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Smooth Jazz②

このアルバムは耳にスーッとはいってくるジャズをコンセプトに
したらしいのですが、「えっ、これもジャズなの!?」なんて思う
曲も入っていて、楽しいし、おもしろいです。

そのうち一枚目の7番目にはルイ・アームストロングの歌う
「We Have All The Time In The World」
があります。
サッチモの粘りに粘ったウォーミィな声とバックのストリングスの
実に甘美なメロディが効果的な、実に魅力的な一曲です。
この曲、実は旧い映画の挿入歌なんですが、おわかりになりますか?
わかったら結構、その映画のファンか映画通だと思います。




答えは「女王陛下の007」です。
007シリーズの第6作として1969年に制作されました。
5作目まで主演したショーン・コネリーがボンド役に固定されるのを
嫌って降板したため、ほとんど無名のジョージ・レーゼンビーが
主役に抜擢された作品です。
しかし、演技はいまいちで、スタッフとのトラブルもあったようで、
結局、彼はこのシリーズはこれ一作となってしまいました。
興行的にはどうだったのか知りませんが、
私にとっては結構お気に入りの作品です。
と言うのは、ボンドが恋に落ちて、唯一結婚するという展開がある
シリーズ中では極めて珍しい「純愛映画」になっている点なんです。
ボンドとトレイシーの幸せな様子は、アクション映画であることを
一瞬忘れさせるのですが、突然訪れる幕切れが観る者の言葉を
奪います。これ以上書くとネタバレなのでやめます。
最近の007シリーズしかご覧になっていない方で興味のある方は
機会があれば、一度ご覧になってみてください。
享楽的じゃない007も又良いものですよ。

原作者のフレミングの死後も原作が書き継がれ、映画は
次のボンド役も決まり、来年には「カジノロワイヤル」の
リメイク版が公開されるようです。
ボンドは不死身ですね。

■敵のアジトは山頂の研究所になっていたと思いますが、
ロケ地はスイスの観光名所なんですね。

■写真のCDはシリーズ30周年記念のものです
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by capricciosam | 2005-12-26 23:22 | 音楽 | Comments(4)

暗くなるまで待って@DVD

久しぶりにDVDを観ました。
オードリー・ヘップバーンが盲目の主婦を演じるという
意表を突いた設定での、犯罪まきこまれ型のスリル&サスペンス
です。かなり前にTVで観たものの、ストーリーはさっぱり
覚えていないので、「観なおし」です。

主なセットはヘップバーンの自宅アパート。
ほんとに限られたシチュエーションしかありません。
それをセリフと推理で、最初は犯人の視点で、途中の
後半からオードリーの視点で(といっても見える訳ではありませんが)
巧みに場が盛り上がっていきます。ラスト近くは息をもつかせぬ
シーンの連続で、観ているこちらもハラハラドキドキです。
主犯役がその恐怖度を段々増幅していく様はなかなかです。
「よくできている」
原作はもともと舞台劇だったとかで、映画化はその後らしい
のですが、道理で限られた場面やセリフによりストーリーを
組み立てていく構成であることが納得できます。
小道具となる冷蔵庫の伏線は見事でした。
これは原作のF・ノットの力に負うところ、大なのかもしれません。
ただ、H・マンシーニの音楽がさっぱり魅力がないのは、
どうしたことか。同じヘップバーン主演の「シャレード」で示した
ような冴えが見られません。
でも、それを割り引いても十分楽しめる映画でした。

それにつけてもこれが新品なのに690円!?で売られていた
のですから驚きです。見つけた時は我が目を疑いました。
消費者の立場としては歓迎ですが、DVDソフトでも
価格下落は急激のようで、製造販売する側は大変ですね。
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by capricciosam | 2005-11-23 21:42 | 映画 | Comments(0)

スウィング・ガールズ@TV

「ジャズやるべ」

この一言のなんと効果的なことか。
こりゃあ、うまい惹句だなぁ、と公開当時感心しながらも、
ついつい見逃していた、気になる映画でした。
(同じ監督の「ウォーターボーイズ」はすぐ観たんですがね)

