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小田和正ツアー2016@札幌・北海きたえーる

まもなく69歳になる小田さんの2年ぶりの全国ツアー。
ツアーのタイミングで発売されたのはベストアルバムで、新作ではありません。

「今回のツアー名の「君住む街へ」もまた、思い入れのあるタイトルです。
本来、ツアーはオリジナルアルバムで、新しい曲をたくさん作ってから
やるべきかと思っていましたが、この年齢になると、できるだけ早く、
また皆さんのところへ会いに行ったほうがいいかなと、
自分のことだけではなく、客席の方々の年齢のこともありますから(笑)」
(以上、会場で配布された明治安田生命のパンフレットから引用)

さすがです。小田さんと同年代と思われる世代から若い世代まで幅広いファンが
集まった札幌公演初日に足を運んできました。
5分遅れで会場が暗転すると、ステージ正面巨大モニターに1969年からの
小田さんの映像が次々に映し出されていきます。その間にバンドメンバーが登場し、
最後に小田さんが登場。

<セットリストはツアー初日の静岡からバレバレで、会場ごとに若干異なるようです。
当日小田さんからも特に注意はなかったので、時系列で記事を書いた関係で
明らかになりますので、これから楽しまれる方はご注意ください。>

1 wonderful life~SUBARU CM曲
2 こころ

MC「とっても楽しみにしていた札幌。月曜日から天気に恵まれました。
大いに盛り上がっていきたいと思います。」(拍手)(メンバー紹介)
「ちょっと前にベストアルバムが出たんですが、1枚目はオフコースの曲が
入っているのでオフコースの曲をやりたいと思います。」
そしてセンターマイクでギターを構えながら一言。
「オフコースに嫉妬しちゃいます。」
何故そんな言葉を?と内心驚きましたが、単純に失ってしまった時に対してなのかな。
謎の一言でした。

3 眠れぬ夜~曲前半のアコギ2本のデュオスタイルは鈴木さんとの当時を連想させます。

MC「ステージで何しゃべろうかなと考えているんですが、忘れてしまった(笑)
あの頃(の作る歌は)心象系なので、少し景色を入れてみたらと言われて作った曲です。」
 
4 秋の気配
5 さよなら

MC「僕は同級生の集まりにはできるだけ顔を出そうと思っているんですが、
(売れない頃の)昔は「大丈夫か?」と言われ、オフコースが売れても
いつ人気がなくなり売れなくなるかもしれないので「大丈夫か?」と言われてたんですが、
30代過ぎて言われなくなりました。最近は言われなくなった代わりに
「オマエ、いつまで歌うのか?」と言われ(笑)、この頃は
「オマエ、死ぬまで歌ってくれ」と言われております。」(笑) これには会場大受け
「僕が最初に作った曲です。」と6を始めます。

6 僕の贈りもの
7 愛を止めないで
8 時に愛は
9 心はなれて~ピアノ+ストリングスで。モニターには最後の武道館ライブの映像が。
10 言葉にできない 
11 I LOVE YOU~ジャージーなアレンジ。素敵です。 
12 YES-NO

<御当地紀行>
札幌駅から始まりますが、「ほとんど中国人だな」と北海道観光の現状を的確に指摘。
大通りのトウモロコシについては率直な感想を(まぁ、旬はもう少し先だからね)。
百合が原公園を経てモエレ沼公園では山の山頂を目指します。
北大テニス部の学生に「君たち何年生」と聞いたところ、「1年生です」と答えたら
「なんだ1年坊主か」と途端に素っ気ない反応になったので笑ってしまいました。
藻岩高校前では「君住む街で」のプロモーションビデオに当時の演劇部の生徒が
出演していたという制作裏話を説明してくれました。30年前だそうです。
北海道神宮、市電と続き藻岩山でおしまい。

13 the flag~モニターには会場客席のオヤジのアップが次々に映し出される。
       歌詞がそういう年代へのエールだからね。納得。  
14 伝えたいことがあるんだ
15 恋は大騒ぎ 
16 キラキラ
17 ラブ・ストーリーは突然に
18 風と君を待つだけ
19 たしかなこと

MC「ツアーに出ると故郷というのはつくづくいいなと思います。大事にしてください。」

20 my home town~モニターには札幌のモノクロ写真が次々と映し出されます。
21 さよならは 言わない
22 今日も どこかで
23 風は止んだ~映画64(ロクヨン)

MC「さっきの友達の話じゃないけれど、死ぬまで歌うことはないでしょうが、
君住む街から30年。あのプロモーションビデオに出演された藻岩高校の演劇部の方は
(会場に)いますか?(さすがに、初日はいらっしゃいませんでした。)
それでは最後にツアータイトルの曲を歌ってお別れします。」

