帰宅してTVを観ていたら、ベルリンの壁崩壊から20周年になる、
というニュースが流れていた。 「20周年と言えば、平成元年か…」 当時、落書きされた壁によじ登った人がハンマーを振るって壁を壊し、 人々が狂喜していた様子が報道されていたことは、なんとなく覚えていたが、 壁崩壊の前後関係は、いつしか記憶の彼方に消えていた。 そこで、どんな状況だったのか?は、Wikipediaで確認。 「そうだった、確かにあの頃は東欧諸国で民主化の動きがあったし、 ソ連の大統領はゴルバチョフさんだったんだ。 でも、東ドイツ政府スポークスマンの誤発表がトリガーになったなんてなぁ…」 壁もなくなりドイツも統一されたものの、依然残る東西格差(例えば失業率は 旧西が6%台なのに対して旧東が11%台と2倍程度高い)に旧東の住民が 壁のあった当時に戻りたがっているという、一種屈折した感情が芽生えている ことを伝えていたのが、気になった。 当時渇望していた「自由」とともに、得られるはずだった豊かな生活が 実現できないもどかしさが、失望を生み、「あの頃の方がまだましだ」 というような郷愁に結びついているのだろうか。 でも、これは有りなんだろうな、きっと。 誰でもツライ時は、過去の少しでもましな時に戻りたくなるものだし… もっとも、個人の人生や生活では許容できるものかもしれないが、 こと政治においてはこんな考えは危険な誘惑だろう。 写真はベルリンの壁崩壊を記念してその年12月25日に東ベルリンで 開かれたバーンスタイン指揮の第九のライブを納めたCD。 Freude(喜び)はFreiheit(自由)と置き換えられて歌われています。 バーンスタインがPMFで札幌を訪れるのはこれから半年後のことです。
by capricciosam
| 2009-11-09 21:50
| 時の移ろい
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