とうとう今夜のTV放映で初めて観ることができました。
筋立てはおもしろいのですが、作劇としては少々端折りすぎ
というか都合の良すぎる部分もあり、つい粗が目に付くのは
前作同様と言うか、前作以上です。
例えば中心メンバーの練習の様子や彼らだけでとり組む過程
をほとんど見せないのに、いつの間にかとてもうまくなっている。
おまけに一端脱退したメンバーがスーパーの客寄せで演奏
している中心メンバーを見て、慌てて楽器を購入して、おまけに
彼らの背後でいっしょに演奏に参加するなんて、どう考えても
都合が良すぎる。
練習もしていないはずなのに、楽器ってそんな簡単なもの
なのでしょうか。簡単に音が出るものなのかな。
実際、楽器を手にしている人たちからみたら、都合良すぎる、
とひとこと言いたい部分ではないかな。
ドキュメンタリーではないので丹念に追う必要はないとは思う
のですが、その辺のシーンのくふうがあればもっとスムーズに
楽しめるのでは、とついつい思ってしまいました。

しかしながら、いくつかの目に付く点はあるものの、見終わった
印象はわくわくしたり、楽しかったりで、結局よい印象が残りました。
これは、魅力あるスウィングジャズ自体を取り上げたこと、しかも
それを制服姿の女子高生にやらせるという着想のおもしろさ、
それから楽器を弾けたら、という大方の潜在意識にある「願望」
をくすぐったことが、うまくミックスされていたせいなのかな、
と思いました。

私自身はジャズは割と好きな方ですが、どういう訳か、
ビックバンドジャズはほとんど縁がありません。
(もちろん聴くだけですが)
しかし、今宵は、映画でも彼女たちの演奏のメインとなる
「SING SING SING」
を聴いてから寝ることにしましょう。夢の中でも
「SWING SWING SWING」
できたらいいですね。
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by capricciosam | 2005-11-06 00:44 | 映画 | Comments(15)

蝉しぐれ@映画

映画には文学作品が原作の場合もある。
この作品も原作は故藤沢周平氏の代表作として有名である。
原作の一節に、おふくの言葉でこうある。

「…きっとこういうふうに終わるのですね。
 この世に悔いを持たぬ人などいないでしょうから。…」

相思相愛でありながら理不尽な力で思いを成就できずに、
それぞれ青年として成長していく。その中での葛藤、苦悩、
挫折、それを乗り越える力強さを縦糸に、藩内の陰謀を
横糸に、この原作は見事なまでの清々しさと懐かしさで
描ききっている。

そういう意味ではこの作品は魅力的な反面、映画化の
ハードルは結構高くならざるを得ない。原作を超える感動を
与える作品を作り出す制作者の努力は大変なものがあるだろう。
その点、本作品は原作のあらすじを追いながらも、原作の
枝葉は適度に払って物語としてよく整理してあった、と思う。
特に、父の死体を乗せた荷車を引く文四郎が坂で立ち往生
していると、陽炎の中からふくが坂道を駆け下りてきて
助ける場面は、原作をうまくデフォルメして、二人の心の結び
つきを強く暗示させ、観客をよく引き込むことに成功している。
また、十代と成年になった文四郎とふくの役者たち4名も
健闘していた、と評価したい。私は市川染五郎も木村佳乃も
及第点だと思うのだが、いっしよに観たかみさんはTVドラマの
印象が良かったらしく、内野聖陽と水野真紀に抱いた好印象が
逆転するまではいかなかったようだ。
私はこのドラマは一度も観ていないのでなんとも言いようがないが、
そう言えば、原作以外にもテレビとの云々もあり得るんでしょうね。

しかし、こういう良い点はあるものの、何故か観終わった後には
仕上がり具合の印象がやや散漫な感じを受けるのが惜しまれる。
例えば、所々挿入される四季の風景は良いのだが、やや乱用
気味なことと、なかでも「海」のカットが違和感を与えるのだ。
江戸に発つ前に文四郎に会えなかったおふくや成人した文四郎
の背景に使われるだけに象徴的なものなのだろうが。
突如として原作でも描写の場面がない「海」が挿入されるが、
実に唐突な感じで、流れを止め、雰囲気的には異質な感じ。
原作の「海」坂藩にこだわりすぎたのか。
また、重要な脇役の逸平と与之助が少々すべり気味なのは残念。

とは言っても、デティールにこだわらなければ、原作を読む読まない
にかかわらず、それなりに楽しめる映画だと思いました。

写真は文庫版(文春文庫)
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by capricciosam | 2005-10-01 19:16 | 映画 | Comments(5)