24 君住む街へ

アンコール1
25 愛になる 
26 YES-YES-YES
27 やさしい夜

アンコール2
MC「ありがとう。オフコースの歌をやります。」
28 夏の終わり
29 ダイジョウブ 

バンドメンバーもマイクを持って小田さんとともに一列に整列して
「クリスマスの約束」で歌うあの曲をア・カペラで。素敵でした。

30 また会う日まで

終演21時20分過ぎ。
3時間近く休憩も大して取らず会場中動き回ってしかもほぼ歌いっぱなし。
なのに後半になる程、声の伸びも良くなった小田さん。
ツアー撤退はまだまだ先なんでしょうね。たいしたものです。
お友達と同様で恐縮ですが、どうぞ死ぬまで歌ってください(笑)

<蛇足>
初めての北海きたえーる。スタンド席でしたが、真駒内アイスアリーナ同様
ステージとの距離も適度で、イスも良好でお尻痛くならず。
ただ、ステージが横長に設定されたので、ステージ側のスタンド席は少々つらかったかな。
もっとも小田さんはあちこち動き回るので、その辺は緩和されているのかもしれませんが、、
また、終演まで時折スタンドから男性が大きな声を出していましたが、
どなり声のせいか肝心の小田さんに伝わらず空回り。
場を盛り上げる方向じゃなく、進行を邪魔しがちだったのが少々残念でした。
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<追記7.16>記事の一部に加筆、修正しました。


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by capricciosam | 2016-07-13 23:56 | 音楽 | Comments(0)

フランス国立リヨン管弦楽団@Kitara2016

【プログラム】

1 ラヴェル スペイン狂詩曲
2 ラヴェル 高雅で感傷的なワルツ
3 ラヴェル ダフニスとクロエ 第2組曲
4 ムソルグスキー(ラヴェル/スラットキン編曲)組曲「展覧会の絵」

「ラヴェルの管弦楽曲は、①オリジナルなもの、②自作あるいは他の作曲家のピアノ作品から
の編曲、そして③バレエ音楽の大きく3つのカテゴリーに分けることができ、本日はこれら
すべてのカテゴリーを鑑賞できる。」
(以上、配布されたパンフレットから引用、①②③は筆者追記)

「おっ、そうなんだ。でも①ってどれだ?」と思って眺めると、有名な4は②だし、3は③か。
残る2はきっと②だから、そうすると1が①を指すという訳か。
4もムソルグスキー作品というより編曲したラヴェルの印象が強いので、今回は
「オール・ラヴェル・プロ」と言っても間違いではないだろう。
しかも、本場フランスの伝統あるオーケストラだけに期待は大きい。

全国ツアーの初日だけに長旅の疲れが演奏に出るのではないかと心配したが、杞憂だった。
どの作品も色彩感あふれるだけにアンサンブルのみならず、各パートの味がほしいところだが、
スラットキンさんの指揮のもと1から弦楽器の響きは艶やかで、管楽器が絶妙。
その上、オーケストラがフルパワーを発揮しても音が混濁せずに大ホールを満たすのだから
たまらない。

鳴りやまない拍手に応えアンコールをスラットキンさんが客席に向かって説明してから始まる。

5 オッフェンバック  歌劇「ホフマン物語」からホフマンの舟歌
6 スラットキン ツイスト・カンカン

6はオッフェンバックの「天国と地獄」の有名なフレーズを打楽器でやるという趣向が楽しい。

客入はやや空席が目立ち7~8割程度か。
今年の《Kiara ワールドオーケストラシリーズ》の1回目だったのですが、
ひと頃に比べ実力のある指揮者&海外オーケストラのKitaraへの来演数が減っているので
少々もったいない感じでした。
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レナード・スラットキンさんは今なお世界的に活躍されていますが、28年前に来札されて
北海道厚生年金会館(現ニトリ文化ホール)で演奏会を行っています。
オーケストラはロンドン・フィハーモニー管弦楽団で、テンシュテットが病気で退任し、
ウェルザー=メストが就任する前の空白の年だったように記憶しています。
この時ドヴォルジャークのチェロ協奏曲で協演したソリストは堤剛さんでした。
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by capricciosam | 2016-06-23 23:28 | 音楽 | Comments(0)

札響名曲~ウィーン:華麗なるヴァイオリンと運命@Kitara2016

【プログラム】

1 モーツァルト セレナード第13番ト長調《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》
2 モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調
3 ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調「運命」

