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札幌交響楽団第559回定期演奏会@Kitara2013

1 テーリヘン ティンパニ協奏曲
2 ブルックナー 交響曲鯛盤ホ長調(ハース版)

尾高&札響によるブルックナー演奏では2003年7月にPMFの一環で行なわれた
交響曲第9番を聴いたことがあった。
当時は久しぶりのブルックナー演奏なので随分期待して出かけたのだが、
残念ながらアンサンブルの乱れが演奏全体に見られ、およそ感興に乏しく、
ブルックナー演奏はこのコンビにはまだ早いのではないか、とさえ思ったものだった。

あれから10年。
しかも、今回演奏される第7番は、配布された資料によれば札響としても尾高監督のもと
2000年7月に演奏(これもPMFの一環だったはず)して以来ということだから13年ぶり。
例えば度々取り上げられるマーラー等に比べると随分取り上げられてこなかったものだ。

7番を聴くと、第一楽章のチェロを中心とした息の長い主題から、大きな波のうねりの中で
身を任せているかのごとき感覚に陥ってしまう小生としては、ほとんどステージを見ずに
気持ちを集中させて演奏に耳を傾けていた。
第1楽章、第2楽章までは素人にも分る乱れもなく、素晴らしいの一言。
恰幅の良い、堂々たるものだが、アダージョでの深い感情表現も印象深い。
第3楽章、第4楽章では、長大な2つの楽章を終えて緊張の糸がゆるんだのか、
若干のアンサンブルの粗さを感じたが、それでもほとんど気にならない。
ライブ盤として発売してもらいたいくらいだった。
「10年一昔」とは言うものの、この間の尾高&札響の円熟ぶりを感じた。

最初に演奏されたティパニ協奏曲は札響初演とのこと。
と言うよりもティパニがソロを務めるという驚きと珍しさがある。
配布された資料にあるとおり「驚くほど多彩な音色、独特のハーモニー」が
打楽器首席の武藤さんの変幻自在な演奏で楽しめた。

昼公演。
Pブロックに空席がめだったが、8~9割の入りか。
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by capricciosam | 2013-05-18 22:19 | 音楽 | Comments(0)

札響第558回定期演奏会@Kitara2013

エリシュカ&札響によるチェコ音楽シリーズの6回目。
今回はオール・ドヴォルザーク・プログラム。

1 序曲「自然の王国」
2 交響詩「水の精」
3 交響曲第8番ト長調「イギリス」

当日配布された資料によれば、1は札響初演、2も札響としては1回しか演奏したことがなく、
しかも30年以上前だから、現団員にとっては初演も同然だったのでは。 
かく言う小生も実演で聴くのは初めて。
印象的だったのは2で、ドヴォルザークが詩集を元に作曲したらしいが、
標題から連想しがちな妖精の話ようなものではなく、結構残酷な場面が現れるもの。
解説されたあらすじを思い出しながら聴いていたら、なるほどそれらしい音楽が展開され、
最後のアレグロ・ヴィヴァーチェなどは真に迫っていた。
そう感じさせたエリシュカさんと札響の演奏に拍手だった。

3は一連の交響曲第5番以降の後期交響曲演奏の掉尾を飾るもの。
前回の第9番が新鮮な響きに満ちていたので、今回はどうなるのだろうと期待していた。
第1楽章の冒頭も物憂さを強調するかのような演奏もよく耳にするが、
エリシュカさんは最初の響きから輪郭をくっきりさせたのは意外だった。
この辺りから、なにやらやってくれそうな期待を抱いてしまった。
例えば第3楽章などは流れるが如き甘く切ない旋律を、愛おしそうに指揮され、
この楽章の魅力を最大限引き出していたように感じた。
このように表情や変化に富むこの曲を、メリハリをつけて耳新しい響きとして
楽しませてもらったことは半ば期待していたものの、嬉しい限りだった。

終演後は鳴りやまぬ拍手に何回も登壇されて管楽器の首席中心に立たせていた。
御歳82歳とは思えぬ、かくしゃくぶりは健在。
2日目。Pブロックに空席が目立ったが、8~9割程度の入りか。
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by capricciosam | 2013-04-20 23:09 | 音楽 | Comments(0)

