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札幌交響楽団第611回定期演奏会@Kitara_2018

【プログラム】

1 ヴォーン=ウィリアムズ タリスの主題による幻想曲
2 エルガー チェロ協奏曲ホ短調(ヴィオラ版)
3 ウォルトン 交響曲第1番変ロ長調

指揮:尾高忠明
ソロ:今井信子(2)

《開演前のツィート》
Kitaraなう。台風から温帯低気圧に変わって風は強いものの晴れてきました。
まもなく、尾高忠明指揮札幌交響楽団第611回定期演奏会昼公演がはじまります。
夜公演が絶賛状態のためとても楽しみ。
(ちなみに今日はレナード・バーンスタインの生誕百年の日。おめでとう、レニー!)

《終演後のツィート》
札響定期昼公演終演。Vウィリアムでの弦の艶やかさよ。
エルガーでは今井信子さんのヴィオラの端正かつ芯のある響に魅了される。
ウォルトンではギアを上げた尾高名誉監督に札響の全パートが食らいつき
一糸乱れぬ壮絶な演奏が展開される。夜公演の絶賛は真なり。
尾高&札響&英国作品は聞き応えあり。
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by capricciosam | 2018-08-25 23:18 | 音楽 | Comments(0)

札響名曲シリーズVIVA!スペイン@Kitara_2018

【プログラム】

1 ビゼー 「カルメン」第1組曲
2 ラロ スペイン交響曲
3 イベール 寄港地
4 シャブリエ スペイン狂詩曲
5 ファリャ 「三角帽子」第2組曲

指揮:広上淳一
ソロ:三浦文彰(2)

《開演前ツイート》
Kitaraなう。晴れ渡ったため長袖では暑い中島公園の藤の花も
やや盛期を過ぎたようですが、まだ甘い香りを感じます。
まもなく札幌交響楽団の札響名曲シリーズVIVA!スペインがはじまります。
指揮者&ソリスト&プログラムが揃ってるひと時。
楽しませていただきます。

《終演後ツイート》
札響名曲終演。ラロの実演は初めてだったが、三浦文彰さんの達者なソロで
聴けて何より。超絶技巧のアンコールに唖然。
広上淳一さん指揮でこのプログラムなら楽しめない訳がないとの推測は大当り。
楽しかったね。マエストロ曰く
「札響の世界化」「演奏会はいわば心のレストラン」
蓋し名言!いいぞ!
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by capricciosam | 2018-06-02 23:32 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第609回定期演奏会@Kitara_2018

【プログラム】

1 ショパン ピアノ協奏曲第1番ホ短調
2 ブルックナー 交響曲第3番「ワーグナー」(1877年第2稿)

指揮:高関健
ソロ:シャルル・リシャール=アムラン

《開演前ツイート》
Kitaraなう。雨は傘もささなくても良い程度の小降りになりました。
中島公園の新緑が鮮やか。
まもなく第609回札幌交響楽団定期演奏会昼公演がはじまります。
久しぶりの高関健さんのブルックナー。
ご自身によるプレトークがあるようです。楽しみ。

《終演後ツイート》
札響定期終演。
アムランの瑞々しい美音に改めてショパンに魅了される。上手い!
後半高関さんの迷いのない指揮に導かれ札響全パートが持てる力を発揮した
秀演に感動。今回のブルックナー3番はこれまで聴いた札響ブルックナー演奏の
ベストと言っても過言ではないだろう。高関&札響でもっと聴きたい。

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by capricciosam | 2018-05-19 23:09 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第608回定期演奏会@Kitara_2018

【プログラム】

1 モーツァルト 交響曲第29番イ長調
2 R・シュトラウス アルプス交響曲

指揮:マティアス・バーメルト(首席指揮者就任記念)

《開演前ツイート》
Kitaraなう。桜の開花宣言が出た札幌だけに中島公園内の桜も咲いています。
でも、夕暮れになると花見どころじゃない肌寒さ(笑)
バーメルトさんの首席指揮者としての定期でのお披露目初日となる
第608回札幌交響楽団定期演奏会がまもなくはじまります。
明日のチケットは完売らしい。楽しみ。

《終演後ツイート》
札響定期終演。札響のアルプス交響曲演奏歴は2回目。
いわばアルプス登山初心者だが、ベテラン登山ガイドの
バーメルトさんの十全な目配りの効いた指揮が
多くの客演奏者と共に無事アルプス登山を成し遂げた!
多少の危なかっしさは登山(ライブ)ならでは。
演奏が終わった後の長い静寂は無事下山の安堵。

