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PMFオーケストラ・プログラムB@Kitara2017

【プログラム】

1 リスト 交響詩「レ・プレリュード」
2 ドビュッシー 管弦楽のための『映像』から「イベリア」
3 R.シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」
4 バルトーク 管弦楽のための協奏曲

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by capricciosam | 2017-07-22 23:58 | 音楽 | Comments(0)

PMFオーケストラ・プログラムA@Kitara2017

【プログラム】

1 ベルリオーズ 序曲「海賊」
2 細川俊夫 夢を織る
3 ラヴェル バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第1部~第3部

今夏初のPMF。
準・メルクルさんの指揮は2015年のプログラムA以来ですが、
いつ登場しても安定した指揮でPMFオーケストラをコントロールされていて
実に上手い。今回も首席指揮者に決まった時から楽しみにしていました。

1からPMFオーケストラが俊敏に反応する。
特に弦楽パートのアンサンブルは見事で、今夏のPMF生のレベルに期待は高まる。
この曲での指導陣参加はティパニのライナー・ゼーガスさんのみ。

2を作曲した細川俊夫さんは2006年にレジデント・コンポーザーとして
PMFに参加されている(未聴)。
2は冒頭から繊細な音が持続されていき、次々に多様な音が重なって様々な感情を
インスパイアされる。全てを包み込んで、その中で漂っているような感情が
湧いてくる不思議な作品だった。PMF生のみで演奏。

今年は平日のPMFベルリンやPMFウィーンの演奏会に行けなかったので
休憩後の3は彼らが加わるので楽しみにしていました。
普段よく耳にするのは第3部からなる第二組曲ですが、今回は全曲。
実演は初めてだけに楽しみ。

「大編成のオーケストラを駆使し、多彩な音色で繊細な光彩までを再現した
挑戦的な作品」(PMF BOOK P.45より引用)

メルクルさんの迷いのない指揮と首席に陣取った指導陣のソロに聞きほれている
うちに時間の経つのが早い、早い。臨時編成オケとは到底思えぬ出来栄え。
改めてこの作品の魅力を教えてもらった気分になりました。好演。
しかし、指揮台の隅から隅まで駆使してエネルギッシュな指揮するメルクルさんは
こういう色彩感のある作品にはうってつけですね。

2日目公演。
PMFヨーロッパの指導者たちが最後となるため終演時にはPMF生と挨拶を交わす姿が。
6~7割の入りか。良い演奏だけに空席がもったいなかった。
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by capricciosam | 2017-07-16 22:32 | 音楽 | Comments(0)

PMF GALAコンサート@Kitara2016

【プログラム】
第1部
1 ファンファーレ
2 プッチーニ: 歌劇「ラ・ボエーム」からムゼッタのワルツ「私が街を歩けば」
3 イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調 作品27-4から第1楽章
4 PMFヴォーカル・アカデミーによるオペラ・アリア集
 1)ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」から「オレは町の何でも屋」
 2)ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリータ」から「私のフェルナンド」
 3)ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」から「フォンテンブロー!…私は彼女を見て、
その微笑みに」
 4)ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」から「あたりは静けさに包まれ」
5 ヒナステラ:フルートとオーボエのための二重奏曲 作品13
6 シューベルト:八重奏曲ヘ長調 D.803から第6楽章
7 PMF讃歌~ジュピター

第2部
8 メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 作品90「イタリア」
9 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77
10 ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 作品65

連日30℃近い暑さが続くものの、朝夕の涼しさと湿気の少ない風が救い。
GALAも今年で5年目。オシャレして参加する方も年々増えてきたようですが、
盛夏のひとときを楽しむのは相変わらず女性が一枚上手ですね。
また、ピクニックコンサートならぴったりのTシャツスタイルも依然目につくので
組織委員会の意図する「GALAではオシャレしてひとときを楽しんで」という
スタイルの定着にはまだ時間がかかるのでしょうか。
第一部はおなじみ天羽明恵さんの司会進行で。
1のファンファーレに続く2では赤のドレスへ素早く着替えて(驚!)華やぎを演出。
3では追加出演が決まった注目のレオニダス・カヴァコスが登場し、
実力の片鱗を披露。せめて第4番全曲を聴きたかったなー。

