カテゴリ:舞台( 19 )

札幌歌太郎の会@札幌教育文化会館講堂_2018

《終演後ツィート》
札幌歌太郎の会@札幌教育文化会館終演。
昨年NHK新人落語大賞を受賞し小樽にも活動拠点を構える二つ目。
「ちりとてちん」「一眼国」〈仲入り〉「厩火事」の3席。
爆笑させるタイプではないが、笑いのツボは抑えた話っぷり。
マイクなしでも声は通ると思ったが、声を張り上げてしまうので、
次回はマイク登場か?
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by capricciosam | 2018-10-21 23:09 | 舞台 | Comments(0)

講談師神田松之丞独演会@たきかわ文化センター小ホール_2018

【演目】
1 軍談「扇の的」
2 侠客伝「違袖の音吉」
<仲入り>
3 赤穂義士伝「神崎の詫び証文」

《開演前のツィート》
たきかわ文化センターなう。人生初の講談ライブ。
まさか講談聴きに滝川市に出向くなんて想像もしていなかったが、
知るは楽しみ、というノリです。
まもなく講談師神田松之丞独演会がはじまります。
チケット完売。楽しみ。

《終演後のツィート》
神田松之丞独演会@滝川市終演。
源平盛衰記からの「扇の的」、侠客ものの「違袖の音吉」では
アドリブ連発して客席大爆笑。
仲入り後の赤穂義士伝「神崎の詫び証文」では一転人情の機微をじっくり語る。
語りの芸の千変万化さと奥深さを思い知らされた3席2時間だった。
えらいものをみてしまった!
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by capricciosam | 2018-09-17 23:14 | 舞台 | Comments(0)

志の輔らくご#14昼の部@富良野演劇工場_2018

【演目】
1 狸の札 立川志の大
2 牛ほめ 三遊亭全楽
3 茶の湯 立川志の輔
<仲入り>
4 井戸の茶碗 立川志の輔

《開演前のツィート》
富良野演劇工場なう。
まもなく立川志の輔師匠の「志の輔らくご in 富良野」昼公演がはじまります。
楽しみ。

《終演後のツィート》
志の輔昼公演終演。東京は猛暑、昨日富良野に着いたら「年末だなぁ」と笑わせ、
身体を張ったナンセンスギャグのような「茶の湯」へ。
頑固者の間で右往左往せざるを得なくなった町人が滑稽極まりないのだが、
全員の正直ぶりが清々しい後味を残す「井戸の茶碗」。
師匠の緩急自在な話っぷりに大笑い。上手いねー
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by capricciosam | 2018-08-26 23:25 | 舞台 | Comments(0)

札幌座第54回公演「暴雪圏」@シアターZOO_2018

【出演】
斎藤歩…西田康男(志茂別開発株式会社従業員)
磯貝圭子…横井博子(志茂別開発株式会社事務員)
林千賀子…坂口明美(専業主婦・志茂別在住)
山本菜穂…佐野美幸(高校生・母は志茂別で居酒屋を営業)
熊木志保…
菊池健…山口誠(トラック運転手・佐野美幸を同乗させる)
山野久治…川久保篤(志茂別駐在所勤務の巡査部長)
山田百次…笹原史郎(暴力団組長宅を襲う強盗)
納谷真大…佐藤章(暴力団組長宅を襲う強盗)
町田誠也…増田直哉(ペンション経営者)
有田哲…菅原信也(坂口明美の浮気相手)

《観劇前ツイート》
シアターZOOなう。佐々木譲原作の「暴雪圏」は氏の警察シリーズでも異色の
駐在所勤務の警官が主人公。彼岸荒れに閉じ込められた十勝のスケールが、
このミニシアターでどう再現されるのだろう。
チケット完売の札幌座第54回公演がまもなくはじまります。楽しみ。

《観劇後ツイート》
「暴雪圏」終演。原作を再読して臨んだが、札幌座に見事にやられた。
100分ノンストップの最後まで舞台の緊張が持続。原作の圧倒的スケールを
度重なる場面転換と「雪」で再現した脚本にアッパレ。
原作をリスペクトしつつ、大胆に切り込む胆力が芝居には必要だし、
醍醐味と改めて知る一夜。明日千秋楽。
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by capricciosam | 2018-02-20 23:59 | 舞台 | Comments(0)