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by capricciosam | 2018-04-27 23:39 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第607回定期演奏会@Kitara_2018

【プログラム】
1 武満徹 「乱」組曲
2 武満徹 ファンタズマ・カントス
3 武満徹 遠い呼び声のかなたへ!
4 武満徹 弦楽のためのレクイエム
5 武満徹 「系図」-若い人たちのための音楽詩(詩:谷川俊太郎)

指揮:尾高忠明
ソロ:三瓶佳紀(2)、塩崎アレックス(3)
語り:中井貴恵(5)

《開演前ツイート》
Kitaraなう。まだ雪はたっぷりあるけど春近しを感じさせる穏やかさ。
久しぶりの演奏会は札響から。
2006年以来の尾高名誉音楽監督によるオール武満徹プログラム。
まもなく第607回札幌交響楽団定期演奏会がはじまります。楽しみ。

《終演後ツイート》
札響定期終演。「乱」「ファンタズマ/カントス」「弦楽のためのレクイエム」
「遠い呼び声の彼方へ」「系図」絶妙のプログラム。ソロも上手い。
特に「系図」の溢れるメロディーは「波の盆」を想起させる。
谷川さんの詩も相まって参った。
「尾高&札響&武満徹&Kitara」は最高のご馳走だと改めて知る。
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by capricciosam | 2018-02-24 23:59 | 音楽 | Comments(0)

【私的整理用】ラドミル・エリシュカ&札幌交響楽団演奏会@Kitara

10月27日と28日の感動的な演奏会が終わっても、
SNSでは依然「エリシュカ余震」が続いている。わかるなぁ~

ところで、10月定期演奏会の配布資料にエリシュカさんと札幌交響楽団の演奏歴が
一覧としてまとめられていたので、これを利用して私的整理をしておきたい。
記録とともに当時の感想をリンクさせておくことにします。

■2006年12月8日&9日 第494回定期演奏会
・スメタナ/交響詩「ボヘミアの森と草原から」
・ドヴォルジャーク/交響詩「金の紡ぎ車」
・R・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」
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※<伝説>の「シェエラザード」である。
聴き逃したが、ようやく最後の演奏会で聴くことができた。
聴けなかったら一生悶々としていたかもしれない。
特に10月28日の演奏は素晴らしいものだった。ライブ盤発売を期待。

■2008年4月11日&12日 第508回定期演奏会  CD化
・ヤナーチェク/狂詩曲「タラス・ブリーバ」
・モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番 ソロ:伊藤恵
・ドヴォルジャーク/交響曲第6番

※ただし、CDではモーツァルトは収録されていない

■2009年4月17日&18日 第518回定期演奏会 CD化
・ヤナーチェク/組曲「利口な女狐の物語」
・モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番 ソロ:木嶋真優
・ドヴォルジャーク/交響曲第7番

※ただし、CDではモーツァルトは収録されていない

■2009年10月31日 名曲シリーズ CD化
・スメタナ/連作交響詩「わが祖国」

※エリシュカさんがN響を指揮した同曲の演奏会が、そのシーズンのN響演奏会1位に選出

■2010年4月16日&17日 第528回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/序曲「謝肉祭」
・ヤナーチェク/シンフォニエッタ
・ドヴォルジャーク/交響曲第5番

※ただし、CDでは「謝肉祭」は収録されていない

■2010年11月27日 名曲シリーズ
・スメタナ/「売られた花嫁」から、三つの舞曲
・ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」
・R・コルサコフ/スペイン奇想曲
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集より
・ボロディン/ダッタン人の踊り

■2011年4月22&23日 第538回定期演奏会
・ドヴォルジャーク/スターバト・マーテル

※東日本大震災後に聴くことになろうとは思わなかった
 同曲は後年大阪フィルがエリシュカさんとCD化している

■2011年10月15日 名曲シリーズ
・ドヴォルジャーク/スラブ狂詩曲第3番
・チャイコフスキー/イタリア奇想曲
・リスト/ハンガリー狂詩曲第2番
・シャブリエ/狂詩曲「スペイン」
・エネスコ/ルーマニア狂詩曲第1番

■2012年4月27日&28日 第548回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/スケルツォ・カプリチオーソ
・ドヴォルジャーク/序曲「野鳩」
・ドヴォルジャーク/交響曲第9番「新世界より」