続いて昨年より設けられているヴォーカル・アカデミーによるオペラ・アリア集。
ピアノ伴奏で4名が一曲ずつ披露してくれたが、1)4)が印象深かった。
ただ、PMFオーケストラとの共演機会は今夏もないようなのですが、
昨年も記したとおり少々物足りない。

第一部残りの2曲はPMFアメリカの教授陣による演奏。
5はデュトワ時代の数々の名盤で活躍したティモシー・ハッチンズのフルートを
生で聞けたのは何より。6は時間の関係上第6楽章だけとなったようですが、
急造アンサンブルとは思えぬうまさ。

7ではGALA恒例の「PMF賛歌」をゲルギエフ指揮で。
ゲルギエフ指揮で素人が歌えるなんてそうそうあるもんじゃありませんから
当然起立して歌いました。今年はステージ準備の間に天羽さんが客席に向けて
「さぁ、皆さん立ちましょう。大きく背伸びしましょう。」
と呼びかけたため起立する人が多かったですね。昨年はこの声がけがなかったため
座ったままの人も多く、客席との一体感に欠ける状態だったのですが、
これは改善されました。

ここまでで17時にあと数分。15分休憩の予定だったのですが、ステージ準備に
時間がかかったようで結局25分遅れに。今年の公式HPでは第2部開始時間は
「17時~(予定)」となっていましたが、公式プログラムは「17時~」と断定的に
記されていてちょっとチグハグ。昨年までの約1時間遅れの遅延状況からみれば
かなり改善されたとは思うのですが、これなら公式には「17時30分~」として
余裕をもたせても良かったのではないかと思います。
GALAの定着とともに客も慣れて第二部だけ聴きたいという人もでてくる
でしょうから、より的確な時刻にしてあげたほうがよいのではないでしょうか。

また、今年は第1部の曲間で頻繁に途中入場が繰り返され、少し興を削いだ。
天羽さんのMC時間が長い(つまりステージ準備に時間がかかる)場合は許容される
とは思うのだが、例えばMC時間の短い5と6の間での誘導には演奏への集中を
妨げるので疑問を感じた。
途中入場もMC時間が長い場合にまとめてする等のメリハリをつけてはどうだろう。

第2部からは通常の演奏会スタイルだが、ゲルギエフと独墺モノはさてどんなものか、
と思っていたのだが、あにはからんや。8、9ともにオーソドックスな演奏スタイルの
展開で至極まっとう。さすが、ゲルギエフです。また、プロA、プロBと聴いてきて
今夏のPMFオーケストラの仕上がり具合は順調と感じていたが、
ホント常設オケ並のアンサンブルの良さに仕上がっていると感じました。
また、カヴァコスのヴァイオリンは力み返ったところが微塵も感じられないのに、
実に堂々たる歌いっぷりで正統派の美音そのもの。巨匠の趣。これは収穫だった。

終曲のショスタコでは各パートの首席を教授陣が占め、この曲の陰影を色濃く
描写する力演。ただ、曲が終わってもゲルギエフは頭を垂れたままなかなか腕を
下ろさないのだ。ゲルギエフ指揮の演奏会には何度も足を運んでいるが、
こんなのは初めてだった。
息詰まる緊張が大ホールを満たす。一体何秒経過したのだろう。
とうとうフライング拍手が起きてしまい、ようやくゲルギエフも腕を下ろした。
当初、祝祭的な場でゲルギエフが何故こんな重々しい曲を選んだのか不思議だったが、
この姿を見て思い浮かんだ言葉は「祈り」だった。
この曲にまつわるエピソード(この辺りはWikipediaを参照してください)や
混迷を深める現代、そして何よりもショスタコーヴィチへのゲルギエフの思いが
あの姿に繋がっていたのではないか。
この仮定が当たっているとしたら、PMFオーケストラの最終公演となる
東京公演(8/9)はショスタコーヴィチの命日と重なるだけに、ゲルギエフが
腕を下ろすまでの沈黙を共有できたら最高ではないかと思う。