吉例顔見世大歌舞伎@歌舞伎座2017

【昼の部】

1 湧昇水鯉滝『鯉つかみ』
2 『奥州安達原』環宮明御殿の場
3 『雪暮夜入谷畦道』直侍

久しぶりの歌舞伎。新築なった歌舞伎座では初めて。
地下鉄東銀座駅から木挽町広場に至り、エスカレーターを上がると、
正面破風屋根に櫓も上がり顔見世であることがわかる仕掛けになっている。

1「鯉つかみ」
 滝窓志賀之助…市川染五郎
 小桜姫…中村児太郎

「釣家の息女小桜姫は許嫁で重宝の龍神丸を探す旅に出た滝窓志賀之助を待ち焦がれて
います。ある日、蛍狩りの最中に志賀之助が姫の前に姿を現し、二人は館へ戻り奥へと
入ります。時同じくして館に現れたのは龍神丸を持参した志賀之助。出迎えた家老の
篠村次郎は二人の志賀之助に困惑しますが、刀は真の龍神丸。そこへ関白家の御使者
堅田刑部がやってきて姫を差し出すよう迫りますが、龍神丸を持つ志賀之助がその
悪巧みを暴き成敗します。すると奥座敷の障子には姫と鯉の影。実は、奥にいる
志賀之助は偽物で、琵琶湖に古くから住む鯉の精が化けた姿だったのです。」
(以上、公演チラシより引用)

二人が仲むつまじく踊る場面で徐々に志賀助に化けた鯉が徐々に正体を現してきて、
愛しい姫を奪おうとする設定に観客は気がつく仕掛けになっている。
最後の鯉の精が住む滝の場面での志賀助と鯉の格闘での染五郎の早変わりは実に楽しい。
いささかの遅れもなく見事に決まるのだが、よく似た背格好の役者の方なので、
ちょっと目を離すと、どちらがどちらやらと思ってしまう。
ドキュメンタリー等で見ると舞台裏は大変なようだが、いやはや大したものだな。
しかも宙乗りや本水を使う(本作は夏に演じることが多いようだ)ので、格闘シーンで
鯉が尻尾を振るたびに客席前列には水の飛沫が飛んでいたんじゃないかと
冷や冷やしていた。はじめて見た「鯉つかみ」は、物語も場面転換もわかりやすく、
外連もある派手な場面もたっぷりで初心者にも楽しめる演目だった。
かみさんは染五郎の声があまり通らないと気にしていたが、小生は特段気にならず。
来年1月の幸四郎襲名後もさらに磨きをかけていってもらいたいと思う。


2「奥州安達原」~環宮明御殿の場「萩袖祭文」
 安倍貞任…中村吉右衛門
 萩袖…中村雀右衛門
 安倍宗任…中村又五郎
「源義家が奥州安倍氏の反乱を平定した後のこと。皇弟環宮が行方不明になり、
その咎から平兼杖直方に切腹の命が下されます。そこへ父の難儀を知った娘の萩袖が、
盲目で袖乞いの身を顧みず駆けつけます。しかし直方は安倍貞任と駆け落ち妻となり、
ごぜに零落した娘の対面を許しません。萩袖は不幸を詫びる祭文を語り、父母へ許し
を乞います。そこへ現れたのは義家の命を狙う貞任の弟宗任。宗任から直方を殺すよう
促された萩袖は思い余って自害します。やがて直方は環宮不明の責から切腹、上使の
桂中納言は直方の死を見届けて立ち去ろうとしますが、義家がこれを安倍貞任と見破り
ます。」(以上、公演チラシより引用)

舞台は下手側にしんしんと雪の降る屋敷の外、上手側に屋敷の中と大きく2分割されて
いる。盲目となった袖萩が幼いお君に手を引かれて下手側より登場。
親に逆らい駆け落ちしたことで最後まで許してもらえないまま父親は切腹、萩袖も貞任
の弟宗任から渡された短刀で自害、となんとも救いようのない設定の前半。
萩袖親子が主役のため、主に芝居は舞台の下手側だけで演じられる。通称「萩袖祭文」
と言われるくらい萩袖が雪の中で祭文を弾き語りする場面が見せ場なのだろうが、
今回は萩袖は三味線を弾くだけ。しかし、雀右衛門の切ない語り口で歌われたら
もっと胸に迫るものがあったのではないか、と贅沢な注文がふと浮かんだ。
また、母の浜夕役の中村東蔵が良い味を出していた。