※ただし、CDでは「スケルツォ・カプリチオーソ」は収録されていない

■2012年11月25日 名曲シリーズ
・ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲
・ハイドン/交響曲第88番「V字」
・モーツァルト/交響曲第41番「ジュピター」

■2012年12月8日&9日 札響の第9
・ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱つき」

■2013年4月19日&20日 第558回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/序曲「自然の王国」
・ドヴォルジャーク/交響詩「水の精」
・ドヴォルジャーク/交響曲第8番

※2009年「わが祖国」以来のプログラムを全部収録

■2013年10月5日 名曲シリーズ
・ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集作品46

■2013年10月11日&12日 第563回定期演奏会 CD化
・ドヴォルジャーク/チェロ協奏曲 ソロ:石川祐支
・ブラームス/交響曲第3番

※ブラームス交響曲チクルスがスタート、プログラムは全部収録

■2014年4月11日&12日 第568回定期演奏会 CD化 
・ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
・ヴォジーシェク/交響曲ニ長調
・チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」

※チャイコフスキー後期交響曲スタート、ただしベルリオーズは収録されていない

■2014年11月8日 名曲シリーズ
・スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
・フィビヒ/詩曲
・ヤナーチェク/ラシュスコ舞曲「のこぎり」
・スメタナ/交響詩「モルダウ」
・ドヴォルジャーク/スラブ舞曲集作品72

※チケットを忘れ取りに戻って休憩後しかきけなかった、痛恨の0.5回(泣)

■2014年11月14日&15日 第574回定期演奏会 CD化
・ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
・モーツァルト/交響曲第38番「プラハ」
・ブラームス/交響曲第2番

※ブラームス第2弾、プログラムは全部収録

■2015年6月19日&20日 第578回定期演奏会 CD化
・ベートーヴェン/交響曲第4番
・ブラームス/交響曲第4番

※ブラームス第3弾、プログラムは全部収録

■2015年6月27日 名曲シリーズ
・ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
・リスト/交響詩「レ・プレリュード」
・ドヴォルジャーク/交響曲第9番「新世界より」

※「新世界」の再演となったが、聴いていない

■2016年3月4日&5日 第587回定期演奏会 CD化
・スメタナ/交響詩「シャールカ」
・ドヴォルジャーク/弦楽のためのセレナード
・チャイコフスキー/交響曲第4番

※チャイコフスキー第2弾、ただしスメタナは収録されていない
※3月8日東京公演@サントリーホール、エリシュカ&札響の東京デビュー

■2016年10月14日&15日 第594回定期演奏会 CD化
・スメタナ/交響詩「ワレンシュタインの陣営」
・ドヴォルジャーク/スケルツォ・カプリチオーソ
・チャイコフスキー/交響曲第5番

※チャイコフスキー第3弾、プログラムは全部収録

■2016年10月22日 名曲シリーズ 
・モーツァルト/交響曲第40番
・ドヴォルジャーク/アメリカ組曲
・ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」(1919年版)

■2017年3月10日&11日 第597回定期演奏会 CD化
・メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」
・シューベルト/交響曲第5番
・ブラームス/交響曲第1番

※ブラームス第4弾、プログラムは全部収録
※3月14日東京公演@東京芸術劇場、エリシュカ&札響の東京2回目

■2017年10月27日&28日 第604回定期演奏会
・スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
・ドヴォルジャーク/チェコ組曲
・R・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」

※最後の来日公演となる、28日の一般参賀は空前絶後!

<追記11.3>
エリシュカご夫妻が本日札幌を離れた。いよいよ帰国の途に就かれる訳だ。
チェコまでの長旅を無事終え、健やかにお過ごしいただくことを願っている。
心動かされる得難いひと時を数多く与えていただき感謝の言葉しかない。
一方で、残された身には、エリシュカロスが本格化していく訳だ。
願わくは心の中の大事な思い出をより強固に支えるものとして
CDの追加発売を待つしかないな。あとは記録用をDVDまたはBDで。
最後の演奏会「シェエラザード」は多分大丈夫として、
あとは2013年、2014年の「スラブ舞曲集」を全集として、かな。


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by capricciosam | 2017-10-31 23:21 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第604回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」序曲
2 ドヴォルジャーク チェコ組曲ニ長調
3 リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