オーケストラの演奏会に指揮者は欠かせないと考えるのは、指揮者が
演奏の善し悪しを左右する要因と考えることによるのだろう。事実、
同じオーケストラでも指揮者により演奏がガラッと変わる鑑賞体験を
してきたことから、個人的にはやはり妥当なことと思う。
では指揮者なしではオーケストラは機能しないのか、と言えば必ずしも
そうではないようだ。

指揮者なしの場合は、ソリストやコンサートマスターが指揮振りをする
ような感じでオケを牽引していくが、札幌交響楽団(以下「札響」という。)を
指揮者無しで聴いて感銘深かったのは、昨年9月定期のハインツ・ホリガーさん
以外では、安永徹さんによる2009年の演奏会が印象深い。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で長年コンサートマスターを努められていた
安永さんが引退後札響と初めて協演したものだが、あの時も札響のアンサンブル
が引き締まり、札響のサウンドが活き活きしたような印象を受けた。
きっと指揮者に依存しない分、演奏者の自主性が高まり、お互いの音に
より敏感になっていくため、結果としてアンサンブルの精度が高まるため
ではないか、と推定している。
著名な指揮者の中にはオーケストラに積極的に室内楽を奨励する場合もある
ように聴いたことがあるが、アンサンブルの精度向上に指揮者なしの効果は
確かにあるのではないかと思う。
そんな視点で有名オケを眺めると結構オーケストラ内の室内楽が盛んな
ようにも思えてくる。逆に、室内楽活動が盛んな場合はオーケストラとしての
演奏も充実してくるということなのか。

閑話休題。今回登場したフォルクハルト・シュトイデさんは
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の現役コンサートマスター。
今回も安永さんの時感じた「活き活き感」がより一層強まった感じで、
1の出たしから明らかに札響の音が変わっている。
弦楽器の一体感が素晴らしく、見事なアンサンブルなのだ。
併せてスポーツカーにでも乗っているような疾走感が感じられる。
事実、テンポはやや速かったのかもしれない。
3はパンフレットでは約35分となっていたが、実際は31分程度だった。
じゃ、演奏はせこせこしたつまらないものだったのか、というとまるで逆。
札響のアンサンブルが緊密なまま最後まで乱れないので、
一瞬たりとも飽きないのだ。
そのため、全力で走りきった後のような充実感と爽快さが味わえたのかもしれない。
普段聴き慣れた名曲をリフレッシュさせたような強い印象が残った。
鳴りやまぬ拍手に応えてアンコールを一曲。

モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲

ほぼ満席の大ホールからはさらなる大拍手が起きた。
今回シュトイデさんは6/4~6/18の日程で来日されて、リサイタル6カ所、
オケとの協演2カ所となっています。リサイタルには6/15六花亭札幌本店
も含まれています。
確か昨年はシュトイデ弦楽四重奏団としても来札してくれていたようですから、
今後も来道して札響と協演していただきたいものです。
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<追記6.21>
記事の一部を加筆修正しました。
また、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の現役コンサートマスターによる弾き振りは
昨年PMF-GALAで、ライナー・キュッヒルさんによるモーツァルトを体験していました。
あの時も見事なものだと感心しました。その時の記事はこちらです。
また、安永徹さんが演奏活動をしばらく休止されていますが、体調は回復されたのかな。
またステージに元気な姿を見せていただきたいものです。



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by capricciosam | 2016-06-18 20:37 | 音楽 | Comments(0)

庄司紗矢香無伴奏ヴァイオリン・リサイタル@北広島市花ホール2016

【プログラム】

1 J.S.バッハ 幻想曲とフーガ ト短調(J-F.ヌーブルジェ編)
2 バルトーク 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
3 細川俊夫 ヴァイオリン独奏のための「Exstasis」(脱自)2016  日本初演
4 J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調

庄司紗矢香さんの演奏を聴くのはパガニーニ国際コンクール優勝まもない2001年に
ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィル演奏会において
チャイコフスキーの協奏曲を聴いて以来。15年ぶりということになる。
あの時は少女の面影を感じさせるのに芯のある力強い演奏で、
さすがメジャーデビューしただけのことはあるな、と感心したものだ。
ようやく再び聴くチャンスが巡ってきたら、なんと無伴奏演奏会とは。
彼女の成長ぶりを実感できる絶好の機会となった。

「無伴奏」というのは演奏者の力量がステージ上ですべてさらけ出されるだけに
プロにとってはそうそう安易に取り組めるものではないだろうし、取り組む以上は、
演奏者の自信や意欲は並々ならぬものがあるのではないか、と勝手に解釈している。
例外的に多いピアノは別として、振り返ってみてもせいぜいチェロ、ギターぐらいか。
ヴァイオリンはピアノとのソナタは結構聴いたが、アンコールで演奏された場合を除けば
無伴奏作品だけの演奏会は今回が初めてだった。