静的な前半に比べ、安部貞任が登場する後半は動的。場面に重厚さが増し、かつ躍動する。
ここは吉右衛門の独壇場で、隙の無い芝居はもちろん声の張りも十分で、
人間国宝・文化功労者となっても枯れた気配は微塵も感じられない現役感たっぷりだった。
いやはや、上手いね。大ファンのかみさんも満足していた。


□「雪暮夜入谷畦道」
 片岡直次郎…尾上菊五郎
 三千歳…中村時蔵
「春がまだ浅い雪の夜の入谷の蕎麦屋。悪事を働き、終われる身の御家人くずれの
直次郎は、恋仲の三千歳を療治する按摩の丈賀に出会います。道中で悪党仲間の丑松
と遭遇、二人は互いの無事を祈り別れますが、丑松は直次郎を訴人することを決意
します。直次郎は三千歳が療養している大口屋の寮へとやってきて、二人は束の間の
逢瀬を楽しみますが、その場へ捕手が踏み込み、直次郎は三千歳を残し、
一人落ち延びていくのでした。」(以上、公演チラシより引用)
 
前2作が復讐譚なら本作は河竹黙阿弥作による世話物。
雪の降る夜に追っ手を避けてなじみの遊女と逃げようか、という一夜の物語。

そば屋では客がそばを食べてセリフを言う。
そばをずずーっとかき込む音が客席に聞こえる。見ると口をもぐもぐしている。
「ありゃ、本物だ!」
客が出て行ってから、花道から菊五郎登場。深い雪を跨ぐように歩いて店内へ。
そして熱燗を一杯やって、注文したそばを、やはりズズーっと食べる。
どうも、この芝居では本物のそばを使うようです(驚)
菊五郎のしっとりした情感の出し方は上手いが、物語としては淡々と終わる。


<蛇足12.31>
①新しい歌舞伎座で意外だったのはクロークが設置されていなかったこと。
不思議に思って職員に尋ねたら、地下にコインロッカーがあるのでそれを利用して
もらいたいとのことだった。随分割り切ってるな、と思ったが、そのコインロッカー
を館内放送等で積極的に案内している様子もなかった。普段コンサートホール通いで
クロークをホールのもてなしのひとつとして利用させてもらっている身としては
歌舞伎座のお客をもてなす思想に何やら物足りなさも感じた。
クローク慣れしている海外からのインバウンドも多いだろうに、不思議。

②休憩中に何人もの客が前々列に座っている老人に挨拶する場面をたびたび目撃した。
「さぞや名のある方なんだろうが、一体どなたなんだろう?」と不思議に思っていた。
思い出そうとしていたら、元経団連会長のI氏ではないかと思い当り、
手元のスマホで検索したら当たりだった。その老人は最後まで鑑賞されていたが、
こういう方にさりげなく出会うというのも東京ならではだね。

③中村吉右衛門の言葉から
「その人の教養というか、経験というか、そういうものが、役者としての人間を
膨らませてくれるのではないかと思います。それを自分の肥やしとできる人は
芸が太っていくでしょう。(略)お客様の多くは、芝居に限らず、優れたものを
ご覧になり、さまざまなことをご存じです。そういう鑑識眼、審美眼のある方たちが
満足できるようなお芝居をお見せしなければならないと考えます。私は、歌舞伎は
芸術だと思っております。高尚なもの、上等なものをお客様にお見せしたい。
それには自分のなかのものを高めることが必要です。そうでないと芝居は高まりません。」
(歌舞伎座HP歌舞伎人より引用)

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by capricciosam | 2017-11-18 07:36 | 舞台 | Comments(0)

柳家小三治独演会@六花亭ふきのとうホール2017

7年ぶりの柳家小三治独演会。
毎年のように応募するものの、人気公演だけに落選続きで、
半ばあきらめ気味だっただけに今回は望外の喜び。
当日はあいにく吹雪いていましたが、天気にめげるもんじゃ~ありません。
会場は従来の真駒内店から新築された札幌本店ふきのとうホールに。