TVカメラが複数台設置されていた。
HPでも正式な発表はないが、昨年同様ネット配信する予定なのだろうか。
チケット完売公演だけに、カメラ設置でできた空間以外はほぼ満席。
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by capricciosam | 2016-08-06 23:53 | 音楽 | Comments(0)

PMFオーケストラ・プログラムB@Kitara2016

【プログラム】
1 メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」作品27
2 ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番 作品72b
3 ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(原曲版)
4 ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98

PMFの各プログラムは2日間に渡って演奏会が開かれる。
プログラムBはコンダクティング・アカデミー生が2日目に指揮するため曲数が多い。
1日目は全曲をアクセルロッドが指揮するので、ある意味お手本的役割を果たして
いることになる。その1日目を聴いた。

プログラムAから約一週間。指揮者のアクセルロッドは代わらないものの、
教授陣はPMFヨーロッパからPMFアメリカに代わって、さらにオーケストラの充実が
図られたかが試されることになるのがプログラムB。
当日曲順が変更されて2曲目に演奏された2はこのオーケストラの充実ぶりが
よく現れており、特に、弦楽器の合奏は聴いていて芯のある響きが感じられ、
視覚的にも一体感がよくわかった。
また、3は土俗的な荒々しさはあるものの曲自体としての流れが良くないため、
一体的な曲として聴かせるのは容易ではないと思うのだが、PMF生だけでも健闘していた。
休憩前だけでも今夏のオーケストラとしての成熟が順調であることを示していると思う。

ただ、PMFアメリカが加わった4は少々ハラハラした。
第1楽章からアンサンブルが乱れ、なかなか修正されないのだ。
特に金管楽器の突出ぶりが耳についたが、首席奏者は皆教授陣なので頭の中には「?」。
しかし、これも楽章を追うごとに解消されていき、フィナーレは見事に決めていた。
ベテラン・プレーヤーらしく落ち着きを取り戻すとやはり見事なものだ。
また、4の実演は近年では、ジンマン&チューリヒ・トーンハレエリシュカ&札響
聴いて各々感銘をおぼえていたのだが、アクセルロッド流の解釈はどちらとも違うものだった。
楽章間で十分な時間をとり、指揮ぶりも丁寧ではあったものの、やや早めのテンポで
メリハリをつけるため、表現が劇的でかつ推進力が増すので、曲の有する人生の晩年的
枯れた味わいを想像する人にはやや感興が乏しかったのではないかと思う。
演奏自体は良いと思うだけに、これは好みの分かれるところなのだろう。

最後にアンコールを一曲

5 ブラームス ハンガリー舞曲第5番

演奏が停止したときのフライングにはホールから笑いが起こったものの、これはご愛敬。
約9割の客入りか。


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by capricciosam | 2016-07-30 23:58 | 音楽 | Comments(0)

PMFオーケストラ・プログラムA@Kitara2016

【プログラム】
1 ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
2 ドビュッシー:交響詩「海」
3 マーラー:交響曲第4番 ト長調

PMFオーケストラが演奏する場合休憩前はPMF生が主体で、
休憩後に教授陣全員が加わるというスタイルが近年定着している。
ただし、休憩前においても若干教授陣が入る訳で、今回のプログラムAでは
ティパニーのライナー・ゼーガスさんは3曲とも加わっていたのですが、
1ではホルンのサラ・ウィリスさんが、そして2ではトランペットの
タマーシュ・ヴェレンツェイさん、トロンボーンのシュテファン・シュルツさんが
各々参加していました。休憩前は教授陣の参加が打楽器と金管楽器だけになっています。
ところで、プログラムAに関して指揮者のジョン・アクセルロッドは

