札幌交響楽団第607回定期演奏会@Kitara_2018

《演奏会前ツイート》
Kitaraなう。まだ雪はたっぷりあるけど春近しを感じさせる穏やかさ。
久しぶりの演奏会は札響から。
2006年以来の尾高名誉音楽監督によるオール武満徹プログラム。
まもなく第607回札幌交響楽団定期演奏会がはじまります。楽しみ。

《演奏会後ツイート》
札響定期終演。「乱」「ファンタズマ/カントス」「弦楽のためのレクイエム」
「遠い呼び声の彼方へ」「系図」絶妙のプログラム。ソロも上手い。
特に「系図」の溢れるメロディーは「波の盆」を想起させる。
谷川さんの詩も相まって参った。
「尾高&札響&武満徹&Kitara」は最高のご馳走だと改めて知る。
c0007388_09440432.jpg



[PR]
# by capricciosam | 2018-02-24 23:59 | 音楽 | Comments(0)

札幌座第54回公演「暴雪圏」@シアターZOO_2018

《観劇前ツイート》
シアターZOOなう。佐々木譲原作の「暴雪圏」は氏の警察シリーズでも異色の
駐在所勤務の警官が主人公。彼岸荒れに閉じ込められた十勝のスケールが、
このミニシアターでどう再現されるのだろう。
チケット完売の札幌座第54回公演がまもなくはじまります。楽しみ。

《観劇後ツイート》
「暴雪圏」終演。原作を再読して臨んだが、札幌座に見事にやられた。
100分ノンストップの最後まで舞台の緊張が持続。原作の圧倒的スケールを
度重なる場面転換と「雪」で再現した脚本にアッパレ。
原作をリスペクトしつつ、大胆に切り込む胆力が芝居には必要だし、
醍醐味と改めて知る一夜。明日千秋楽。
c0007388_09373892.jpg



[PR]
# by capricciosam | 2018-02-20 23:59 | 舞台 | Comments(0)

クリスマスの約束2017

1 言葉にできない~小田さんのピアノと金原さんのヴァイオリン

曲が終わるとナレーション。
「今晩は。財津和夫です。同じ時代を生きてきた僕も、小田さんとこの一夜限りの
ステージを楽しみたいと思います。」
半ば想像していたものの、斎藤由貴さんの声が聴けないのは寂しいね。

2 Close to you~和田唱、JUJU、松たか子、小田さんで。「遥かなる影」だね


委員会バンド入場。
MC『小田さん、今年古希、70歳になられました。今後どうするんだという話で、
とりあえず小田さんの声帯を保存して、できれば小田和正クローンを作って、
小田和正2世、3世を作って』「よけいなお世話だ」(笑)『 』…根本要
「今年ムッシュー、かまやつひろしさんが亡くなられました。」

<以下「風のように歌が流れていた」2004.11.8放送分>
MC『昔、小田さんがオフコースやっていた頃、楽屋に遊びに行ったら無視された。』
(小田さん「そんなことありませんよ」と苦笑。ところで「若いミュージッシャンへ
何かメッセージはありますか?」『あんまり小技に走ってがんばらない方が良いよ。
自分の色出してやってれば、人生一回か二回は良いことあるよ。』『 』…ムッシュー
3 ゴロワーズを吸ったことがあるかい~小田さんとムッシューで

MC「委員会バンドでムッシュー・メドレーをやりますか」
4 あの時君は若かった~我が良き友よ~ノー・ノー・ボーイ~バン・バン・バン
 ~どうにかなるさ

MC「今年は古希なので(委員会バンドで)俺の曲をやろうと言ってくれた。任せると
言いながら口をはさみ、大層迷惑をかけて申し訳ありませんでした。」
5 Yes-No

MC「(忌野)清志郎の歌を何曲か取り上げてきて、その訳詞にしかない味わいがあって、
清志郎は凄いなぁーって。清志郎もいないし、じゃあ水野にやってもらおう、という
ことになりました。」『この曲はみなさんで一緒に歌うことが意味あると思うので、
ぜひみなさん、歌ってください。』『 』…水野良樹
6 You've got a friend~訳詞も良かったね  