定刻になり開演。
はじめに登場したのは柳家三之助師匠。
7年前に登場した時は真打ち直前の二つ目でした。
落ち着いた雰囲気で手話落語ネタで笑いをとって「のめる」へ。
お互いの癖を使った化かし合いの古典だが、
演じ分けと小気味のよさがしっかりと伝わる。

続いて柳家小三治師匠登場。
「寒いところ、わざわざ出向いたのは、私の方です。」(笑)
例によって長~いまくらの中で自分は77歳だと言ってましたが、
久しぶりにみると、やはり外見は老けましたね。
脳内残像の師匠は7年前だから、そりゃあ当たり前か。
一瞬言葉に詰まる場面が多くなったし、
「自分で何言ってんのか、わかんなくなっちゃった」と言っては話があちこちに。

50歳の時働いて働いて、ようやく3週間のまとまった休みをとれた。
それで英語をしゃべりたくてUCLA近くに留学した。
というより、字幕なしで映画が観たいと思って行ったとのこと。
でも「英語はベラベラのベにもならない」し、
「あの国の言葉はあの国の方に任せた方が良い」と笑わせます。
米国だと英語を話せない移住者がいっぱいいる。
中華料理店で「This one,please.」と言っても反応は「?」
それでもちゃんと生きている。
だから日本に来て英語で話しかけるオマエが間違っている、と笑わせます。

昨年天皇陛下ご夫妻に呼ばれて一席やってきた時のこと。
「良い座布団がなくてね」そこで思い出したのが六花亭。
夏用の座ぶとんを使わせてもらったというエピソードを披露していました。
(これは帯広本店での独演会で使用しているものなんでしょうね、きっと。)
そして「(これも)言ってみれば、みなさんのポイントのお陰」(笑)

40分余りの長~いまくらを終えて「宗論」へ。
浄土真宗を信仰する父とキリスト教を信仰する息子のいさかいの話。
息子のデフォルメされた話っぷりで笑いをとって、さげは定番どおりに。
落語に入ると言葉の詰まりもなく、淀みなく話の世界に引き込んでいく
その様は、さすが名人という他ありません。

中入り。真駒内では定番だった茶菓の接待がありません。
あのひと時はほんわかして好きだったんですが、少々残念。

再び小三治師匠が登場。
着物を代えて羽織は着ていません。
出る直前に鏡を見て「改めて老けたなー」と笑わせます。
「(世の中には)そそっかしいのが2通りいる」ときて、「粗忽長屋」へ。
以前聞いた「船徳」「付き馬」のようなボリュームのある古典を期待していたのですが、
古典の定番中の定番だが、ちょっとこぶり。
まあ、師匠の年齢を考えたら無理はいけません。
2席聴けただけでもありがてぇ、ってもんです。
しかも、当夜の「粗忽長屋」はお手本のような出来。
どうも、うまいねぇ~、さすがだね~。

最後にご挨拶をし、「表はすっかり晴れ渡って月夜です」と一瞬言葉を切り
破顔一笑して「だったら良いですねぇ~」と会場を再び大笑いさせ、お開きです。
師匠にも、もてなしの変化にも改めて7年の歳月が流れたことを感じましたが、
でも毎年開かれている独演会だけに、ここまで継続してきた師匠にも、
六花亭にも賛辞を惜しみませんね。
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【追記2017.8.8】
「高座では、仏壇の前で小言を言う演目「小言念仏」を小気味よく披露した一方、
認知症の一種、アルツハイマー病を患っている可能性があると告白。
「今年に入ってからか。頭がおかしくなる、アルツハイマー」と衝撃発言(略)
関係者によると、同病と診断されたわけではなく、「年をとると物忘れがひどくなるので、
その治療をしている」という。小三治も「アルツハイマーかもしれないってこと」と
ひょうひょうと報道陣に説明した。」

(以上、サンスポより引用)
唐突に心配な記事が、、、



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by capricciosam | 2017-02-02 23:57 | 舞台 | Comments(0)

