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札幌交響楽団第580回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 フンメル 序奏、主題と変奏ヘ長調op.102
2 シューベルト アンダンテ ロ短調D.936A(ローランド・モーゼル編)
3 シューベルト 交響曲第7番ロ短調D.759「未完成」
4 バルトーク 管弦楽のための協奏曲

2015-16シーズンの定期演奏会も興味深いラインナップですが、
中でも9月は注目していた月のひとつ。
著名なオーボエ奏者のハインツ・ホリガー(以下、「ホリガー」という。)さんが指揮者
として登場するというのだ。ホリガーさんが国内の在京オケを指揮されている評判は
耳にしていたが、まさかホリガーさん程の人が、と半信半疑だっただけに、
実際に聴くことができる絶好の機会となったのは喜ばしい限りだった。

1でステージ下手からオーボエを手にして入場する足取りの軽やかなこと。
オケを背にしてオーボエを吹きながらところどころ指揮をする、という「吹き振り」
だったが、最初から安定した音量で朗朗と吹く姿は到底御歳76歳とは思えない。
札響も見事なアンサンブルで応え、これだけでも足を運んだ甲斐があるというもの。

吹き振りは1だけで、2以降は指揮に専念。
2はシューベルトの未完に終わった三楽章形式の交響曲の一楽章を、
現代スイスの作曲家が編曲したものだが、2の終結部で弦楽器の各トップが
かけあいながら演奏が停止した瞬間に続けて3の冒頭の低弦部に入っていった。
あたかも未完成の長い前奏のような位置付けのように思われた。
ホリガーさんはテンポを守った、オーソドックスな指揮で、
3では1楽章から2楽章もほぼアタッカ状態で名曲を仕上げていた。
何やら2と3を一環したひとつの作品として提示されたような思いで受け止めたが、
不思議な余韻が残った。「こういうのもありか~」

4は札響の演奏回数も13回と少ないが、小生も実演は初めてだった。
この作品は「オーケストラの各楽器を独奏者のように扱って、色彩感に富み、
生への肯定に向かう生命力を歌い上げている。」(以上、配布された資料より引用)
とあるように、オケの力量も問われる。ホリガーさんは全身を駆使した、とても
メリハリのある指揮で牽引したが、札響もよくこれに応えて見事な演奏だった。
この曲もCDより実演のほうが数段楽しめる曲だとわかったのは収穫だった。

ホリガーさんの指揮は「名手の余技」という範囲でとどまらない、至極まっとうなもので
オーケストラのドライブも堂に入ったものでした。しかも、楽章間も汗ふきの間も
とることなく、ほとんどアタッカ状態で飄々と指揮をされる姿の若々しいこと!?
また機会があれば、他の作品で聴いてみたいものです。
それから、ホリガーさんは一曲ごとにオケに向かって拍手して健闘を称えるのですが、
終演後は札響の皆さんがホリガーさんに盛大に拍手をして指揮者を称えていました。
こんなにオケから賞賛される指揮者は久しぶりに見ました。

録音されていましたが、放送用でしょうか。
昼公演。客入りは8~9割か。
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by capricciosam | 2015-09-05 22:56 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第579回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 シューマン 交響曲第4番ニ長調
2 メンデルスゾーン 交響曲第2番変ロ長調「讃歌」‥札響初演

マックス・ポンマーさんが札響と初共演したのは2013年11月定期演奏会で
その時取り上げた交響曲はシューマンの2番。あいにく聴いていないのですが、
オケに大層好評だったそうで、これが縁で首席指揮者就任に至ったようです。

そして今回はシューマンの4番を取り上げたという訳ですが、シューマンを連続して
取り上げるのは「ライプチッヒ」がキーワードとなるようです。

「私はライプツィヒに生まれ、ライプツィヒに育った(略)バッハ、シューマン、
メンデルスゾーンといった大作曲家がライプツィヒに暮らし、彼らの住居も
そこに現存しています。」(以上、演奏会パンフレットより引用)