(熊木杏里登場)
MC『緊張してます。いい日旅立ちみたいな感じで歌います。』
  「とっても素敵な歌です。」『 』…熊木杏里
7 新しい私になって

(和田唱登場)
MC「僕らの間でスターと呼ばれています。知っていますか?」和田本人は苦笑い。
「何歌おうかと思っていたら」『一致したんですよ。映画の曲。驚きましたね。』
「膨大な曲で、でも選ぶの楽しかったよね」『練習しましたもんね』『 』…和田唱
8 Tonight~White Christmas~Moon River~雨にぬれても~チム・チム・チェリー~
 My favorite things~Live and Let die~星に願いを

MC「(和田唱と)出会えたのはCDが最初で、2本目の脚本を書いている時に、
  TRICERATOPSの歌を超ヘビーローテーションしてまして」
  『3年連続で出させてもらい、僕の歌をやるのは初めて』
9 FEVER

(この時を振り返って)
独白「無心に自分の思いを、誰かに届くはずだと書いた曲は、最終的に届いていく。
   音楽だからね。誰かが聴いている。」

(JUJU登場)
10 あなたのくれたもの ~JUJUの依頼で「ままならない気持ち」を歌った曲

MC「財津(和夫)君に頼まれて書いた曲。彼は時々思い出したように手紙をくれます。
   その返事のつもりで書いた曲です。」
11 手紙にかえて~小田さんのピアノソロで

終わると財津さんのナレーション。
「音楽の返信、確かに受け取りました。いつまでも大切にします。」

(松たか子登場)
(紅白出場が決まったという話から)
『子供預かってくれますか?』「いくらでも預かりますよ」(笑)
出場曲と「アナと雪の女王」との歌い方の違いに聞かれた彼女の答えは興味深かった。
『戦い方が違うんです。燃え方が違うんです。』これは役者ならでは、だな。
『 』…松たか子
12 歌を捧げて~今回歌詞を書き足したそうです

MC「今年はダニー・ボーイを取り上げてみました。世界で一番愛されている民謡です。
戦争に家族を送り出さなければならない、やりきれない気持ちを歌ってます。今年は
これを歌ってお別れです。」
13 ダニー・ボーイ

小田さんは声高に世情に警告したり、政治的発言をする方ではないが、オフコース時代から
その鋭い視線は感じていた。一歩踏み込んだのは危機感の表れか。

終わると財津さんのナレーション。
「70歳を迎えた小田さん。ほぼ半分の年齢のアーティストとひとつになれるのが、
音楽のすばらしさです。」

14 the flag ~小田さんを長年支えて亡くなったスタッフに捧げたものなのでしょう

独白「ともに戦ってくれた人の顔が浮かぶよね。この先のことはわからないんだけど、
クリ約は俺にとって何だったんだろう。それは、なかなか…」

c0007388_13174451.jpg
<蛇足1.2>
こんな記事を見つけた。

『小田和正(70)が23日放送のNHK FM「今日は一日"小田和正"三昧」で、
1989年に解散した伝説バンド、オフコース時代の盟友、鈴木康博(69)と
35年ぶりに"共演"した。小田の番組に鈴木がメッセージを寄せる形で実現。
(略)鈴木は82年にバンドを脱退しており、同じ番組に"出演"するのは鈴木の
脱退後初だ。』(サンスポ 2017.11.24より引用。以下『 』は同様)

"共演""出演"となっていたので変だなとは思ったものの、
でもこれは大きな変化だ。で、そのメッセージだが、

『番組では鈴木が当時について「声を聴いただけで小田って分かるのが
(同じボーカルとして)悔しかった。オフコース時代は宝です。」と述懐。
小田に向けて「声がかすれたり、それなりに(体調に)気をつかうところが
お互いある。頑張ってほしい。」と激励した。』

"男の嫉妬"を吐露している率直さ。鈴木さんも老境を迎え、心の
わだかまりを客観的に語れる時が来たということなのでしょうね。

『盟友からのエールに小田は「ビックリです。あり得ないですね。
これは消化するのにしばらく時間がかかりそう。感動しちゃって…」
と感涙。オフコースについて「宝物だよね」と言い切り、「当時は
ありふれた幸せに背を向けるしかなかった。強がりでね…」と
懐かしそうに振り返った。』

二人とも、オフコース時代を「宝」「宝物」という認識があるのは
ホッとするが、高齢な二人の現役としての時間が限られる中、二人の
共演が再び実現しないものか。あの珠玉のハーモニーをもう一度。


