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ディヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管@Kitara2014

演奏されたのは以下の曲。

1 R・シュトラウス 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
2 モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調
3 ブラームス 交響曲第4番ホ短調

ソリストアンコール
1 イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第5番より第1楽章

アンコール
1 ブラームス ハンガリー舞曲第1番
2 スイス民謡 「エヴィヴァエソチ」

ジンマンがチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の首席指揮者に就任したのが1995年。
それから4年後の1999年に、当時開館して何年も経っていないKitaraに来演した。
ちょうど、ARTE NOVAでリリースしたベートーヴェン交響曲全集が話題になっており、
Kitaraでもベートーヴェン交響曲第7番が演奏された。

新版による演奏では古楽風演奏が話題になっており、期待して出かけたものの、
ステージを見て一部の楽器にそれらしいものが使われていることはわかったが、
素人の耳にはノンビブラート気味でリズムを強調しているな、程度で、
新鮮ではあるが、それほど奇を衒ったものではなかった。
その時、ある意味「中庸」とでも言ったところがジンマンの持ち味なのかな、
という印象が残った。

15年を経て、改めて聴いてみると、まずオケの楽器だが、全てモダン楽器のようだ。
もう、当時のこだわりからは前に進んでいる、ということなのだろう。
また、管楽器の各パートが上手い。当時よりも一層うまいような気がした。
また、ヴァイオリンがエキストラなのだろうが、もの凄く増強されている。
そんなオケを自在に操るジンマンだが、小生が一番楽しめたのはR・シュトラウスの1。
気分としては、相性の良さ的なものがある、という言葉が適当なのかもしれない。

ジンマンは決してオケのパワーを解放させない訳ではなく、
鳴らすべきは十分鳴らしているのだが、それでもしっとりとした、落ち着きを
与えてくれるという印象が残った。先ほどの「中庸」というイメージが蘇る。
これはプログラムも大いに預かっているのかもしれないが、ブラームス晩年の3も
このコンビとしての最後を愛おしむような味わいのある響きが大ホールに満ちた。

2では編成をぐっと小さくして、室内オケ程度に。
ギドン・クレーメルは以前スイス・ロマンド管弦楽団と来札した時に聴いたことがあったが、
激しく身体を動かして、目一杯表現しようという、外に向かってエネルギー放射するような
イメージが強くあった。しかし、依然身体全体で表現しようという気配は残るものの、
当時とは比べものにならない位の穏やかさで、この名曲を丁寧に奏でていく。
先ほど「落ち着き」という表現を使ったが、2を聴いたことがより一層その趣きを
強めたかもしれない。でも、安心して耳を傾けられるだけの腕が衰えたという訳では
決してない。むしろ、逆に当時と比べものにならない位の「深み」を感じたのは気のせいか。
盛大な拍手に応えアンコールを一曲。
これも、ヴァイオリン一丁からいくつもの響きが飛びたす技巧が冴える一曲。凄い。

オケのアンコールは2曲。
1はよく聴く定番なのだが、おもしろかったのは2。
鳴りやまない拍手に応えて指揮台に上がったジンマンが、くるりと客席に振り向いて
なにやらスピーチ。聞取れたのは最後の「‥‥very very Swiss」という言葉だけ。
そして始まるスイス民謡。ホールに響くカウベルの乱打から始まる楽しい一曲で、
これは楽しめました。なるほどスイス気分を味わわせていただきました。
15年前もアンコールが3曲でしたが、ホント、サービス精神溢れる皆さんです。感謝。