大柄な身体から繰り出す指揮ぶりは決して派手ではないが、かといって地味で
退屈だというのでもない。指揮棒から紡ぎだす音楽は至極まっとうです。
きちんと要所を締めて演奏を高めていく確かな手腕を感じました。
その点では安心して聴けたのですが、だからといってグッと惹かれたという訳でも
ありませんでした。小生の中では可もなく不可もなくという感じです。
(シューマンの交響曲の中では一番よく聴くので辛めになりました。)

しかし、2では開始早々の第1部シンフォニアの熱さに、リラックスしていた
身体を起こしてしまい、とうとう第2部の最後まで身じろぎもせずに聴いて
しまいました。1を経たのでこれは想定外。感動もひとしおでした。
まず、メンデルスゾーンの5つの交響曲でも声楽付きの長大なこの曲は、
はじめて聴いたのですが、メンデルスゾーンらしい旋律が断片的に現れ、
耳になじみやすいという側面ももちろんあります。
そして、札響もトロンボーン等の金管楽器はじめ全セクションが健闘していた
ことも間違いありません。しかし、何よりも驚いたのは札響合唱団と独唱陣。
特に合唱団は相当な練習量と質を確保したのではないかと思われる良い出来映え。
拍手もひときわ大きかったように感じました。
また3名の北海道ゆかりのソリストも粒揃いで申し分なし。記して敬意を表したい。

ソプラノ 針生美智子
ソプラノ 安藤赴美子
テノール 櫻田亮

そして何よりもこれらをまとめ上げたポンマーさんの手腕の見事なこと。
この曲で改めて、ポンマーさんの実力の一端を知らされた思いです。
「讃歌」は札響側からの提案だったとポンマーさんがパンフレットに書かれていますが、
これはナイスな企画でした。札響にもアッパレをあげたい気分です。

首席指揮者就任記念演奏会も無事終わり、これから3年間で札響をより良い方向へ
発展させていってもらいたいのですが、エリシュカさんに加え、ポンマーさんという
聴く楽しみが札響に増えたのは何よりです。
今回は録音されてCD化されるので、ひょっとしたらメンデルスゾーン作品も継続して
取り上げるのかなという淡い期待もあるのですが、エリシュカさんが一連の
ドヴォルジャーク作品を取り上げて録音したような企画が
ポンマーさんにもあることを期待したいと思います。

昼公演。8~9割の入りか。
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by capricciosam | 2015-07-11 19:41 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第578回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 ベートーヴェン 交響曲第4番変ホ長調
2 ブラームス 交響曲第4番ホ短調

2月以来休館していたKitaraも6月17日に再開。再開当日のタリス・スコラーズは
完売する賑わいだったようですが、小生の再開第一弾は札響定期となりました。

ドヴォルジャークを終えたエリシュカさんが、現在札響と取り組んでいるのが
チャイコフスキーとブラームス。中でも、ブラームスは1回目の3番に驚愕し、
2回目の2番でチクルスの完成を渇望する程の素晴らしさ。
そこで今回の4番であるが、御歳84歳とは思えぬ、きびきびした指揮から紡ぎだされる
音楽の躍動たるや、今まさに音楽が誕生したばかりのようなフレッシュさだ。
エリシュカさんは、決して奇を衒うような派手さはなく、むしろ音楽を忠実に再現しよう
とするかのような献身を感じるのだが、その方向性が、4番にまとわりつく手垢を
きれいにぬぐい去る効果を生み出すのかもしれない。仮にエリシュカ・スタイルという
ならば、これを好ましく受け止めない人はいないのではないか。
録音されていたので、後日発売されるCDを楽しみにしたい。

また、ベト4はブラ4以上に収穫の大きさを感じさせる出来映えだった。
これまでエリシュカさんのベートーヴェンの交響曲は、第九(2012年)、田園(2013年)
と2回聴いたが、今回の4番が一番しっくりきた。
エリシュカさん本来の旋律を歌わせながらも、メリハリをつける躍動感溢れる
音作りは4番にはうってつけだった。比較的地味な作品にもかかわらず、
実は生気溢れる作品であることを再認識させられる思いだった。
「ベト7だったら」なんてことも頭をよぎったが、これはエリシュカ・マジックだった。