指揮:ラドミル・エリシュカ
vnソロ:田島高宏

2017-2018シーズンの札幌交響楽団(以下「札響」という。)定期演奏会一覧を
眺めて、エリシュカさんについては「来日は一回に減ったのか、寂しいな。
でも新たにベートーヴェンに取り組まれるんだな。よし、まだお元気だ。
また楽しめるぞ」と、のほほんと構えていた。
ところが、3月帰国されてから体調を崩されて長旅にドクターストップがかかり、
エリシュカさん自身が10月を最後の来日と決断された旨のアナウンスが
札響事務局からあった時の驚きと意気消沈たるや。首席客演指揮者就任時の年齢
から早晩別れがくることは覚悟していたはずなのに、やはり現実化すると
こたえるものだ。

以来、エリシュカさんの来日を一日千秋の思いで待っていたが、無事来日した
との一報の喜びは何にも優る気持ちだった。来日されてからは様子が知りたくて、
大阪フィル定期演奏会、来札、リハーサルと大阪フィル公式、札響公式や
札響ライブラリアンさん等のSNS発信をチェックする日々が続いた。

今回は夜公演、昼公演と2回とも足を運んだが、札響定期としては第488回以来
2回目となる。両公演とも当日券が販売されたものの、いづれもほぼ満席状態
のため、ホワイエはいつもより混雑していたし、Kitaraの演奏会では普段見かけない
顔が随分多かった。本公演がいかに全国的に注目を浴びているかの証なのだろう。


Kitaraでのエリシュカさんと札響の演奏会は2.5回を除きほとんど聴いている。
(0.5回とはチケットを忘れて遅刻し、後半しか聴けなかった時です。トホ。)
しかし、個人的に悔いが残ったのは札響との衝撃的な出会いとなった
2006年定期演奏会を聴き逃したことだ。あの<伝説>の「シェエラザード」だ。
しかし、最後の来日ではエリシュカさんの希望で「シェエラザード」に変更された
ことから、ついにあの<伝説>を聴くことができると、胸ふくらませるばかりだったが、
何故「シェエラザード」に、という疑問は残ったままだった。

これは、入場時に配布された資料にエリシュカさん自身の言葉で次のように記されて、
はじめてプログラム変更の意図を知ることになる。

「この優れたオーケストラである札幌交響楽団との関係は、2006年12月のおとぎ話の
組曲である<シェエラザード>で始まり、2017年10月の<シェエラザード>をご一緒
することで区切りとなるでしょう。」(以上、公演配布資料より引用)

エリシュカさんと札響との数々の音楽的軌跡は一編の物語にも似たものを感じさせるが、
出会いが千一夜物語をベースにした「シェエラザード」だから「おとぎ話」で始まり、
「おとぎ話」で終わる。エリシュカさんは札響との演奏の数々は「おとぎ話」なんですよ、
とでもおっしゃっりたかったのか。
だとしたら、なんて素敵な「おとぎ話」を我々に残してくれたのだろう。

その「シェエラザード」について。
夜公演。各パートの旋律をよく歌わせ、実に丁寧に各楽章を紡いでいき、後半にかけて
劇的に盛り上げていき、静かに物語りは終わる。作品に忠実であることで、
逆に作品についた手垢を洗い落としていく、外連味とは無縁な
いつものエリシュカスタイルが作品に新たな光をあて、新鮮かつ極上。
ついに当時の感動と興奮を追体験できた気分に襲われるが、当時騒がれたことに納得。
ただ、札響の演奏自体にはやや固さが感じられ、緊張して慎重に演奏している気配が
感じられた。これは1、2も同様。

翌日の昼公演でも基本は夜公演と変わらないが、2日目ともなれば余計な緊張がとれた
のか、よりしなやかな演奏に転じており、暖みを感じるようなまろやかさが加わり、
より魅力的に。また2曲終盤でのアンサンブルの完璧さには心底驚いた。
およそこれまでの札響では聴いたことがないレベルだ。
これだけの見事な凝集力は夜公演でも聴かれなかったものだが、
いかに札響の集中力が増していたかの証だと思う。
最後の最後まで感動的な演奏を残してくれたエリシュカさんには感謝以外の言葉が
見つからない。これはライブ盤としてぜひ発売してもらいたい。