ドライブ日和

彼岸のお参りで母を連れてお寺に足を運びました。
抜けるような青空に、時折吹く風の心地よいこと。
お寺まではちょいとしたドライブになるので、さて何を聴こうかな、
と考えていたら、ふと「サウンド・オブ・ミュージック」の冒頭の
アルプスの美しい風景と小高い丘の上で、
主役のジュリー・アンドリュースが気持ち良さそうに歌う
The hills are alive with the sound of music…
が、聴きたくなって、今日のお供はこれに決まり。
高原にでもいるかのような心地よさが連想させたのでしょう。
しかし、この映画は名曲の宝庫ですね。
「サウンド・オブ・ミュージック」と言えば、この映画を監督した
R・ワイズ氏が91歳で先頃亡くなったのでしたね。
これ以外にも「ウエスト・サイド物語」も監督していたことが紹介
されていましたが、ミュージカル映画の古典的名作を2本も
監督していたとは、うかつにも知りませんでした。
どちらかひとつでもスゴイのに、ふたつもなんて。
一生の誇りだったのではないでしょうか。
映画館通いをしていた若い頃はもうすでに過去の作品となって
いて、映画館で観ることはかないませんでしたが、最近DVDで
手に入れて気軽に観ることが出来るようになりました。
でも、この作品はやはり巨大なスクリーンで堪能したい気持ちが
残ります。
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by capricciosam | 2005-09-25 18:41 | 音楽 | Comments(4)

遅ればせながらSWⅢ@映画

お盆休みを利用してようやくスターウォーズⅢを観てきました。
シリーズ初公開時からのファンとしては、ラストとなる今作品は
やはり映画館で見納めしておきたかったところです。
シネコンでは依然座席指定なので、当然混雑しているんだろうな、
と思ってでかけたのですが、私が観たときは90%以上の空席で、
ガラガラ。これは意外でした。
ロングランもそろそろお終いなんでしょうね。

の公開前から全体のストーリーができていたらしいのですが、
今回主要キャラクターで、エピソードとしてでてこないのは
ハン・ソロぐらいでしょうか。
なるほど、各エピソードがうまくⅣとつながっていますね。
アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーに変貌を
とげていくという、決して明るいストーリー展開ではないことは、
十分わかってはいるのですが、「こわいものみたさ」で観てしまう、
見せてしまうウマサは十分感じられました。
ただシスの暗黒卿による伏線があったにせよ、内面的に決定的
変貌をとげてしまう場面には少々の強引さと無理を感じました。
そんな暗い展開の中でヨーダの存在感にはほっとするんですが、
Ⅴでマペットを使って実写していた頃と比べると隔世の感があります。
まるで実在しているかのようで、CGの発達ぶりが見事です。
しかし、シリーズ公開から30年ちかくですから、いくら熱狂的な
ファンがいるにせよ、彼らを公開の都度満足させてしまう
G・ルーカスの並々ならぬ仕事師ぶりにはやはり脱帽です。

おまけ
エンドクレジットをみていたら「UK shoot」というように「shoot」で
表現されているものがありました。
帰って英和辞典で調べてみると、「(写真)撮影」という意味が
載っていました。
UK、スイス、タイ、中国、チュニジア等々。
世界各地で撮っているんですね。
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by capricciosam | 2005-08-17 00:50 | 映画 | Comments(2)

Shall we ダンス?@TV

◆ オリジナルの出来がいいんだね

  昨夜、地上波で放送されたオリジナルを観た
  あらすじと主な配役の設定はほぼ同じながら、
  オリジナルとリメイクの差異もあちこちのブログで
  指摘されているようにないわけではない
  なかでも主人公夫婦の和解の描き方
  
  オリジナルでは子供が二人の手を取ってからダンスをする
  子はかすがい、しかも職場に遠いローンのある一戸建てで
  日本人には実にしっくりくるシチューエーション
  一方リメイクでは、子供は仲をとりもったりはせずに、
  主人公がひとり決心してバラを手にしたタキシード姿で
  妻の職場のデパートに現れてダンスする
  ありえない、と思いつつも、強く惹かれる
  ちょっとした勇気がいることって、できない人にとっては
  一種のあこがれになるためか
  何れも夫婦の間はしっとりと描かれてはいるが、
  オリジナルはもっと多湿な感じの「しっとり」
  リメイクはもっとからっと、さらっと
  これは、善し悪しではなく好みの問題だなぁ、と思い至った
  
  それにしても嗜好の分かれる点を別にすれば、
  オリジナルの作品そのものの完成度が高いことを改めて感じる
  こういう人を信じられる、心温まる映画ってのは
  いつの時もいいもんだ、と思う  
   
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by capricciosam | 2005-05-07 22:36 | 映画 | Comments(19)

Shall we Dance?@映画

◆ 成功したリメイク

  ダンスしますか?
  