2はJ.S.バッハ以来のヴァイオリン・ソナタの傑作と言われながら、
ヴァイオリンという楽器の特性を無視して作られた側面があるせいか難曲と言われている。
緊張感を貫きつつ千変万化する音を一心不乱に紡ぐ彼女の「ど迫力」に圧倒されて
身じろぎもせずに聴き入ってしまった。名手ならではの名演と言っても過言ではない。
もうこれだけでも今夜足を運んだ甲斐があったというものだが、休憩後も凄かった。

3は彼女のために作曲された作品。

「ヴァイオリンを独奏する庄司紗矢香の姿は、私にとって「巫女」である。
彼女はヴァイオリンという楽器を自らの内なる声(うた)の延長とし、彼女の
内と外に流れる壮大な宇宙のエネルギーと一体化しようとし、うたう。」
(以上、配布されたパンフレットに掲載された細川俊夫の言葉より引用)

イメージされたのが「巫女」という例えには驚いたが、一心不乱に演奏に打ち込む
彼女の姿からは、なるほどそんな風にもとれるなと思った。
作品自体も技巧を凝らした不思議な作品だった。イントロは尺八でも鳴っているのか、
と思ったくらいで、ヴァイオリンでこんな音まで出せるのか、と驚きの連続だった。
苦手な現代音楽ではあるが、飽きずに聴かせられたのは彼女の力量の賜だろう。
興味深い作品だった。

最後に4が演奏されたが、当夜はこの有名曲目当ての方も多かったのではなかろうか。
(正直に言いますが、小生はそのひとりです、ハイ。)
なにしろ名手の手による「シャコンヌ」である。期待するなというのが無理というもの。

3の後なのに、休憩もほとんど取らずにステージに登場すると、
なんと譜面台を横にどけて一見無造作に暗譜で弾き始めた。
しかもいささかの迷いや弛緩もなく曲は進む。
「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」
楽章間はほとんど間を置かずに次々と弾いていき、「ジーグ」から
さらに短い一瞬の間をとり、「シャコンヌ」へ。
作品の持つ精神的な深さと同時に「祈り」さえも感じられたが、
彼女の「巫女」としての機能が見事に開花していたからではないか。名演。

終曲まで客席からは不快な異音も目立たず、最後まで期待できるかなと思ったら、
やはりというか、無粋なフライング拍手があり、ぶちこわし(怒)。
あの時ほとんど音は消えかかっていたが、まだ弓がヴァイオリンに触れていたし、
彼女は腕を下ろしきっていなかった。ということは演奏は続いているということだ。
熱烈な拍手よりも自らの内に深い感動が満たされることを確認してからの拍手で
遅すぎることはない。演奏を終えた後の貴重な無音の時間が聴く者の仕上げに
欠かせなかったのに、あの暴力的なフライング拍手で台無しにされたのは残念だった。
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<追記6.2>一部加筆、修正しました。
<追記6.21>
今日は夏至。今年もまだ半ばを過ぎた訳ではないのに気が早い話だとは思うが、
今年を回顧した時に強い印象を与えた演奏会として思い返すことは間違いない。
それほど強烈な衝撃だった。全国でも同じ思いをしている人も少なからずいたのでは
ないかと想像するが、記憶が風化しないうちに備忘録として今回の全国公演の日程を
記しておきたい。

5/26(木)北海道 美深町文化会館COM100
5/27(金)埼玉県 川口市総合文化センターりりあ
5/29(日)神奈川県 神奈川県立音楽堂
5/31(火)北海道 北広島市芸術文化ホール
6/1 (水)愛知県 名古屋電気文化会館
6/4 (土)広島県 広島市JMSアステールプラザ
6/5 (日)島根県 松江市総合文化センター
6/7 (火)東京都 紀尾井ホール



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by capricciosam | 2016-06-01 00:28 | 音楽 | Comments(0)

エマニュエル・パユ&ベルリン・フィルの仲間たち@所沢ミューズ2016

【プログラム】

1 モーツァルト フルート四重奏曲第3番ハ長調
2 モーツァルト フルート四重奏曲第2番ト長調
3 ロッシーニ  フルート四重奏曲イ長調
4 モーツァルト フルート四重奏曲第4番イ長調
5 武満徹    エア
6 モーツァルト フルート四重奏曲第1番ニ長調