客の入りは6~7割といったところか。空席が目立った。
15年前はほぼ満席だったのだから、なんとも寂しい限り。
以前のフィルハーモニア管の時も満席には程遠く、そのうち海外オケでも、
超有名オケ以外の有名オケの来札が途絶えるのではないか、と心配になってくる。
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【はみだし】
3日前に札響定期演奏会を指揮されたエリシュカさんご夫妻も客席で聴いていらっしゃいました。
チケットセンター方向から歩いて入場されるのを目撃したのですが、
途中見失い座席まではわからずで、前半は演奏に集中していました。
前半が終わり休憩に。休憩も終わりそうな頃、ホールを見渡していたら
客席のお二人を偶然に発見しました。
エリシュカさんは各楽章とも途中まで身体を前に乗り出されたり、耳に手をあてたりして
実に熱心にステージに集中されているご様子でした。
秋にはブラームスを取り上げられるので、よけい気合いが入ったのかもしれません。
終了後、帰ろうと館外に出たところで、戻られるご夫妻を発見してガラス越しに写真を
撮りましたが、撮っているのに奥様が気付かれ、にこやかに手を振っていただきました。
小生も撮り終えてスマイルしながら手を振ってお返しさせていただきました。
写真はtwitterをご覧ください。
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by capricciosam | 2014-04-15 23:13 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第568回定期演奏会@Kitara2014

演奏されたのは以下の曲。

1 ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
2 ヴォジーシェク 交響曲ニ長調
3 チャイコフスキー 交響曲第6番ニ短調「悲愴」

エリシュカさんが首席客演指揮者就任以来定期で取り上げたドヴォルジャークの
後期交響曲を昨年4月に終えて、小生が内心期待したのは他のスラブ系(ロシア系)。
しかし、昨年秋のブラームスが望外の収穫で、内心「独墺系でもいいか」なんて
ぐらついていたら、恒例の4月定期に持ってきたのがチャイコフスキー。
しかも、「悲愴」だなんて、いきなり直球勝負の趣きですよ、これは。

さて、その「悲愴」だが、冒頭の低弦を中心とした陰鬱な序奏から始まり
不安と感傷の入り交じった劇的な展開を見せる第1楽章を聴き終えただけでも
「来た甲斐があった!」という十分な気持ちにさせてくれました。
この「満足」な気持ちは最終楽章まで持続された訳ですが、これは御歳83歳とは
到底思えない統率力のあるメリハリの効いたエリシュカさんの指揮の賜物だと思ます。
もちろん、力演で応えた札響のみなさんもブラボーなのはもちろんです。
ただし、やや粗さが感じられたのは、2日目の疲れのせいでしょうか。

エリシュカさん指揮の演奏会では毎度思うのですが、普段埋もれてしまう楽器パートでも
はっとするくらい明瞭に聞こえてくる不思議さがあります。もちろん、自己主張が強すぎて
飛び出しているという訳ではなく、節度を持ってきちんと聴こえてくる、とでも言うのでしょうか。
それでいて、オケの音としてのブレンドの良き按配よ。
恐らく奇を衒ったことをしている訳ではないのでしょうから、これこそ王道。
だからこそ、手垢にまみれたいわゆる「名曲」が新鮮に響くということなのでしょう。

「悲愴」の実演は一昨年のファビオ・ルイージ指揮PMFオーケストラの演奏以来でした。
あの時も熱演で好印象が残ったのですが、指揮者がかなりオケをドライブしているな、
という印象が強く残りました。
しかし、エリシュカさんと札響では、指揮者とオケの共同作業だな、という印象なんですね。。
これは良好な関係があったればこそ、と勝手に推察しています。
来年度取り上げるとしたら、後期交響曲の残り2曲からなのかな。
すでに都響と演奏した5番でしょうか、4番でしょうか。どちらにしても、楽しみです。

2は札響初演の由。
初めて聴いたのですが、第2楽章に代表される親しみやすいメロディや音楽の推進力が
全編を貫くため、気分的には楽しい楽曲だと思ました。
ただし、良い意味でのとんがった所がないために、印象が平板になりがちな点が惜しい。
1は冒頭の弦楽器の響きで今日の演奏会の成功を確信、なんて言ったらオーバーか。

Pブロックで空席が目立ちましたが、9割程度の入りでしょうか。
ライブ録音しているようでした。せきがやや目立ちましたが、
フライングブラボーもなく(最終楽章も数秒の沈黙がありました)、素敵な聴衆でした。
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<追記>
コントラバスは首席が仙台フィルに移られたので、今回の首席は日本フィル首席の方が客演。
また、事務局長も退職されたので、前ホルン奏者の市川さんが就任されていました。
まっ、人事異動なんて春らしい話題ですね。
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by capricciosam | 2014-04-12 20:27 | 音楽 | Comments(0)

