑して「だったら良いですねぇ~」と会場を再び大笑いさせ、お開きです。
師匠にも、もてなしの変化にも改めて7年の歳月が流れたことを感じましたが、
でも毎年開かれている独演会だけに、ここまで継続してきた師匠にも、
六花亭にも賛辞を惜しみませんね。
c0007388_09040519.jpg

【追記2017.8.8】
「高座では、仏壇の前で小言を言う演目「小言念仏」を小気味よく披露した一方、
認知症の一種、アルツハイマー病を患っている可能性があると告白。
「今年に入ってからか。頭がおかしくなる、アルツハイマー」と衝撃発言(略)
関係者によると、同病と診断されたわけではなく、「年をとると物忘れがひどくなるので、
その治療をしている」という。小三治も「アルツハイマーかもしれないってこと」と
ひょうひょうと報道陣に説明した。」

(以上、サンスポより引用)
唐突に心配な記事が、、、



[PR]
by capricciosam | 2017-02-02 23:57 | 舞台 | Comments(0)

札幌交響楽団第596回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】
1 J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番ニ長調
2 J.S.バッハ 管弦楽組曲第2番ロ短調
e J.S.バッハ 管弦楽組曲第2番ロ短調より第7楽章「パディヌリ」
3 J.S.バッハ 管弦楽組曲第1番ハ長調
4 J.S.バッハ 管弦楽組曲第4番ニ長調
e J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番ニ長調より第2楽章「アリア」

管弦楽組曲はJ.S.バッハのオーケストラ曲の代表的作品で、第3番第2曲「エール」が
「G線上のアリア」として演奏会でも耳にすることが多い。
しかし、全曲演奏会となると話は別で、今回が初めてだった。

札響での演奏回数も組曲ごとにみると、第2番が13回と比較的多いものの、
1番、3番は一桁台、4番に至っては今回が札響初演。
つまり「札響とバッハ」は案外ありそうでなさそうな取り合わせだったという訳だ。
その上、出演は団員の半分程度でパートによっては出番なしの変則編成だけに、
定期演奏会より名曲がふさわしいのかも?なんてことも頭をよぎる。
今回は「バッハ・プロジェクト」の第1弾として企画されたようだが、
よくぞ踏ん切ったと企画そのものにあっぱれをあげたい気分だ。

所有するCDでは番号順収録なので、順番に聴くのを常としていたが、
今回の演奏順はポンマーさんの指示によるものだそうだ。
華やかに始まり、協奏曲を経て華やかに終わるという構成は、
全体をひとつの作品としてとらえられ、なかなか新鮮だった。

札響も弦楽器を中心にオーボエ、ファゴット、トラペット、ティパニ、チェンバロが
緊密なアンサンブルを築き、素晴らしい響きが大ホールを満たす。
特に、トランペットとチェンバロは見事だった。
また、フルート協奏曲の趣のある第2番ではフルート首席がソロを務めたが、
堅実で安定感があり十分楽しめた。欲を言えば更なる華か。

ポンマーさんは、古楽器演奏で聴かれるようなゴツゴツした演奏ではなく、
音楽の自然な流れを重視した明るく、親しみに満ちた演奏を求めていたようだ。
昨年秋の特別レクチャー(未聴)でポンマーさんは

「本来の音楽がどんなに陽気な表情にあふれているか、お楽しみください」
 (会場配布資料より引用)

とおっしゃっていたようだが、まさしく本公演ではそれが体現されていたと思う。
もっとも、奏でられた音楽の表情の暖かさ、なじみやすさは温微的、表層的とも
とられかねない側面もあろうから、そういう点では好みは分かれるのかな。
しかし、

「長い間ドイツの民衆の間で発展してきた舞踏音楽と、華麗で洗練されたフランスの
宮廷音楽を合流させ、生活力あふれる素朴な民衆音楽を芸術的な高みに至らせたもの」
 (会場配布資料より引用)

という視点で見ても決して的外れなものだったとは思えない。
会場からはブラヴォー含め盛んな拍手が送られていた。
最後にポンマーさんが楽譜を高く掲げていたのが印象的。

