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東京クワルテット@PMF2006

開演間近にどやどやと大勢の若者が入場してきたので、5分遅れて開演。
東京クワルテットのメンバーが入場すると、彼らや他に座ったと思われる
若者たちから盛大な拍手や歓声(確かブラボーもあったかな)が。
どうやらPMF生だったらしい。
2ndヴァイオリンの池田さんは、挨拶しながら早くもニコニコ顔。

さて、一曲目はベートーヴェン弦楽四重奏曲第4番。
冒頭から4人の息がピタリとあって、力強く情熱的に主題が
奏でられていく様は圧巻の一語に尽きる。
しかしながら力強さだけではなく、弱音部分でのニュアンスも十分だから、
さすがという他はない。
この一曲を聴くだけでも、どれほどのメンバー交代を経てきたのかは
知らないが、現在でもこのクワルテットの合奏能力の高さは十分に高い
レベルを保っていることが明らかになったと思われた。
今夜一番気に入った演奏であった。

二曲目は武満徹の「ア・ウェイ・ア・ローン」。
この曲は東京クワルテット結成10周年の時に委嘱された作品
というから、メンバーにとっては自家薬籠中の一曲なのだろう。
確かに、武満らしさあふれる一曲で、響きがあり、それが連なり、
そして奔流となって流れ去り、そしてフェィドアウトして終わりを告げる。
メンバーも気合を入れて演奏していた、と思われた。
公演パンフでは「河が海に流れこんでいくイメージ」とあるが、
そんな気がしないでもない。しかし、聴いていて落ち着きの悪さが
つきまとい、すんなり耳になじむような作品とも思えない。
そこが武満らしいと言えばよいのか…。

三曲目はブラームス弦楽四重奏曲第3番。
メンバーはしっかり熱演していたのだが、どうもしっくりせず。
演奏自体ではなく、作品そのものとの相性なのかもしれない。
ブラームスは弦楽六重奏曲に比べ弦楽四重奏曲がいまいち
ピンとこないんですよね。不思議です。

盛大な拍手に応えてアンコール。
ヴィオラの磯村さんが、
「またPMFの(そして)キタラの会場で演奏できて幸せです」
こうおっしゃって、
モーツァルト弦楽四重奏曲第23番k590から「メヌエット」を。
チャーミングな、感じのよい曲でした。

最後に会場の入りですが、販売しなかったらしい正面席、三階席を
除いて7~8分の入り。中には札響のコンマスのお顔も。
明らかに昨年よりは入りましたが、PMFに室内楽コースが誕生して
2年目ですから、定着に向けてまだまだ入ってもよいのになぁ、との
思いは残ります。
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by capricciosam | 2006-07-21 00:11 | 音楽 | Comments(0)

トリビュート・トゥ・タケミツ@PMF2006

今年のPMFのメインプログラムはゲルギエフが妥当なところだろうが、
個人的には今夜のトリビュート・トゥ・タケミツもある意味メインだった。
2月札響定期のオール武満プロのショックというか、余韻を引きずって、
期待を込めてチケットを買った。

今回は武満の映画音楽を中心としてプログラミングされ、札響だけではなく
PMF生との混成オケであることが2大特徴ではなかったか。
前半は弦楽パートだけで演奏されたが、各楽器とも札響団員とPMF生が
ひとつのプルトをなして演奏された。プロを目指す腕前とはいえ、短期間
しか合同練習していないことでの音のざらつきが耳につくのではないか、
との懸念は一曲目の「死と再生」から幸いなことに消えていた。
弦を中心とした曲が多かったせいか、総じて良好なアンサンブルだった。
そして、今夜はソリストの腕前が光ったことも印象深かった。
二曲目「ノスタルジア」での伊藤亮太郎、三曲目「ファンタズマ/カントスⅡ」
でのI・ボースフィールドの冴え渡った技巧には引き込まれてしまった。
休憩後の後半では、最初に管楽器、打楽器も加わえて、かつ弦楽器は
もっと編成を小さくして「夢千代日記」が演奏された。
あのドラマは確か山陰の温泉地を舞台していたと記憶しているが、
曲を聴きながら、冬の鉛色した日本海の荒波のシーンを思い出していた。
次の「乱」は黒澤監督が久しぶりにメガホンをとった作品のように
記憶している(見ていないので記憶違いかもしれない)。
これはCDで聞くよりも心に迫る響きを感じた。ライブならではか。
最後に本日のお目当て「波の盆」である。
2月定期で耳にして以来、すっかりこの曲にはまってしまった身としては、
いささか小姑的に耳を澄ますことになってしまった。
PMF生もよく健闘してこの詩情あふれるこの曲の「歌」を奏でることに
貢献していたとは思うが、やはりところどころざらつきを感じる部分が
あったのは少々残念。臨時編成の弱さか。
やはり印象としては札響団員だけで演奏された2月定期が上回った。
しかしながら、十分満足すべきりっぱな演奏ではあった。
ただし、出番が複雑になったせいか、ステージに出てくるのに
自分の楽器を忘れてとりに戻るPMF生が目立ったのはいただけない。
プロの手前であるにしても、観客や他のメンバーを必要以上に
待たせてはいけない。