PCルームなんて概念自体が旧いのか

今週に入ってから気温も上がり、最低気温もプラスになってきました。
そのせいか、家の周囲の雪山も日一日と低くなってきましたし、
道路の道ばたにあった残雪もぐんぐん少なくなってきました。
スタッドレスタイヤがもったいないと感じる位なので、
いよいよ冬ともお別れをする時が近づいたようです。
3月の最後の週は春に向かって一気に追い込むような感じです。

さて、こんな記事が目に止まりました。

「学生が個人のPCやタブレットで学内システムにアクセスし、いつでもどこでも
自分のペースで自由に学習できるようにする――そんな先進的なICT教育に
取り組む大学が現れつつある。中でも、国立総合大学としては異例の取り組み
でこれを推進しているのが九州大学だ。同大は2013年度新入生から、学生が
個人で所有しているノートPCの学内持ち込みを必須化。
2017年度にはこの制度を全学生1万9000人(大学院生含む)まで広げ、
学内のPCルームを全廃する計画だ。」
(以上、ITmedia エンタープライズ 3/24より引用)

「う~ん、凄いなぁ。とうとうここまで来たんだ。」

と言うのも、自分の学生時代はコピー機ぐらいはあったものの、手書きが当たり前で、
コンピュータなんてとても手の届かない代物でした。
電卓はまだ貴重で、コンピューターは学内に大型計算機が設置されていたものの、
プログラム言語を前提として利用するのが当たり前で、とても敷居が高かった。
普通の家電並に使うなんて感覚は到底想像できるものではなかったという訳です。

そんなオヤジ世代も社会に出れば、ワープロから始まって、いよいよコンピュータ利用に。
「情報処理室」なんてできてそこにデスクトップPCが鎮座している景色が
当たり前になりました。しかも、習うより慣れろで、使い方のイロハ含めてOJT。
とにかくPCは見よう見まねで体得してきたな、というのが正直な感想です。

また、記憶媒体はフロッピー。7インチ、5インチ、3.5インチとダウンサイズ化
していくとともに、マイコンからパソコンになってきました。
でも、自分で持つのはもっと後。
時代はWindowsになり、処理能力も飛躍的にアップしていくのですが、
仕事で先に一人一台のかけ声の下、ノートパソコンを与えられ、
ようやく数年後に自分でディスクトップを購入しました。
もっとも、購入の動機は仕事よりインターネットでしたけれどね。
ちょうど時代もISDNからADSLへと、ブロードバンド時代の幕開け期でした。

それが今じゃ、家にあるのが当たり前で、逆にないと不便を感じるんですからね。
ここ25年ぐらいの間に、随分劇的に変化したと思います。
25年前に現在を想像できたかと言うと、全然できなかっただろうと自信を持って言える
のは、何も小生の貧困な想像力だけではないとは思うのですが。

あと何年生きられるかわかりませんが、この分野はテンポアップして進んでいくことは
間違いないでしょう。老化していく頭では少々ツライものがあるのですが、
まったく分離して生活していく程の覚悟もありませんから、
ぼちぼち遅れないようにはついていきたいものです、ハイ。

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最後にPCとは関係ないのですが、先々週末の某店のクラシックチャートの写真を。
尾高忠明&札幌交響楽団のブルックナー交響曲第7番は堂々一位でした(^^)
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by capricciosam | 2014-03-25 23:20 | 時の移ろい | Comments(0)

来シーズンへのときめき

正式発表ではないのですが、札響定期、PMFの来シーズンの概要が見えてきました。

まず、札響定期です。
エリシュカさんは4月にチャイコフスキー6番、11月にブラームス2番を取り上げます。
ブラームスは今年10月定期の感想でも書いたように聴き応え十分で、
ぜひ交響曲チクルスとして完成させてもらいたいところです。
また、ドヴォルジャーク後はスラブ系を密かに期待していたので、
チャイコフスキーは願ってもないところ。
交響曲後半を順次取り上げていってくれるのでしょうか。