「プログラムAは「天国と地上」と呼びましょう。なぜなら前半は海と、この自然界の
もっとも豊穣な力と人間との関係を表現した音楽をとりあげているからです。
ワーグナーの「さまよえるオランダ人」序曲とドビュッシーの「海」は、音の密度、色彩、
動きの傑作です。休憩後、マーラーの交響曲第4番は、私たちを楽園へ、限りなく無垢な、
天上の王国へといざなってくれます。」
(以上、会場配布パンフレットより引用)

と語っています。
なるほど「さまよえるオランダ人」は幽霊船の話ですから海に関係があります。
確かに「豊穣な力と人間との関係を表現」する上で表現のダイナミクスさが
欠かせないだけにこれらの曲では打楽器と金管楽器は要になったのでしょう。
事実、1は最初の演奏会の1曲目にしては上々で、ワーグナーらしい深々とした響きは
聞き応えがありました。また、2は表現のメリハリがやや乏しく、その分色彩感ももう少し
あればと感じたのですが、なかなかの演奏で、「今年のレベルは期待できそうだ」との思いが。

3では弦楽器、木管楽器の首席は教授陣が占め、教授陣が全員参加して演奏した。
1や2と比べて表現の陰影が深まり、曲の躍動感が増し、「常設オケ?」と勘違いしそう
なくらいの満足すべきレベルだった。教授陣の力たるや流石としか言いようがないのだが、
指揮者のジョン・アクセルロッドさんも多分に寄与していることは間違いない。
後半は教授陣もPMFアメリカに切り替わるが、さらにオケの力が伸びんことを期待したい。
3のソロはバーンスタインのようににボーイソプラノもありと考えると
「無垢な天上」らしさを表現する声がふさわしいのだろうが、その点では今回のソリストの
声質は適している。これで声量があればなお良しかな。

3の第2楽章ではコンマスのライナー・キュッヒルさんが用意していたヴァイオリンに持ち替えた。

「長2度高く調弦したヴァイオリン・ソロが、とりとめのない、一面おどけた旋律を演奏する。」
(以上、Wikipediaより引用)

この場面だったんですが、持ち替えていたとはCDではわかりません。実演ならでは。

客入りは8割程度か。
客電が点り、大ホールが明るくなっても拍手は止みませんでした。
前半を支えた教授陣の最後の演奏会でもあっただけに各パートの教授とアカデミー生が
別れを惜しんで抱擁したり、握手する姿が微笑ましかったのですが、中でも隣り合った
フルートのアンドレアス・ブラウさんとオーボエのジョナサン・ケリーさんが
力を込めて握手している姿が印象的でした。
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by capricciosam | 2016-07-24 23:06 | 音楽 | Comments(0)

PMFベルリン演奏会@Kitara2016

【プログラム】
1モーツァルト(シェーファー編):歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」によるハルモニームジークから※
 序曲/僕のドラベッラは/愛の息吹は/お手をどうぞ/恋は小さな泥棒/祝福あれ、二組の花婿と
2 テレマン(ギュンター編):協奏曲 ヘ短調 TWV 51:f1 [トランペット、トロンボーン、ピアノ]
3 ベートーヴェン(レヒトマン編):五重奏曲 変ホ長調 作品4※
4ヒルドガード(マルバッド編):コンチェルト・ボレアリス [バス・トロンボーン、ピアノ]
5リスト(ドクシツェル編):コンソーレション 第3番 [トランペット、ピアノ]
6ドビュッシー(リンケルマン編):「子どもの領分」から
 グラドゥス・アド・パルナッスム博士/小さな羊飼い/ゴリウォーグのケークウォーク
7 ピアソラ(シェーファー編):「タンゴの歴史」から
  ナイトクラブ 1960/ボルデル 1900
※木管五重奏版

