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PMFオーケストラ・プログラムA@Kitara2016
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【プログラム】1 ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲2 ドビュッシー:交響詩「海」3 マーラー:交響曲第4番 ト長調 PMFオーケストラが演奏する場合休憩前はPMF生が主体で、休憩後に教授陣全員が加わるというスタイルが近年定着している。ただし、休憩前においても若干教授陣が入る訳で、今回のプログラムAではティパニーのライナー・ゼーガスさんは3曲とも加わっていたのですが、1ではホルンのサラ・ウィリスさんが、そして2ではトランペットのタマーシュ・ヴェレンツェイさん、トロンボーンのシュテファン・シュルツさんが各々参加していました。休憩前は教授陣の参加が打楽器と金管楽器だけになっています。ところで、プログラムAに関して指揮者のジョン・アクセルロッドは
「プログラムAは「天国と地上」と呼びましょう。なぜなら前半は海と、この自然界のもっとも豊穣な力と人間との関係を表現した音楽をとりあげているからです。ワーグナーの「さまよえるオランダ人」序曲とドビュッシーの「海」は、音の密度、色彩、動きの傑作です。休憩後、マーラーの交響曲第4番は、私たちを楽園へ、限りなく無垢な、天上の王国へといざなってくれます。」(以上、会場配布パンフレットより引用) と語っています。なるほど「さまよえるオランダ人」は幽霊船の話ですから海に関係があります。確かに「豊穣な力と人間との関係を表現」する上で表現のダイナミクスさが欠かせないだけにこれらの曲では打楽器と金管楽器は要になったのでしょう。事実、1は最初の演奏会の1曲目にしては上々で、ワーグナーらしい深々とした響きは聞き応えがありました。また、2は表現のメリハリがやや乏しく、その分色彩感も もう少しあればと感じたのですが、なかなかの演奏で、「今年のレベルは期待できそうだ」 との思いが。 3では弦楽器、木管楽器の首席は教授陣が占め、教授陣が全員参加して演奏した。1や2と比べて表現の陰影が深まり、曲の躍動感が増し、「常設オケ?」と勘違いしそうなくらいの満足すべきレベルだった。教授陣の力たるや流石としか言いようがないのだが、指揮者のジョン・アクセルロッドさんも多分に寄与していることは間違いない。後半は教授陣もPMFアメリカに切り替わるが、さらにオケの力が伸びんことを期待 したい。3のソロはバーンスタインのようににボーイソプラノもありと考えると「無垢な天上」らしさを表現する声がふさわしいのだろうが、その点では今回のソリスト の声質は適している。これで声量があればなお良しかな。 3の第2楽章ではコンマスのライナー・キュッヒルさんが用意していたヴァイオリンに 持ち替えた。 「長2度高く調弦したヴァイオリン・ソロが、とりとめのない、一面おどけた旋律を演奏 する。」(以上、Wikipediaより引用) この場面だったんですが、持ち替えていたとはCDではわかりません。実演ならでは。 客入りは8割程度か。客電が点り、大ホールが明るくなっても拍手は止みませんでした。前半を支えた教授陣の最後の演奏会でもあっただけに各パートの教授とアカデミー生が別れを惜しんで抱擁したり、握手する姿が微笑ましかったのですが、中でも隣り合ったフルートのアンドレアス・ブラウさんとオーボエのジョナサン・ケリーさんが力を込めて握手している姿が印象的でした。
by capricciosam
| 2016-07-24 23:06
| 音楽
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北海道在住の雑食系オヤジです。心に浮かぶよしなしごとを書き散らしていましたが、最近はツイートの記録置き場です。※記事に関係のないTBやコメントは削除します
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