エリシュカさんは指揮を終えると両腕を水平に伸ばし、数秒保持して、
腕を一気に脱力させて体側に音がするくらい勢いよく下ろす。
その数秒間の無音で余韻が生まれ、鑑賞者もその余韻を味わうことができる訳だが、
夜公演では録音、録画がされていたにもかかわらず、1や2では、まだ腕を水平に
保持しているうちにフライング気味に拍手が起き、終曲でもこうなのか、と少々憂鬱
だった。しかし、休憩中に「演奏終了後の余韻を待って拍手をしてください」と
繰り返しアナウンスされたことで、フライング気味拍手をされた方も理解された
ようで、3では十分な余韻を保つことができた。
ところが、さらに徹底したのが翌日の昼公演。いくら同じアナウンスがあったとはいえ、
2や3では曲ごとにも十分な余韻が確保され、そのまま終曲を迎えたのには驚いた。
聴衆も演奏会を形づくる大事な要素と考えるなら、昼公演の聴衆は実に完璧に
その役割を果たしたといえよう。

「シェエラザード」が終わり、エリシュカさんが腕を下ろすと、夜公演以上の盛大な
ブラボーと拍手が嵐のように、そう、あれは演奏への惜しみない賞賛と別れを惜しむ
感情が入り交じった客席一人一人の気持ちによってできた「嵐」だった。
嵐はそうそう止まなかったが、エリシュカさんも名残惜しそうにステージそでに
戻ってしまった。しかし、昨夜以上の力強さで拍手が続いたら、夜公演ではなかった
一般参賀がついに実現。見ると、どのブロックにも少なからぬ人が立ち上がって拍手
を送っている。相当な人だ。(自分もその一人だが、これを目にして鳥肌が立った。
こんな一般参賀は後にも先にも初めてだ。空前絶後。)

エリシュカさんは両腕を胸の前でクロスさせる、いつもの感謝スタイルに加え、
腕を大きく、大きく振ってくれた。そして時々顔を覆ってしまうが、気力を振り絞って
くれたのだろう、最後は客席に向けて何度も大きく腕を振りながらステージ下手に
消えていかれた。

夜公演は記録用カメラもあったせいか空席がやや目についたものの、満席に近い9割以上。
昼公演はカメラはステージのみとなり、客席は空席もほとんど目立たずほぼ満席。
11月26日(日)14時~NHK-FM(道内)で夜公演が放送予定。

<蛇足>
近頃は少し冷静になってから作成するようにしていたが、
今回ばかりは、余韻が十分残っているうちに作成しなくてはという気持ちがまさる。
音楽ジャーナリストの岩野裕一さんが次のような一文を寄せられていた。

「しかし、エリシュカと札響の物語は、これで終わりではない。
いつの日か札響がチェコに行き、エリシュカのタクトで最高の演奏を披露すること。
あるいはエリシュカが育てたチェコの若い指揮者を札響に招いて、マエストロから
受け取ったものをさらに次の世代へと継承していくこと(略)」
(以上、公演配布資料より引用)

ふたつの提案には共感を覚える。特に、前者。
札響の欧州ツアー(英独伊)は50周年記念の2011年が最後。
エリシュカさんの年齢を考えると残された時間は極めて少ない。
ツアーの経費云々は承知の上で、アジアの一隅で起こった奇跡を
エリシュカさんのチェコで再現できないものか、と思う。

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by capricciosam | 2017-10-27 23:55 | 音楽 | Comments(0)

札幌交響楽団第603回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 スッペ 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲
2 グルダ チェロと吹奏楽のための協奏曲
3 ブルックナー 交響曲第1番ハ短調(ウィーン版)

指揮:下野竜也
チェロ:宮田大

久しぶりの下野竜也さん登場だが、いつもどおり凝ったプログラム。

1は軽いのりで流されそうだが、実にシンフォニックな響きで堂々たるもの。
こんな堂々とした作品だったっけ?早くもフラボーが飛ぶ。

1曲目が終わった後の舞台転換は時間がかかるため下野さんがマイクを持って登場。

『覚えていらっしゃいますか?先ほど指揮をしていた者です(笑)。私の演奏会の
テーマは支持率が低いのですが(笑)、今回のテーマは「ウィーン」です。
ウィーンゆかりの作曲家にはJ・シュトラウスはじめ色々いらっしゃいますが、
1曲目のスッペもその一人。2曲目のグルダはウィーン出身なんですが、
ウィーンの伝統に抗った人。チェロの前にマイクがあります、宮田さんはマイクなし
で演奏できる人なんですが、これはグルダの指示によるものです。
そして3曲目はブルックナーです。交響曲第1番は普通リンツ版がよく演奏される
のですが、晩年改訂したウィーン版があって、今日はこれを聴いていただきます。
それでは(ステージの)準備ができたようなので、私も支度をしてきます。』(拍手)

