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PMF-GALAコンサート@PMF2012

PMF始まって以来の初GALA(「お祭り」という意味らしい)。
Kitaraも緑色と金色を基調に入り口から装飾され、ホワイエ、ステージともに
華やぎを感じさせ、組織委員会側もドレスアップして迎えている。
国際教育音楽「祭」というくらいだから、このくらいの演出はあっても不思議じゃないか。
そう言えば、客席もドレスアップした女性が目立った。
一方男性は、連日続く猛暑のためか小生含めクールビズや軽装が多かった。
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さて、そんな初めてのGALAは2部構成。
第1部はソプラノの天羽明恵さんが司会進行を務め、
1 デュカス:「ラ・ベリ」のファンファーレでスタート。
ホワイエ・コンサートでも披露していたが、なかなか良いアンサンブル。
続いて2曲。
2 ヴィドール:オルガン交響曲第5番作品42-1からトッカータ
3 ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番アリア
2は久しぶりに聴くパイプオルガンによるソロ。
響きには圧倒されるが、作品自体がやや単調。
3は天羽さんのソロが素敵。 
4 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」から第1楽章
児玉麻里さんのソロで。
ベートーヴェンがピアノ・ソナタで様式を転換した作品として知られるが、
天羽さんじゃないが、残りも聴きたくなった。
5 J・シュトラウスⅡ(シェーンベルク編):皇帝円舞曲
シェーンベルクと聞いて、ちょっと身構えてしまったが、
作品本来の骨格を活かしてあり、普通の室内楽として楽しめた。
6 グリーグ:組曲「ホルベアの時代」から前奏曲
7 チャイコフスキー:弦楽セレナードハ長調作品48から第1楽章
ファカルティのお一人のダニエル・マツカワさんが指揮して2曲続ける。
マツカワさんの指揮は2009年のポストリュードコンサート以来だが、
指揮ぶりは見違えるほどうまくなっていた。でも、曲の持つ"凄味"までは感じられない。

曲の間、ステージのセッティングが変わるため天羽さんがお話でつなぎ、
さらには中国公演にからめて北京と瀋陽出身のPMF生や札幌出身のPMF生にインタビュー。
札幌出身の方はファゴットで、現在はベルリン・フィルのアカデミーに在籍されているとのこと。
札響のオーボエに影響されて中学の吹奏楽部でオーボエを志望したら、
先生にファゴットにまわされたという話には笑いが、また週1回のレッスンの他、
月1~2回はベルリン・フィルの演奏会に参加している、というエピソードには、
会場から期せずして感嘆の声が(笑)。

最後に、PMFオーケストラが登場して当初第2部で予定していた「PMF賛歌」を
会場のお客も立ち上がって合唱する。
ホルストの「惑星」から「木星」に歌詞をつけて歌う、という即席平原綾香状態なんですが
PMFにふさわしい歌詞も相まって気持ち良く歌うことができました。
これから毎年のPMFでは定番となるのかな。

以上で第1部が終了。
この段階で第2部の開演予定時間をオーバー。

第2部はPMFオーケストラ演奏会。
演奏されたのは次の2曲。

1 ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調作品102
2 R・シュトラウス:アルプス交響曲作品64

1はソリストのファカルティを除けばPMF生のみで、2は首席にファカルティが参加という
プログラムAと同様のスタイル。Kitara最後の仕上げ、とばかりに注目です。

1はソロとオケが溶け合った時に発する曲の持つ躍動感や多彩さには乏しく、
お二人のソロとルイジさんの指揮ぶりも相まって手堅い演奏に終始する。
実は1を終えてやや拍子抜けの感があったのですが、2では思わず身を乗り出す出来に。

2は交響曲とは言うものの明確な楽章の区別がなく、続けて演奏されるため
単一の楽章構成のようで、その上標題も有することから交響詩的な要素が強い作品。
また、カウベルはじめ見慣れぬ打楽器も登場して、規模も大がかり。
5人の打楽器奏者が両手にカウベルを持って鳴らしていたが、
これなんかCDだけではわかりません。
この曲はトゥーランガリラ交響曲同様、実演が楽しめる度合いが強いですね。
音だけ聴いていても、まるで映画でも観ているかのような気分に浸るのですが、
これとて音で景色を描写するという試みも肝心のサウンドが良くなければ、
作品の持つ仕掛けは楽しめない訳で、その点ルイジさんの冷静かつ熱情溢れる指揮は
見事にオケからその響きを引き出すことに成功していたと思う。
やはり、プロ未満の即席オケが手兵オケの如く大変身している様には、
ほぼ一ヶ月札幌に滞在して指導するという芸術監督本来の役割を果たしてくれた成果なのでしょう。
3年間の任期のラストを飾るにふさわしい仕上り具合だと思われました。
来年はルイジさんが登場することはないのでしょうが、
開催期間中は滞在して指導するという芸術監督が選任されることを期待したい。