5月に高関さんが伊福部昭特集、そして8月には下野さんが早坂文雄と
日本人作曲家の作品が取り上げられます。意欲的かつ刺激的。

尾高監督は3回。3月には一連のシベリウスの仕上げ。
6月にはヴェルディのレクイエム、10月にはマーラー9番と大作を。
尾高さんはマーラー9番を2003年5月定期で取り上げていましたが、
最終音が鳴りやんだ後の長い静寂とこみ上げる感動は忘れがたいものでした。
まさしく一期一会の名演でした。
<追記11.16>
そう言えば、この時の演奏会にちょっとふれた記事を書いていました。こちらです。


9月の児玉宏さん、1月のユベール・スダーンさん。
一度は聴いてみたい人が並びます。
12月のクラウス・ペーター・フロールさんは2009年9月に
マレーシア・フィルと来日した折に聴いていました。当時の感想はこちらです。

こうしてみると全部聴きたくなるのですが、こんなのは初めてです。
来シーズンの札響定期には期待大です。

次にPMFですが、25周年のメモリアルイヤーなので、さてどんな企画が、と期待していました。
これまでのメモリアルイヤーから推して、首席指揮者にはこれまで携わった指揮者の再登場
だろうな、と思ったら意外や、意外。
これまでPMFとは縁がなかったロリン・マゼールがその任に当たるようです。
プログラムもベートーヴェン7番、シベリウス2番、ショスタコービチ5番と、
彼にとっては自家薬籠中のものばかり。

縁があると言えば、台湾のチェン・ウェン・ピンさんでしょうか。
ホール・オペラで「ナクソス島のアリアドネ」を指揮されますね。
2007年7月にはフィルハーモニア台湾を率いて演奏会をされています。
当時の感想はこちらです。

その他に、第九が演奏されたりで、祝祭的雰囲気が感じられます。
詳細発表は年明けなのでしょうが、楽しみです。

期待が大きかったり、楽しみだったりで、来年は札響定期とPMFに大注目です。
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画像のCDを聴きながら記事を書いていました。
マゼールのCDは何枚か所有しているのですが、
このブルックナーは中でもお気に入りの一枚です。
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by capricciosam | 2013-11-09 10:54 | 音楽 | Comments(0)

札響第563回定期演奏会@Kitara2013

演奏されたのは以下の曲。

1 ドヴォルジャーク チェロ協奏曲ロ短調
2 ブラームス 交響曲第3番ヘ長調

1のソリストは札響チェロ首席の石川祐支さん。
エリシュカさんが取り上げる一連のドヴォルジャーク作品の主なものとしては、
交響曲の前期分とピアノとヴァイオリンの協奏曲は残っているのですが、
恐らく1が最後なのかな、と。
そう考えると、ソリストの選定はある程度慎重を期すのかな、とも思うのですが、
御自分が客演するオケの首席を持ってくるというアイデアはなんとも素敵かつ挑戦的で、
それだけ石川さんが厚い信頼を勝ち得ている証なのでしょう。

この曲はソロが雄弁に語ることも可能だとは思いますが、石川さんは勢いにまかせる
ことなく、オケと丁寧に対話を重ねる方向で演奏されているんだな、と思われました。
しかも、エリシュカさんも、決してオケをあおることなく伴奏を務められている。
聴き終えてみると、雄大というよりは、親密という印象が残りました。
別に違和感があるということではなく、なにやら既視感に襲われていました。
牽強付会的な言い方とは思うのですが、以前ミクローシュ・ペレーニが札響と共演
した際に演奏していた方向性と似ていたように思いました。
あの時はソリストのアンコールで石川さんはじめチェロパートの皆さんが、
食い入るようにペレーニを見ていたのが印象深かったのですが、
今日も鳴りやまぬ拍手に応えアンコールを一曲。