PMFベルリンは今夏もベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の管楽器奏者が主体。
曲により演奏者が異なるので先に演奏者を記します。
①フルート:アンドレアス・ブラウ(前首席)昨年に引き続き
②オーボエ:ジョナサン・ケリー(首席)初参加
 今年2月のベルリン・バロック・ゾリステン演奏会にソロとして登場
③クラリネット:アレクサンダー・バーダー~昨年に引き続き
④ファゴット:フォルカー・デスマン:ベルリン音楽大学教授、初参加
⑤ホルン:サラ・ウィリス~昨年に引き続き
⑥トランペット:タマーシュ・ヴェレンツェイ(首席)昨年に引き続き
⑦トロンボーン:シュテファン・シュルツ~2006年以来

※木管五重奏~①②③④⑤

お初の曲も多く予習できたのは少数(しかも原曲のみ)なため、昨年同様耳を傾けているうちに
楽しく時は過ぎた、しかもあっという間にという感じで、実に楽しいひとときでした。
今回も昨年同様木管と金管に別れて演奏していました。
木管五重奏はソロも素敵なのですが、音が溶け合うとまた絶妙。
特に1は全曲聴いたことはなかったのですが、各楽器の掛け合いが実に堂に入っている。
まるでオペラを観た気分になってしまいました。早くも盛大な拍手。
金管で印象深いのは⑥のタマーシュさん。3年連続聴いてうまさに圧倒されます。
2のバロックのきらびやかさ、6の技巧は見事の一言です。

アンコールの前にサラさんが紙を読み上げて日本語で会場に挨拶。
なかなかお上手でした。笑顔の素敵な彼女はPMFベルリンのMCにピッタリ。
今年もSarah Musicのロケをやったのかな。
ということで※に昨年同様PMFアカデミー生の打楽器奏者2名が加わります。
(今回は打楽器奏者のライナー・ゼーガスさんは登場しませんでした。)

8 アブレウ:ティコティコ

楽しくお開き。アンコール曲は定番化するのかな?
ほぼ満席。前売券完売だったが、当日券が20枚ほど販売されたようです。

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by capricciosam | 2016-07-22 23:28 | 音楽 | Comments(0)

PMFウィーン弦楽四重奏演奏会@Kitara2016

【プログラム】

1 ハイドン:弦楽四重奏曲 ヘ長調 作品77-2「雲がゆくまで待とう」
2 シューベルト:弦楽四重奏曲 第9番 ト短調 D. 173
3 シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調「四重奏断章」D. 703
4 ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 作品110

PMF創設以来ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は指導陣の主要な柱だった。
コンマスのライナー・キュッヒルさんは参加9回(4年連続)となったが、
来月には定年を迎えるはずだから、現役としては今回が最後の参加となるのかな。

プログラムは古典、ロマン、現代で構成。中でも、お目当ては4だった。
ショスタコーヴィチの作品を取り上げるのは2013年演奏会以来3年ぶり。
彼の作品にはアイロニカルな視点を有する思索的な作品も多く、
この作品も一般的には「ファシズムと戦争の犠牲者のため」に献呈されたという
誕生の背景から入りがちだが、そんなことを抜きにしても聴く者の心をとらえる力に
満ちている。それは、作曲者自身の苦悩する心の一端を作品としてストレートに
反映させていることに成功しているからではないか、と思っている。

5楽章から構成され、続けて演奏される。
重苦しい第1楽章が第2楽章では一転して激しい感情が奔流となって噴出する。
キュッヒルさんの顔がみるみる紅潮していく。
苦しみ、不安、怒り等の決して心地よい感情が連想されることはないのだが、
劇的に変化する様にぐいぐい引き込まれ、最後は第1楽章の重苦しさに満ちて閉じられる。
一瞬の静寂の後の盛大な拍手。秀演。
実演で聴くのは初めてだったが、こんな高いレベルで聴くことができたのは幸運だった。