初のGALAで、かつ長時間なので少々身構えていましたが、
終えて見ると疲れもなく十分楽しめました。
賛歌も作った以上、次年度も定番化していくのでしょうか。

<蛇足>
今回TV中継はなく、録音だけのようです。
昨年もKitaraのラストコンサートにはありませんでしたから2年続けてですね。
また、会場の各ブロックに空席が目立ち、入りとしては7~8割というところでしょうか。
GALAという初の試みとルイジさんのラストイヤーだけに
満席なら最高の形だったと思われるだけに残念でした。
ちなみに今年のPMFでは、でかけた演奏会全てで空席が目立ちました。
アーティストの力を引き出す上で、会場が満席に近いことは大事なのではないでしょうか。
景気の低迷が原因だ、と簡単に片づけずにPMF組織委員会は、
チケット販売にもっと真剣に向き合っていくことを期待したいですね。
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by capricciosam | 2012-07-28 23:17 | 音楽 | Comments(0)

ファビオ・ルイジ&PMFオーケストラ(Aプロ)@PMF2012

演奏されたのは次の2曲。

1 ストラヴィンスキー ペトルーシュカ(1947年版)
2 チャイコフスキー 交響曲第6番ロ短調「悲愴」

1は見渡したところPMF生のみで、2では各パートの首席に指導陣が加わる、
という近年定着したやり方となっている。
コントラバスだけで11と相変わらずのボリュームなので、音量が不足するということはない。
しかし、スタートしてからまだ10日余りの急造オケだけに、アンサンブルの練り具合はどうか。
その年のPMFオーケストラの出来映えを占う意味でも、また今年は最後に控えた中国公演に
持っていくプログラムでもあるだけに期待して出かけた。

1では、炸裂するリズムを支える打楽器陣をはじめ、各パートともに健闘。
ただ、ホルンはじめ金管には時々乱れがあったことから、後半はもっと良くなるのだろう。
1947年版は4楽章から構成されるが、30分余り連続で演奏されたため、
一旦崩壊したら大変なことになるのだろう。
そのためPMF生の緊張も相当のものだろうが、指揮するルイジさんとてそれ以上か。
それ故、指揮ぶりは先日の札響で見られた抑制された、慎重なものになるのか、
と思ったら、もっと動作にメリハリをつけて、グイグイと引っ張る感じで
オケをコントロールしていた。

これは2になっても変わらず、むしろ1より大胆になった感じがした。
そのせいか、演奏自体にのびやかさとダイナミックスさが溢れ、
大変感動的なものに仕上がっていた。
もっとも、各パート首席の指導陣が抜けてからもこうなるのか、どうかは定かではない。
しかし、十分期待が持てる内容だったことは間違いない。

ところで、気になったのはルイジさんの指揮ぶりの変わり様だ。
やはり、曲の違いというより、オケの違いなのでしょうね。
札響の時は、お互いが慎重な手合わせをしているような雰囲気が感じられ、
サウンドとしてはきっちりしているものの、小さくまとまったような印象でした。
それに比べ、PMFオーケストラは、指揮者が前にでなければならないという
指揮者とオケの力関係があります。
それが、2では信頼しているプロが加わって支えることから
より大胆になった、とも考えられます。
単純にプロとアマの違いとも捉えられなくもないのですが、
むしろプロ同士だからこその違いだったのかもしれません。

PMFオーケストラ演奏会としては注目していたAプロだけに
空席なんて目立たないだろうと思ったら、各ブロックとも結構あったのは意外。
しかし、それでも四方へのお辞儀で応えるルイジさん。
好感度アップします。
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by capricciosam | 2012-07-14 23:45 | 音楽 | Comments(0)

東京クワルテット@PMF2012

演奏された曲は以下のとおり。

1 ハイドン 弦楽四重奏曲第74番ト短調「騎士」
2 ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調
3 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第9番ハ長調「ラズモフスキー第3番」
アンコール
1 ハイドン 弦楽四重奏曲「ヴェネツィアの競艇」より第3楽章
2 ヴェーベルン 弦楽四重奏曲のための緩徐楽章