昼公演。ほとんど空席が目立たず、9割の入りか。
鳴りやまぬ拍手は10分程も続いたが、客席の満足度の高さが表れていた。
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<追記>
打楽器首席、コントラバス首席は現在空席のため、今回は(コントラバスは今回も)
客演が首席を務められていた。ティンパニは元読売日響首席、コントラバスは
日フィル首席(この方は一年前の4月定期にも登場されていた)だった。
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by capricciosam | 2015-06-20 21:04 | 音楽 | Comments(0)

Kitara休館の間に①~札響2014を振り返って

札幌交響楽団(以下、「札響」という。)の2014~2015演奏会が2月で終わった。
定期演奏会10回全てに足を運んだのは初めてだった。
定期会員でもないのだが、尾高音楽監督(以下、「尾高さん」という。)がラストシーズン
となったことと、プログラムに惹かれたのが大きい。
小生には近年では一番魅力的なプログラムだった。
しかし、仕事もあり完走は難しいのではと躊躇したのも事実で、なんとか全回聴きに
行けてほっとしている。
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ここ10年程ではあるが、札響の演奏には満足するものが多くなったなとの思いを抱く。
団員のみなさんの努力と実力の向上が大きいのだろうが、尾高さん、首席客演指揮者
のエリシュカさん、前正指揮者の高関健さんが果たされた役割は大きいと思う。
特に、通算44年、ポストを得て22年の尾高さんは財政危機から破綻の恐れにあった
札響とともに歩んでくれたその心意気に一人の道民として感謝したい。
そして、常任指揮者、音楽監督として実直かつ端正に札響を鍛え上げ、現在の札響の
広範な実力向上につなげていったと思うのだが、そこに見事な指揮ぶりで音作りをする
高関さんがトレーナーとして貢献したことも大きいと思う。
また、いち早くエリシュカさんを見つけ出してポストを付与したことも尾高さんの功績
だろう。今ではエリシュカ&札響が全国的に注目を浴びていることが、
地元ファンとしては何やら誇らしい限りだ。

さて、2014~2015シーズンの話に戻そう。
毎年末、定期会員のアンケートをとっていて、1月定期演奏会で配布された資料には
2014年「よかった」と思う定期演奏会ランキングからベスト5が発表されていた。
(1月16日現在とのことで、1月、2月の定期演奏会は対象外らしい。2015年に
含まれるのだろうか。)これをそのまま引用するのは憚るので、小生は少しひねって
みることに。2014~2015シーズン定期演奏会で聴いた曲のうち印象深かったベスト5
を選んでみた。

1 10月定期演奏会 指揮:尾高さん マーラー:交響曲第9番

2 11月定期演奏会 指揮:エリシュカさん ブラームス:交響曲第2番

3 5月定期演奏会 指揮:高関さん 伊福部昭:演奏された作品全て

4 12月定期演奏会 指揮:ペーターフロール チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
              ソリスト:ハーデリッヒ

5 9月定期演奏会 指揮:児玉宏 ブルックナー:交響曲第6番
 
1は見事な凝集力に圧倒されたものだ。2を聴いてエリシュカさんのブラームス・
チクルスの完成に期待が一層高まりました。3と4は少し変っています。
プログラムが発表された時一番期待した3だが、高関さんの見事な指揮により感激大。
と言う訳で全部(反則だね)。4はメインデッシュも悪くなかったんだけれど、
ハーデリッヒのうまさに不意打ちを食らい、全身の血が沸き立った。
ベートーヴェンかブラームスで再び聴いてみたい衝動がいまだに。
5は徐々に演奏が良くなり、終わってみると深い味わいがひとしお。

また、資料には『2015年度「期待する」定期演奏会ランキング』ベスト5も
同時に掲載されていました。エリシュカさん、尾高さん以外には広上淳一、
アシュケナージの名が。
不思議なのは次期首席指揮者ポンマーさんの名が見えないこと。
まあ、初物(はつもの)同然故に少し敬遠されているのかな、とも思いましたが、
前回定期演奏会で登場した時の聴衆やオケの評価が高かったように聞いていたので
会員の多くが聴いているはずなのに、、、、、と、やや意外でした。
ホント、予想外。もっとも次シーズンの定期演奏会ではポンマーさんは3回登場する
予定なので、どこかで自分の耳で確かめることができそうです。
えっ、毎回いかないのか、ですって。
仕事しながらなので、基本的に無理。前シーズンはあくまでも特別です。
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by capricciosam | 2015-03-01 22:14 | 時の移ろい | Comments(0)