安永徹&札響メンバー室内楽コンサート@Kitara2013

1 ウェーベルン 弦楽四重奏のための緩徐楽章(五重奏版)
2 ブルックナー 弦楽五重奏曲「インテルメッツォ」ニ短調(六重奏版)
3 フランセ 八重奏曲
4 チャイコフスキー 弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」ニ短調(七重奏版)
アンコール 6つの弦楽四重奏曲第35番ヘ短調より第3楽章

本公演はKitaraがプロデュースしている安永徹さんと市野あゆみさんの室内楽公演
(全4回)の第3回目に当たるらしいのですが、今回市野さんの登場はなく、
安永さんと札響ピックアップメンバーによる室内楽公演となったようです。

プログラムも多彩だったのですが、さらに少し趣向を凝らしてあったのは、
作品本来の形よりも楽器がひとつずつ多い形になっていることです。
この辺りは、会場で配布されたパンフレットにも記してありましたが、
本来コントラバスが加わるのは3だけ。
それを3以外の曲にも安永さんとコントラバス奏者の飯田さんでコントラバスが
加わる形で編曲をした、とアンコールの時安永さんがおっしゃっていました。
通して聴いてみても違和感は感じませんでした。
編曲の成果があったのでしょう。

ベルリンフィルを退任された安永さんが札響メンバーと演奏するのは
2009年の演奏会以来、今回でまだ2回目ではないでしょうか。
その時も札響は規模を縮小して室内オケ規模で演奏していましたが、
前回に比べたら奏者の数は一層少ない訳で、奏者個々の力がより露わになるため
緊張の高さというのは前回の比ではないのかもしれません。
今回演奏された札響の皆さんも普段は室内楽を頻繁に演奏している訳でもない
のでしょうから、前回より緊張度は高かったのでは、と推察してました。
しかし、それは杞憂というもので、この日のためにどのくらいの練習を重ねたのかは
わかりませんが、アンサンブルとしては十分聴き応えのあるレベルに仕上がっている
と思いました。

1は当初アナウンスがなかった一曲でしたが、「大変ロマンティックな作品」(パンフから)
で演奏会の導入としては上々の滑り出しです。
2のブルックナーの室内楽作品は所有CDにもなく初耳でしたが、「おっ、聴いたことある」
という思いに襲われるくらいブルックナーらしさが感じられました。 
3はこれまでのPMFでも演奏されているのですが、あいにく聞き逃していました。
特に両端楽章が洒脱な感じで、楽しめました。
この段階で早くもブラボーがとんでいました。
4は一楽章からスケールの大きな作風なのですが、演奏も躍動感があふれていました。

小生にとっては初耳だらけの曲でしたが、実に楽しいひとときでした。
ぜひこういう機会がまたあることを望みたいところです。
以前の記事にも書いたのですが、安永さんとの演奏の機会、
札響はもっと企画していただけないものでしょうか。
5年で2回は少なすぎます。
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by capricciosam | 2013-03-31 06:53 | 音楽 | Comments(0)

久しぶりのレコ芸

しばらく記事の更新をさぼってしまいましたが、この間は寒波に見舞われ、
除雪を繰り返し日々くたくた。お陰で夜はぐっすりです。
でも、こんな時にこそ見られるものがあります。
しばれのきつい日の樹氷で、実にきれいなものです。
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16日には総選挙がありました。
投票率が低かったのは残念ですが、2009年に続いて民意の揺れが
獲得議席に極端に表われることで政権交代となりました。
改めて小選挙区制度の凄さだな、と実感したところです。
その分、政権を掌握する側になると、「失敗できない、失敗は即政権を奪われるということだ」
という緊張感が高じやすくなるのではないでしょうか。
政治の質が高まる可能性もあるのでは、と期待できる半面、
一方で有権者に迎合しやすいという日和見主義的側面も高まる可能性もあるようで、
有権者の側がよほどしっかりしないといけないな、と思われました。