志の輔らくご昼の部@富良野演劇工場2016

今日はPMFとファイターズを一休みして、昨年同様富良野まで足を運びました。
師匠が枕で話していましたが、今回の富良野の落語会は通算16回、連続12年になる
そうです。師匠もほめていましたが、こんなに続くのも運営されているNPO法人の
皆さんの努力の賜でしょう。

最初に登場したのは7番弟子の立川志の麿。
ほとんど枕なしで与太郎話の「金明竹」へ。(まあ、時間的制約あるだろうからね)
傘や猫を無難に笑わせ、難所の上方者の口上へ。都合4回繰り返すことになるが、
3回目は滑舌もよろしく早口気味にスーッとやってのけたから会場からは盛大な拍手。
古池やのさげは無難に。

続いて鮮やかな橙色の着物の志の輔師匠登場。
「さわやかな夏、こんな暗闇へようこそおいでくださいました。」(笑)
ホント会場は黒を基調としているから照明がなければ真っ黒だね。
「高座は普通見上げるものだが、ここでは皆さんから見下ろされている。」(笑)
階段状の底がステージだから、そうなっちゃうね(笑)。でも見やすい距離なんだ
よね。師匠は東南アジア各地で落語会を開いている話から、落語では同じところで
一斉に笑い、一斉に静まりかえる様を現地の人が「新しい宗教なのか?」とは
笑わせます。楽屋に色々な物が届けられる話では4月に梨が届けられて
ビックリした話や夏に事務所にみかんが届けられても驚かなくなった話から
「千両みかん」へ。(師匠の着物の色と枕のみかんのところでピンときたら通ですね。
小生はさっぱりです、ハイ。)
若旦那の恋患いと思いきや、実はみかんが食べたいという、しかも夏に。
安請け合いした番頭が四苦八苦するという粗筋はそのままですが、細部は自在。
困った番頭が店先で「はじめが《み》で、終わりが《ん》のものだよ。あるかい?」
とやると「水戸黄門」(笑)「みりん」(笑)と答えが返ってくると、
「ハイ、次の問題ガンバロウ」(笑)
おまけに「ある訳ないだろう、うちは床屋だよ」と笑いの波状攻撃。まいったねー。
そして、みかん問屋の蔵を調べたあげくの値付けの問答は師匠の話芸の力の見せ所。
この話は人情話のひとつなんでしょうが、下げの味わいは単なる人情話とも言えない
人間のおろかさを突く不思議な味わいの作品ですね。


15分の休憩の後3番目は三遊亭全楽師匠。
「おまえは誰なんだ?」と、立川流の落語会に混じる「不純物」扱いで笑いをとった後、
自分は5代目円楽の弟子と自己紹介して、6代目の不倫釈明会見には指南役がいたはず
だと「あくび指南」へ。粗筋は変えずに、導入の部分はじめ細部は自在にアレンジして
笑わせます。いっしょに来たカミサンはツボに入ったのか、笑いっぱなしでした。

とりは志の輔師匠。
夏には全国各地の落語会で幽霊話が取り上げられているという話から、
故丹波哲郎さんや町内とは一体どこまでなんだ?という体験話や町内でのお化け屋敷での
人間関係の中で「恐がる」ことを覚えていったのに、最近はどんどん恐がることが
なくなっているという話に。師匠じゃないですが、「こういう芸能は同じものが頭に浮かぶ
から成り立つ」という指摘は確かに当たり前だけれど大事なことです。
これらを枕に「へっつい幽霊」に。
ところが、話をはじめてすぐに話を止めて、会場を見て一言。
「お客さんの半分は《へっついって何だ?》と思っていらっしゃる顔をしている。」
とへっついの説明に。これはいち早く会場の気配をつかんだのでしょうが、適切でしたね。
後の話の理解が進みます。粗筋はそのままに登場人物の描写ややりとりが実に上手いし、
アドリブも当意即妙。「おまえは誰だ?」「へい、《みかん》の番頭さんです」(大笑)
下げたところで、そのままご挨拶に。
富良野の良さを再び話され、「ひょっとしたら来年も」と口にしたところで
会場からは盛大な拍手が。そりゃ、そうですよ。師匠、期待してます!
最後に「お気をつけてお帰りください。」と言って高座を降りられました。

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by capricciosam | 2016-07-23 23:46 | 舞台 | Comments(0)