  せいぜいフォークダンスぐらいかな、
  そう言えばディスコ(死語)、盆踊りもあったか、
  いや、そうじゃなくて、二人で手を取り合って踊ることだよ、
  スナックで女の子とチークダンスってのもあったよなぁ~
  ふぅ…
  まじめな話、振り返ってみても、
  うん十年前のフォークダンス経験でおしまいか、トホ
  
  別に個人的な乏しい体験がすべてと思う程傲慢ではないが、
  日本人の人生や日常で、映画でとりあげているような「ダンス」
  というのは普遍性が乏しい経験のひとつだろう
  だからこそ、日本版の主人公が含羞に満ちながら、突如ダンスに
  目覚めていくというのは、「おいおいどうなるんだ?」という興味
  本位なワクワク感とともに観客を巻き込んでいったのだと思う、
  自分じゃありえないことに踏み込もうとするんだから、当然か
  周防監督の着眼のうまさだ
  
  その点、今度の主人公が「高校の卒業パーティー以来かな」と
  口にするのを聞くと、やはり生きてるベースが違うんだなぁ、と
  改めて思ってしまった
  じゃあ、今度の主人公には含羞はまったくないのか、
  というとそうではない
  程度、中身の差はあれど、同じように通勤電車から窓外に
  目をやる彼の目には生気は感じられない
  現状に飽き、なんらときめきを感じない生活
  そして、そこから一歩踏み出ようとするとまどい、はじらい、勇気
  その置かれたシチュエーションは異なっているが、スタートは同じ  
  
  草刈民代とジェニファー・ロペス
  二人のヒロインのキャラの違いもおもしろい
  竹中直人&渡邊えり子と同様の配役も怪演ぶりでは
  日本版が上か、でもこんどの二人もなかなかウマイ
  全体に日本版をうまくブラッシュアップしてより洗練した、という
  感想を抱いたが、オリジナル同様十分楽しめた
  上映中も会場内には笑いが絶えなかった
  コメディタッチってのはいいもんだ、とつくづく思う

  これは中年以上のカップルには特にお薦め
  シネコンを出ようとする時、かみさんがいたずらっぽい目で
  「お父さん、こんどはダンスやろうと思っているんでしょう?」  
  と心中を見透かしたようなことをのたまった
  内心ダンスもいいなぁ、と心は傾いていたけれど、
  ほんとはリチード・ギアのようにバラを手にタキシード姿で現れたい
  (これはオリジナルにはない秀逸な演出、賛否は分かれる
  だろうが…)
  というのが本心で、さすがここまでは言えず、とっさに
  「それも、悪かぁないねぇ」と答えてしまった
  でも、心ウキウキになっていたのは間違いない

  おまけ:エンドクレジットを余韻に浸って観ていたら
       流れた音楽がディビット・ボウイの「レッツ・ダンス」
       女性がカバーしていたが、しゃれてるねぇ
  
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by capricciosam | 2005-05-03 08:52 | 映画 | Comments(25)

ローレライ@試写会

◆ しかけはおもしろいんだけどねぇ

  めずらしく試写会が当たり、でかけてみた。
  
  敗戦の8月に第三の原爆が東京に投下されるのを阻止する
  ために秘密兵器「ローレライ」を乗せた潜水艦伊507号は
  太平洋を南下する…
  
  さすが福井晴敏らしくおもしろい着想だし、最初から映画を
  意識して書き下ろしたというだけに、期待度は高かった。
  しかし、作品としての出来映えは感心しなかった。
  気になった点を挙げてみると、
  ①CGがお粗末、主たる場面がCGなのだから、この出来が
   作品の印象を左右する恐れ大なのに、波からしてちゃち
   日本の技術力はもつと高いと思うのだが…
  ②主たる脇役以外の脇役の演技力のなさ
   泣きながら涙がでてこない、なんてイロハができていない?  
  ③主たる配役の内面のゆれの描写不足
  ④敗戦濃厚の時の切迫感が映像からは伝わってこない
   さすが軍人だってもう少し焦燥感があるんじゃないか
   