昼公演。客入りは8~9割か。
CD化目指した録音が行われていたが、途中で大きなくしゃみがあったのは残念。

「バッハ・プロジェクト」第2弾は12月定期の「クリスマス・オラトリオ」(抜粋)です。

c0007388_22222684.jpg

[PR]
by capricciosam | 2017-01-28 22:19 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第595回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」
e ビゼー(ブゾーニ編) カルメン
e リスト グランド・ギャロップ・クロマティック
2 ワーグナー 「ニーベルングの指環」より
 ・ワルハラ城への入場
 ・ワルキューレの騎行
 ・魔の炎の音楽
 ・森のささやき
 ・ジークフリートの葬送行進曲
 ・ブリュンヒルデの自己犠牲

ワーグナーの代表的作品は歌劇(楽劇)のため、普段生の歌劇に縁遠い身としては
せいぜい演奏会の中で歌劇の序曲を聴くぐらいが生でワーグナー作品に親しむ機会になる。
もっと親しもうと思うと10数分か2~4時間か、という極端な選択をしなければ
ならなくなる。これが作品鑑賞としてのワーグナーのハードルを高くしている面もある
のかもしれない。しかし、個人的には序曲集のようなCD一枚でも聴いていて飽きる
ことはなく、ワーグナー作品の持つ不可思議な魅力にからめとられてしまうのだ。
それほどワーグナー作品自体の磁場は超強力だと常日頃から感じていた。

今回指揮される飯守泰次郎さんは我が国屈指のワーグナー指揮者で、近年札響を
数回指揮されているが、ワーグナー作品は序曲1~2曲程度だっただけに、
今回のようにワーグナー作品でも長大さでは群を抜く「ニーベルングの指環」の
抜粋版演奏は久しく待っていたものだ。

また、「ニーベルングの指環」の管弦楽用の編曲版としては、ヘンク・デ・ヴリーガーに
よる「オーケストラル・アドヴェンチャー」(1992年エド・デ・ワールト指揮、
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団で初演)があり、14曲を60分程度に抜粋、編曲
している。(以上、Wikipediaによる)
ちなみに、エド・デ・ワールトが2003年PMFに登場した時にこれを
とりあげている(未聴)。

ステージ一杯に大幅増員された100名からなる札響は壮観の一語に尽きる。
札響の繊細かつ強烈な音はまるで、飯守さんの指揮にあわせて呼吸するがごときで、
織りなす響きが大ホールを満たすのは痛快至極で、聴き飽きすることはなかった。
近年力をつけてきているだけにどのパートも大健闘だったが、
特に、トロンボーンはじめ金管楽器群が印象深かった。
やはりワーグナー作品には強烈なブラスの咆吼が似合う。
ただ、トッティではオケとしての余裕があまり感じられなかったのは少し残念。

暗譜で通した飯守さんにも驚いたが、安心して聴くことができた。
待った甲斐があるというものだ。歌唱なしでも十分堪能させてもらった。
ただ、歌劇本来の鑑賞としては歌唱もあったほうが良いだろう、とは思う。
飯守さんと札響の組み合わせでワーグナーの歌劇を聴くとなれば、
やはり、2018年の札幌文化芸術劇場開場を待つことになろうか。
こけら落とし公演「アイーダ」以外は未発表だが、ワーグナーも上演されないかな、、

1のホジャノフはアンコール含め大ホールは大いに湧いた。
確かにピアノ小僧ぶりには驚いたし、きれいで迷いのない音は魅力的だとは思うものの、
オケとの一体感があまり感じられず、「皇帝」としては淡々と終わった印象。

昼公演。空席もあまり目立たず客入りは9割程度か。

c0007388_13163299.jpg


[PR]
by capricciosam | 2016-11-26 23:58 | 音楽 | Comments(0)

鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン@Kitara2016

【プログラム】

1 J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調

バッハ・コレギウム・ジャパン(以下、「BCJ」という。)の演奏会を聴くのは
2007年のメサイア全曲演奏会以来。あの時もあまりの素晴らしさに驚いたものだが、
その後の来札では期待していたバッハの大作がなく、今回まで待ったため、まだ3回目。

今回演奏された作品は晩年のバッハが遺した宗教音楽の大作として知られている。

「(略)スコアには、1733年から死の直前1750年までの長期にわたる筆跡が見られること
が分かっている。(略)痛々しい思いをしてまでこの仕事に込めようとしていたバッハの
思いが何であったか。その目的が何であったか。それは、多大なバッハ研究の蓄積にも
かかわらず、未だ明らかになっていない。(略)この作品の制作は作曲というよりも、
むしろ主に様々な時代に書かれた作品を寄せ集め、一部改作しながら歌詞を変えていく
という作業であった。(略)この作品のなかには、野心を胸に秘めた若々しいバッハと、
成熟し自信に充ち満ちたバッハ、そして年老いて自らの衰えと闘うバッハが一体化されて
ひとつの人格をなしている。」
(当日配布された佐藤望氏によるプログラム・ノートから一部引用)