J・S・バッハ 無伴奏チェロ組曲第6番サラバンド

絶品の一言につきます。もっと聴きたくなりました。

休憩後の2では、今後の定期演奏会で取り上げていくのだろうブラームスが
演奏されました。ドヴォルジャークを終えた後はスラブ系の作品を取り上げるのかな、
とも思っていたので、ブラームスとは意外でしたが、これが望外の収穫。
きちっと構成感を保ちながら、歌うべきところは歌わせるという点では、
エリシュカさんに最適な作品だったのかも知れません。
実に聴き応えがありました。
前半同様ステージにマイクが立ち、ライブ録音されているようでしたから、
ブラームスの交響曲チクルスの一環として演奏されるならきっと発売される
のでしょう。楽しみです。
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by capricciosam | 2013-10-12 21:01 | 音楽 | Comments(0)

札響名曲シリーズVol.3@Kitara2013

演奏されたのは以下の曲。

1 ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調「田園」
2 ドヴォルジャーク スラブ舞曲集作品46

タイトルに「エリシュカの田園」とあるとおり、田園的情景を感じさせてくれる名曲で
構成。一般的に通俗的な名曲として知られているのはどちらかと言えば1>2なのだろう。
確かに、昨年の名曲シリーズで古典にも並々ならぬ腕を披瀝したエリシュカさんだけに、
1とて悪いはずはないと期待してでかけたものの、正直やや半信半疑であった。
でも、それは杞憂に終わった。
太い絵筆でしっかりと骨格を描くが、決して粗略ではなく、細部にも神経の行き届いた
滋味深い味わいが感じられ、札響も指揮によく反応していたと思う。
極上まではいかずとも、上の部類に入る演奏だったのではないか。

休憩を挟んだ2が実は本日のお目当て。
普通アンコールピースとして聴かれることが多いものの、作品46全8曲を
まとまって聴く機会はなかっただけに、ドヴォルジャークで名演を紡いできた
エリシュカさんの腕に期待大だった。

第1番から第8番まで順に演奏されたが、独特のリズムに加え、
一瞬のためを置いて炸裂するような演奏がエリシュカさんならでは。聴き応え十分。
ダイナミックに演奏される様に、やはりエリシュカさんの田園はこっちなんだな、
と一人納得。これが本場の解釈としたら、所有するCDのなんと平板なことか。
9割ほど入った会場からは万雷の拍手が送られ、アンコールが始まった。
ドヴォルジャーク 弦楽セレナーデより第一楽章。
好きな作品ながら、これはあきらめていただけに望外の喜び。
スラブ舞曲で興奮した身体をやさしく慰撫するがごとき、見事なクールダウン。
客電がつくまで拍手が続きました。
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by capricciosam | 2013-10-05 22:17 | 音楽 | Comments(0)

PMF2013を振り返って-partⅡ

前記事でも書いたように会期中の演奏会ではスマホによるツイートを行なっていました。
感想をつぶやくにしてもそれ程時間もかからず、その位手軽にできるものなんですね。
また、つぶやき出すと、他の方がどんなつぶやきをしているのかも興味が湧きます。
そこで、会期中はPMF組織委員会の公式ツイッターと思われる「PMF-PR」のつぶやきに
注目していました。「朝からリハーサル」などと舞台裏を紹介するつぶやきには
演奏会への期待が高められるなど、とても楽しみにしていました。

また、twitterでは「リツイート」といって、他の方のつぶやきをそのまま自分のtwitterで
紹介できる機能があり、「PMF-PR」も折に触れリツイートさせていただいていたのですが、
少し残念だったのは発信にムラがある点でした。

前半は7/14まではほぼ毎日のようにつぶやかれているのですが、
それ以降は7/21に一回つぶやいたっきりで、札幌終盤の7/28までありません。
後半の準・メルクルさんやPMFアメリカ指導陣の演奏会情報などは皆無です。
特に、残念だったのはメルクルさんが札響を指揮する演奏会情報が
さっぱりつぶやかれなかったことです。地元オケとのめったにない組合せなのに、何故?