毎年PMFでは数多くの演奏家会が開かれます。
仕事がある身としては、ある程度公演の数を選択せざるを得ない訳ですが、
弦楽四重奏コースが設置されていた2005年から2009年までの5年間は、
指導者の東京クワルテットの演奏会には極力足を運んで、
40年に垂んとする円熟の響きに耳を傾けるように心がけてきました。
その上、僥倖だったのは、室内楽コースが廃止された2010年以降も
指導陣に留まって演奏に接することができたことでしたが、
それも2013年6月に解散が決定したことで、最早叶わぬこととなりました。

そういう意味では、札幌でのラストコンサートの性格を帯びた演奏会。
一糸乱れぬアンサンブルの連続に奇跡的な時間となりました。
しかも、演奏が進むほど集中度は高まるようで、ドビュッシーでメインデッシュを
食した気分でしたが、休憩後のベートーヴェンはそれ以上の充実ぶりで
固唾を飲んで聴入りました。

鳴りやまぬ拍手に応えてのアンコール。
1曲目の前に池田さんがスピーチ。
「活動をはじめて42年と数ヶ月。来年の今頃には、もうここにはいなのかと
思うと、‥‥」残念ながら「‥‥」の部分は聞き取れませんでした。
なんとおっしゃったのでしょうか。

2曲目も同じく池田さんが解説。
ヴェーベルンが19歳に作曲した恋する気持ちの込められた作品とのことでしたが、
小生には過ぎ去った過去の名残を惜しむかの如く、慈しむような気持ちが
感じられてしかたありませんでした。
まるで、東京クワルテットの皆さんの「さよなら」の気持ちが込められているようでした。

空席の目立つ会場でしたが、立ち上がって拍手される方がとても多かった。
きっと、感動と感謝と名残惜しさがそうさせるのではないかと思いますが、
だとしたら、小生も同様です。
そんな気分の一端を代弁してくれたような文章がありましたので、
最後に引用させていただきます。
会場で配布されたパンフレットに掲載されていたものです。

「いまこの4人で最終章に辿りついた東京クワルテットが、札幌での最後の夏に、
弦楽四重奏の名作で語る真摯な音楽への言葉や感情は、過ぎていく音楽の
美しい喜びやいっときの愉楽を超えて、この先への輝かしい果実を人々の
記憶のうちに育てることになるのだろう。」
(以上、青澤隆明氏「この夏の光のなかで」より引用)
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by capricciosam | 2012-07-13 23:44 | 音楽 | Comments(0)

ファビオ・ルイジ&札響@PMF2012

演奏されたのは次の3曲。

1 ウェーバー オベロン序曲
2 モーツァルト フルート協奏曲第1番
3 ブラームス 交響曲第4番

PMF開催中はホストシティ・オーケストラとして札響も参加しているが、
かつてPMF生との混成オケで聴いたことはあるものの、単独では初。
と言うのは、PMF芸術監督が札響を指揮するのは1994年に当時芸術監督だった
クリストフ・エッシェンバッハ以来とのこと。
また、ファビオ・ルイジの芸術監督としての任期が今年限りとなると、まさしく一期一会。
7月には札響の定期演奏会がないだけに、定期演奏会に匹敵する位置づけ
ともとれなくはない。

さて、1曲目。聴き終えて頭に浮かんだのは「丁寧」という単語。
札響の演奏には慎重さが感じられ、その分丁寧な響きであったと思う。
演奏終了後、ホルンとクラリネットの両首席を立ち上がらせていたが、納得。

2曲目はソロはウィーン・フィルの首席フルート奏者カール・ハインツ・シュッツ。
ところで、今年のファカルティのメンバーを見て驚いたのは、開催期間前半を支える
ヨーロッパからの指導陣にウィーン・フィル在籍者はこの人のみ、という少なさだった。
昨年よりもさらに減って、たった一人だけ。
しかも、芸術顧問を務めていたペーター・シュミードルさんの名前もありません。
かつて、コンマスや各パートの首席奏者が複数加わっていたことを覚えてるだけに、
なんとも感慨深く、長年PMFを支えてきたウィーン・フィルとの関係も終わったのか、
あるいは終わりを迎えつつあるということなのでしょうか。

さて、演奏ですが、ソロは無理なく楽々と吹き上げている感じで、
カデンツァも含め技巧を駆使されているのでしょうが、実に軽やかで、爽やか。
決してブリリアントな響という感じではないですが、
聴いていて心地よい響きには魅了されました。
札響も編成を小さくして室内楽的響きにしていましたが、よく盛り立てていました。