今回は歌手の小室等さんと武満夫人の浅香さんのプレトークがついていた。
本来出演予定だった長女が急病のため武満夫人が急遽参加してくれたようだ。
プレトーク自体は武満徹にまつわる断片的なエピソードの羅列のような
感じで、演奏会の作品を聞く上で役立ちそうなものは少なかったように思うが、
これはこれでおもしろい体験だった。
以下印象に残った話をいくつか。

◆新宿で武満夫妻、井上陽水、小室等らが飲んでいた時のこと。
 井上陽水、小室等がギターを持ち出してビートルズを歌いだしたら
 武満が楽器の口真似で参加してくるので、武満夫人が止めさせようとした。
 「だって、せっかく陽水さん、小室さんが歌ってくれているのに」
 気持ちはわかりますが、3人のセッションと考えると凄い光景ですね。

◆ギターを持って小室等さんが一曲歌ってくれました。
 「明日は晴れかな、曇りかな」
 この曲の詩は今日や昨日はくるしみや悲しみばかり。
 でも明日はきっと希望が、的な作りです。
 この曲は「乱」の音楽を作っていた時に即興的に作られたもので、
 曲作りには黒澤監督との関係で相当苦心していたようです。
 監督は好きなマーラーを聞きながら絵コンテを書いたりしていたようで、
 「乱」についても「ここはマーラーのように」と言っては武満ともめていた
 らしいです。
 ところで実はこの歌自体は「黒澤天皇」の気分の様子を表したもの。
 ところが、何も知らない当の御本人も一聴していたく気に入ったらしく
 「おっ、良い曲ができたじゃないか」と言ったらしい。
 
◆武満は外国へ行っても、着いた途端に帰りの時刻をすごく気にして、
 「時間は」「(帰りに)着る服は」とやりだすのだそうです。
 また、旅行へ着ていく服も自分では一切やらないため、夫人が
 日ごとにカバンに詰め込んでやっても、半分、ひどい時はほとんど
 手をつけないで持ち帰ったそうです。

◆詩人の谷川俊太郎は武満の代表曲は「波の盆」だと言ったそうです。
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<追記>代々木よもやまさんが聴講生を体験されながらトリビュート・トゥ・タケミツ
     を含めた圧巻レポートをされています。   
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by capricciosam | 2006-07-12 23:59 | 音楽 | Comments(2)

PMF車両

地下鉄に乗って、何気なく近くの吊り広告に目をやったら
PMFのポスターが目に飛び込んできました。
日常に追われて、PMFもうっかり忘れていました。
「まだ先のことと思っていたら、随分近づいたなぁ」
と思いつつ視線を移すと、その先のポスターもPMF。
そして、その先も。
「ありゃ」
慌ててまわりをよく見ると、壁のポスターもPMF。
窓のステッカーもPMF。
つまり、ぜ~んぶPMF。
「おっ、こりゃ凄い」
最初の戸惑いもどこへやら、嬉しくなってあわてて
携帯を引っ張りだして写真に収めました。
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一両がまるごとPMFの宣伝で埋め尽くされた「PMF車両」だったのです。
そういえば車両の外側にも大きめのステッカーが貼ってありましたね。
うっかりしていました。

今年もついにPMFの季節が巡ってきました。
明日は開会式です。
今年はゲルギエフの再登場もあり、楽しみです。
(楽しみなのは毎度のことなんですけれどね)
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by capricciosam | 2006-07-07 20:33 | 音楽 | Comments(0)

PMFカレンダー当る

こいつぁ、春から縁起がいいわい!