朝から2つの展覧会を鑑賞した後、西武線で所沢へ移動。

ベルリン・フィルはサイモン・ラトル指揮で台湾、日本をツアーし
サントリーホールでのベートーヴェン交響曲全曲演奏会を終えたばかり。
その後、メンバーの何人かは日本に滞在して演奏活動を行っていましたが、
所沢では首席フルートのエマニュエル・パユ(以下「パユ」という。)による
モーツァルトフルート四重奏曲全曲演奏会が開催されました。
同曲のCDは何枚か所有していますが、小生のデフォルトはパユ盤。
それだけに、今回はぜひ聴きたかった演奏会でした。


モーツァルトフルート四重奏曲はCDでは1番から4番まで順に収録されるし、
全3楽章から構成されるのが通常だが、今回のプログラムは各々2楽章の
第3番、第2番からはじめ、ロツシーニの作品を終えて休憩に入り、
後半は3楽章で構成される第4番、フルート独奏の武満徹作品そして
代表曲の第1番で終える構成となっていた。
聴き終えてこれは良い配置だったと思う。ナイスプログラミング。
特に、第2番と第3番をあたかもひとつの作品として扱うかのような聴き方ができた
ことは新鮮だった。また、パロディーとして割合軽く扱われがちな第4番もパユの手にかかると
実に楽しい。1番はCDと比べ遜色なく、ライブ録音として発売してもらいたい気分だった。
しかし、モーツァルト以上に印象深かったのは武満徹の「エア」。
ひとつのフルートが奏でる音色の多彩さと魅力的な刺激。名手パユの面目躍如だった。


鳴り止まない拍手に応えてアンコールを1曲。
パユが日本語で「ありがとうございます。」(拍手)
「アンコールは………のフィナーレです。」と言って始まったのが、
(残念ながら………は聞き取れず。)
フルート版は初めて聴きましたが、よく出来ていますね。

ドヴォルザーク弦楽四重奏曲「アメリカ」より第4楽章

初めて訪れたミューズは照明の加減のせいか、割合明るい印象。
正面のパイプオルガンの両脇にはミューズ像が2体配置されていました。
2階ほぼ正面で聴きましたが、音も明瞭で残響も適度でした。
今回3階席は入場を制限していたようです。

<はみだし>
行きはライオンズ電車で向かいましたが、
ついつい自らのビジター応援を思い浮かべてしまいました(苦笑)
帰りは西武球場での西武VSソフトバンクの試合が終わったタイミングと重なり、
都内行き各駅停車はガラガラなものの、選択した急行は激混みでした。
まぁ、これはしかたありません。
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by capricciosam | 2016-05-30 23:57 | 音楽 | Comments(0)

NHK交響楽団第1836回定期演奏会@NHKホール2016

【プログラム】

1 カリンニコフ 交響曲第1番ト短調
2 ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調「田園」

昼の新日本フィル演奏会が終わり、夜のNHK交響楽団(以下「N響」という。)
定期演奏会を聴くため渋谷へ移動する。

NHKホールでは過去にS・スクロヴァチェフスキ指揮のN響定期を聴いているので
今回は2回目となる。座席は3階ほぼ正面。
巨大な多目的ホールだけにこの位置では音は厳しいかなと思ったが、
あに図らんや、よくブレンドされた響きが明瞭に届き、驚いた。
N響の音は力感がありながらも繊細さも持ち合わせ言うことなし。

実は同夜サントリーホールのラザレフ&日フィルのショスタコも選択肢にはあったのだが、
本定期演奏会を選択したのはカリンニコフ第1番が生で聴ける、しかもネーメ・ヤルヴィ
(以下「パパヤルヴィ」と言う。)で、というのが最大の理由。

以前NAXOSのカタログに掲載されていた年間売上げベスト1位だったのが
カリンニコフ交響曲第1番(テオドル・クチャル指揮ウクライナ国立響盤)。
聴いてみたところ素朴な叙情が横溢するこの曲にたちまち虜になったという訳だ。
その後パパヤルヴィ盤も聴き、以来カリンニコフ第1番と言えば
クチャル盤とパパヤルヴィ盤の2枚は欠かせなくなった。
しかし、実演では1回も聴いたことがない状態が続いただけに、今回は干天の慈雨だった。
(あとで当夜演奏されていたN響首席奏者のツイッターで知ったのだが、この曲はN響も
1993年スヴェトラーノフ以来演奏していないらしいということのようだ。
であれば、なおさら希少な機会ということになった訳だ。)

第1楽章から、まるでセッション録音でもしたかのような素晴らしさ(完璧!)。
ライブ盤として発売しても良い仕上がりには感動してしまった。
スヴェトラーノフ&N響ライブ盤(未聴)は有名だが、将来パパヤルヴィ盤もリリース
されたなら、結構高い評価を得られるのではなかろうか。