休憩後の3曲目は札響の力を発揮してもらいたいところですが、
第1楽章、第2楽章では1曲目、2曲目で示されたアンサンブルの良さが後退し、
時々音のざらつきが感じられる部分もあり、あまり楽しめず。
しかし、第3楽章、第4楽章ではうまく修正できたようで熱演になりました。

会場からはブラボーが飛び交っていましたが、盛大な拍手に応える
ルイジさんは四方に丁寧におじぎを繰り返していました。
ほんと誠実とか、きまじめという言葉がふさわしい感じの方なのですが、
これは音作りにも現れているようでした。
普段の札響から聴かれるもう少しはみ出し気味の響きは一切なく、
きっちり刈り込まれている感じで、きれいに整ってはいますが、
ダイナミックスさには物足りなさも感じるというものでした。

にしても、空席が目立ちました。
5~6割というところでしょうか。
一期一会的機会だっただけに、もったいない気分が残りました。
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by capricciosam | 2012-07-12 23:33 | 音楽 | Comments(0)

もうすぐPMF2012

夜来の雨のせいか、出がけに少し肌寒く感じて長袖シャツをチョイスしましたが、
日中、雲が切れて太陽が顔を出したら、やはり暑い。
腕まくりしてちょうど良かったんですから、やはり7月、夏近しです、ハイ。

「7日に札幌で開幕する国際教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」に
参加するアカデミー生が2日、新千歳空港に到着した。
今年のアカデミー生は、世界各地のオーディションで27カ国・地域の123人が選ばれた。
このうち、日本人は道内在住・出身の4人を含む26人。」
(以上、北海道新聞7/3より引用)

恐らく3日にはシートも決まり、当面の7日のオープニングセレモニー、
8日のPMFオーケストラ演奏会に向けて音楽漬けの日々が始まるのでしょう。
今年のPMF生の健闘を祈るとともに、どんな演奏に出会えるのだろうか、とワクワク。
毎夏のことですが、楽しみな季節がやってきました。
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by capricciosam | 2012-07-03 23:56 | 音楽 | Comments(0)

カルテットという名の青春@BS朝日

前回の記事で「週末ブロガーと化しています」だなんて、
開き直ったタイトルをつけてしまうくらい6月の記事更新は少なかったですね。
昨日も、書こうと思えば書けたのですが、ズルズルと夜に。
怠惰から脱するのは勇気がいるものです、ハイ。

さて、今日から7月。
過ぎ去った半年はさておき、7月はPMFもありますから少しは更新できるかな、
と思っています。
に、しても最近は暑いんですよね。
今日も窓を開けると風が強いし、それでやや蒸した状態の室内でこれを書いています。

さて、話はちょいと戻って、昨夜のこと。
チャンネルを変えたら「カルテットという名の青春」という番組が入っていました。
タイトルに惹かれてみていると、若き日本人カルテット「ジュピター弦楽四重奏団」の
欧州での研鑽ぶりを数年に渡って追跡したドキュメンタリーということがわかりました。
ほぼ後半しかみることはできなかったのですが、見応えはありました。

技術的には申し分のない彼らなのですが、指導を受けるタカーチ教授からは
「もっと自由に、心を表現しなさい」と言われます。
しかし、シンプルなアドバイスではあるものの、それを演奏において表現することは難しく、
壁にぶち当たります。
特に、第一ヴァイオリンの植村太郎さんの悩みは大きかったようで、
レッスンの際に弾いていたベートーヴェンでは、タカーチ教授が業を煮やして
彼に替わって弾くと、聴いていた彼が「感動しました」と言って涙を流すのです。
確かに、タカーチ教授が弾くと、音楽が語りかけるがごとき変りようでしたが、
これが極める、深めるということなのでしょうか。
やはり修行は大変です。

番組は、カルテットとしての活動は一旦休止して、各々がさらに自己研鑽を積んでいく
ことで終わりますが、最後にメンバーに心理テストのような質問をしています。
これは、追跡当初にも同様の質問をしていたようで、彼らの変化でもみているのでしょうか。
質問は「あなたがおでんのタネなら、どれにあたりますか?」というもので、
それぞれ興味深い回答でした。

先ほどの植村太郎さんですが、当初は「だいこん」と答えていたのが、「がんも」に変わります。
ぐだぐだになってなんでも吸収していそう、と笑顔で回答していましたが、
迷っていた頃に比べたら、その後の左中指の腱を切ったアクシデントを克服して、
一皮むけていった感じですね。