[PR]
# by capricciosam | 2017-12-31 13:18 | 音楽 | Comments(0)

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団@NHK音楽祭2017

【プログラム】

1 ブラームス ドイツ・レクイエム 作品45

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ソプラノ:ハンナ・モリソン
バリトン:ミヒャエル・ナジ
合唱:ウィーン楽友協会合唱団

歌舞伎をみた後は渋谷へ移動して初のNHK音楽祭へ。
渋谷駅からNHKへ向かう坂の途中で雨がポツポツ降り始めたので、近くのMUJIで
折りたたみ傘を買った。しかし、その傘も大して濡れないうちにNHKホールへ着いた
のは幸いだった。


「ドイツ・レクイエム」の実演は10年以上前に札響定期で聴いたきりで、
北海道ではなかなか実演に接する機会がなかった。

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の日本ツアーの一環として演奏されたが、
「ドイツ・レクイエム」の演奏は今夜だけ。
ブロムシュテットさんも
「とりわけ私は、日本の聴衆の方々の前でブラームスの<ドイツレクイエム>を初披露
できることに心躍らせております。」(ツアー公式パンフレットより引用)
と強調されていたので期待は大きかった。


指揮台の楽譜は閉じたままで、ブロムシュテットさんは暗譜で指揮されていた。
演奏には無駄な力みが感じられず、端正にさらさらと流れるが如くなのだ。
それが、逆にこの作品の核心に迫っているように思えたし、同時に作品への
リスペクト感が自然体の中から満ちあふれてきているようだった。
かと言って劇的さが希薄すぎる訳でもない。高いレベルでの中庸という感じだ。


また、特筆すべきはウィーン楽友協会合唱団。この作品は合唱の比重が高いと
思っているが、今回は合唱で聴かされたという気分になるくらい、実に説得力があった。
指揮者、オーケストラ、ソリスト、合唱が一体となった名演。
今回を越える「ドイツ・レクイエム」に出会うことは、今後そうそうないだろう。

曲が終わってもブロムシュテットさんはじっとしてなかなか腕を下ろそうとしなかった。
客席も水を打ったように静まりかえって(拍手をした唐変木一名を除いて)たっぷり
とした余韻を味わうことで、一層の感慨に浸ることができたのは僥倖と言えよう。

帰り道はしっかり濡れていた。恐らく演奏会の間は降っていたのだろうが、幸い雨は
上がっていた。結局、傘は使わずに済んだが、お陰でほぼ新品のまま持ち帰ることになり、
傘が東京土産になってしまった。この傘は「ゲヴァントハウスの傘」とでも呼ぼうかな。

<蛇足12.31>
12月はいくつかの演奏会を聴きに行こうと思っていたが、
急に諸事が重なり結果的に今回が今年の聴き納めになってしまった。
今年は今回の「ドイツ・レクイエム」と
4月のBCJの「マタイ受難曲」
宗教曲の珠玉の名演に出会えた一年となったことに感謝したいと思う。


c0007388_12202343.jpg



[PR]
# by capricciosam | 2017-11-19 12:04 | 音楽 | Comments(0)

吉例顔見世大歌舞伎@歌舞伎座2017

【昼の部】

1 湧昇水鯉滝『鯉つかみ』
2 『奥州安達原』環宮明御殿の場
3 『雪暮夜入谷畦道』直侍

久しぶりの歌舞伎。新築なった歌舞伎座では初めて。
地下鉄東銀座駅から木挽町広場に至り、エスカレーターを上がると、
正面破風屋根に櫓も上がり顔見世であることがわかる仕掛けになっている。

1「鯉つかみ」
 滝窓志賀之助…市川染五郎
 小桜姫…中村児太郎

「釣家の息女小桜姫は許嫁で重宝の龍神丸を探す旅に出た滝窓志賀之助を待ち焦がれて
います。ある日、蛍狩りの最中に志賀之助が姫の前に姿を現し、二人は館へ戻り奥へと
入ります。時同じくして館に現れたのは龍神丸を持参した志賀之助。出迎えた家老の
篠村次郎は二人の志賀之助に困惑しますが、刀は真の龍神丸。そこへ関白家の御使者
堅田刑部がやってきて姫を差し出すよう迫りますが、龍神丸を持つ志賀之助がその
悪巧みを暴き成敗します。すると奥座敷の障子には姫と鯉の影。実は、奥にいる
志賀之助は偽物で、琵琶湖に古くから住む鯉の精が化けた姿だったのです。」
(以上、公演チラシより引用)

