【プログラム】
1 ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 2 フォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」 3 ラヴェル 「ダフニスとクロエ」第2組曲 今回の定期演奏会の指揮者ユベール・スダーンさんは東京交響楽団音楽監督を 長年努められ方で、過去札響の指揮もされているが、あいにく聴いたことがなかった。 今回のチラシには「日本ではドイツ系のレパートリーでの名演で評価されてきた(略) これまであまり注目されることのなかったスダーンの指揮するフランス音楽の素晴らしさ を知っていただくためのプログラムです。」とあったが、とは言っても前半のブラームスが 鑑賞のツボなんだろうな、ぐらいの認識で出かけた。 ところが、休憩後の2、3が素晴らしい出来だった。こういう誤算は嬉しいね。 スダーンさんは指揮棒を持たずに全身を使ってオケをドライブしていくのだが、 色彩あふれる両曲を、実に情感豊かに描いていく。 もともと色彩感豊かな曲は、ともすれば品を失った演奏にも堕しかねないものだが、 節度をわきまえつつ、ギリギリのところまで表現していく手腕には感心した。 また、管楽器(特にフルート)を中心とした札響もよくこれに応え、音が濁らずに よくブレンドされていたと思う。札響のサウンドの充実ぶりが嬉しい。 過去の演奏回数は2が11回、3が3回と少ない。 特に、「ダフニスとクロエ」第2組曲の少なさには驚いたが、 案外若手が充実してきている現在の札響のサウンドを強化するには フランス作品はあっているような気がした。 1はソリストも札響も調和のとれた良い演奏だったと思う。 バリー・ダグラスのピアノも実に心地よかったのだが、如何せん印象に残ることなく 淡々と終わってしまった感じが否めない。これはソリストがそれほど目立たない作品 としての性格故なのかとも思うので、作品で損をしているような気がしてならない。 そういう意味ではもっとピアノソロが対峙するような作品で彼を聴いてみたいものだ。 アンコールに一曲。 ブラームス 間奏曲ホ長調op.116-4 全国にTV放送された昨年11月定期演奏会夜公演で、TV画面から見ると ちょっと空席が目立ったので、久しぶりに夜公演を選択してみた。 客の入りは6~7割か。定期会員を中心としたコアな席以外はやはり空席が目立つ。 特にPブロックと周辺の空席が目立ったが、定期演奏会としては寂しいな。
by capricciosam
| 2015-01-30 23:35
| 音楽
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