ところで、彼らのHPトップにはヴィオラの今井信子さんの言葉が掲げられています。

「私はこのジュピター弦楽四重奏団がこれからの日本を担う4人だと確信し、
音楽性、人間性において彼らに夢中です。」

日本人だけの弦楽四重奏団と言っても、スタート当時の東京クワルテットぐらいしか
世界的に活躍していないと思いますから、再開した暁の活躍には期待したいところです。

ところで、彼らが「ジュピター・カルテット・ジャパン」を結成したのは2004年。
PMFが弦楽四重奏コースを開設したのは2005年から2009年まで。
ひょっとしたら、と思ってHPのフォトギャラリーを覗いてみたら、
やはり参加していましたね。2008年のPMFでした。
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それで、当時のアカデミー生のメンバー表を確認したら、なるほど間違いありません。
ちょっと見にくいとは思いますが、最下段の赤で囲った4名です。
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残念ながら、この年の弦楽四重奏演奏会で小生が聴いたのはPMFウィーンのみでしたから、
彼らの実際の演奏は聴いていません。
だからこそなのですが、再開した暁にはぜひ聴いてみたいものです。       

この記事を書きながら聴いているのは、このドキュメンタリー後半で
タカーチ教授の前で彼らが弾いていたベートーヴェンの第12番。
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by capricciosam | 2012-07-01 14:31 | 音楽 | Comments(0)

佐渡裕&ベルリン・ドイツ交響楽団@Kitara2011

はじめに、当夜のアンコール含めた演奏曲を。

1曲目 ベートーヴェン「レオノーレ」序曲第3番
2曲目 モーツァルト ピアノ協奏曲第23番
アンコール ショパン ワルツ第5番
3曲目 チャイコフスキー 交響曲第5番
アンコール 弦楽セレナーデより第3楽章「エレジー」

当夜の真骨頂は、やはり3曲目のチャイコフスキー。
佐渡さんは、決して急がない。
むしろ、あえて「ため」を作るがごとき悠揚迫らぬ指揮ぶりで、オケを慎重にリードする。
また、オケもそれに丁寧に応えるが、間延びしたところなどいささかもない。
第一楽章はそんな印象で終え、引き続きホルンの独奏が印象的な第二楽章に。
ところが、ホルンのソロが終わる半ば頃から佐渡さんが指揮棒を置いて、
手だけで指揮し始めてから、俄然カンタービレが満ち始めたように感じた。
やっと、佐渡さんがブレーキを解除したようで、続く第三楽章も指揮棒なし。
圧巻は第四楽章で、師のバーンスタインばりのジャンプは飛び出すは、
前で両手を組んで、まるでオケに向かって祈るがごとき姿も。
圧倒的フィナーレを終えると、多くのブラボーとともに、満席の会場からは
多くのスタンディングオーベーションが。
出かけた演奏会では久しぶりに見る光景でしたが、心情的には小生も同じです。

客席に振り向いた時の佐渡さんは一瞬泣いているように見えました。
そして、オケがはけて、客席も立ち始めた時、まだ続く拍手に応えて
一人登場してくれました。さらなる盛大な拍手とブラボー。
この時も、佐渡さんは、何やら胸にグッとくるものをこらえるような表情でした。
きっと、ツアーを終えた達成感、安堵感、解放感が、そうさせたのかもしれませんね。
でも、穿った見方かもしれませんが、「札幌」という自らのキャリアに欠かせない地への
久しぶりの凱旋公演の成功がよけいそうさせたのではないかな、とも思い当たりました。

佐渡さんがPMFの第一回から参加して、この教育音楽祭の礎を築いた一人であることは
PMFの演奏会を楽しみにしてきた人の間ではよく知られていることです。
その前後を振り返ってみます。

1987年・26歳 タングルウッド音楽祭に参加、バーンスタインや小澤征爾の指導を受ける
1989年・27歳 ブザンソン指揮者コンクール優勝
1990年・28歳 第一回PMF開催 アカデミー教授陣として参加
1991年・29歳 第二回PMF開催 この年は参加していない
1992年・30歳 第三回PMF開催 PMFオーケストラ・レジデント・コンダクターとして参加
以下、1997年・35歳の第八回PMFまで同じ役割で連続参加しています。
(以上、PMFに関しては「PMF-20Years」から引用しました。)