もちろん、つぶやかなくても別段集客には影響はないのかもしれませんし、
ツイートを担当されている方の業務負担の問題もあるとは思います。
ただ、スマホ等の普及とともに手軽な発信受信が一般化していくと、
結構新たなファン層の開拓に貢献する部分も少なからず期待できるのではないか、
と思う(恐らく経済的効果としては測定不能でしょうが)ので、
少なくとも期間中は単なる演奏会告知だけの発信だけでもあまり途切れずに
続けていただければ、と期待したいところです。
また、仮にスタッフの手がまわらないなら、会期中はツイートのみのボランティアスタッフ
を募集して対応してみては如何でしょうか。
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それに関連して、全国の主要なプロオーケストラの利用状況はどうなっているんだろうと
気になって調べてみました。調査日は8/10、調査対象は札響から九響までのHPを有する
全国主要オケ21団体です。
調査ポイントは①FACEBOOK、②twitter、③ブログ、④動画、⑤ENGLISH、
⑥文字サイズ変更ですが、⑤は国際化、⑥は高齢化に対応しているかという点での
ついで調査です。調査の視点はHPのトップページに、明らかに明示してあることです。

①FACEBOOK、②twitterはどちらもほぼ半数が利用していました。
一方、③ブログ、④動画は30%程度の利用で留まっています。
やはり、③の利用は伸び悩み、①、②の利用にシフトしているのは、
発信手段の手軽さという点からなのでしょうね。
また、④の普及は発信までの手軽さが乏しいせいか、少ないですね。
①~④が揃っていたのは、神奈川フィル(③は公式ではなく、スタッフブログ)のみでした。
①、②だけなら、都響、東響、関西フィル、オーケストラ・アンサンブル金沢、名フィル、
山響、広響の7つありました。調査数の約30%です。
①、②どちらかなら、前述したように約50%です。
逆に、①②ともになかったのが、N響、東フィル、読売日響、兵庫管、京都市響、札響、
群響、九響の8つ、約40%です。強固なファン層に支えられているのか、
利用価値なしとみているのか、そこまで手が回らないのか、事情は不明です。
以上から①、②については、その利用目的は様々なのでしょうが、
情報を発信する手軽な手段のひとつとして浸透してきているように思われます。

最後に、⑤は約50%が対応していましたが、⑥は約10%の対応にとどまりました。
⑤は外国人指揮者やソリストに自分のオケを知ってもらう場合など利用価値はある
と思ったのですが、この点は案外対応が進んでいるようでした。
⑥が低いのは、高齢者の情報通信機器利用頻度が少ないためでしょうか。
しかし、ファン層もいずれは高齢化していく訳で、対応しておいても無駄ではない
ように思いますが、どんなものでしょうね。
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by capricciosam | 2013-08-15 07:33 | 時の移ろい | Comments(0)

PMFホストシティ・オーケストラ札幌交響楽団@Kitara2013

演奏された曲は以下のとおり。

1 ショスタコービチ チェロ協奏曲第1番変ホ長調
2 ブラームス 交響曲第1番ハ短調

1は第1楽章の冒頭に現れる緊張感をともなう動機が印象的な上、
第3楽章がカデンツァ(!)で第2楽章以降はアタッカで繋がるという
極めて特異な構成の現代曲(1959年、ロストロポーヴィチにより初演)。
初めて聴いたが、いかにもショスタコーヴィチらしい内省的で諧謔的な趣きの
割りには不思議と聴き通すのがそれほどつらいとは感じなかった。
これは、ソリストを務めたヴィルヘルム・プレーガルさんの端正な演奏のお陰なのかな。
まあ、チェリストにとっては大変な曲なんでしょうね、額の汗をぬぐう姿が印象的でした。
札響も小規模な、室内楽的な編成ながら準・メルクルさんの指揮のもと
アンサンブルも良かった。

ショスタコービチの協奏曲は、以前安永徹さん&市野あゆみさんと札響演奏会の時、
ピアノ協奏曲第1番を聴いたのが初めてでしたが、不思議な楽器編成の割りには
楽しく聴くことができ、個人的には交響曲より好きになりそうです、ハイ。