若い頃から晩年までに書いた作品を色々と転用しつつ、ひとつの作品としてまとめ
上げられたものということらしい。佐藤氏はいみじくも「作業」と喝破し、
「寄せ集めとパロディー」としている。こう書くと、お手軽で、薄っぺらな作品との
印象を持たれてしまう恐れがあるが、バッハが様々な技巧を凝らした多彩な響きに
耳を傾けていると時間が経つのを忘れる。

さて、作品自体の魅力に加え、演奏するBCJのうまさも加わり相乗効果!
BCJの器楽と声楽が一体となって作り出す明瞭かつしなやかな響きは、
宗教的峻厳さというよりは、むしろ作品に対して謙虚に奉仕するごとき様が
しきりに頭に浮かんで仕方なかった。
誠実にして、ぬくもりを感じるという言い方が適切かもしれない。至福のひと時。

終演は予告どおり21時15分だったが、長時間を飽きずに聴かせてもらった。
PブロックとLA、RAのPブロック寄りは入場させていなかったが、
それでも客入は8~9割か。
いつかは受難曲を聴かせてもらえたら嬉しいのだが、、、

c0007388_23502694.jpg


[PR]
by capricciosam | 2016-11-15 23:52 | 音楽 | Comments(0)

反田恭平×上野耕平 デュオコンサート@Kitara2016

【プログラム】 (D)…デュオ (P)…ピアノ (S)…サキソフォン 

1 シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調(D)
2 リスト:愛の夢-3つの夜想曲より第3番 変イ長調(P)
3 リスト:巡礼の年 第2年への追加「ヴェネツィアとナポリ」より第3曲「タランテラ」(P)
4 デザンクロ:プレリュード、カデンツァとフィナーレ(D)
5 ポノー:ワルツ形式のカプリス(S)
6 グラズノフ:サキソフォン協奏曲 変ホ長調(D)
7 ガーシュウィン/長生淳編曲:ラプソディ・イン・ブルー(D)
e バザン:バザンのロマンス~歌劇「パトラ先生」より

KitaraClub会員限定コンサートは低廉な価格で新進気鋭の音楽家を紹介する趣のようです。
今回はピアノの反田恭平さん、サキソフォンの上野耕平さんのデュオ・コンサート。
実は当初予定にはなかったのですが、TVでお二人を偶然続けるようにみたところ
御両人の活きの良さに俄然興味を覚え、足を運んでみました。

MCではお二人がKitaraとの関わりを話されていました。
上野さんは12年前の吹奏楽コンクールにおいてKitaraで演奏したことがあり、2回目。
反田さんはKitaraの近くに祖父が住んでいたので知ってはいたが、自分で演奏するまでは
と決めてKitaraに足を踏み入れたことがなかったそうなので、今回が初とのこと。

お二人は過去30分程度の共演はあったようですが、今回のようなデュオでの演奏会は初
とのことでした。しかし、1から二人の掛け合いはスムーズです。
バリバリと弾きこなし勢いのある反田さんと精妙な陰影を落ち着いて作り出す上野さん。
楽器の違いがお互いの個性の違いを一層浮き立たせているようでした。
特に、サキソフォンが活躍するクラシック作品はあまりないため、
改めてこの楽器は随分魅力的だなと思いました。

お二人のソロも、それぞれの達者な腕前を披露してもらい魅了されましたが、
やはり掛け合いが楽しかった。デザンクロ、グラズノフ、ガーシュイン。
グラズノフではサクソフォンがソロで、ピアノが「100人のオケ(反田さん曰く)」を
演奏します。ガーシュインでは逆にピアノがソロで、サクソフォンがオケを演奏します。
この役割の反転も楽しかったのですが、丁々発止のやりとりは、まさしく才気煥発。
実に楽しい一夜でした。

P、LA、RA各ブロックは販売しなかったようですが、他の席はかなり入っていましたね。
盛大な拍手に応えてアンコールを1曲。
演奏会終了後のサイン会は長蛇の列でした。
いや~、楽しみな才能が現れましたね。

c0007388_00115656.jpg



[PR]
by capricciosam | 2016-11-08 23:57 | 音楽 | Comments(0)