回数にして7回。
20代後半から30代半ばまでの若き日に、夏の一ヶ月間を札幌で過ごしてきた訳ですから、
少なからぬ「想い」が札幌に対してあっても当然ではないのかなと思います。
その間、並行してフランスのボルドーや新日本フィル、そしてラムルー管弦楽団の指揮者
にも就任してプロ指揮者としての地歩を固めていっていることがわかります。
また、PMF最後の年はKitaraが開館した年でもありましたから、
Kitaraのステージにも立って指揮しています。
しかし、PMFとの縁が切れてからは、これ以降は恐らくKitaraには登場していないはずです。
と、いうのは次のような表現が気になって、調べてみたからです。

「日本国内では、新日本フィルハーモニー交響楽団の指揮者、大阪センチュリー交響楽団
の首席客演指揮者などをつとめた後、ほとんどすべてのオーケストラと共演を重ねている。」
(以上、「佐渡裕オフィシャルサイト」より引用、一部省略)

もちろん、PMF開催中は札響と共演しているので、これをカウントしているとは思います。
しかし、PMFとは関係がなくなっても、飛躍的に世界に進出していた当時の佐渡さんを
札幌のプロオケである札響が定期演奏会に呼んでいない訳はない、と思ったのですが、
こちらのサイトで調べてもありませんでした。
これは、正直、驚くとともに意外でした。
まぁ、定期演奏会以外のものもありますし、他のオケと来札しているのかもしれませんが、
札響が一度も呼んでいないのが事実とすると、ちょっと理解に苦しみます。
まぁ、お互いのタイミングというのもあるのでしょうが、不思議な話です。
この前提に立てば、佐渡さんの心の内では、札幌は懐かしいけれど、
地元のオケも呼んでくれない遠い街、冷たい街的な気持ちが生じていたのではないか、
と想像できます。
それが、15年ぶりのKitaraのステージで大喝采を浴びた訳ですから、
それだけで、疑心暗鬼な気持ちも吹っ飛び、感慨も一入だったのだろうな、と思った訳です。

発売早々に完売しただけあって、ほぼ満席。
久しぶりに見ましたが、聴衆の期待の高さが感じられました。
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<追加>
ベルリン・ドイツ交響楽団のブログを見つけました。
なんと、日本ツアーの様子がほぼ一日遅れのペースで動画入りで紹介されています。
Kitaraでの一曲目の「レオノーレ」のステージ横でトランペットを吹いてる様子も。
吹いてる奏者はモニターを見ながら吹いていますが、私服だったんですね(笑)
以前、ドレスデン・シュターツカペレのツアー中にも同様の速報記事を見つけて
感心したことがありましたが、こんなこと今年の札響欧州ツアーでもなかったしなぁ‥
うまく情報を発信してファンの心をつかみ、かつ開拓しているな、と改めて感心しました。
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by capricciosam | 2011-11-06 21:31 | 音楽 | Comments(4)

PMF中心の7月が過ぎた

8月ですね。
夏本番といきたいところですが、7月下旬の暑さが少々落ち着き、
おまけにこの頃は夜風が冷たいので、身体への負担も減った感じです。
暑さ続きの時は夕食後は起きていられず、早々に就寝の日々でしたから、
夏バテは7月に現れていたのかもしれません。
もっとも、これからの暑さでは再び夏バテなんて、こともあるのかな。
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ところで、7月はPMF開催中なので、久しぶりにライブ三昧でした。
1回しか足を運べなかった昨年に比べると、私にしては結構通った方です。
その上、7/17には日本ハムを応援に行ってきました。
前売り券を買った時点では、「先発は誰だろうな」状態でしたが、
まさか、佑ちゃんが登板するとは想定外。
5回97球で一応勝利投手とはなりましたが、内容的には不満。
第一、無駄な球数が多いため、長いイニングが任せられない。
球数の多さにも関係するのが、コントロールの悪さ。
球威がないだけに生命線だとはおもうのですが、イマイチ。
これぞ、という決め球ががないこともつらくさせているのかな。
とにかく、応援していて疲れました。
(8/2の試合も傾向は変わらず。課題はいつ解決するのかな‥)
そんな訳で、休日に出歩いていたので、なおさら身体に疲れがたまったようで、
結構ハードなひと月でもありました。

今年のPMFを振り返ってみます。
まずは想定外のウルバンスキ。今思い出してもあのショスタコの10番は鮮烈でした。
当日はドビュッシーが無難な滑り出しだったものの、次のラヴェルでずっこけちゃったので、
果たして評判どおりなのか、と疑問符がついたままむかえたショスタコでしたからなおさらでした。
再度PMF登場を期待したいところです。