アンコールは2曲。コントラバスのミヒャエル・ブラーデラーさんも加わります。

5 佐渡おけさ
6 チャイコフスキー 弦楽セレナーデ第2楽章

シューベルトの中では3が印象深い。
「断章」と名付けられたとおりひとつの楽章しかない未完の作だが、
激しい情熱と叙情を感じさせる独立した作品としての魅力がある。
やや早めのテンポでキュッヒルさんがぐいぐい牽引することでより劇的な印象が残った。

前売券完売の人気公演だったが、30枚ほど当日販売も行われたようだ。
(ホール到着時には当日券売り場は閉まっていたのでその点は不明)
それでも若干の空席があり、満席とはならず。

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by capricciosam | 2016-07-18 19:50 | 音楽 | Comments(0)

PMF-GALAコンサート@Kitara2015

4回目を迎えたGALA。
Kitaraでの演奏会を、こういう長丁場スタイルで楽しむというのも
ファンの間で定着しつつあるようで、思い思いに装った女性が目立ちます。
やはり、こういう場は男性は女性にかなわない。

第1部は毎度おなじみ天羽明恵さんの司会進行で。
MCが長くなりがちなのはステージでのセッティングに時間がかかるためで、
「つなぐ」という意識を常に強いられるため、大変だろうと思います。

1 デュカス:「ラ・ペリ」のファンファーレ
開場を告げるトランペットによるファンファーレは2回目から定着したスタイルですが、
そのみなさんにより華やかに開幕。

2 オッフェンバック:歌劇「ホフマン物語」からオランピアのアリア
いったんステージそでに退場した天羽さん。お供をつれてぎごちない動きで再登場。
オランピアは19世紀に作られたゼンマイ仕掛けの人形。途中、ゼンマイが切れると
イスに座っていたお供がネジを巻き、再び歌い出すというコミカルな動きと見事な歌唱
を披露。これは楽しい演出でした。思わず昨年の「ナクソス島のアリアドネ」を思い出し、
内心「ツェルビネッタ!」と叫んでいました(笑)
お供はPMF組織委員会の上田文雄理事長(前札幌市長)。小芝居も上手で、さすが
ステージ慣れしてますね。いったんステージからイス等を撤去(時間がかかります)。

3 プーランク:六重奏曲
PMFアメリカにPMFピアニストが登場。2でくつろいだ会場の雰囲気が一気に締まる。
20世紀の作品。多彩な表現が各楽器の異なる色彩で味わう趣がある。
初めて聴いたが、指導陣の達者な演奏で楽しめた。

4 ヴォーカル・アカデミーによるオペラアリア
今年はPMFヴォーカル・アカデミーが設けられており、4名のアカデミー生が登場。
バリトン、メゾ・ソプラノ、テノール、ソプラノの順で歌声を披露。
どんな曲を歌われたのかはパンフレットに記載もなく、天羽さんの口頭での紹介のみ
のため曲名は覚えておらず不明。会場の拍手はテノール、ソプラノにやや多かったか。
指導されたのが、マリオ・デル・モナコが来日初公演した時に相手役を務められた
というガブリエラ・トゥッチさん。相当な経歴をお持ちの方らしいが、もっと時間があれば
(彼らは)もっと良くなるとおっしゃっていたのが印象的。(今回は4~5日程度らしい)

ただ、指揮アカデミーはモーツァルトを一楽章ずつ振ってでもPMFオーケストラと共演
したらしいが、ヴォーカルでは明日のピクニック含めてオーケストラとの共演がない
のが少し不思議。機会をくふうしても良いのでは、との思いが残った。

いったん休憩。(この間ロビーでは天羽さんによるPMF讃歌の練習)