いい歳をして何事なんだ、とお思いでしょうが、
どうやらプレゼントに当選したようです。
昨年の本の時もそうでしたが、気に入ったプレゼントに
当たるというのは、やはり嬉しいことですね。

帰宅してみると、なにやら大判の封筒が届いていました。
封筒の表面には次のように印刷されています。
「Pacific Music Festival 2006 CALENDAR」
「うん?、PMFカレンダー!?おーっ!」
今回初めて作成したとかで、限定○名(忘れました)に
プレゼントするというので、以前応募したものだったのです。
さっそく中を確認してみると、写真にはサンティおじさん
東京カルテットが写っています。
ブログでもとりあげた昨年の演奏会が思い出されます。(^^)

PMF自体は夏なのですが、オーディションが1/22のベルリンから
始まって、3/8のハノイまで国内外19ヶ所で開催されるようです。
もうすぐ若い皆さんの挑戦がスタートするんですね。
できるだけ多くの方に札幌の地を踏んでいただきたいものです。
今年は先日聴いてきたゲルギエフが一昨年に続いて
首席指揮者として再登場します。
これも楽しみです。

■PMFの会期は7/8~8/3です。詳しくは公式HPをご覧ください。
 チケットですが、道外は3/26、道内は4/22から発売のようです。
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by capricciosam | 2006-01-12 22:46 | 時の移ろい | Comments(0)

PMF2005余録

いつもながら「今年の新酒の出来はどうかな?」と仕上がり具合が
楽しみになるPMFオーケストラですが、今年は名伯楽サンティ
おじさんの指導よろしく、これまででも出来の良いもののうちに
数えられるであろうことを確信させてもらえた。
その嬉しさのあまり某クラシックBBSへ駄文を書き込んだところ、
巡演した各地でも好評の声が聞こえてきて、ほっと胸をなで
おろしています。
感想をいただいた、GIACOMO、Dona nobis pacem、ドスト、
フェランド、ぐすたふ、ティオのみなさんには感謝しています。

脇道にそれますが、某クラシックBBSも圧倒的に東京発の情報が
多いようですが、日本各地では個性的な催しがいろいろ開催されて
いるようですから、あまりレスは期待せずとも各地からの発信をして
賑わいを形成していってはどうかな、と常々感じていて、時おり北から
発信させていただいていました。

北の都札幌で短期間の内に3名の指揮者によって鍛え上げられ、
仕込まれて、ニュアンスを教えられ、より旨口の新酒に仕上がった
ヌーボーが、道外の諸都市で巡演していくうちに熟成を重ねる、
そんなストーリーがぴったりなPMFオケ。
毎年道外でこんなにも楽しんでいただいているとは、つゆ知らず、
認識が甘かったですね。
これからもぜひ足を運んでください。

さて、地元の新聞・北海道新聞にサンティおじさんのインタビューが
掲載されていました。
PMFアカデミー生に触れての感想として、
「いっぱい仕事があると感じました。腕をまくって「さあ、やらなきゃ」
と思いましたね。」さらには、聴衆に感じてもらいたいこととして、
「ちゃんと練習すれば、若いオケでもこれだけいい音楽を奏でられる
ということ。札幌の皆さんにはPMFという場を毎年開くことに価値が
あること。文化は常にお金がかかるということを知ってほしい。」

そして私にとっての瞠目すべき極めつけの言葉は次の言葉でした。

「PMFは若い演奏家を教えることに情熱の持てない指導者は、
来るべき場所ではない、とも思いました。」


まさしく、教育音楽祭の本質を突いた至言です。
おじさんは教育音楽祭の「教育」の意義をよく掴んでいただいたのだ
と改めて思っています。
道理でよい仕上がり具合が楽しめた訳です。
やっぱり来年も期待しちゃいますね。
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by capricciosam | 2005-08-05 22:19 | 音楽 | Comments(2)