二人が仲むつまじく踊る場面で徐々に志賀助に化けた鯉が徐々に正体を現してきて、
愛しい姫を奪おうとする設定に観客は気がつく仕掛けになっている。
最後の鯉の精が住む滝の場面での志賀助と鯉の格闘での染五郎の早変わりは実に楽しい。
いささかの遅れもなく見事に決まるのだが、よく似た背格好の役者の方なので、
ちょっと目を離すと、どちらがどちらやらと思ってしまう。
ドキュメンタリー等で見ると舞台裏は大変なようだが、いやはや大したものだな。
しかも宙乗りや本水を使う(本作は夏に演じることが多いようだ)ので、格闘シーンで
鯉が尻尾を振るたびに客席前列には水の飛沫が飛んでいたんじゃないかと
冷や冷やしていた。はじめて見た「鯉つかみ」は、物語も場面転換もわかりやすく、
外連もある派手な場面もたっぷりで初心者にも楽しめる演目だった。
かみさんは染五郎の声があまり通らないと気にしていたが、小生は特段気にならず。
来年1月の幸四郎襲名後もさらに磨きをかけていってもらいたいと思う。


2「奥州安達原」~環宮明御殿の場「萩袖祭文」
 安倍貞任…中村吉右衛門
 萩袖…中村雀右衛門
 安倍宗任…中村又五郎
「源義家が奥州安倍氏の反乱を平定した後のこと。皇弟環宮が行方不明になり、
その咎から平兼杖直方に切腹の命が下されます。そこへ父の難儀を知った娘の萩袖が、
盲目で袖乞いの身を顧みず駆けつけます。しかし直方は安倍貞任と駆け落ち妻となり、
ごぜに零落した娘の対面を許しません。萩袖は不幸を詫びる祭文を語り、父母へ許し
を乞います。そこへ現れたのは義家の命を狙う貞任の弟宗任。宗任から直方を殺すよう
促された萩袖は思い余って自害します。やがて直方は環宮不明の責から切腹、上使の
桂中納言は直方の死を見届けて立ち去ろうとしますが、義家がこれを安倍貞任と見破り
ます。」(以上、公演チラシより引用)

舞台は下手側にしんしんと雪の降る屋敷の外、上手側に屋敷の中と大きく2分割されて
いる。盲目となった袖萩が幼いお君に手を引かれて下手側より登場。
親に逆らい駆け落ちしたことで最後まで許してもらえないまま父親は切腹、萩袖も貞任
の弟宗任から渡された短刀で自害、となんとも救いようのない設定の前半。
萩袖親子が主役のため、主に芝居は舞台の下手側だけで演じられる。通称「萩袖祭文」
と言われるくらい萩袖が雪の中で祭文を弾き語りする場面が見せ場なのだろうが、
今回は萩袖は三味線を弾くだけ。しかし、雀右衛門の切ない語り口で歌われたら
もっと胸に迫るものがあったのではないか、と贅沢な注文がふと浮かんだ。
また、母の浜夕役の中村東蔵が良い味を出していた。


静的な前半に比べ、安部貞任が登場する後半は動的。場面に重厚さが増し、かつ躍動する。
ここは吉右衛門の独壇場で、隙の無い芝居はもちろん声の張りも十分で、
人間国宝・文化功労者となっても枯れた気配は微塵も感じられない現役感たっぷりだった。
いやはや、上手いね。大ファンのかみさんも満足していた。


□「雪暮夜入谷畦道」
 片岡直次郎…尾上菊五郎
 三千歳…中村時蔵
「春がまだ浅い雪の夜の入谷の蕎麦屋。悪事を働き、終われる身の御家人くずれの
直次郎は、恋仲の三千歳を療治する按摩の丈賀に出会います。道中で悪党仲間の丑松
と遭遇、二人は互いの無事を祈り別れますが、丑松は直次郎を訴人することを決意
します。直次郎は三千歳が療養している大口屋の寮へとやってきて、二人は束の間の
逢瀬を楽しみますが、その場へ捕手が踏み込み、直次郎は三千歳を残し、
一人落ち延びていくのでした。」(以上、公演チラシより引用)
 