5 モーツァルト:ディヴェルティメント第17番k.334から
コンマスにライナー・キュッヒルさん登場。6-6-4-3-2にホルン2。
たった一人のプロだが、されどプロ。牽引する力量がケタ違いなんだろう。
オーケストラから紡ぎ出される調べのなんたる素敵なことか。
終えてキュッヒルさんがメンバー全員と握手していたのが印象的。
全期間、特に後半はお一人で弦楽器部門の面倒を見ていたのではないかと
推測されるだけに、責任を果たされた感慨もひとしおだったのではないか。

6 ホルスト(田中カレン編/井上頌一詞):PMF讃歌~ジュピター
コンマスはPMF生に変わり、指揮に芸術監督のゲルギエフ登場。
4回目となったが、ブロックによっては起立する人も少ないところもあったようで、
会場の一体感は前回より少し乱れた感じですが、私?ええ、起立しましたとも。
そして歌いましたよ。なんたって、ゲルギエフ指揮で歌えるんですから。

これで第一部を終了したのですが、すでに17時30分。20分の休憩をはさみ
第二部が始まったのは17時50分。パンフレットには【第2部 17:00~】と
記載されているが、約一時間超過。これは昨年同様です。
ステージのセッティングに時間がかかる内容だけに、構成時間の検討が
きちんとなされたのか疑問だが、1時間押しは少し極端。しかも2年続けて。
来年も似たような構成なら、少なくとも第2部の開始時間は、
より現実に近い時間を記載しておくほうが親切ではないかと思う。

第2部からは(今年は記載がないが<プログラムC>の)PMFオーケストラ演奏会。
以下の曲が演奏された。

7 ロツシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
8 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
9 ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調作品93

7はまとまりは悪いとは思わないが、感興としてはやや乏しい。

8には6月のチャイコフスキー国際コンクールで優勝したドミトリー・マスレエフが登場。
天羽さんもおっしゃっていたが、コンクール後演奏を初めて披露するのがPMFとのこと。
当初予定されていた「皇帝」を変更して望んだロシアものだが、これは素晴らしかった。
若々しく確かな打鍵のせいだろうが、曲の持つリリシズムがリフレッシュされたかの
ごとき思いがした。同年代のマスレエフに刺激されたかのようにPMFオーケストラの音も
ぐっと引き締まり、これも好演だった。ここまでのオケはPMF生のみ。
鳴りやまない拍手にソリストがアンコールを1曲。

チャイコフスキー:18の小品作品72から 踊りの情景(トレパックの誘い)

9はゲルギエフの2004年PMF初登場に続く2回目のショスタコーヴィチ。
彼の個人的葛藤や苦悩が色濃く反映された作品のため、音楽も緊張と弛緩が
極端に現れることで、なお一層ショスタコーヴィチの苦渋を浮き彫りにさせる。
コンマスにライナー・キュッヒルさん、各パートの首席にはPMFアメリカの指導陣。
さらに音の厚みと豊かな表情を獲得したオーケストラをゲルギエフは
自在にコントロールし、圧倒的な熱演を引き出した。ブラボー!
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<追記>
カメラが複数台設置され収録。その周辺を覗いてほぼ満席。
場内アナウンスでは「インターネット配信のための収録」のように言っていたが、
地上波やBSでは放送はなく、ネット配信のみとなるのだろうか。
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by capricciosam | 2015-08-01 22:11 | 音楽 | Comments(0)

PMFオーケストラ・プログラムB@Kitara2015

【プログラム】

1 ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
2 モーツァルト 交響曲第34番ハ長調 K.338
3 チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 作品64

PMFオーケストラとしては指導陣がヨーロッパからアメリカに代わって初の公演。
今年のアメリカ指導陣の特徴としては弦楽器各パートの指導者がいないことで、
ヨーロッパとアメリカで会期を半分ずつ分担するようになってからは初めてのこと。
弦楽器だけ指導者不在?と不思議に思っていたら、3で指導陣も登場したら、
なんとコンマス席にはライナー・キュッヒルさんが座るではないか。
8/1のGALAにも登場することは事前にアナウンスされていましたが、
まさかプログラムBで登場するとは想定外で驚きました。
ということは、会期中ずっと札幌に滞在して指導に当たっているということで
これは初めてのことではないでしょうか。
以前、ペーター・シュミードルさんが芸術主幹として会期中滞在されていたような
役割を感じるのですが、にしてもアナウンスされていないのでこの辺は不明。