札幌交響楽団第577回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 シベリウス 交響曲第5番変ホ長調
2 シベリウス 交響曲第6番ニ短調
3 シベリウス 交響曲第7番ハ長調

尾高さんの札響音楽監督として最後の定期演奏会。
取り上げたのはシベリウスチクルスの完結となる後期交響曲。
これまで巷間「札響にはシベリウスが似合う」との評判は耳にしたものの、
演奏される作品には偏りがあるようで、今回取り上げた札響の演奏歴は
1から順に4回、1回、3回と少ない。つまり、決して耳なじみのある曲ではない。
やはり「さまざまな形式や表現を通じて追求してきた交響曲連邦の高峰」
(会場で配布された資料P6より引用)であるが故の取っつきづらさが影響しているのか。

CDでは予習していたものの、改めて印象深かったのは2、3。
永遠とか、宗教的憧憬を想起させるかのような清澄さ、静謐さが印象的な6は
3曲の中では18年前に一回演奏されたきりで、尾高監督も初めて指揮されたとのこと。
指揮棒を持たずに情熱的に指揮された尾高監督の下、札響のアンサンブルが
素晴らしく、演奏終了とともにこみあげる思いは格別のものがあった。
3ではさらにそのアンサンブルが精緻になったような印象を覚えた。
単一楽章の中に千変万化する色合いを楽しんでいるうちに
「簡潔で無限性を志向するような集結を迎える」
(会場で配布された資料P9より引用)
尾高監督のコントロールが冴え、見事な大団円だった。

惜しむらくは、3曲とも監督が腕を下ろしきらぬうちに拍手が始まったことだ。
音が鳴りやんだ後の静寂がもっとあれば、余韻を経てより感動は深まったことだろう。
ライブ録音されていた。やや空席があったものの、9割以上の入り。

3月末と4月末で退団される2名に花束が贈られた後、札響理事長がマイクを
持ってステージに現れ、尾高監督に丁寧な謝辞を述べられて花束を贈る。
それを受けて尾高さんは概ね以下のように最後の挨拶をされた。

「ひとつだけ訂正しておきたいのは、僕は「おだか」ではありません、「おたか」です。
(作曲家の)兄は「おだか」と言ってたのですが、僕は若い頃から「おたか」と言って
ました。尾高賞を兄が受賞した時は司会のアナウンサーもこんがらがっていました(笑)。
44年札響と関わってきて、うちポストを持ったのは22年。常任指揮者を引き受ける前に
Kitaraホールができあがっていたのですが、僕はこのホールが大好きです。札響も
このホールとともに成長してきたように思います。(音楽)監督はいつまでもやるものでは
ありません。オーケストラは色々な指揮者に振ってもらわなければだめなんです。
僕の後は、ポンマーさんやエリシュカさんの他色々な方が振る予定です。僕も秋には
定期に来ますので、ぜひまたお越しください。ありがとうございました。」(大拍手)

演奏者とて人。オーケストラも人の集合体であるが故に、演奏は常に変化し、
この段階でもう良いなんてことはない訳なんだが、近年の札響の充実をみると
尾高監督の長年に渡る尽力と果たした役割は大きいのではないかと思う。
お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
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by capricciosam | 2015-02-14 22:16 | 音楽 | Comments(0)

札響名曲vol.5@Kitara2015

【プログラム】

1 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調
2 ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調

3月で退任される尾高さんが音楽監督として最後に札響を指揮されるのは台湾での演奏会。
今回のプログラムは台湾でも演奏されるとのことで、「台湾公演壮行演奏会」となった。
チケットは早々に完売しただけあって、ほぼ空席が見えない大ホールは壮観。

これまで台湾のオーケストラはkitaraで2007年にフィルハーモニア台湾2014年に
台北市立交響楽団
と2回聴くことができた。どちらのオケも交響曲をロシア作品にし、
聴き応えはあったのだが、中でもフィルハーモニア台湾はラフマニノフ2番を
「楽員自身がオケの看板曲」としているらしい。
ロシア作品が好まれる(と思われる、あくまでも独断です。)土壌のある台湾に、
ラフマニノフ2番を持ち込む訳だから尾高監督も相当の自信があるのでしょう。

