新日本フィルハーモニー交響楽団@すみだトリフォニーホール2017

【プログラム】

1 ラフマニノフ 交響詩「死の島」
2 チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
3 レーガー ベックリンによる4つの音詩

指揮:上岡敏之
ソロ:カティア・ブニアティシヴィリ

すみだトリフォニーホールでは2回目となる新日本フィルハーモニー交響楽団
(以下「新日フィル」という。)演奏会。
指揮者は前回は国外若手による客演だったが、今回は音楽監督の上岡敏之さん。
新日フィルの本来の力を本拠地で聴く機会がやってきた、という感じだった。
日程の都合上、今回もマチネ。現在マチネは<ルビー>というらしい。
(前回聴いた時は「新クラシックの扉」と言ったが、宝石シリーズに統一された。)

しかし、凝ったプログラムだった。
画家ベックリンの描いた「死の島」(欧州の家庭ではよく飾れているらしい。)
にインスピレーションを得て作られたラフマニノフとレーガーの作品を演奏する
という珍しい機会だったが、同じ対象から得られる着想というのは、やはり様々だな、
と改めて思った。絶望や恐怖をも想起させるおどろおどろしい1に比べ、
3の清らかで繊細な調べよ。1は絵の印象をストレートに作品にしたようだし、
3は死して後に天上に昇るかのごとき発想の対比は実に興味深い。
やや金管の乱れが気になったが、上岡監督の指揮の下、新日本フィルも見事に
描き分けていたと思う。しかし、上岡監督の指揮は自在だね。
また、その指揮にピタッと寄り添い演奏する新日フィルのしなやかさは見事だった。
その上、アンコールが驚愕の一曲だった。

ワーグナー 楽劇「神々黄昏」より ジークフリートの葬送行進曲

「これがアンコール?!」上岡さんの真骨頂!
「もっと聞きたい!」と思わせる濃密な響き。
上岡監督で「オール・ワーグナー・プロ」なんてあったら最高だろうね!

2では後日Kitaraでリサイタルを開催するカティア・ブニリシティビリが登場。
力強い打鍵とスピードが印象的で、まるで大馬力のスポーツカーのような勢いの良さ、
アグレッシブさが印象的だったが、ひとつひとつの音が明瞭に聞こえてくる様には
感じなかった。隣席のすみだトリフォニーホールご常連と思われる方と話をしていたら、
「彼女は一音一音というよりフレーズで弾いているようだな」と感想を漏らしていた。
盛大な拍手に応えてアンコールを一曲。

ドビュッシー 「月の光」

こういう選曲なにやら既視感があるが、思い出すのはこの時か。
とかく派手な外見で注目されがちだが、現在注目のピアニストの実力の一端を
楽しませてもらった。

昼公演。3階席だったが、前回より前だったのでホールの響きにも不満はなかった。
やはり、聴く位置で印象は異なるね。

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by capricciosam | 2017-11-17 07:02 | 音楽 | Comments(0)


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