さて、昨日は栗山監督の北海道での拠点がある栗山町で優勝記念パレードが行なわれました。

「栗山英樹監督(51)のパレードが22日、空知管内栗山町で行われた。
紙吹雪と小雪が舞う中、栗山監督は町内の野球少年団の小学生約60人が引っ張る
軽トラックに乗り、ファンの歓声に笑顔で応えた。町や栗山商工会議所などでつくる
実行委が主催。気温が氷点下1・9度と冷え込む中、栗山監督は午前11時すぎ、
自身が町内で使っている軽トラックの荷台に乗り、JR栗山駅前を出発した。
駅前通り約500メートルの沿道には6千人(主催者発表)の観衆が集まった。」
(以上、北海道新聞12/22付けより引用)

先月下旬の札幌でのパレードの挨拶で
「この時期(雪の降る時期)のパレードを北海道の風物詩にしたい」と言っていましたが、
地元ローカル局の中継を観ると、まさに、雪降る中での紙吹雪でしたね。
寒くて大変だったでしょうが、風物詩化して何度でも見たいものです。
パレードを終えた監督が、インタビューで「来年は選手全員を連れてきたい」と言ってたので、
「あちゃー、監督言っちゃったよ、大丈夫!?」と思ってしまったのですが、
すぐに先日道内のマチに選手を応援団として割り当てたことに方向を変えていましたから、
まっ、そっちのほうが実現性はあるのかな。
<追記>
「栗山監督優勝パレード終了後、ファンとの記念撮影会を行った。
「来てくれる全ての人に楽しんでもらいたい」と正午すぎから始まり、終了したのは午後5時15分。
約5時間かけて、2321組のファンと写真に納まり、感謝を示した。」
(以上、日刊スポーツ12/22より引用)
有言実行とは言うものの、凄い!


ところで、ホント久しぶりに「レコード芸術」誌を購入しました。
付録にサンプラーCDが付くようになって定価が急に跳ね上がって購読意欲が減退。
かなり長い間購入していなかったことになります。
今回の購入の動機は記事として札響が取り上げられていて、その上付録CDに
今春の定期演奏会で聴いたエリシュカ指揮によるドヴォルザークの
「スケルツォ・カプリチオーソ」がはいっていたためです。
尾高監督の「英雄」第4楽章とともにKitaraでのライブ録音ですが音も良くて、
おまけにエリシュカさんが腕を下ろしきらないうちに発生した「フライングブラボー」付きです。
改めて当時の一瞬ひやっとした記憶がよみがえりました。
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「新世界」「野鳩」はすでに発売となった写真のCDで入手してあったので、
これで一応その時の定期演奏会の録音は揃ったことになります。
演奏会の感想は既に記事にしたとおりですが、このCDが今月の新譜月評でも
評者2人とも推薦の「特選盤」になっていました。
ホント、あんなに感動した「新世界」はありませんでした。

ひととおり目を通して「あれっ?」と思ったのが、
第50回レコード・アカデミー賞の声楽曲部門の受賞CDです。
受賞したミシェル・コルボによるモーツァルトとフォーレの「レクイエム」は既に所有しています。
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でも、購入したのは今年じゃありません。7年前です。
「この時間差は一体なに?」
ところで、ミシェル・コルボとローザンヌ声楽&器楽アンサンブルは
2003年にKitaraで演奏会を開いており、小生も客席で耳を傾けていました。
謙虚で透明感のある響きには、心洗われる思いがしたものでした。
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その印象も薄れないうちに店頭で偶然同一コンビによるこのCDを見つけて
輸入盤で安かったこともあり、購入したという訳です。

と、ここまで書いて、
「この賞はレーベルは同じでも、国内盤として発売したのものだけが対象なのだな」
と認識を新たにしたところです。
きっと過去にもこういう時間のギャップのある例はあったのでしょうが、
こういう賞の定義そのものも見直しても良いような気がしました。
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by capricciosam | 2012-12-23 07:20 | 時の移ろい | Comments(2)