近年、この作品は尾高&札響で2005年定期演奏会2010年定期演奏会で取り上げられており、
今回で5年おき3回目となります。毎回大きな感動に打たれてきたのですが、
今回はさらに札響の機能をフルに引き出しつつ、一層丁寧に仕上げたような印象が残りました。
管弦一体となった濃密な60分に渡る演奏は見事。中でもクラリネットは素晴らしかった。
これなら台湾でも満足いただけるのではないでしょうか。

かつて尾高さんはBBCウェールズ響とラフマニノフの交響曲全集を発売されたくらいなので、
この作品はご自身にとっては自家薬籠中のものなのでしょう。
実際、今回も譜面台に譜面も置かずに暗譜で指揮していらっしゃいました。
2010年定期の記事でも書きましたが、この作品だけでも札響とCDとして残しておいて
ほしかったところです。(今回録音はされていたようですが、放送用なのでしょうか。)

1のソリストは札幌出身。地元贔屓もあり、盛大な拍手が送られていた。
アンコールも3曲。

4 パガニーニ 24のカプリースより第5番
5 パガニーニ 24のカプリースより第24番
6 エルンスト 「庭の千草」の主題による変奏曲

大サービスとは思うものの、20分程度そのままステージでつきあったオケが気の毒。
1ではソロが丁寧に演奏したことは評価に値するが、ソリストとして発散される「熱」が
あまり感じられずに終わったため、曲自体がいささか感興に乏しい印象が残った。
少し年上ではあるが、12月定期演奏会に登場したハーデリッヒとの違いに
思いを巡らせざるを得なかった。素質十分だろうから更なるスケールアップを期待したい。
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by capricciosam | 2015-02-07 23:21 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第576回定期演奏会@Kitara2015

【プログラム】

1 ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調
2 フォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」
3 ラヴェル 「ダフニスとクロエ」第2組曲

今回の定期演奏会の指揮者ユベール・スダーンさんは東京交響楽団音楽監督を
長年努められ方で、過去札響の指揮もされているが、あいにく聴いたことがなかった。
今回のチラシには「日本ではドイツ系のレパートリーでの名演で評価されてきた(略)
これまであまり注目されることのなかったスダーンの指揮するフランス音楽の素晴らしさ
を知っていただくためのプログラムです。」とあったが、とは言っても前半のブラームスが
鑑賞のツボなんだろうな、ぐらいの認識で出かけた。

ところが、休憩後の2、3が素晴らしい出来だった。こういう誤算は嬉しいね。
スダーンさんは指揮棒を持たずに全身を使ってオケをドライブしていくのだが、
色彩あふれる両曲を、実に情感豊かに描いていく。
もともと色彩感豊かな曲は、ともすれば品を失った演奏にも堕しかねないものだが、
節度をわきまえつつ、ギリギリのところまで表現していく手腕には感心した。
また、管楽器(特にフルート)を中心とした札響もよくこれに応え、音が濁らずに
よくブレンドされていたと思う。札響のサウンドの充実ぶりが嬉しい。
過去の演奏回数は2が11回、3が3回と少ない。
特に、「ダフニスとクロエ」第2組曲の少なさには驚いたが、
案外若手が充実してきている現在の札響のサウンドを強化するには
フランス作品はあっているような気がした。

1はソリストも札響も調和のとれた良い演奏だったと思う。
バリー・ダグラスのピアノも実に心地よかったのだが、如何せん印象に残ることなく
淡々と終わってしまった感じが否めない。これはソリストがそれほど目立たない作品
としての性格故なのかとも思うので、作品で損をしているような気がしてならない。
そういう意味ではもっとピアノソロが対峙するような作品で彼を聴いてみたいものだ。
アンコールに一曲。

ブラームス 間奏曲ホ長調op.116-4 

全国にTV放送された昨年11月定期演奏会夜公演で、TV画面から見ると
ちょっと空席が目立ったので、久しぶりに夜公演を選択してみた。
客の入りは6~7割か。定期会員を中心としたコアな席以外はやはり空席が目立つ。
特にPブロックと周辺の空席が目立ったが、定期演奏会としては寂しいな。
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by capricciosam | 2015-01-30 23:35 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第575回定期演奏会@Kitara2014