志の輔らくご昼の部@富良野演劇工場2015

久しぶりの落語会は柳家小三治師匠以来5年ぶり。
(3年前の六代桂文枝襲名公演は漫才、歌ありのバラエティショー的なものだった)
立川志の輔師匠はTV「ためしてガッテン」(以下、「ガッテン」という。)でおなじみだが、
落語は聞いたことがなかったので楽しみに出かけた。

最初に登場したのは5番目の弟子の立川志の彦。
落語の制度をカースト制度に例えて、昨春二つ目に昇進してようやく人間になれた
と笑わせる。震災ボランティアで行った石巻での老人相手の笑わない落語会の
オチは笑わせるが、高齢化社会ではちょっと考えさせられる話。
枕を終えて、夏の定番の「青菜」へ。
よどみない語り口で、動物園での見合い話も挿入して、間の取り方も悪くなかった。
通常どおりの弁慶オチだったが、同日名古屋で立川流の方が義経ジンギスカン説で
下げたという話を聞いた。「ジンギスカンにしておきなさい」と演ったのかな!?

次に志の輔師匠が登場。
「11年目になります。こんな暗闇へようこそ(笑)※シンプルの極みのセットで
ずーとこのまま。師匠がでるならマイクを黄金にすれば良いのに(笑)」
TV「世界不思議発見」ロケでシンガポールから一昨日帰国したばかりで
昨日富良野に来たとのこと。風水で物事を決めるシンガポール事情、
お盆が二つある話、と続き死後の世界へ。三途の川を渡った冥土安定所での
いろんな亡者の場合に笑わせられるが、冷蔵庫の話は意表を突かれて大笑い。
そして北陸新幹線開業から長野善光寺へといき、「お血脈」へ。
まずご自分の体験を話されたが、おばあちゃんとのエピソードには笑った。
そして「ここまでガッテンしていただけましたでしょうか?」と突然ガッテンネタ(笑)
それからは淡々とお血脈へ、とはいかずにニセ善光寺、地獄タウンページと
笑わせてオチへ。話のテンポも良く、うまいねー。

さて休憩かと思ったら、三味線を抱えた長唄の松永鉄九郎さんがすぐに登場。
三味線の「ひく」「すくう」「はじく」で川の流れる様や出語りでの大薩摩を15分程。
「うまいもんだねぇ~」
引っ込んだところで、再び志の輔師匠が登場。

「若い頃はギター最高でいろいろさわったけど、この頃は三味線が良くなる。
(人生も)晩年になったんだなぁ~」と笑わせる。
デザインの話から似てる似てないのオリンピックエンブレムの話になって
古典芸能は同じ話をみんな自由に演るという話に。確かにそうだね。
小話をいくつか演った後に、お馴染み「三方一両損」へ。
定番のオチを演りつつ、ひとひねりして別オチでさげたが、これもおもしろいね。
これは立川流独自なのかな?

もう終わりかと思ったら、「ここで15分の休憩をいただきます」とのアナウンスが。
「えっ、もう一席聞けるの!?」と驚きつつ内心大喜び。

休憩を終えて、志の輔師匠三度目の登場。
「通常は新作、古典の2席なんですが、今日はお盆特集(笑)
富良野では11年になるんですが、誰から脅迫されて演っている訳ではなくて
良い気が流れているんですね。気持ち良くて、つい11年経った。」
(スタッフの人には最高のほめ言葉でしょうね。)
旅とは良いもので、いろんな人に出会えると言って、「ねずみ」に。
鼠屋の卯兵衛が左甚五郎に事情を話すくだりは、師匠の語り口のうまさに
会場がいっとき水を打ったようになった。「聞かせるねー」
そして福鼠の評判で鼠屋が繁盛するくだりでは、
「さて、ここで問題です。××は誰でしょうか?書きなさい。」と
再びガッテンネタ(笑)緩急のつけどころも良いね(笑)
45分以上の大熱演でした。

オチでお辞儀したまま舞台はいったん暗転し、再び照明がつき師匠が最後の挨拶。
富良野との関わりを再度話して、最後に
「気象の変動が激しいのでお身体には気をつけて」
と言って降りられました。師匠の人柄がにじみでます。