前2作が復讐譚なら本作は河竹黙阿弥作による世話物。
雪の降る夜に追っ手を避けてなじみの遊女と逃げようか、という一夜の物語。

そば屋では客がそばを食べてセリフを言う。
そばをずずーっとかき込む音が客席に聞こえる。見ると口をもぐもぐしている。
「ありゃ、本物だ!」
客が出て行ってから、花道から菊五郎登場。深い雪を跨ぐように歩いて店内へ。
そして熱燗を一杯やって、注文したそばを、やはりズズーっと食べる。
どうも、この芝居では本物のそばを使うようです(驚)
菊五郎のしっとりした情感の出し方は上手いが、物語としては淡々と終わる。


<蛇足12.31>
①新しい歌舞伎座で意外だったのはクロークが設置されていなかったこと。
不思議に思って職員に尋ねたら、地下にコインロッカーがあるのでそれを利用して
もらいたいとのことだった。随分割り切ってるな、と思ったが、そのコインロッカー
を館内放送等で積極的に案内している様子もなかった。普段コンサートホール通いで
クロークをホールのもてなしのひとつとして利用させてもらっている身としては
歌舞伎座のお客をもてなす思想に何やら物足りなさも感じた。
クローク慣れしている海外からのインバウンドも多いだろうに、不思議。

②休憩中に何人もの客が前々列に座っている老人に挨拶する場面をたびたび目撃した。
「さぞや名のある方なんだろうが、一体どなたなんだろう?」と不思議に思っていた。
思い出そうとしていたら、元経団連会長のI氏ではないかと思い当り、
手元のスマホで検索したら当たりだった。その老人は最後まで鑑賞されていたが、
こういう方にさりげなく出会うというのも東京ならではだね。

③中村吉右衛門の言葉から
「その人の教養というか、経験というか、そういうものが、役者としての人間を
膨らませてくれるのではないかと思います。それを自分の肥やしとできる人は
芸が太っていくでしょう。(略)お客様の多くは、芝居に限らず、優れたものを
ご覧になり、さまざまなことをご存じです。そういう鑑識眼、審美眼のある方たちが
満足できるようなお芝居をお見せしなければならないと考えます。私は、歌舞伎は
芸術だと思っております。高尚なもの、上等なものをお客様にお見せしたい。
それには自分のなかのものを高めることが必要です。そうでないと芝居は高まりません。」
(歌舞伎座HP歌舞伎人より引用)

c0007388_07424762.jpg

 


[PR]
# by capricciosam | 2017-11-18 07:36 | 舞台 | Comments(0)

新日本フィルハーモニー交響楽団@すみだトリフォニーホール2017

【プログラム】

1 ラフマニノフ 交響詩「死の島」
2 チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
3 レーガー ベックリンによる4つの音詩

指揮:上岡敏之
ソロ:カティア・ブニアティシヴィリ

すみだトリフォニーホールでは2回目となる新日本フィルハーモニー交響楽団
(以下「新日フィル」という。)演奏会。
指揮者は前回は国外若手による客演だったが、今回は音楽監督の上岡敏之さん。
新日フィルの本来の力を本拠地で聴く機会がやってきた、という感じだった。
日程の都合上、今回もマチネ。現在マチネは<ルビー>というらしい。
(前回聴いた時は「新クラシックの扉」と言ったが、宝石シリーズに統一された。)

しかし、凝ったプログラムだった。
画家ベックリンの描いた「死の島」(欧州の家庭ではよく飾れているらしい。)
にインスピレーションを得て作られたラフマニノフとレーガーの作品を演奏する
という珍しい機会だったが、同じ対象から得られる着想というのは、やはり様々だな、
と改めて思った。絶望や恐怖をも想起させるおどろおどろしい1に比べ、
3の清らかで繊細な調べよ。1は絵の印象をストレートに作品にしたようだし、
3は死して後に天上に昇るかのごとき発想の対比は実に興味深い。
やや金管の乱れが気になったが、上岡監督の指揮の下、新日本フィルも見事に
描き分けていたと思う。しかし、上岡監督の指揮は自在だね。
また、その指揮にピタッと寄り添い演奏する新日フィルのしなやかさは見事だった。
その上、アンコールが驚愕の一曲だった。

ワーグナー 楽劇「神々黄昏」より ジークフリートの葬送行進曲

「これがアンコール?!」上岡さんの真骨頂!
「もっと聞きたい!」と思わせる濃密な響き。
上岡監督で「オール・ワーグナー・プロ」なんてあったら最高だろうね!