【プログラム】

1 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調
2 ショスタコーヴィチ 交響曲第15番イ長調

シンプルなプログラムながら、やはり目玉は2だろう。
札響も過去に2回しか演奏しておらず、実演では聴く機会が限られる。
ショスタコーヴィチの最後の交響曲、作曲年は1971年で初演は1972年。
今からわずか40年程前だから現代曲なのだが、決して難解な類ではない。
とは思うものの、不思議な味わいに満ちていることは確かだ。
他の作品からの引用も多く、各パートの首席奏者によるソロも頻繁にあり、
常にオーケストラが合奏しているという訳でもない。
晩年の体調不良の中で書き上げられただけに、自らの人生を回顧しているかのような
諦観や寂寞感すら感じさせ、耳を傾けていると瞑想的な感覚にしばしば襲われる。
曲は打楽器の響きの中、不思議な余韻を残して終わる。
旧ソ連の体制下で生きなければならなかっただけに、ストレートな感情表現ができない
複雑な心情が謎めく雰囲気を求めたのかもしれない。

指揮のクラウス・ペーター・フロールは2009年のマレーシア・フィル以来2度目。
フロールさんはテンポを落として楽譜の音を一音たりとも逃すまい、
というような気迫で丁寧に札響を指揮していた。
楽章間はほとんどアタッカながら、演奏終了まで約50分。
配布された資料の予定演奏時間より5分も長かったが、冗長なところは一切なく
味わいは深かった。札響も弛緩することなく、これに応えたことは見事だった。
特に各首席のソロが近年の札響の実力向上を如実に示していたのが嬉しい。
ファゴット、チェロ、トロンボーン、コントラバス(客演)が印象に残った。
この曲もCDよりライブが楽しめる曲のひとつだろう。

書く順番が逆になったが、1は名曲中の名曲。
ソリストのオーガスティン・ハーデリッヒの予備知識もなく、
それほど期待していなかったというのが正直なところだが、
開始早々座り直して聴くことになるとは予想だにしなかった。
名器ストディヴァリウスを貸与されるだけのことはある。
音が明瞭、かつ情感がきちんと感じられる、こんなチャイコンは記憶にない。
名器と技量の幸福な出会い。演奏終了と同時に大ホールは沸きに沸いた。
鳴りやまぬ大拍手にアンコールを一曲。

パガニーニ 24のカプリースより第24番

絶品。さらに大ホールが沸いたことは言うまでもない。 

演奏会終了後の満足度はとても高かったが、やはり、演奏会には足を運んでみるものだ。
昼公演。空席はあるものの、8~9割の入りか。
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by capricciosam | 2014-12-13 23:35 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第574回定期演奏会@Kitara2014

【プログラム】

1 ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
2 モーツァルト 交響曲第38番ニ長調「プラハ」
3 ブラームス 交響曲第2番ニ長調

エリシュカ&札響によるブラームス・チクルス第2弾。
昨年10月定期では、どちらかと言うと一連のドボルジャーク作品の掉尾を飾るで
あろうチェロ協奏曲に目がいっており、ブラームスはそれ程期待していなかったのが
正直なところ。
しかし、これが驚くほどの名演だったもので、思わず「望外の収穫」なんて
失礼な表現をしてしまいました。その時の記事は、こちらです。
その時、「エリシュカ&ブラームス」を強く期待したことは言うまでもありません。

と同時に、このブラームスはチクルスになるんだろうな、とは思っていました。
そこで今年同時期に取り上げたのは第2番。
この曲は豊かな自然の中でのびのびと呼吸でもしているような情景とともに
「くつろぎ」「憂い」「喜び」「快活さ」等の様々な表情が美しいメロディとともに
浮かんでくる素敵な作品ですが、エリシュカさんは一切の誇張もなく、
歌わせるべきところは歌わせつつ、札響から豊かな音を引き出していきます。
札響もよく健闘していたと思いました。
これまでこんな素敵なブラ2は聴いたことはありませんでした。