内田光子withマーラー・チェンバー・オーケストラⅠ&Ⅱ@Kitara2016

10月28日【プログラムB】

1 モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番ト長調
2 バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント
3 モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調
e シューマン作曲:謝肉祭「4つの音符による面白い情景」 作品9より 「告白」

10月30日【プログラムA】

1 モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調
2 武満徹:弦楽のためのレクイエム
3 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 
e モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330より 第2楽章


モーツァルトのピアノ協奏曲を2晩で一挙に4曲。しかも、内田光子さんで。
近年海外オーケストラ公演が激減している札幌では願ってもない演奏会だ。

共演するマーラー・チェンバー・オーケストラ(以下「MCO」という。)は設立されて
19年目の若い室内管弦楽団であるため、歴史ある有名海外オケに比べると
一般的なネームバリューとしては期待できないだろう。しかし、クラウデオ・アバドが
設立に関わり、最近までダニエル・ハーディングが指導し、現在は内田さんや
イザベル・ファウストが友好的な関係を保っているオケとなれば、相当の水準なのだろう
と想像を巡らすことはそんなに難しいことではない。
今回のジャパンツアーでは札幌、東京、大阪、豊田の4都市だけで、室内楽含め3公演が
あるのは東京と札幌のみ。室内楽を除く2回のオーケストラ公演(10/28・10/30)に
足を運んだが、演奏会自体は期待以上で満足度は高い。

内田さんのモーツァルトは期待していた以上に絶品。所有するCDで漫然と聴いていた
各作品を、実はこうなのよ、とポンと見事に提示されたような納得感がある。
また、内田さんのモーツァルトを有名にしたテイト&ECO盤との違いには驚くばかりで
約30年経っても今なお内田さんは進化している証なのだろう。
例えば第20番のぐっとテンポを落とした冒頭からこの名作の緊迫感がひしひしと迫る。
曲を進めてもテンポを落としつつ、細部に抉りをきかせて表現の彫りを深めるかの様は
「進化」というより「深化」というのがふさわしいように感じた。
内田さんならではの説得力に溢れていた。

またMCOの高水準ぶりには驚いた。特に弦楽パートの表現力の高さには驚いた。
バルトークの作品は「ディヴェルティメント」という標題から連想される明るく、愉快な趣
とは無縁で、むしろ暗く陰のある響きが分奏や全奏で激しいリズムを伴って飛び交う。
指揮者なしでいささかの乱れもなく弾き通したが、ブラボーがあちこちから飛んだ。
恐らくこの作品については小生同様期待以上と感じた方が多かったのではないか。
1日目でバルトークを聴いた後なので、2日目の武満への期待も高まるのは当然だった。
浮かんでは消えていく響きの連なりを、案の定見事に演奏していた。
この若いオーケストラの演奏を他作品でも聴きたいものだという気持ちになったが、
今回が一期一会的な演奏会だったのかもしれない、という気持ちも浮かんだのだった。

本公演は《Kitaraワールドオーケストラシリーズ》の一環で開催されており、
チケットも国内オケより高めの設定。だからという訳ではないのだろうが、
10/28公演は空席がとても目立ち、極端な例えだが、一部の人しか入れないリハーサル見学に
近い状態だった。もちろん前売りが開始されてからのプログラムの入替という想定外の事態や
平日の夜公演、そして何よりも興行であるという点は割り引いたにせよ、それでもなお
主催者側には空席を少なくするようもっと手を尽くしてもらいたかったという思いは残る。
あれだけの秀演を展開した演奏者への主催者としてのリスペクトにもならなかったのではないか。
結果論だが、まあまあの入りだった2回目公演の空席状況と31日室内楽公演(未聴)の完売を
併せると、オーケストラ公演は1回公演ならそれほど空席は目立たなかったのかもしれない、
というあまり望ましくない方向性になるのかな、残念ながら。

海外オーケストラの2回公演で思い出すのはジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団
によるブラームス交響曲全曲演奏会
。これも《Kitaraワールドオーケストラシリーズ》の一環
だったが、空席が目立った。好企画だったと思うのだが、今回と併せて考えると札幌における
厳しい側面が浮き彫りにされたような思いも浮かぶ。
c0007388_00170988.jpg