2では後日Kitaraでリサイタルを開催するカティア・ブニリシティビリが登場。
力強い打鍵とスピードが印象的で、まるで大馬力のスポーツカーのような勢いの良さ、
アグレッシブさが印象的だったが、ひとつひとつの音が明瞭に聞こえてくる様には
感じなかった。隣席のすみだトリフォニーホールご常連と思われる方と話をしていたら、
「彼女は一音一音というよりフレーズで弾いているようだな」と感想を漏らしていた。
盛大な拍手に応えてアンコールを一曲。

ドビュッシー 「月の光」

こういう選曲なにやら既視感があるが、思い出すのはこの時か。
とかく派手な外見で注目されがちだが、現在注目のピアニストの実力の一端を
楽しませてもらった。

昼公演。3階席だったが、前回より前だったのでホールの響きにも不満はなかった。
やはり、聴く位置で印象は異なるね。

c0007388_07022681.jpg



[PR]
# by capricciosam | 2017-11-17 07:02 | 音楽 | Comments(0)

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団@Kitara2017

【プログラム】

1 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調 (1845年初演)
2 ブルックナー 交響曲第7番ホ長調(ノーヴァク版) (1884年初演)

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス

創立275年という世界最古のオーケストラは、これまでどれくらいの作品の世界初演を
果たしてきたのだろう。今回の日本・台湾ツアーでは次の3プログラムが用意されている。


プログラムA 11/7札幌 11/12東京
       ①メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 
       ②ブルックナー 交響曲第7番

プログラムB 11/9横浜 11/11東京 
       ①ブラームス ヴァイオリン協奏曲
       ②シューベルト 交響曲第7番「グレイト」

プログラムC 11/13東京(NHK音楽祭) 
       ①ブラームス「ドイツ・レクイエム」
 
全てが、このオーケストラが世界初演したというから驚きだ。
どの作品もクラシック音楽の有名曲、定番曲ばかりだから、いかにこのオケが歴史的にも
重要なポジションを占めているかがわかる。
ヘルベルト・ブロムシュテット(以下「ブロムシュテット」という。)さんと
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(以下「GHO」という。)はKitaraでは、
2002年、2005年に公演を行っていたから、今回で3回目の来札公演となるはず
(2005年からは期間が空きすぎて少々自信がない)。

ブルックナー5番を初めて生で聴いたのは2002年のこのコンビによる演奏会で、
豪壮かつ悠然とした音の奔流に圧倒されて聴き終えた時の至福感は何物にも代えがたいと
感じたことが思い出される。一見豪快に指揮をされるように見えるブロムシュテットさん
だが、決して力づくではなく、自然にオケの力を引き出されるような印象をこの時抱いた。
あれから15年を経てこのコンビを再び聴く機会が巡ってきたら、またブルックナーだ。
しかも7番とは、なんという僥倖か。

2では内在する優美さと深い陰影が雄大な奔流となって身を包む感覚に襲われる
作品前半部が最高だが、ブロムシュテットさんはゆったりとした構えながら、
要所を引き締めてGHOの各パートから力を引き出していく。
力みかえったところがない、密度の高い音が心地よい。清潔感すら感じさせる。
老舗ならではの音の厚みと、その伝統に安住せずに常に革新している気配が感じられる。
名誉カペルマイスターとGHOの緊密ぶりが極上のひと時を与えてくれた。
ノーヴァク版だが、打楽器はティンパニのみ。