ベートーヴェン「田園」も膨大なレパートリーを誇るパパヤルヴィにとっては
お手のものなのだろう。N響から見事な音を引き出していたと思う。秀演だった。

当夜はTVカメラが配置されていたので、後日放送されるのだろう。楽しみ。
また、ブラボーを長くのばす(ロングブラボーとでも言うのだろうか)というのを
初めて耳にしたが、パパヤルヴィは耳に手をあてよく聞こえないふり(笑)。
途端にホールのあちこちから(普通の)ブラボーが飛んだ(笑)。

<蛇足>
ヤルヴィ家は指揮者一家としても有名だが、兄のパーヴォ・ヤルヴィは
札幌で2回聴いている。今回父親のネーメ・ヤルヴィを聴いたので、
残る弟を聴けば全員聴いたことになる。当夜の翌々日に
その弟のクリスチャン・ヤルヴィ指揮都響の昼公演を選択できれば
3人とも聴くという少々珍しい体験をすることになったのだが、
帰る日なのでこれはあきらめた。

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by capricciosam | 2016-05-24 23:57 | 音楽 | Comments(0)

新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会@すみだトリフォニーホール2016

【プログラム】

1 モーツァルト 交響曲第38番ニ長調「プラハ」
2 J・S・バッハ ピアノ協奏曲第1番ニ短調
3 シューマン 交響曲第3番変ホ長調「ライン」

東京にある音楽専用ホールではいくつかのホールで演奏を聴いてはいるが、
墨田区錦糸町の「すみだトリフォニーホール」は初めてだった。
新日本フィルハーモニー交響楽団(以下「新日本フィル」という。)が本拠としている
ので、ここで聴くなら新日本フィルでと思っていた。
それだけ今回は良い機会だった。旅の日程の都合上、聴いたのは定期演奏会ではなく
「新クラシックへの扉」という名曲(?)コンサートの昼公演だった。

実はクラシックの演奏会に足を運ぶ前、地元の札響以上に新日本フィルはN響とともに
身近なオケだった。ともに共通するのはTV放送である。
新日本フィルは「オーケストラがやってきた」のレギュラーとして毎回のように出演して、
クラシック入門当時に「オーケストラって凄い!」と思わせてくれたものだ。
実演は東京で以前1回聴いていたので今回で2回目となる。

有力オーケストラひしめく在京オケの中で新日本フィルがどのような評価を得ているのか
まったく知らないのだが、安定したアンサンブルでどの曲も楽々弾きこなしているような
印象が残った。うまいね。また、今春札響から移籍されたオーボエ首席の金子さんが
出演されていればなお良しだったが、これは空振り。仕方ありません。
(入場する時、オケの奏者配置図に奏者名が記された用紙が配布された。
初めて見ましたが、事務局の手間はかかるでしょうが、楽しいアイデアですね。)

指揮者はダンカン・ワード、ソリストはフランチェスコ・トリスターノ。
ともに若く、きっと伸び盛りなのでしょう。
指揮者は1、3を暗譜で振り、かつ1は指揮棒なしだった。
メインとなる3も素晴らしかったが、音楽が活き活きと伸びやかに聞こえたのは1だった。
拍手に応えてアンコールを1曲。

バルトーク ルーマニア民族舞曲。

実はプログラムを見た時、強い興味を引かれたのは2。
「バッハにこんな協奏曲あったっけ」みたいな疑問が湧いたが手がかりはなく、
当日のプログラムでヴァイオリン協奏曲第1番のピアノ版だと判り、
一気に肩の力も抜けた。こういうソロ楽器の置き換え版は
札響定期のブラームスピアノ協奏曲第3番以来2回目となったが、
合奏する時ソロの旋律が弱く、時にはソロがオケの音にかき消されることも多く
あまり楽しめないまま終わったのは残念だった。
2回しか聴いてないので断定することは避けたいが、小生はこういう
「置き換え」型であまり楽しめるタイプではないようだ。
ソリストがアンコールを1曲。

フランチェスコ・トリスターノ ラ・フランシスカーナ

クラシック以外にもウィングを拡げているようで、はじめバッハかと思ったら
ジャズぽくなり、これはこれで楽しい。

落ち着いた色調で統一されたシューボックススタイルの大ホール3階席
ほぼ正面で聴いた。この位置だとホールの空間一杯に音が満たされているとは
あまり感じられず、残響も十分とは思うもののもう少しあればなお良しとの
印象が残った。いずこのホールも同様だろうが、席が違えば印象も異なろう
というものだ。

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<追記5.26>一部加筆、修正しました。


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by capricciosam | 2016-05-23 20:48 | 音楽 | Comments(0)