初めて聞いた立川流、全部古典でしたが、なかなか自由度が高い。
しかし、きちんと本筋は押さえつつ遊び心が楽しい、そんな感想を抱きました。

<追記>
初めて訪れた富良野演劇工場でしたが、客席はベンチシート形式。
客席も傾斜があるので見やすかったですね。内部は黒一色で、
志の輔師匠が挨拶で言った※は、照明を落とすとあたかもそんな感じです。
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<追記8.18>
文の一部を加筆修正しました。

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by capricciosam | 2015-08-15 22:38 | 舞台 | Comments(0)

ジーザス・クライスト=スーパースター@千歳市民文化センター2014

会場に一歩足を踏み入れると客席側に傾斜した荒野がステージいっぱいに設置されている。
この意表をつく大胆なセットは観る側の想像を刺激して止まない。
こんなシンプルで不思議なセットではたいしたことはないな、と高を括ったら大間違い。
序曲の暗く、重いロックのビートに乗って群衆が蠢く様に始まり、次々に展開される
キリストの磔刑までの最後の7日間の物語に観る側は圧倒されて魅入ることになる。
凝縮された100分。
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この物語はキリストの後世に伝わる晩年を忠実に取り入れつつ、
そこに「神の子」としてではなく、人間としての苦悩や葛藤を浮き彫りにさせると同時に、
ユダの苦悩と葛藤をも光と影のごとく対比させて描いていく。
視点を変えて行われた大胆な解釈により宗教から離れたドラマを獲得した。
それ故、キリスト教徒以外の他宗教の者にも訴える普遍的な力を持ったとも言える。
ティム・ライスとアンドリュー・ロイド=ウェバーが着想し、オリジナルを発表したのは
1960年代末。ミュージカル化されたのが1970年代初頭。
劇団四季の初上演は1973年。以来劇団四季でも再演が繰り返されてきたが、
時の篩いにかけられても本作品の持つ原初的エネルギーと輝きは色あせることはない。
今回久しぶりに観てなお一層この思いは強まった。

ティム・ライスとアンドリュー・ロイド=ウェバーの骨格は活かしつつも、
さらにエルサレム版としてブラッシュアップさせている
演出:浅利慶太
訳詞:岩谷時子
美術:金森馨
振付:山田卓
照明:沢田祐二
の力が大きいことは言うまでもない。

実は、劇団四季ミュージカルとの最初の出会いがこの作品だった。
出会ったのが、30年前の千歳市民文化センター。
「キリンミュージカルシアター'84」(26公演・5月~7月)の全国巡演の一環。
主要な役は次のとおり。

・ジーザス・クライスト:山口祐一郎
・イスカリオテのユダ:沢木 順
・マグダラのマリア:野村 玲子
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今振り返っても良い配役だった。もう一度同一キャスティングで観たいものだが、
山口さん、沢木さんはすでに退団され、野村さんは今では幹部俳優。
時の経つのは是非もないこと。
ベテランの沢木さんに対して、当時の山口さん、野村さんは売り出し中の若手。
今回の配役も似ている。ユダ役の芝清道さんの「彼らの心は天国に」の熱唱に
始まる数々のソロの安定感はまさしくベテランの味。安心してユダ役に共鳴できる。
ジーザス・クライスト役の神永東吾さんは、瞬間的に山口さんを彷彿させるところがあり、
懐かしく観た。決して大仰な演技ではなかったが、苦悩するジーザスを的確に演じていた。
マリア役は目立つ場面は少ないがこの苦悩に満ちた作品のオアシスとして重要。
観月さらさんの「私はイエスがわからない」のソロは収穫だった。
若い神永さん、観月さんのお二人のさらなる精進に期待したい。
ベテランのお二人、ピラト役の村俊英さん、ヘロデ王の下村尊則さんは「うまい」の一語。
特にヘロデ王の場面は内心の怯えと焦りを隠しつついかに能天気に演じられるか。
かつて観た市村正親さん同様、下村さんはハマリ役で見事だった。
この作品はソロだけでなく、アンサンブルもとても重要。
いかに意味ある動き、演技ができるか。高める余地はあるのだろうが、十分な出来だった。