  特に、食糧にも事欠くような戦時下で、平気で色艶の良い兵隊
  がでてくること自体、監督以下変だと思わないんだろうか。
  戦中の潜水艦を描いた名作としてはドイツの「Uボート」(2作ある
  ようだが、一作目の、ようやく帰還したと思ったら、たった一機の
  敵機にやられて艦長以外死んでしまう作品の方です)が私の
  スタンダードなのだが、これにでてくる兵士のやつれた表情は
  リアリティがあり、いつの間にか自分も乗艦しているような気が
  したものだった。
  これに比べると、作品に引き込まれていく感じは少なく、時間
  が経つにつれて、段々醒めて観ている自分を感じてしまった。
  残念ながら少々期待ハズレと言わざるをえない。
  まあ、福井ファンは出来とは関係なく楽しめるのでしょうが…
  
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by capricciosam | 2005-02-24 23:58 | 映画 | Comments(1)

オペラ座の怪人@映画

◆ せつないなぁ、怪人はいずこへ…
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  怪人が失踪して数十年が経ったオペラ座の公開オークション。
  そこで年老いたラウルはかつて怪人が愛でていたオルゴールを
  手に入れ、今は故人となった妻のクリスティーヌの墓を訪ねる。
  その墓地はかつてラウルが怪人と決闘したところ。
  墓にオルゴールをたむけようとすると、そこには黒色のリボン
  を結んだ一輪のバラが…

  全体としては、かつて観た劇団四季の構成とほぼ同じながら、
  このラストは映画版ならではの演出。
  このシーンで、怪人のクリスティーヌへの思いの深さを改めて知り、
  かつまだ生きていたのかと思わせられ、観客は思わずイスに
  座り直すことに。
  さらに、ステージと異なる演出は仮面舞踏会。
  舞踏会はろうそくによる照明らしく全体が黄色い明るさに
  包まれている。
  そこに、登場する男女は白黒のモノトーンのような衣装、小道具
  で統一され、赤い衣装の怪人が登場する不気味さを一層
  引き立たせている。
  この点、劇団四季の演出はまったく逆で、この場面が一番色彩に
  あふれ、怪人もこの色彩に同化した中で登場する。
  コントラストが大きい分、観客の感情の振れ幅も大きくなる、
  というものか。この場面の演出は映画にうまさを感じる。
  
  しかし、冒頭のシャンデリアから時代が遡る演出や、地底湖の中を
  怪人がクリスティーヌを連れて船を操る幻想的なシーンは四季版に
  うまさを感じるのだが、映画ならではの演出も随所にある。
  特に、バラ。
  劇場版でも重要な役割だったのだろうが、印象が薄い。
  この点、映画ではクローズアップを多様して怪人の思いを表す
  象徴的な役割を効果的に果たしているように感じた。
  展開のメリハリとかスムーズさは四季版に一日の長がある、
  と思うが、出来としては結構互角に近いか。
 
  でも、なんといってもA・ロイド・ウェーバーの「音楽」。
  映画では少々ロマン派風のアレンジだったが、それでも曲本来の
  力はいささかも損なわれることなく観る者の胸に迫ってくる。
  「オペラ座の怪人」と言えば、A・ロイド・ウェーバーというくらい、
  原作者以上の結びつきになっているのは、この魅力的な曲に
  よるのだろう。これは映画でも変わらない。
    
  でも、せつないなぁ。怪人の思いを想像すると…
  もちろんせつなさが怪人の境遇に由来するところもあるのだが、
  ・恋をする
  ・人を好きになる
  これを経験した人にこそ、この作品の良さがしみじみとわかるん
  じゃないのか、とこの作品に触れるたび思っててしまうのは、
  私だけだろうか。
  きちんとツボを押さえて上質な作品に仕上げてあるのは、
  好感が持てる。

  なんてことを観ながら思い浮かべて、ふと隣に座ったかみさんの
  横顔をみる。真剣にスクリーンに魅入っている。
  終わって感想を聞いてみると、かみさんも満足だったようで、
  いっときイイ時間を共有できたようだ。
  
  ところで、パンフレット写真にひとつ明らかな間違いがある。
  答えはすぐにみつかると思うが、気になる方は映画館に
  足を運んでみてはどうか。

  追:サーバー不調により画像がアップできないので、写真は後で。
  
  追追:ようやく復旧できたようです。やれやれ。
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by capricciosam | 2005-02-02 19:36 | 映画 | Comments(0)