2は名曲中の名曲。メルクルさんは暗譜で、指揮台狭しとばかりに、
全身を激しく動かして札響をぐいぐい引っ張ります。
そのため札響の演奏にも推進力に満ちた躍動感を感じましたが、
決して一本調子という訳ではありません。中間楽章ではグッとテンポを押さえ、
しっとり聴かせますから、やはりオーケストラのコントロールが上手なんでしょうね。
久しぶりに聴き応えのあるブラ1を聴かせていただきました。
後半のPMFオーケストラの演奏が楽しみです。

最後に蛇足を。
PMF開催中に芸術監督や首席指揮者が札響を振るという試みは昨年に続き
3回目(1回目が1994年)なのですが、札響にとっては定期演奏会でも登場が想像し難い
世界的に活躍する指揮者に振ってもらえる良い機会だし、聴くほうだって同じことが言える。
また、当日も会場にはPMF生とおぼしきグループが散見されましたが、
後半の指導者がプロオケを振っている様を間近に体験できるのは良い学習の場でしょう。
と考えると、PMFと札響にとっても大変意義ある演奏会のようです。
これからもぜひ継続して発展させていってもらいたいのですが、
その割りには客席の入りは7~8割とイマイチだったのが残念。
もっとも、ほぼ半分が空席だった昨年よりは改善したようにも思えるのですが、イマイチ。
ホワイエ内には札響事務局とおぼしき関係者もみられましたが、
出入口に立って迎えるのは、やはりPMF組織委員会関係者の方ですから、
来年に向けてはPMF組織委員会として、もっと浸透を図っていただけたらと思います。
(PMF公式ツイッターのPMF_PRすらつぶやいていませんが、いただけません。)
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by capricciosam | 2013-07-17 23:31 | 音楽 | Comments(0)

札響ザ・プリンシパルズ@Kitara2013

順に次の5曲が演奏された。

1 尾高尚忠 フルート協奏曲  独奏:高橋聖純
2 モーツァルト クラリネット協奏曲  独奏:三瓶佳紀
3 グレンダール トロンボーン協奏曲  独奏:山下友輔
4 モーツァルト オーボエ協奏曲 独奏:金子亜未
5 ラヴェル ボレロ

最後のボレロが終わって、一旦袖に引っ込んだ尾高監督がマイクを持って登場。

「この仕事をはじめて42年になりますが、自分のオケの首席奏者を
ソリストにした協奏曲だけで構成した演奏会というのは、実は初めてなんです。
そして、彼らがいなくても(札響はボレロのような)これだけの演奏ができちゃうんです。」

もちろん、会場からは盛大な拍手の嵐となったのは言うまでもない。

今回の演奏会は夏の特別演奏会として企画された。
題して「ザ・プリンシパルズ-札響管楽器首席奏者たちとボレロの祭典」。
近年の札響の実力向上の一端を担う要因のひとつに若手首席奏者の台頭が
挙げられると思うが、オケの中で時々ソロをとる場面はあっても、
ソリストとして聴く機会は案外ないもの。まして、まとまってなんて想像もつかない。
小生の聴いた札響演奏会では、今年5月定期で打楽器首席を聴いたくらいしか記憶にない。
それだけに、札響に関心をもってもらい、もっとファンになってもらう絶好の機会と
なったのではないか、と思う。良い企画だった。
ある面、企画の勝利と言っても過言ではないと思う。

いずれのソリストの演奏も楽しく聴かせてもらった。
1の曲自体初めて聴いたが、第2楽章レントのなんと魅力的なことか。
この旋律から思い浮かんだ言葉は「ふるさと」だったが、日本人の心の内をくすぐる
豊かな抒情を感じた。この曲はもっと知られてよい曲だと思ったが、
高橋さんの丁寧なソロはこの楽章含めて見事に描写していたと思う。
尾高監督が、この曲を取り上げてくれたことに対してなんだろうが
「尾高家を代表してお礼を言います。」と言っていたが、演奏そのものも佳演だった。