[PR]
by capricciosam | 2016-10-29 23:58 | 音楽 | Comments(0)

札響名曲~チェコを離れて:エリシュカのお気に入り@Kitara2016

【プログラム】

1 モーツァルト:交響曲第40番ト短調
2 ドヴォルジャーク:アメリカ組曲
3 ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)

先週の定期演奏会に続きエリシュカさんによる名曲コンサート。
定期の時公表された来シーズンの札響演奏会の速報によると、来札は
10月の定期演奏会のみで、しかも定期演奏会と名曲を指揮するという形はありません。
ご高齢ですから、エリシュカさんのお身体の負担を避けるという意味なのでしょうが、
指揮ぶりは実に矍鑠(かくしゃく)としているので、長く続けてもらうという意味では
やむを得ないでしょうね。しかし、残念。

閑話休題。1は基本に忠実でありながら、立ち現れる音楽のなんと新鮮であることか。
基本的には「ジュピター」を含む2012年の名曲で抱いた感想と変わらない。
そういう意味ではエリシュカさんの姿勢には一貫したものを感じる。
ただ、深みや劇性を第一に求める向きには首肯しずらいものがあるのではないかとも思う。

2はドヴォルジャークが渡米後書き上げたピアノ組曲をオーケストラ用に編曲した
ものらしい。初めて耳にしたが、何やら西部劇の荒野が目に浮かんだりして
聴いていて楽しい。肩肘張らない娯楽色が強い作品。
各パートの首席がソロをとっていたが、ホルンとオーボエが印象に残った。

今回のプログラムではもっとも期待していたのが3。長年エリシュカさんを聴いてきて
こういう躍動感あふれる色彩感に富む作品はうってつけなんだろうと思っていた。
ただ、この作品は外見的な効果を狙うと、とかく力業に頼りがちになる傾向もあるように
感じていたので、今回のような慎重かつ精緻な演奏指向は細部にこだわり過ぎて
迫力不足ととる向きもあるだろうなと思う。しかし、例えば「魔王カシチュイの踊り」でも
札響のダイナミクスを活かして迫力十分だったとおもうだけに、作品自体に語らせる
手法ととるなら必要十分な演奏だったのではないかと思う。

ほぼ満席の会場からの万雷の拍手に応えアンコールを一曲。

4 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」より"道化師の踊り"

<蛇足>
今回はエリシュカさんにしては珍しいシーンが2回ありました。
1回目は一旦ステージ裏に引っ込んでから3のために再登場したエリシュカさんですが、
指揮台上で胸ポケットを探っていたが、なにやらないらしい。ステージ裏に助けを
求めたら、届けられたのは眼鏡。受け取ってすぐ顔にかけて胸に両手をあてて会場に
「ごめんなさい」のボーズ(笑)これには会場からも笑いが起きて、一瞬緊張が緩む程
和みました。
2回目はプログラム終了後、拍手に何回か応えていた時に発生。
オケはアンコールの準備をしていたのですが、そのまま袖に引っ込もうとするので、
コンミスの大平さんがエリシュカさんを止めて何やら話していたと思ったら、
「オッ」という表情でエリシュカさんが急いで指揮台に戻りアンコールになりました。
エリシュカさん、どうやらアンコールを忘れていたようですね(笑)
エリシュカさんの演奏会を長年追ってきて、年齢に似合わずしっかりしているな、と
思っていたのですが、やはり年齢相応の部分はあるなと妙に納得。ご高齢ですからね。

c0007388_23181413.jpg

[PR]
by capricciosam | 2016-10-22 23:18 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第594回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 スメタナ:交響詩「ワレンシュタインの陣営」
2 ドヴォルジャーク:スケルツォ・カプリチオーソ
3 チャイコフスキー:チャイコフスキー交響曲第5番ホ短調

エリシュカさんが三年がかりで札幌交響楽団(以下「札響」という。)と進めてきた
チャイコフスキー後期三大交響曲演奏会も今回の第5番で完成する。
これまで取り上げた第6番第4番の演奏での衝撃的な出来からみて最後となる
第5番への期待はとりわけ大きかった。
ちなみに札響の演奏回数は第6番が76回(2014年当時)、第4番が66回(2016年当時)
に比べ、第5番が95回と多いのは、この曲がいかに愛されているかを反映している
のだろう。運命の主題による循環形式を採り、ほの暗さと愛らしさと輝かしさを
併せ持つ作品としての魅力はチャイコフスキーの想像を越えていたのかもしれない。

