◆ しかけはおもしろいんだけどねぇ
めずらしく試写会が当たり、でかけてみた。 敗戦の8月に第三の原爆が東京に投下されるのを阻止する ために秘密兵器「ローレライ」を乗せた潜水艦伊507号は 太平洋を南下する… さすが福井晴敏らしくおもしろい着想だし、最初から映画を 意識して書き下ろしたというだけに、期待度は高かった。 しかし、作品としての出来映えは感心しなかった。 気になった点を挙げてみると、 ①CGがお粗末、主たる場面がCGなのだから、この出来が 作品の印象を左右する恐れ大なのに、波からしてちゃち 日本の技術力はもつと高いと思うのだが… ②主たる脇役以外の脇役の演技力のなさ 泣きながら涙がでてこない、なんてイロハができていない? ③主たる配役の内面のゆれの描写不足 ④敗戦濃厚の時の切迫感が映像からは伝わってこない さすが軍人だってもう少し焦燥感があるんじゃないか 特に、食糧にも事欠くような戦時下で、平気で色艶の良い兵隊 がでてくること自体、監督以下変だと思わないんだろうか。 戦中の潜水艦を描いた名作としてはドイツの「Uボート」(2作ある ようだが、一作目の、ようやく帰還したと思ったら、たった一機の 敵機にやられて艦長以外死んでしまう作品の方です)が私の スタンダードなのだが、これにでてくる兵士のやつれた表情は リアリティがあり、いつの間にか自分も乗艦しているような気が したものだった。 これに比べると、作品に引き込まれていく感じは少なく、時間 が経つにつれて、段々醒めて観ている自分を感じてしまった。 残念ながら少々期待ハズレと言わざるをえない。 まあ、福井ファンは出来とは関係なく楽しめるのでしょうが…
by capricciosam
| 2005-02-24 23:58
| 映画
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