札響の第九@Kitara2012

振り返ってみると、「第九」は交響曲の中では一番実演に接しています。
と言うのは、第九を歌うアマチュア合唱団に参加していたためです。
しかし、聴く位置の違いなのでしょうか、合唱団の一員として聴く場合と
比べて、客席で聴くというのはやはり、感覚的には新鮮な体験です。
また、CDを除けば、日本人指揮者による日本のオケ(大半は札響)による
第九演奏が小生の中でのスタンダードとして染みついている、と言っても
過言ではありません。

それから、第九の有料演奏会は札響が経営破綻に直面していた2002年以来。
かつ、外国人指揮者としては、1988年のバイエルン国立管弦楽団を指揮した
サヴァリッシュ以来。(もっとも、あの時は厚生年金会館の座席の関係か、
音がすっかりデッドで、独唱と合唱が素晴らしかったぐらいの印象しか
残っていないのは、返す返すも残念。)と、第九については牽強付会的に
あれこれ書いてしまうのですが、今回は、先の名曲シリーズで古典にも
並々ならぬ力を示したエリシュカさんが第九を振る、ということなので、
期待して出かけた演奏会でした。

エリシュカさんの指揮は、第2楽章まではほぼ通常通りのテンポなのですが、
聞こえてくる音楽の柄の大きいこと。かつ普段埋もれてしまうような
内声的響きがところどころ明瞭に立ち上がってきます。
特に、第3楽章での第2ヴァイオリンのピチカートでの演奏は、これまで
こんなに明瞭に聞こえたことはありませんでした。
第4楽章はテンポをやや落として、じっくり歌い上げていく感じで、
独唱、合唱のバランスも良く、充実した響きだったと思います。
やはり、合唱団をステージ上に配置すると、演奏と一体化して聞こえてきます。
特に、合唱の響きは良かったですね。札響合唱団だけではないようですが、
こんな充実した合唱は久しぶりでした。刺激されます。
発声がつらくなって第九合唱もおやすみ中ですが、また歌いたくなってきました。

終わってみれば、これまで体験した演奏とはひと味違うな、という印象です。
とまどいに近いかもしれません。善し悪しというよりも、手垢を落としてみると
案外こういうものだよ、とでも言うのでしょうか。

2日目。管楽器でしまらない響きが散発したのは惜しい。
空席はあまり目立たず、9割程度の入りか。
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by capricciosam | 2012-12-09 23:34 | 音楽 | Comments(0)

札響名曲シリーズVol.4@Kitara2012

演奏された曲は以下のとおり。

1 ベートーヴェン バレエ「プロメテウスの創造物序曲
2 ハイドン 交響曲第88番ト長調「V字」
3 モーツァルト 交響曲第41番ハ長調「ジュピター」
アンコール モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲

これまで登場した定期演奏会や名曲コンサートでは、お国もののレパートリーを中心に
披露してくれたのですが、今回は古典派。直球勝負です。
聴き終えて感じるのは、エリシュカさんの年齢を感じさせない活き活き感というのでしょうか、
躍動感が演奏に宿り、音楽が明瞭に思われたことです。
これは、一音たりとも曖昧には置くものか、という気概の表れなのかもしれません。
なんの外連もない、実にまっとうな音楽を聴かせていただいた、という気分です。
札響からこれだけの充実した響きを引き出す手腕は大したものです。
ただし、まっとう過ぎてつまらない、ととられる恐れもない訳ではないなぁ、とも考えられますが、
8割程度の入りの会場からは盛大な拍手が送られましたから、
多くは小生同様満足したのでしょう。
古典にも並々ならぬ実力をお持ちのエリシュカさんですが、来月は第九に登場予定です。
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by capricciosam | 2012-11-25 22:40 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第553回定期演奏会@Kitara2012