録音されていたので後々CDとして発売されるのでしょうが、
来シーズンの6月定期ではブラームス交響曲第4番が取り上げられることが
発表されています。ブラ4と言えば、今年エリシュカさんが振られた4月定期の
3日後に行われたチューリヒ・トーンハレ管弦楽団演奏会でも同曲が取り上げられ
エリシュカさんが熱心に聴き入っていたことが思い出されます。
その時の記事はこちらです。ディヴット・ジンマンの解釈に刺激を受けて
どのような指揮で札響をリードされるのか興味はつきません。
一年一作とすれば、チクルス完成まであと2年。
エリシュカさんの年齢を考えれば、なんとか完成にこぎ着けてもらいたいものです。

2は作品成立の背景からもっと劇的に演奏する場合もあるのでしょうが、
メリハリは効かせつつも奇をてらうことのないオーソドックスな演奏だったと思います。
エリシュカさんらしく好感の持てるところですが、一方作品の内面に宿る
ザラッとした感触はあまり感じられませんでした。

1は冒頭のホルンにはヒヤっとしたのですが、立ち直ったので良しとしましょう。
しかしながら、少し注文を。今回取り上げられた3曲の中では一番演奏されており、
ホルンが重要な役割を果たす作品だけに、先月定期演奏会での見事さからは
考えられない不安定さ。しかも、定期演奏会の冒頭ですからね。
一層の健闘を期待したいところです。

昼公演。8~9割の入りか。
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by capricciosam | 2014-11-15 21:10 | 音楽 | Comments(0)

札響名曲vol.4@Kitara2014

【プログラム】

1 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲
2 フィビヒ 詩曲~管弦楽のための牧歌「黄昏」より
3 ヤナーチェク のこぎり~ラシュスコ舞曲集より
4 スメタナ モルダウ~連作交響詩「我が祖国」より
<休憩>
5 ドヴォルジャーク スラブ舞曲集作品72

楽しみにしていた今日の演奏会。家を出たまでは良かったのですが、
途中でチケットを忘れたことに気がついて家に戻る羽目になり、結局1~4は断念。
休憩も終わろうかという時にようやく着席できたので5のみの鑑賞となりました。

昨年はスラヴ舞曲集の作品46(第1集:1~8番)が演奏され、期待に違わぬ名演に
いたく感激したことは記事にも書きました。
当然、残り半分の作品72(第2集:9~16番)への期待も大きかった訳ですが、
聴き終えてみると、総体的な印象は昨年と大して違いはなく、相変わらず
エリシュカさんらしい聴かせどころを押さえた演奏だな、とは思うのですが、
昨年に比べると表情が穏やかというか、自然なんですね。
聴いていても、スリリングなどとは縁遠い「安心感」という言葉が浮かんできました。
83歳のエリシュカさんだけに、「高齢」に起因するものなのか、とも思ったのですが、
配布されたパンフレットに第1集はボヘミアの舞曲でまとめ、第2集はポーランドや
ウクライナ、クロアチア等の舞曲を採り入れたありますから、
案外この辺りが要因なのかもしれません。

空席のほとんど目立たない客席からの熱い拍手に応えてアンコールを1曲。

6 スーク 弦楽セレナーデ変ホ長調より第1楽章

作曲家は違えど昨年同様、「弦楽セレナーデ」でクールダウン。
この作品は初めて聴きましたが、なかなか魅力的。
これだけ聴かせられると、来年の名曲でエリシュカさんの指揮で
「ドヴォルジャークの弦楽セレナーデ」を全楽章演奏してもらえないものだろうか。
もっとも管楽器、打楽器の出番をどうするか、という問題はあるのでしょうが、、、
<11.15追記>
名曲どころか、2016年3月定期で実現!って、今頃何を言ってるんでしょうね。
先月発表された来シーズン定期演奏会一覧に書いてありました。
歳のせいかな、いかんな、こういうポカは。

着席してステージを観るといつもより入念なマイクの数が。
慌てて入場したので告知を見落としましたが、CD用の録音のようです。
これは昨年分と併せた「スラヴ舞曲集」でしょうね、きっと。楽しみ。
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by capricciosam | 2014-11-08 21:16 | 音楽 | Comments(0)