演奏終了後に感想として「一点一画をも疎(おろそ)かにするまい」とツイートした。
これはエリシュカさんの流儀だろうから今さらなのだが、それが今回はさらに徹底
していたようだ。第1楽章では音楽が止まるのではと思われるぎりぎりまでテンポを
落としつつ音を明瞭に響かせるが、無機的で何の感情もこもらない演奏でもなく、
音楽として停滞している訳でもない。逆に情感豊かでカンタビーレが溢れているように
聞こえたのだが、これは全楽章を聴き終えても同様。
名曲についた手垢をきれいにぬぐい去ったかのごとく新鮮。
例えば、第3楽章から第4楽章へほぼアタッカで演奏することで一気に流れを形づくろう
とする場合もあるが、エリシュカさんはここでも休憩をとる。実際の演奏は途絶えるが、
さりとて最後の雄渾なフィナーレが割り引かれる訳でもない。
むしろ、楽章ごとに気迫溢れた指揮により札響から引き出される音楽の素晴らしさが
脳内で流れを途絶えさせずにいたようだ。
何度も第5番の実演に接してきたが、これまで聴いた過去のどの第5番の演奏とも異なる
まさにエリシュカさんならではの第5番だった。これは想像を越えていた。
札響の演奏史においてもメモリアルな演奏会として記憶されるのではないか。

終演後の万雷の拍手と数々のブラボーは会場の満足度の高さを示すものだった。
昼公演。エリシュカさんの演奏会としてはいつもより空席が目立ったが、同日同時間帯で
行われた札幌ドームでのCSファイナル(ファイターズVSホークス戦)に若干流れたのかな
と想像していた。
CD化を目指した録音もされていたが、前日の夜公演分はNHK-FMで放送されるようだ。
今回はツィッターでフォローさせていただいている道外の方も会場に足を運んでいたが、
クラシック音楽ファンの中で聴きに行きたいと思う演奏会なら遠方でも出かける方は、
結構いらっしゃるものだと改めて思った。(自分もその端くれではあるが、、、)
ありがたいことだ。そんな全国的に注目を浴びるエリシュカ&札響&Kitaraを
地元として享受できることは改めて幸いなことと思う。

<追記10.23>
プログラムを記載し忘れたので追記しました。
1は札響初演。活気あふれる作品だと思うが、それ以上でも以下でもないか。
2は札響の演奏としては2012年4月定期以来3回目とのこと。ドヴォルジャークらしい
素敵なメロディが溢れるが、札響はよく表現していたと思う。
c0007388_20120316.jpg

[PR]
by capricciosam | 2016-10-15 20:12 | 音楽 | Comments(0)

伊藤君子JAZZコンサート@北広島市芸術文化ホール活動室2016

10年以上前にオークションに伊藤君子さんのCDが出品されていて、
出品者が激賞していたのが印象的だったのですが、特に求めることもなかったので
伊藤君子さん自体は記憶の深層に埋もれたままでした。
今回「前回の札幌公演から18年ぶり」とあるのを目にして当時のことがよみがえり、
希少な機会と思い、出かけてきました。
ご自分を「大年増」とおっしゃていたのですが、7月にライブを聴いた小田和正さん
くらいのようです。あの年代の現役バリバリで活躍される皆さんは、円熟していて
聴き応えがありますね。それに初めて聴いた「津軽弁ジャズ」ですが、訳詞が成功
しているせいか、実にノリも良く、通常聴く英語の詞と大して違和感は感じませんでした。
むしろ、詞にこめられた感情がぐっと迫ってくる感じがしました。
方言のネイティブスピーカーはまるで外国語のように感じますから、この方言に
置換する試みは成功していると思いました。実に楽しかった。
伊藤君子さんのHPを覗いたら、北海道ツアーは4カ所だけのようです。
9/16 札幌市
9/17 北広島市
9/18 旭川市
9/19 帯広市
お近くの方はぜひ。

<9.22追記>
定刻になりメンバー入場。
Vocal:伊藤君子
Piano:宮本貴奈
Bass:柳 真也
Drums:館山健二

MC「ようこそ、おいでくださいました。皆様に御礼申し上げます。伊藤君子です。
(メンバー紹介)そして、小豆島が生んだ大年増、伊藤君子でございます。」

1 ジャスト・イン・タイム
2 オータム・イン・ニューヨーク

MC「さて、いきなり津軽弁の時間です。津軽弁でジャズを歌うのは
伊奈かっぺいさんの影響です。
第一弾を発売したのは2000年のことです。
2015年に第2弾を発売し、「津軽弁の日」に宮本さん
との美女二人で行き、
歌わせていただきました。」(以下、★印は津軽弁ジャズです。)