全国巡演(8/29~12/2)のため道内公演は4カ所のみ。
9/30千歳 10/1旭川 10/3帯広 10/5七飯
千歳では客電がついても立ち上がった客からの拍手が鳴りやまず
アンコールが繰り返された。
いかに客席を巻き込んだかの証明として至極当然な反応だったと思う。
久しぶりにエネルギーを注入された思いで会場を後にした。
<追記10.5>
七飯町の公演は日本初演から1500回目だそうです。

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by capricciosam | 2014-09-30 23:33 | 舞台 | Comments(0)

霜月小夜曲@北広島市芸術文化ホール2013

久しぶりに芝居を観ました。
地元札幌座の「霜月小夜曲(ノヴェンバーセレナーデ)」です。

「かつての同級生で大の仲良しだった3人娘が、25年という歳月を経て故郷で再会する。
(略)大きなわだかまりと誤解を抱えたまま長い年月を経て25年ぶりに開けられた
タイムカプセルから、今は亡き旧友からの思わぬメッセージが届く。」
(公演パンフレットから引用)

3人はそれぞれ、世界に、札幌に、そして残る一人は地元に留まるとくれば、
例えステレオタイプと言われようが、何か「物語」が紡がれない訳がありません。
その「物語」は観てのお楽しみで、ここではネタバレはしません。
その代わりと言ってはなんですが、このお芝居を観るきっかけとなったのは、
リンクさせていただいている作家の佐々木譲さんの記事です。
それはこちらですが、さすがな感想です。

それで、小生のほうは落ち穂拾い的に。
もともと芝居の観劇数は少ないので、素人が偉そうなことは言えませんが、
これまで観た芝居と比べて意表を突く演出が多く、驚きつつ、ニヤニヤされられました。

特に、劇中劇として繰り返される「人形劇」の縦横無尽ぶりな使い方は面白かった。
最初登場した時は唐突な印象が強かったのですが、何回か使われた後では
3人娘にセリフとしてただ「人形劇」と言わせるだけの頃になると、
それだけで小生も含めた客席は受けていました。
「人形劇」は余計なモノというよりは、この芝居を構成する重要なパーツでしたね。
芝居の観劇経験が乏しいので、演出としてのオーソドックスさ加減が不明ですが、
あの演出自体は印象的で、おもしろいですね。
ただ、最初の登場場面では睦美が途中で人形劇に加わるのが客席にバレバレでしたが、
ここは一旦舞台を暗転させるなりして、突如として加わったほうが客席の頭の混乱が
長引きおもしろいのかな、と個人的には思いました。

あと、興味深かった使い方が「仏壇の鈴」。
りっぱな効果音であり、想像をかき立てる大事なファクターでした。
ただ、「人形劇」も「鈴」もやや多用気味で、もう少し使う場面を整理した方が
より散漫にならず、効果的、印象的かなとも感じました。

演出で気になったのは「笑い」の取り方。
冒頭のホテルマンの馬鹿丁寧な言い方の「~ほう」の連発や、農協の加藤のTPPを巡る
説明のアルファベット略字の連発の場面などは、聴いていておかしさで吹き出したいのだが、
延々続くので客席で笑うタイミングがとれないもどかしさがありました。
この辺は演出でなんとかならないものでしょうか。
せっかくの客席側の正直な反応ができる「間」なのに、ステージ側に押し切られ、もったいない。

あと、特筆すべきは魅力的な挿入曲と主役3人の歌唱の確かさ。
あのキャンディーズを彷彿とさせる3人組になぞらえた挿入曲はどれも聴かせる上、
歌唱もTV等でよくある学芸会レベルとは違って、しっかりハモッていて、お見事のひとこと。

普遍的なテーマを扱いつつも、TPPなどカレントトピックスもありで、
やや生硬さを残しつつも、しっかり時代を呼吸していることが窺え楽しめました。

巡演予定です。
8/31 江別市・アートスペース「外輪船」
9/5~9/8 東京都・こまばアゴラ劇場
9/11 小樽市・おたる無尽ホービル3Fホール
9/13 石狩市・ArtWarm
9/15 札幌市清田区・清田区民センター
9/16 美唄市・市民会館大ホール
9/17 帯広市・北のれんが・古柏堂
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by capricciosam | 2013-08-30 22:20 | 舞台 | Comments(0)