サンティ&PMFオーケストラ@pMF2005

毎年異なったメンバーで、しかも短期間に音作りをしていかねば
ならない、というハンディを背負いながら、その時時の指揮者の下、
醸し出す音に酔いしれることができたなら、これはこれで十分なる
醍醐味を味わえた、と言わねばならないだろう。
世界各国から集まった若者で構成されたPMFオーケストラの演奏
を聴くたびに、その醍醐味を味わってこれたのは幸いなこと。
しかし、百数十人からなる同オケだけに毎年音量は申し分ないが、
技術を超えた「ニュアンス」の乏しさが時に露見するのは、いささか
やむをえないことなのかな、と少々あきらめ気味でもあった。
まあ、ヌーボーと思えば、それはそれでそのフルーティな味わいを
楽しむことができる。なにもヌーボーにヴィンテージと同じことを
求めても、それは瀬のないこと。
そんなことを感じながら、毎年同オケの仕上がりぶりを楽しんできた。
しかし、昨夜は「奇跡」が起きたのではないか、と感じられる瞬間が
あった。そこには見事に「ニュアンス」があった。
ヌーボーなのに「こく」を感じる瞬間があった。
ロッシーニの序曲とレスピーギのローマ三部作という色彩感あふれる
イタリアもので構成されたプログラムもかなり寄与しているとは思うが
それでも丁寧にかつニュアンス豊かにプロオケ顔負けの演奏を展開
してくれたことには正直驚いた。
これは指揮者ネルロ・サンティのトレーナーとしての貢献や大と言える
であろう。ネルロ・サンティおじさん、恐るべし。
74歳と高齢なのは心配な点だが、思わず来年も来てくれることを
期待してしまった。
昨夜の演奏会は、これまでのPMFオーケストラの演奏史上でも、
一二を争う最高の出来として語り継がれていくのではなかろうか。
今日のピクニック・コンサートを終えてから、大阪、名古屋、東京と
巡演するようだが、各地での反応やいかに。

写真は「爆演系」バティスのCD/レスピーギ/ローマ3部作
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by capricciosam | 2005-07-31 08:49 | 音楽 | Comments(4)

東京クワルテット@PMF2005

札幌の初夏を彩る教育音楽祭PMFが今年も始まった。
「祭」ゆえ、例えコンサートでも「聴きに行く」というよりは、「参加する」
という感覚が私としてはピッタリする。
しかし、それでも参加できるのは毎年ほんの数回がせいぜいでは
あるが、第一回から毎年参加してきたことは、私としては画期的。

先夜は東京カルテットの演奏会に足を運んだ。
今年から室内楽コースも設けられ、その一環で東京カルテットも来札
したようだ。在米の日本人で結成以来35年、メンバー交代を経ながら
も高い評価を受けており、ぜひ一度生で聴きたかったカルテット
だった。
当夜の演奏曲目はモーツァルト、林光、ブラームスであったが、
いずれの曲もかけひきの妙を十分に味わわせてくれ、アンサンブルの
うまさには感心した。その奏でる音も、音圧を感じさせる先鋭な音では
なく、熟成された大人の味わい、とでも言ったら良いのであろうか。
特に、ブラームスの弦楽四重奏第一番はディスクでは、ほの暗く陰鬱
な感じの第一楽章からしてなじみ難く、聴きとおすのが苦手な曲の
ひとつで、なんとも心配ではあったが、まさしく「熱演」で、ぐいぐい
引込まれ、曲想の変化を十分楽しめたのは望外の喜びであった。
終演後、あまり良い入りとは言えない会場からもブラボーがしきり
にとんでいた。

バーンスタインの提唱で始まったPMFも、ひょんなことから札幌で
開催され、今年で第16回目。最近は景気の低迷もあって資金難から
苦しい運営の様子だが、これからも続けていってもらいたいものだ。

写真は東京カルテットのCD/シューベルト/死と乙女
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by capricciosam | 2005-07-23 11:45 | 音楽 | Comments(0)