演奏されたのは次の2曲。

1 ベルリオーズ ヴィオラ独奏付き交響曲「イタリアのハロルド」
2 R・シュトラウス 交響的幻想曲「イタリアより」

会場で配布された資料によると、過去の札響の演奏会でも両曲が取り上げられたのは
2回だけ。しかも、1は2回目が稚内だし、2は第4楽章のみということだから、札幌では
実質的に各1回と言えよう。しかも、定期会場が厚生年金会館当時の20年以上前。
定期会員でも耳にしたことがない方も多かったのではなかろうか。
その上、両曲ともCDでもあまり耳にする機会がないだろう(2は小生も初耳)から、
今回は極めて貴重な機会となった。

この凝ったプログラミングの2曲に共通するのは「イタリア」と「作品番号16」、
それに「4楽章構成」なので交響曲的性格を有することか。
しかし、1はハロルドという主人公がイタリアの山岳地帯を放浪したあげく
山賊の狂乱の中で死ぬというストーリー性を有するのに対して、
2は作曲者自身のイタリア旅行での印象のスケッチを元にしたというだけに
発想自体は根本的に異なるようだ。

1は「ヴィオラ独奏付き」とあるようにヴィオラが独奏楽器として登場するものの
協奏曲のように終始活躍する訳ではない。
むしろ、主人公ハロルドの物思いにふける様子を表現するために
低い響きを有するヴィオラが独奏するといった風情で、全曲でもところどころ
独奏して現れるものの、第4楽章ではほとんどオケの演奏の中で埋没してしまう。
まさしく、「山賊の狂乱の中で死ぬ」訳だから、なるほど「独奏付き」でぴったりかな。
独奏は札響首席奏者の廣狩さん。渋い響きで弾き切っていた。

2は各楽章にそれぞれ標題を有し、順に「カンパーニャにて」「ローマの廃墟にて」
「ソレントの海岸にて」「ナポリ人の生活」とある。
作曲者自身がイタリアで南欧の明るく、自由な空気を満喫したかのような雰囲気に
満ちている曲調だが、びっくりしたのは第4楽章の「ナポリ人の生活」。
作曲当時大流行していたらしい「フニクラ・フニクラ」のメロディが冒頭から現れる。
現代では古典の作品にも、当時の時代の空気を取り込んで作られていたことがわかる。

札響もまとまりの良い演奏で近年の好調ぶりを示し楽しめたが、
やや慎重な雰囲気も時々感じられた。そのままだと、演奏する楽しさも伝わりきらない
恐れもあったのだろうが、それを打ち破ったのはグイグイ引っ張る指揮者の功績と言えよう。
広上淳一さんの定期は第498回以来だが、今回も「広上ワールド」を堪能させて
いただきました。
次年度定期には残念ながら登場予定はないようですが、来演していただきたい
指揮者のお一人です。
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by capricciosam | 2012-10-12 23:58 | 音楽 | Comments(0)

ファビオ・ルイジ&札響@PMF2012

演奏されたのは次の3曲。

1 ウェーバー オベロン序曲
2 モーツァルト フルート協奏曲第1番
3 ブラームス 交響曲第4番

PMF開催中はホストシティ・オーケストラとして札響も参加しているが、
かつてPMF生との混成オケで聴いたことはあるものの、単独では初。
と言うのは、PMF芸術監督が札響を指揮するのは1994年に当時芸術監督だった
クリストフ・エッシェンバッハ以来とのこと。
また、ファビオ・ルイジの芸術監督としての任期が今年限りとなると、まさしく一期一会。
7月には札響の定期演奏会がないだけに、定期演奏会に匹敵する位置づけ
ともとれなくはない。

さて、1曲目。聴き終えて頭に浮かんだのは「丁寧」という単語。
札響の演奏には慎重さが感じられ、その分丁寧な響きであったと思う。
演奏終了後、ホルンとクラリネットの両首席を立ち上がらせていたが、納得。

2曲目はソロはウィーン・フィルの首席フルート奏者カール・ハインツ・シュッツ。
ところで、今年のファカルティのメンバーを見て驚いたのは、開催期間前半を支える
ヨーロッパからの指導陣にウィーン・フィル在籍者はこの人のみ、という少なさだった。
昨年よりもさらに減って、たった一人だけ。
しかも、芸術顧問を務めていたペーター・シュミードルさんの名前もありません。
かつて、コンマスや各パートの首席奏者が複数加わっていたことを覚えてるだけに、
なんとも感慨深く、長年PMFを支えてきたウィーン・フィルとの関係も終わったのか、
あるいは終わりを迎えつつあるということなのでしょうか。