北海道交響楽団創立35周年記念・第80回演奏会@Kitara2016

【プログラム】 

1 マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活」

マーラーが初めて声楽を導入した作品にして傑作なのだが、ソロ、合唱、オルガン、
バンダと編成も大がかりであるためか、北海道では滅多に演奏されない。
実演に接するのは2007年の札幌交響楽団500回記念定期演奏会以来、ほぼ9年ぶり。
当時札響合唱団が設立されたばかりの頃で、札幌アカデミー合唱団、
札幌放送合唱団との混成合唱団とアルトのビルギット・レンメルトのうまさが
強烈な印象を与えてくれた。
これ以前で聴いたのはさらに15年前のPMFオーケストラ演奏会だから、
毎年演奏される同じ声楽付き交響曲の「第九」と比べても
今回がいかに貴重な機会だったことかがわかる。

「当団では1989年の第16回演奏会以来、2回目の演奏となります。
前回の演奏時は多くの団員の熱意で実現した、まさに記念碑的な演奏だった
と聞いております。四半世紀以上前にも演奏した団員と、その後入団した
多くの団員の情熱を再度結集してこの曲を演奏することが、35周年を記念する
にふさわしいと考え今回再演の運びとなりました。」
(以上、プログラムより引用、原文のまま)

「北海道内最大級のアマチュアオーケストラ(以上、プログラムより引用)」
らしくステージ狭しとばかりにオーケストラが展開する様は壮観で、団員も
老壮青が音楽を楽しんできたことが伺える。実は本オーケストラとは、約15年前に
「第九」の合唱団の一員として共演したことがあったが、指揮者の川越守さんが
足元がやや覚束なげになられたことに時の流れを感じてしまった。しかし、約80分の
長大な作品を立ったまましっかりと指揮しておられたことには驚いた。
演奏は以前聴いた印象と変わらないが、響きが薄かったり、不調なパートはあった
ものの、巧拙は抜きにして楽員の意気込みが伝わるような演奏は
総じて聴き応えがあった。特に、第3楽章以降はソロ、合唱一体となって
熱を帯びていき、最後の輝かしい頂点を築いていた。
あそこは一瞬アマオケであることを忘れさせる程で、鳥肌ものだった。
特に、「復活」を歌う会の合唱は混成チームとは思えぬ出来だったと思う。

入場を制限されたCブロックと合唱団のPブロック以外は空席も目立たず、
客席から盛んな拍手が送られていた。
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<追記5.9>一部修正、追記しました。



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by capricciosam | 2016-05-08 06:33 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第588回定期演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 プロコフィエフ 交響曲第1番ニ長調「古典」
2 チャイコフスキー ロココの主題による変奏曲(原典版)
3 ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調

ドミトリー・キタエンコ(以下「キタエンコ」という。)は2006年、2013年の
定期演奏会に登場しているが、あいにく聴いていないので今回初めて聴く
ことになった。

1は小気味よい切れのある音楽にまとめられており、キタエンコさんの手腕の
確かさを感じさせる。

2ではルツェルン祝祭管弦楽団のソロチェリストのイェンス=ペーター・マインツ
が登場。普段耳にするフィッツェンハーゲン版ではなく、原典版が演奏される。
確かに耳慣れぬ部分はあったが、さほど違和感なく、達者なソロに聴き入っていた。
ブラボーと盛んな拍手に応えアンコールを。

J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番より「サラバンド」

余談だが、ソリストがアンコールをせずに引き上げようとすると、ステージに
立っていたキタエンコさんがジェスチァーで弾くまねをして、気がついて戻って
アンコールとなった。これには会場から笑いも。

3は滔々と流れる大きなうねりの中に身を任せているかのような思いに捕らわれる
のだが、その豊かな抒情に浸る至福感は例えようがない。

「息の長い旋律が展開され、大きな感情のうねりをもちながら、循環主題の手法で
全体の統一がはかられている。周到で執拗な主題の扱いは彼の真骨頂。」
(以上、会場配布資料より引用)

チラシによれば3はキタエンコさんの強い希望であったらしい。3について札響は
過去18回演奏し、うち13回は尾高名誉音楽監督が指揮したとのことだが、
札響ではこの曲は尾高さんとともにあったと言ってもよいのだろう。
小生は2005年定期、2010年定期、2015年名曲と3回聴いている。
(録音が残されているとは思うのだが、CDとしては発売されていないのが残念な点。)
きめ細やかにかつしっとりと曲を仕上げた印象の残る尾高さんに比べ、
キタエンコさんは各パートを明瞭にさせ、もっとオーケストラのダイナミクスを
積極的に引きだそうとしたような感じがした。それはオーケストラの自発性を
刺激しているのだろうが、クラリネットはじめ各パート首席が交互にソロをとる
第3楽章を圧倒的に聴かせたことが証左になるのではなかろうか。
楽章を追うごとにオケは一体感を増していき、圧倒的なフィナーレに
ブラボーがあちこちから飛んだ。

