1曲目「高い城」、2曲目「モルダウ」は無難な仕上がりで、
特段チェコ風味を感じさせるようなものではなかった。 どちらか言えば、エリシュカさんも札響も慎重になりすぎている感じで 札響の響きも、どちらかと言えばおとなしい。 ここまでは「悪くはないが、このままじゃ少々物足りないなぁ…」。 しかし、弦楽器を中心に一体となったような「うねり」のようなものが 視覚的に感じられていたので、ハデな3曲目「シャールカ」以降に期待。 と思ったら、首席フルートの方が急いで楽屋に引っ込むアクシデントが発生。 その間、オケはチューニングして待っていると、なんと楽譜を手にして 戻ってきたのにはビックリ。「楽譜がなかったってことなのか!?」 こんなことがあるんですねぇ… しかし、アクシデントによるインターバルが効いたのかな?と思うような 気分転換効果があったようで、3曲目は冒頭からオケの鳴りも全開で、 次第にヒートアップ。「おぉっ…」 20分の休憩をはさんで演奏された残り3曲は牧歌さから勝利へ至る 内容だけに、札響にも先ほど書いた「うねり」がますます出てきた感じで 特にヴァイオリンを中心とした弦楽器の健闘は見事であったと思う。 終演後は会場からさかんにブラボーがとんでいたが、宜なるかなです、ハイ。 エリシュカさん、これまでの定期では、いわゆる「お国もの」を中心に 取り上げてきましたが、スメタナは初めて。 公演パンフには次のようなエリシュカさんの言葉が紹介されていました。 「"我が祖国"を指揮するのは日本人が富士山に登るようなもの。 (略)指揮者にとって技術的要求が多く、体力的にも厳しい作品で あるばかりではなく、音楽家にとって、そして全てのチェコ民族に とって神聖かつ威厳に満ちた象徴的作品であるからです。」 幾多の戦乱を経てきた民族の歴史絵巻を描いた本作品だからこそ、 チェコ人指揮者にとっては「特別な」作品である、というのも頷けます。 その思いが十分伝わる名演であったと思います。 エリシュカさんは「我が祖国」を、2月のN響、10/21の九響そして 今回の札響と、今年になってから国内では3回指揮されたことになります。 N響、九響ともに演奏会後の評判が高かったようで、 今回も期待してでかけました。チケットは完売。ほぼ満席。 聴衆の期待の高さが表れていますが、やはり一回ではもったいなかった。 定期でも良かったのでは?との思いもありますが、 エリシュカさんの定期デビューの直前に、コバケンさんの定期で「我が祖国」を 取り上げているから、時間もそう経っていない中では、やはり無理だったのかな。 まあ、セッション録音もしているとのことですから、CD発売を待ちましょう。
by capricciosam
| 2009-11-01 10:43
| 音楽
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