さて、演奏ですが、ソロは無理なく楽々と吹き上げている感じで、
カデンツァも含め技巧を駆使されているのでしょうが、実に軽やかで、爽やか。
決してブリリアントな響という感じではないですが、
聴いていて心地よい響きには魅了されました。
札響も編成を小さくして室内楽的響きにしていましたが、よく盛り立てていました。

休憩後の3曲目は札響の力を発揮してもらいたいところですが、
第1楽章、第2楽章では1曲目、2曲目で示されたアンサンブルの良さが後退し、
時々音のざらつきが感じられる部分もあり、あまり楽しめず。
しかし、第3楽章、第4楽章ではうまく修正できたようで熱演になりました。

会場からはブラボーが飛び交っていましたが、盛大な拍手に応える
ルイジさんは四方に丁寧におじぎを繰り返していました。
ほんと誠実とか、きまじめという言葉がふさわしい感じの方なのですが、
これは音作りにも現れているようでした。
普段の札響から聴かれるもう少しはみ出し気味の響きは一切なく、
きっちり刈り込まれている感じで、きれいに整ってはいますが、
ダイナミックスさには物足りなさも感じるというものでした。

にしても、空席が目立ちました。
5~6割というところでしょうか。
一期一会的機会だっただけに、もったいない気分が残りました。
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by capricciosam | 2012-07-12 23:33 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第548回定期演奏会@Kitara2012

まず、当日の演奏曲です。
1 ドヴォルジャーク スケルツォ・カプリチオーソ
2 ドヴォルジャーク 交響詩「野鳩」
3 ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」

エリシュカさんが札響定期に登場してから、多くの人が鶴首して待っていたのが、
本定期の「新世界より」であることは間違いないでしょう。
やはり、これまでの定期で取り上げた他のドヴォルジャークの曲で示した力量からも
チェコ・ドヴォルジャーク協会会長としての実力が証明されてきたのですから
期待しても当然というものです。
その辺は、エリシュカさんも、よ~くご承知のようで、配布されたプログラムに

「札幌交響楽団の皆様と再会し、リハーサルを開始することを心待ちにしておりました。
そしてその時がまいりました。きっと素晴らしい再開となるでしょう。
なんといっても今回のプログラムは皆様お待ちかねの「新世界交響曲」ですから!」

と、言葉を寄せられていました。

さて、その「新世界より」ですが、聴き終えてみると、これまでに聴いた実演や
所有CDのどれにも似ていない、独自の解釈に貫かれていたように感じました。
その最大の要因は全楽章を通じた遅めのテンポです。
特に、第2楽章は大体12分程度だろうと思うのですが、約15分という遅さ。
しかし、停滞したとか、弛緩したというのとは無縁で、実に丁寧にかつしみじみとした
深い情緒に満たされていて、largo(ゆったりとした)とは、こういうのを指すんだな、
と改めて合点したような気分です。

これは、「新世界より」だけではなく、1曲目、2曲目から兆しはありました。
予習したCDの時間より、明らかに各々数分時間がかかっていますが、
これは3曲目同様の遅めのテンポの影響なのでしょう。
これは、老いて深まった故の解釈なのか、一般的な80歳代の老人の感じる時間の流れ
なのか、あるいは両方なのか、それとも本来こういう譜読みをすべきなのか、は不明ですが、
結果的には名演であることは間違いありません。
「新世界」の最終楽章を終え、数秒の沈黙とともにエリシュカさんが腕を下ろすと、
途端に会場のあちこちから多くのブラボーと鳴りやまぬ拍手が。
深い感動とともに、名演の誕生に出会えた、という気分がまだ続いています。
いずれ発売されるCDで、この感動を再現してくれることを祈るばかりです。

