夜の特番で様々な医療の現場が取り上げられていた。
中でも心惹かれたのが「緩和ケア」 今だに、ひところよく聞かれた「ホスピス」との違いがわからないのだが、 全国でも緩和ケアが設置されている病院はまだ70程度とのことだ。 先月三回忌を迎えたおじは、そのうちのひとつで人生を終えた。 ガンだった。 当時、緩和ケアに入院するに当たっては、治療よりも 患者のガンからくる痛みを和らげたり、取り除くことが主と言われた。 実際今夜紹介されている緩和ケアも同様のことを日々実行している ようではあったが、ひとつ参考になったのは、その診療理念であった。 患者が生き続ける間は、その生を全うさせたいという目標を明確に していたことだ。決してその死を見ていてはダメで、あくまでも生きる、 生き続けるということのために緩和ケアがあるのだ、という ビジョンのようなものを描いていたことだ。 確かに、当時お世話になった緩和ケアスタッフの方たちは 人当たりも柔らかく、親切であった。 しかし、今振り返っても、淡々とというか、機械的というか、 うまく表現できないのだが、「どうせこの患者は死ぬんだ」という 一種の諦観のような治療する側の結論が透けて見えるような 居心地の悪さも感じたのは否めない。 あの時、今夜の病院の緩和ケアのような治療する側の理念を感じとる ことが出来ていたら、そのような部分は相当薄らいでいたのではないか、 ふと、そう思った。
by capricciosam
| 2008-05-23 23:47
| 時の移ろい
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by capricciosam
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