1では昨年のPMFに出演したレオニダス・カヴァコスがソリストとしてKitaraに再登場。
当時の感想は下記のようなものだが、

>カヴァコスのヴァイオリンは力み返ったところが微塵も感じられないのに、
>実に堂々たる歌いっぷりで正統派の美音そのもの。巨匠の趣。

「正統派の美音」がさらに徹底し、雑味、えぐみのない純水のごとき様には驚いた。
これ程演奏者の余計な情感が入らないまっとうな演奏はそう聴けるものではないと思う。
これに近い印象は2016年のイザベル・ファウストだが、同じ感動でも少し様子が違う。
カヴァコスは、まるで悟りでも開いたかのように自らの気配でも消したかのようだ。
すごく客観的なのだ。それでいて無味乾燥という訳では決してない。
良い意味で期待を裏切ってくれた訳だが、アンコールに

J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータより
パルティータ第3番よりガヴォット

この曲って、こんなにコケティッシュな感じの曲だっけ?と聴いていて笑みがあふれる。
カヴァコスの別な一面を見た思い。愉快。


当日券も完売し満席。
盛大な拍手とブラヴォーが大ホールを満たし、一般参賀が実現。
とても御年90歳とは思えぬ矍鑠(かくしゃく)ぶりのブロムシュテットさんだが、
さらに驚いたのはカヴァコスとともにサイン会に現れたこと。
感謝を伝えながらも、本当に恐縮してサインを頂いた。

c0007388_01042590.jpg
<蛇足>
2005年の札幌公演は残念ながら聴いていません。
でも、GHO演奏会の翌日にはダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ
札幌公演がKitaraで開かれていて、偶然ブロムシュテットさんを大ホールで目撃しました。
その時の様子はこちらです。


[PR]
# by capricciosam | 2017-11-07 23:58 | 音楽 | Comments(0)

【私的整理用】ラドミル・エリシュカ&札幌交響楽団演奏会@Kitara

10月27日と28日の感動的な演奏会が終わっても、
SNSでは依然「エリシュカ余震」が続いている。わかるなぁ~

ところで、10月定期演奏会の配布資料にエリシュカさんと札幌交響楽団の演奏歴が
一覧としてまとめられていたので、これを利用して私的整理をしておきたい。
記録とともに当時の感想をリンクさせておくことにします。

■2006年12月8日&9日 第494回定期演奏会
・スメタナ/交響詩「ボヘミアの森と草原から」
・ドヴォルジャーク/交響詩「金の紡ぎ車」
・R・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」
c0007388_22272015.jpg

※<伝説>の「シェエラザード」である。
聴き逃したが、ようやく最後の演奏会で聴くことができた。
聴けなかったら一生悶々としていたかもしれない。
特に10月28日の演奏は素晴らしいものだった。ライブ盤発売を期待。

■2008年4月11日&12日 第508回定期演奏会  CD化
・ヤナーチェク/狂詩曲「タラス・ブリーバ」
・モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番 ソロ:伊藤恵
・ドヴォルジャーク/交響曲第6番

※ただし、CDではモーツァルトは収録されていない

■2009年4月17日&18日 第518回定期演奏会 CD化
・ヤナーチェク/組曲「利口な女狐の物語」
・モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番 ソロ:木嶋真優
・ドヴォルジャーク/交響曲第7番

※ただし、CDではモーツァルトは収録されていない

■2009年10月31日 名曲シリーズ CD化
・スメタナ/連作交響詩「わが祖国」

※エリシュカさんがN響を指揮した同曲の演奏会が、そのシーズンのN響演奏会1位に選出

■2010年4月16日&17日 第528回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/序曲「謝肉祭」
・ヤナーチェク/シンフォニエッタ
・ドヴォルジャーク/交響曲第5番

※ただし、CDでは「謝肉祭」は収録されていない

■2010年11月27日 名曲シリーズ
・スメタナ/「売られた花嫁」から、三つの舞曲
・ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」
・R・コルサコフ/スペイン奇想曲
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集より
・ボロディン/ダッタン人の踊り

■2011年4月22&23日 第538回定期演奏会
・ドヴォルジャーク/スターバト・マーテル

※東日本大震災後に聴くことになろうとは思わなかった
 同曲は後年大阪フィルがエリシュカさんとCD化している

■2011年10月15日 名曲シリーズ
・ドヴォルジャーク/スラブ狂詩曲第3番
・チャイコフスキー/イタリア奇想曲
・リスト/ハンガリー狂詩曲第2番
・シャブリエ/狂詩曲「スペイン」
・エネスコ/ルーマニア狂詩曲第1番