また、かっちとしたアンサンブルで札響のどのパートもよく応えていたと思います。
特に、第1楽章と第4楽章の弦楽器には一体となった凄味と言っても過言でない、
迫力がありました。
また、1曲目の首席のソロはじめ、トランペットの響きには魅了されました。
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<蛇足>
昼公演。空席も目立たずどのブロックもよく入っていました。
今回もライブ録音されていることが演奏開始前にアナウンスされていましたが、
あろうことか1曲目にフライングブラボーが飛び出したのには愕然としました。
幸い2曲目と肝心の3曲目には飛び出さなかったため、余韻を楽しむことができましたが、
あれは一体なんだったんでしょう。
<蛇足2>
エキストラの中に、なんとベルリン・ドイツ響のコントラバス奏者の
高橋徹さんがいたのにはびっくり。思わず目をこすりました(笑)
昨年11月の佐渡さんとDSOの熱演を思い出しました。
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by capricciosam | 2012-04-28 19:24 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第547回定期演奏会@Kitara2012

プレトークでは下野竜也さんが登場し、「演奏会の構成」という
素人には聞けそうで聞けない興味深い話をしてくれました。

定期演奏会の場合、先にソリストとソリストが演奏する曲が決まっていることが
ほとんどらしいのですが、今回はブラームスのヴァイオリン協奏曲を編曲した
ピアノ協奏曲ということがわかり、じゃぁテーマは「編曲」にしようとなったそうです。
次に考えるのが「調性」。同じ調性の曲ばかりでは印象がぼけてしまうそうです。
と、ここでピアノで音を出しながら、「初めの曲が変ホ長調なので、次は‥」
と音を拾って、繋げながら解説してくれました。
で、ご本人曰く「変化球」だらけの演奏会となったそうです。
演奏曲目は順に

1 ブラームス ピアノ協奏曲第3番(ラツィック編)
2 ブルックナー アダージョ(弦楽五重奏曲より、スクロヴァチェフスキ編)
3 ヒンデミット 交響曲「画家マティス」

なるほど、ちょっとなじみのない、というか薄いというような曲だらけ。

1はソリストのデヤン・ラツィック自身の編曲なのだが、下野さん曰く、
オーケストラ部分は一音たりとも手を加えていないそうで、あくまでも
ソリスト部分をピアノに置き換えたとのことなのですが、印象としては努力賞かな。
確かに、第二楽章は原曲かと間違うほどピアノでも違和感なく聴けたが、
やはり、第一楽章のソロの入りとか、アタッカで入る第三楽章の入り等の
ソロの印象的な部分の「凄味」が感じられない。
これは楽器の違いのなせる技で、ソリストの技量ではないのだろうが、
総体的には、単にピアノで置き換えただけのような感じで平凡で退屈な印象に終わった。

2は「アダージョ」とは言っても、目線を下げたうつむき気味な、沈潜していく印象はなく、
ブルックナーらしく天上への目線を感じさせる、絶え間ない音のうねりが印象的。
原曲が未聴なので、原曲本来の持ち味なのか、編曲の妙なのかはわからないが、
演奏された3曲の中では一番短かったものの、とても印象的だった。
一階席からでかい声でブラボーが飛んでいた気持ちも分からぬ訳ではないが、
ちょっとフライング気味なのは如何なものか。
下野さんも手を降ろしきってはいなかったし、むしろ沈黙を味わいたかっただけに残念。

3は今回演奏された中では定番なのだろうが、それでも頻繁に耳にする曲ではない。
3楽章に構成されていて、総体的にはザラっとした、硬質な印象が感じられるのは、
この曲が誕生した背景(ナチスの台頭と苦悩する作者)があるからなのだろう。
下野さんの的確なリードで、札響は見事に曲を再現していたと思う。
ただ、もう少し踏み込んだ、というか共感のようなものがあればなお良し、と感じた。

昼公演。変化球が影響したのか、各ブロックに空席が先月より目立った。6~7割か。
でも、先月の高関さん同様、今後も下野さんには来演してもらいたいものだ。
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by capricciosam | 2012-03-03 23:10 | 音楽 | Comments(0)