PMF生と講師とのアンサンブルは久しぶりでしたが、PMF生の成長した
一定の成果が感じられるものなので、改めて楽しい機会だな、と思いました。
それに奈井江町のコンチェルトホールの響きの良さ。
室内楽にはうってつけだと思うのですが、年間どのくらい音楽関係で稼働しているのか
気になりました。やはり、器は使われてこそ磨かれます。

久しぶり登場のトーマス・ハンプソンさんはその美声もさることながら、
中島公園のKitaraへの道で追い越されたことが、私的にはプチサプライズ。
黒縁のゴツイ眼鏡をかけていたのですが、堂々たる体躯でした。
ステージ衣装を右手で肩から下げて、大股で過ぎ去っていきました。
ちょうど開場の頃にはKitara正面を楽屋口に向かって歩いていました。
気がついてから、少し追いかけて携帯で撮ったので、ブレています。
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ルイジ監督2年目でしたが、昨年話題になったオペラ公演はなく、
代わって若手指揮者による公演があったりして、
3年間継続するような特色ある企画はないことはわかりました。
しかも、かつてのPMFで企画されながら、久しく企画されていないものを持ち出してきたので、
来年もそのような傾向になるのでしょうか。
それにつけても、大震災発生後いちはやく参加を表明してくれたことは忘れられません。
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by capricciosam | 2011-08-03 23:32 | 時の移ろい | Comments(0)

ファビオ・ルイジ&PMFオーケストラ(Cプロ)@2011

入場し、着席するとアナウンスが入り、プログラムの変更が告げられる。
当初、Ⅰ「亡き子をしのぶ歌」Ⅱ「リュッケルトの詩による歌」の順番であったが、
逆にするというものだ。開演前に登壇したPMF組織委員会のプレトークでは
ソリストと指揮者が長時間話し合って順番を変えたということだった。
どちらも、リュッケルトが書いた詩を基にして、ほぼ同時期に作曲されているが、
Ⅰがリュッケルトが亡くした子供への一連の心情を綴ったものであるのに対し、
Ⅱは内容的に関連がある訳ではない。
しかも、5曲をどの順番で歌おうとかまわないのだから、作品としての「重み」や
歌う側の「感情移入」としても、案外この順番で正解なのかもしれない。
(でも、逆に当初の順番の考え方というのも気になるが。)

また、トーマス・ハンプソンさんは第一回PMFに参加されており、21年ぶり2度目の出演。
当時の記録では、開会式の翌日にリサイタルを行っただけのようだ。
場所は北海道青少年会館ホール(当時、札響の練習場だったんじゃないかな)。
ピアノはマイケル・ティルソン・トーマス(以下、「MTT」と略す。)
曲目は記録では不明。

1曲目 マーラー/リュッケルトの詩による歌
順番は次のとおり。
①私の歌をのぞき見しないで
②私は快い香りを吸い込んだ
③真夜中に
④私はこの世に捨てられ
5曲のうちマーラー以外の手が加えられている「美しさゆえに愛するのなら」が
慎重に除かれている。
ハンプソンさんはバリトンの美声と洗練された歌い口が印象的。
③をクライマックスとした構成も相まって、まるで一連の物語でも
語ってくれたかのような気分にさせられた。
ちなみに、この曲は2008年にメゾ・ソブラノのコジェナーの歌声に接している。
所有CDもメゾ・ソブラノなので、バリトンではどんな感じになるのだろうか、
と思っていたが、案外聴けるものだ、ということがわかった。
しかし、好みとしてはメゾ・ソブラノか。

2曲目 マーラー/亡き子をしのぶ歌
①今、太陽は明るく昇る
②今、私にはよく分かる
③お前のお母さんが部屋に入ってくる時
④よく私は考える
⑤こんな嵐の日には
子(娘)を亡くした親の悲嘆に暮れ、激しく揺れる感情という内面が、
太陽、星、嵐という外部世界との対比を用いつつ表現されていくが、
ハンプソンさんの表現力は圧倒的で、今夜の演奏会一番の聴きものだった。
さすが、バーンスタインと録音を残しているだけのことはある。
会場からは万雷の拍手が送られる。客席からは珍しく花束も。
また、ファカルティの入らないPMFオーケストラも、1曲目、2曲目ともに、
ルイジさんの手堅い指揮の下、健闘していた。
また、2曲ともルイジさんの腕が降りるまでフライング拍手が起こらず、
余韻を味わうことができたのは幸いだった。