3★恋に恋して

MC「どうして津軽弁?と思ったんですが、初めて歌った時は恐かったですよ。
だって(津軽弁の)ネイティブスピーカーだらけですもん(笑)。でも、うけた。
それで、第2弾を出すことになったんです。」

4★ブルームーン
5★カム・レイン・オア・カム・シャイン
6 セプテンバー・イン・レイン
7 イパネマの少年? ~この夜唯一曲名紹介が省かれたので不明。ボサノバでした。
8 サムウェア(「ウエストサイド物語」から)

<休憩>
宮本さんだけが登場。
MC「ピアノソロでちょこっと。ジャズピアニストですが、バークリーの映像音楽科
と作曲科を
出て作曲もしているんですね。NHKの「日本の話芸」テーマを作曲しました。
TVのオープニングは20秒なんですが、今日は90秒バージョンで。」

9 NHK「日本の話芸」オープニングテーマ

MC「もう一曲。直感で日本の曲を。タイトルはあえて言いませんが、
  皆さんご存じです。」

10 この道

伊藤さんはじめ他のメンバー登場。

MC「私の足を心配してイスが届きましたが、立っても座っても変わらないと思います(笑)」

11 You've got a friend ~エルトン・ジョンでしたっけ?

MC「アンコール前の曲という感じ(笑)次はこの間亡くなったトゥール・シールマンスの
作った素敵な曲です。失恋している人に、大丈夫だよと。
励まされると思って聴いて下さるかな。」

12 ブルーゼット

MC「今日はお星様は見えるんでしょうか?昨日札幌歩いていたら雨が降ってきて。
よくあるんですか?どこで見た星空が思い出ですか?私は小豆島で高校までいたんですが、
あの頃は天の川まで見えました。大気がきれいだったんですね。」

13 ソー・メニー・スターズ

MC「次は有名な曲。世界中で録音されているんですが、名古屋弁で言うとピッタリ。
フリャイ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(笑)タイトルは名古屋弁だけで、
歌うは津軽弁です。」

14★フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン

MC「かっぺいさんの訳が……(聞き取れず)。聴いて下さい。」

15★オーバー・ザ・レインボー

MC「次なる曲はとてもおもしろいアレンジで、(CDでは)上妻宏光さんの津軽三味線
なんですが、今夜はまっさん(柳真也)が津軽三味線風にアレンジして。」

16★ラストダンスは私に

伊藤さんが給水する間、宮本貴奈さんがMCを努め、途中から伊藤さんも加わる。
MC「新潟のフェスから羽田へ直行しハワイへ。ハワイで3泊し北海道へ来たんです。
でも、演奏の時しかほとんど記憶がないんです。
そうなんですよ、会場とホテルと食事ぐらい。」

MC「小さい頃家にあったのは広沢虎造。6つの時、美空ひばりに夢中になったんです。
それで歌手になりたくて東京へ行きたかったので武蔵野美術大学短大を受験したら、
合格しちゃったんです。ずっと端折りますが。今歌手です(笑)」

17 愛燦燦
18 オールド・デヴィル・ムーン

初めて来てくれた伊藤さん、宮本さんに北広島市、千歳市の両ジャズ倶楽部から花束贈呈。
アンコールの手拍子に応えて

19 フォロー・ミー~アランフェス協奏曲第2楽章から

<おまけ>
歌われた津軽弁ジャズ(記事中の★印)の聞き取った歌詞の一部分をランダムに並べました。
文字にしてみると、津軽弁が親密で感情が迫ってくると感じたのは間違いなかったようです。

「好きだ 好きだ みなみなわのものだして~」
「わーば好きだはんで だまってそうしてろ~」
「あんだの好きな人と踊ってくればいいがし~」
「あの虹っこば越えて飛んでいぐんだ~」
「好きだ 好きだ 好きだ 恋はどこさ行ってしまったんだべ~」
c0007388_23363344.jpg






[PR]
by capricciosam | 2016-09-17 23:36 | 音楽 | Comments(0)