プログラムAの感想にも記したように、3では指導陣が加わることでオーケストラの
音が厚みとダイナミックさを増し、聴き応え十分です。
有名な第二楽章のホルンソロは指導者が演奏されたのですが、
巨体から繰り出す繊細かつまろやかな音は実に魅力的でした。
しかし、合奏となるとホルンパートだけが全体と溶け合わずに、浮いて響いてくる
ことが度々あり興趣を削いだ。プロAでの見事なアンサンブルはどこに行ったのだろう。
ただ、全体としては好演だった。会場からは盛大な拍手。

1と2はPMF生だけで演奏された。初登場のアンドリス・ポーガさんの指揮のもと
一体となってよいアンサンブルだったが、少し優等生的なまとまりかな。
実演では珍しい2が選択されたのは、2日目に3名の指揮を学ぶアカデミー生が
一楽章ずつ振るからなんですね。(という訳でメヌエットはありません)

1日目公演。客入りは7~8割か。
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by capricciosam | 2015-07-25 22:47 | 音楽 | Comments(0)

PMFオーケストラ・プログラムA@Kitara2015

【プログラム】

1 メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」組曲作品61
2 マーラー さすらう若人の歌
3 ドヴォルザーク 交響曲第7番ニ短調作品70

今年は23ヶ国78名が参加したPMFオーケストラ。
初披露となるプログラムAの指揮はデイヴッット・ジンマンから準・メルクルさんに
変更となった。メルクルさんは2005年、2008年、2013年に登場しているが、
2005年はあいにく未聴だが、2008年のメシアンは衝撃的で、
その手腕の確かさを実感する上では忘れられない演奏会だった。
今回もプログラムは変更なしで、どのように混成オケをまとめあげるのだろう、
と注目していたが、それはPMF生だけで演奏された1だけでも十分だった。
冒頭の「序曲」の幻想的雰囲気の描写から、実にうまく仕上がっていることが
感じられた。もちろん、楽器によってはまだ素っ気なく響くところもあるが、
アンサンブルの精度としては十分な水準にあると思われた。
ただ、会場で配られたパンフレットには劇音楽中のどの曲が組曲として使われたか、
の記載が一切なく、組曲が終わりきらないうちに2回ほど拍手が起きる事故があり、
やや興趣を削いだのは惜しかった。録音していたようだが、実にもったいない。
英語表記で曲名がわかるように記載しておくだけでも、ある程度未然に防げた
だろうと思うだけに、組織委員会側の配慮がもう少しほしかった。

続く2のソロはテノールの松原友さん。通常耳にするバリトンではないが、
失恋した若者の揺れる心情を澄み切った声で切々と歌われるのも新鮮だった。
オケのアンサンブルは1に比べるとやや粗く感じられた。

休憩後の3では各パートの首席にウィーン・フィル、ベルリン・フィルの指導陣が
陣取る豪華さ。オケの音が一層引き締まりって豊かになり、臨時編成オケとは
到底思えぬ音が炸裂する。まるでヴィルトゥオーゾ・オーケストラの趣。
メルクルさんもアクセルをさらに踏み込んだかのごとく、指揮台と全身をフルに使う
エネルギッシュな指揮でぐいぐいオケを牽引する。
エリシュカ&札響とは対局の響きとは思うものの、これはこれで圧倒される。
会場からは盛大な拍手が起きた。

2日目公演。客入りは6~7割かな、空席が目立った。
指揮者変更が原因でキャンセルが多くあったのかもしれないが、
だとしたら、聴き逃したのは実にもったいなかった。
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by capricciosam | 2015-07-19 21:18 | 音楽 | Comments(0)