3曲目 マーラー/交響曲第一番「巨人」
調べてみるとPMFで聴くのは、1999年MTT指揮でPMF10周年記念オケで聴いて以来。
他のオケでもしばらくなかったことから、10年以上ぶりの実演ということになる。
これは意外だったが、CD含め聴かない年はないので耳なじみの一曲ということになる。
この曲ではファカルティも加わる。Kitaraでの総仕上げだ。
やや強奏気味なのは毎年のPMFオケらしい。
目を閉じて聴いていたが、先日のブラームスの印象にほぼ重なるのに少々驚く。
あれから一週間経ちながら、ヌーボーの熟成が停滞しているのか。
しかし、完成度として不満があるという訳ではない。
教育的成果としては十分だと思うのだ。
何故なのかな、と考えてみて思ったのだが、今シーズンは早くも一週間前に
一定の完成に到達していたからではないのか、ということだった。
考えてみれば、ルイジさん指導の下約3週間だから、
これまでの芸術監督との期間よりも長く接している効果が現れたということなのだろう。
ある意味「ルイジのオケ」と化した訳だ。
これまでのPMFを振り返っても珍しいことなのかもしれないが、
芸術監督を置く以上、正しい姿なのかもしれない。

曲が終わると同時に嵐のような拍手とブラボー。
終演は9時20分。久しぶりに遅くなった。
昨年のたった一回の参加に比べると、今年は結構ガンバッテ参加したが、
小生にとっての今年のPMFも今回で終わった。
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by capricciosam | 2011-07-30 23:22 | 音楽 | Comments(0)

ファビオ・ルイジ&PMFオーケストラ(Bプロ)@2011

ルイジさんが来札してから約2週間。
その間、若手指揮者を指導していたため、これが初の演奏会となった。
当日券も相当売れたようで、ほぼ満席。記録用と思われるTVカメラも。
早くも1曲目からブラボーが飛んでいたが、今シーズン初の芸術監督の演奏会だ、
という祝祭的気分も多分にあったのかな。
それに大震災後いち早くPMFへの参加を表明してくれた感謝のようなものも。

1曲目 モーツァルト/クラリネット協奏曲
2曲目 ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲」と「愛の死」
3曲目 ブラームス/交響曲第2番

1曲目のモーツァルトではペーター・シュミードルさんのクラリネットの甘く澄み切った
響きが全楽章通じて披露された。まさに至芸。
以前、2007年のPMFウィーンでクラリネット五重奏曲を聴いて感動したことがあったが、
今夜のクラリネットの響きもさすがです。
ウィーン・フィルもすでに退団されているが、在籍中からPMF芸術主幹をされており、
これからも来札されてその腕前を披露してもらいたいものです。
PMFオーケストラにファカルティは含まれていないが、手堅く演奏していた。

2曲目は過去に実演で接した記憶がない。
これは、歌劇を得意とするルイジさんの腕の見せ所と期待していた。
ステージ上では、PMF生が打楽器部門の何人かを除いてほぼ全員出てきたのではないか、
というくらいフル出演の有様。コントラバスも10。壮観。
ワーグナーの音の奔流を表現するためにはフルオーケストラ規模は欠かせないのだろう。
目をつむって聴いていたが、時にささやくがごとく、時に吠えるがごとく、
この妖しく官能的な作品を表現していた。オケも健闘。
しかし、強奏ではやや力まかせ的に聴こえたのが惜しい。
それから、ルイジさんがすっかり腕を下ろす前に拍手がフライングしたのは残念。
拍手が散発しだしても、ルイジさんはなかなか腕を下ろそうとしなかった。
「愛の死」はイゾルデがトリスタンの遺体に寄り添うように息絶える場面なのだから、
音が途絶えた無音空間に死んだ二人を思うという余韻が大事になってくる。
やはり、拍手は指揮者が腕をすっかり下ろしてから、だ。

3曲目はブラームスの4つの交響曲の中では美しい叙情があふれ、
聴くたびに若々しく幸せな気分にさせてくれる。
PMFオーケストラのような若い集団が演奏するにはうってつけなのかもしれない。
この曲ではファカルティも12名加わった。蛇足だがコントラバスは11に!
ルイジさんは各パートを思いっきりドライブするような感じで指揮していたが、
決してニュアンスもなく、オケが暴走するなんてことはなかったものの、
やはり少しパワーが強い。ま、これはいつものことながらで、PMFオーケストラらしい。
鳴りやまぬ拍手とブラボーが会場を満たしたが、満足度の高さが表れていた。
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by capricciosam | 2011-07-23 23:42 | 音楽 | Comments(0)