2は有名曲だけに演奏するほうとしては逆に難しさもあるのだろうが、
会場の盛大な拍手が演奏そのものの成功を物語っていたと思う。
三瓶さんのお人柄は知らないが、性格が反映されたかのような模範的な演奏だったと思うし、
安心して聴いていられるものだった。

3は尾高監督も「僕たちは初めて演奏したんだけれど、トロンボーンでは有名なんだって」と
山下さんに聞いていたが、確かに聴き応えのある曲だった。
トロンボーンのソロはJAZZで聴く程度だったので、こんなシャウトする楽器とは意外だった。
尾高監督が山下さんに初めて会ったのは、山下さんがまだ学生だった7年前らしいが、
「まさか、札響に来てくれるとは」と再会を喜んでいたのが印象的。

4のソロを務めた金子さんは、今回登場した首席奏者の中では一番若い23歳。
2同様有名曲だったが、カデンツァも含め楽しませてもらった。
尾高監督が「カデンツァは自分で作ったの」と聞いたら、
「自分で作って作曲家に手を入れてもらいました」と正直に答え、会場の笑いを誘っていた。
素敵なカデンツァでした。

最後はいろいろな楽器がソロを取りつつメドレーしていく、ご存じ「ボレロ」。
1~4で登場した首席奏者がオケに入るのかな、と思ったら、加わりません。
それでも、不在を感じさせないソロが次々に聴かれましたから大したものです。
各楽器がソロをとりつつメドレーしていく醍醐味はいつものことながら、
今夜は、特に小太鼓が正確にリズムを刻みリードしていく重要さを再認識させられました。
改めて、小太鼓にブラボーです。

終演は午後9時20分。
使用しなかったPブロック以外はほとんど空席は目立たず。
制服を着た若者も目立ちましたが、こういう企画をきっかけにファン層が拡がらんことを。
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by capricciosam | 2013-07-05 23:43 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第559回定期演奏会@Kitara2013

1 テーリヘン ティンパニ協奏曲
2 ブルックナー 交響曲鯛盤ホ長調(ハース版)

尾高&札響によるブルックナー演奏では2003年7月にPMFの一環で行なわれた
交響曲第9番を聴いたことがあった。
当時は久しぶりのブルックナー演奏なので随分期待して出かけたのだが、
残念ながらアンサンブルの乱れが演奏全体に見られ、およそ感興に乏しく、
ブルックナー演奏はこのコンビにはまだ早いのではないか、とさえ思ったものだった。

あれから10年。
しかも、今回演奏される第7番は、配布された資料によれば札響としても尾高監督のもと
2000年7月に演奏(これもPMFの一環だったはず)して以来ということだから13年ぶり。
例えば度々取り上げられるマーラー等に比べると随分取り上げられてこなかったものだ。

7番を聴くと、第一楽章のチェロを中心とした息の長い主題から、大きな波のうねりの中で
身を任せているかのごとき感覚に陥ってしまう小生としては、ほとんどステージを見ずに
気持ちを集中させて演奏に耳を傾けていた。
第1楽章、第2楽章までは素人にも分る乱れもなく、素晴らしいの一言。
恰幅の良い、堂々たるものだが、アダージョでの深い感情表現も印象深い。
第3楽章、第4楽章では、長大な2つの楽章を終えて緊張の糸がゆるんだのか、
若干のアンサンブルの粗さを感じたが、それでもほとんど気にならない。
ライブ盤として発売してもらいたいくらいだった。
「10年一昔」とは言うものの、この間の尾高&札響の円熟ぶりを感じた。

最初に演奏されたティパニ協奏曲は札響初演とのこと。
と言うよりもティパニがソロを務めるという驚きと珍しさがある。
配布された資料にあるとおり「驚くほど多彩な音色、独特のハーモニー」が
打楽器首席の武藤さんの変幻自在な演奏で楽しめた。

昼公演。
Pブロックに空席がめだったが、8~9割の入りか。
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by capricciosam | 2013-05-18 22:19 | 音楽 | Comments(0)