■2012年4月27日&28日 第548回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/スケルツォ・カプリチオーソ
・ドヴォルジャーク/序曲「野鳩」
・ドヴォルジャーク/交響曲第9番「新世界より」

※ただし、CDでは「スケルツォ・カプリチオーソ」は収録されていない

■2012年11月25日 名曲シリーズ
・ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲
・ハイドン/交響曲第88番「V字」
・モーツァルト/交響曲第41番「ジュピター」

■2012年12月8日&9日 札響の第9
・ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱つき」

■2013年4月19日&20日 第558回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/序曲「自然の王国」
・ドヴォルジャーク/交響詩「水の精」
・ドヴォルジャーク/交響曲第8番

※2009年「わが祖国」以来のプログラムを全部収録

■2013年10月5日 名曲シリーズ
・ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集作品46

■2013年10月11日&12日 第563回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/チェロ協奏曲 ソロ:石川祐支
・ブラームス/交響曲第3番

※ブラームス交響曲チクルスがスタート、プログラムは全部収録

■2014年4月11日&12日 第568回定期演奏会 CD化 
・ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
・ヴォジーシェク/交響曲ニ長調
・チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」

※チャイコフスキー後期交響曲スタート、ただしベルリオーズは収録されていない

■2014年11月8日 名曲シリーズ
・スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
・フィビヒ/詩曲
・ヤナーチェク/ラシュスコ舞曲「のこぎり」
・スメタナ/交響詩「モルダウ」
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集作品72

※チケットを忘れ取りに戻って休憩後しかきけなかった、痛恨の0.5回(泣)

■2014年11月14日&15日 第574回定期演奏会 CD化
・ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
・モーツァルト/交響曲第38番「プラハ」
・ブラームス/交響曲第2番

※ブラームス第2弾、プログラムは全部収録

■2015年6月19日&20日 第578回定期演奏会 CD化
・ベートーヴェン/交響曲第4番
・ブラームス/交響曲第4番

※ブラームス第3弾、プログラムは全部収録

■2015年6月27日 名曲シリーズ
・ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
・リスト/交響詩「レ・プレリュード」
・ドヴォルジャーク/交響曲第9番「新世界より」

※「新世界」の再演となったが、聴いていない

■2016年3月4日&5日 第587回定期演奏会 CD化
・スメタナ/交響詩「シャールカ」
・ドヴォルジャーク/弦楽のためのセレナード
・チャイコフスキー/交響曲第4番

※チャイコフスキー第2弾、ただしスメタナは収録されていない
※3月8日東京公演@サントリーホール、エリシュカ&札響の東京デビュー

■2016年10月14日&15日 第594回定期演奏会 CD化
・スメタナ/交響詩「ワレンシュタインの陣営」
・ドヴォルジャーク/スケルツォ・カプリチオーソ
・チャイコフスキー/交響曲第5番

※チャイコフスキー第3弾、プログラムは全部収録

■2016年10月22日 名曲シリーズ 
・モーツァルト/交響曲第40番
・ドヴォルジャーク/アメリカ組曲
・ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」(1919年版)

■2017年3月10日&11日 第597回定期演奏会 CD化
・メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」
・シューベルト/交響曲第5番
・ブラームス/交響曲第1番

※ブラームス第4弾、プログラムは全部収録
※3月14日東京公演@東京芸術劇場、エリシュカ&札響の東京2回目

■2017年10月27日&28日 第604回定期演奏会
・スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
・ドヴォルジャーク/チェコ組曲
・R・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」

※最後の来日公演となる、28日の一般参賀は空前絶後!

<追記11.3>
エリシュカご夫妻が本日札幌を離れた。いよいよ帰国の途に就かれる訳だ。
チェコまでの長旅を無事終え、健やかにお過ごしいただくことを願っている。
心動かされる得難いひと時を数多く与えていただき感謝の言葉しかない。
一方で、残された身には、エリシュカロスが本格化していく訳だ。
願わくは心の中の大事な思い出をより強固に支えるものとして
CDの追加発売を待つしかないな。あとは記録用をDVDまたはBDで。
最後の演奏会「シェエラザード」は多分大丈夫として、
あとは2013年、2014年の「スラブ舞曲集」を全集として、かな。


[PR]
# by capricciosam | 2017-10-31 23:21 | 音楽 | Comments(0)