昼公演。空席がやや目立ち、客入は8~9割程度か。
オーボエ新首席関美矢子さんが定期演奏会にデビューしました。
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by capricciosam | 2016-04-09 22:33 | 音楽 | Comments(0)

塚越慎子&沓野勢津子マリンバデュオリサイタル@Kitara2016

【プログラム】

1 M.シュミット 2-Gather
2 ドビュッシー(山口真由子編曲) アラベスク第1番
3 L.H.スティーヴンス リズミック・カプリス (塚越慎子ソロ)
4 安部圭子 山をわたる風の詩~2台のマリンバのための~
5 ラヴェル(M.レス&サフリデュオ編曲) 道化師の朝の歌
6 M.フォード アフタ・ステューバ! ※
7 P.チェン エチュード ニ長調 (沓野勢津子ソロ)
8 A.ピアソラ タンゴ組曲
※トリオ(賛助出演:石川千華) 記載のないものは塚越慎子&沓野勢津子によるデュオ

打楽器だけの演奏会は、以前アマチュアのアンサンブル演奏会にでかけたことがあるが
(その時の記事はこちら)、あの時はマリンバ以外にもドラム、コンガ、カスタネット等
と様々な打楽器による見事なアンサンブルで実に楽しいひと時だった。
今回はマリンバだけなのだが、塚越さんはTVで拝見したことがあるし、沓野さんは
札響定期演奏会には時々客演しているので興味が湧いた。また、演奏されるお二人は
「マリンバ界新世代トップランナー2人」(宣伝用チラシから引用)
とのことなので、楽しいひと時が期待できそうだと足を運んだ。

「人類が最初に始めた音楽は「打楽器」です。ものを打ってリズムを生み出すということ
が音楽になり、さらに、音程の違う木を並べて打ち始めました。これがマリンバの始まり
です。音程楽器でもありながら打楽器でもあるマリンバ。さらに、今や一般的な「4本バチ
奏法」で、片手に2本ずつマレット(マリンバのバチ)を持つことによって、和音を作ること
もできます。打楽器でありながら音楽の3本柱である「メロディ」「和声」「リズム」全て
を5オクターブ半もの音域で生み出すことができるステキな楽器なのです!」
(以上、宣伝用チラシから引用)

結構歴史は古いと思っていたのですが、3のソロを終えた塚越さんがMCで
「マリンバの歴史は浅いので、演奏者含めてこの楽器の可能性を追求しているんです。」
とおっしゃったのには少し驚きました。恐らく我々が目にする現在の姿に固定されてから
の歴史を指してると思うので、そうなら他の楽器同様の変遷を経てきたということですね。

ところで、その3は腰をかがめた中腰姿勢《塚越さんは、「絶対横からは見られたくない!」
とおっしゃっていました(笑)》でマレットの柄で鍵盤を打つことで「これがマリンバ?」と
思うような味わいが生み出され、かつリズミカルでシーンが目まぐるしく変化する。
今夜一番の聴きものでした。早くもブラボーが。気持ちは判りますね。

休憩後の6では一台のマリンバを賛助出演の方を加えた3人で演奏するのですが、
3人の立ち位置がめまぐるしく変わり、おまけにコント風も入り、見ていても楽しい。
しかし、12本のマレットがあれだけ激しく動くのに事故もなく、かつ見事な響きが
生み出されたのですから、見事なもんです。
(ただ既視感にも襲われたので調べてみると、先ほどのアマチュア打楽器アンサンブルでも
同様の作品を演奏しておりました。配布された資料から今夜演奏されたのは、彼らが演奏
した作品の続編のようです。)

プログラム最後の8はお二人の集中力と渾身の力が凝集された演奏に会場の集中力も
高まりました。第1番ではお二人の間に置かれた箱を塚越さんがマレットの柄で叩くと、
乾いたリズムがピアソラの世界に誘います。密やかな第2番を経て、第3番では
沓野さんが箱を叩き、激しいリズムが交錯してクライマックスを迎えます。ブラボー!!

ソロ2曲、デュオ5曲、トリオ1曲で構成されたプログラムは聴かせどころも多く、
実に充実したひと時でした。
アンコールはトリオで「花は咲く」。当日は3.11ですからね。沁みました。
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by capricciosam | 2016-03-11 22:39 | 音楽 | Comments(0)