「支度?」一瞬変だなと思ったが、再登場して納得。
下野さん、サングラスをかけて頭にはど派手なはちまきをして現れた(驚)
オケの皆さんも下野さん同様で、サングラス、はちまき、帽子等の小道具を
身にまとっています。傑作はファゴット首席奏者。あのカツラにはだまされた(笑)
トリッキーなグルダ作品は、格好からいくぞ!ということなんでしょう。

2は両端楽章がファンキーでポップなのだが、チェロのカデンツァを配する中間部は
シック。楽器構成も特異なら、曲としても一風変わったティストの作品。
これもグルダの奇才ぶりの現れなのでしょうが、実際に演奏されると、
ソリストの宮田大さんと札響メンバーの名技が炸裂して、おもしろいことこの上なし。
宮田さん、カデンツァでは「鳥の歌」を挿入していましたね。
定期演奏会でこんなに愉快な気持ちになれたのは初めてでした。
この挑戦的選曲は賛否を呼ぶでしょうが、私的には下野さんらしい凝ったプログラム
のお陰で新たな発見をしたと肯定的にとらえたい。
企画を決断した札響にも「ザ・プリンシパルズ」以来のあっぱれをあげたい気分。
下野さんには引き続き定期演奏会への登場を期待したい。

3は所有CDが全て「リンツ版」のため(というより素人のため)版の違いは
わからないが、総体的により装飾的で流麗な印象が残った。
札響でブルックナーを聴いたのは2014年定期演奏会以来だが、札響がますます
充実したブルックナー演奏が可能なオーケストラに変貌しつつあるようで、
これは嬉しいことだ。

昼公演。客入りは7~8割か。

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by capricciosam | 2017-09-23 22:17 | 音楽 | Comments(0)

アンドレア・バッティストーニ&札幌交響楽団@Kitara2017

【プログラム】

1 ヴェルディ 歌劇「ナブッコ」序曲
2 プッチーニ 歌劇「ジャンニ・スキッキ」より"私のお父さん"
3 プッチーニ 歌劇「修道女アンジェリカ」より"母もなしに"
4 プッチーニ 交響的序曲
5 プッチーニ 歌劇「トスカ」より"歌に生き、恋に生き"
6 プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」より"ある晴れた日に"
7 ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲
8 レスピーギ 交響詩「ローマの松」
e ロッシーニ 歌劇「ウィリアム・テル」序曲よりスイス軍の行進

指揮:アンドレアス・バッティストーニ
ソプラノ:木下美穂子

来年10月開場する札幌文化芸術劇場のこけら落とし公演はヴェルディの歌劇「アイーダ」
で、アンドレア・バッティストーニ(以下「バッティストーニ」という。)指揮札響が
ピットに入ることが決定している。両者に加え、当日出演する木下美穂子さんも加わった
特別演奏会がプレ・イベントとして開催された。

驚いたことに、バッティストーニは全曲暗譜。
全身を使い緩急、強弱を自在に付けて指揮するが、生み出される音楽のなんと魅力的で
活き活きとしていることか。基本的にテンポが速いためまるでスポーツカーでドライブ
しているかのような疾走感と躍動感が伝わってくる。
かといって歌心まで置き去りにしている訳ではないから驚く。
札響をドライブして、ここまで爽快感あふれる音を引っ張り出した指揮者はこれまで
体験したことがなかった。今まで聴いたイタリア人指揮者のムーティ、サンティ、
ルイージとはまったくタイプの異なる、異色の存在だろう。
素直な感動と興奮が残った演奏会として語り継がれるのではないか。

当日客演された方が「ヘロヘロ」とつぶやいているのを目にしたが、
札響団員もエネルギー消費が激しかったのではないか。バッティストーニが
首席指揮者を務める東京フィルハーモニー管弦楽団の演奏会はどうなんだろうか、
と俄然興味が湧いた。

また、当日ダブルキャストでアイーダを演じられる予定の木下さんの歌唱も素敵で、
中でもトスカは絶品だった。会場からの拍手が一段と大きくなった。

いやはやものすごい熱量溢れる演奏会だった。
終演後のサイン会は長蛇の列だし、出待ちして一目見ようとする人で黒山のひとだかり。
プレ・イベントは大成功だったのではないか。
「アイーダ」を予習しなくては。

夜公演。チケット完売だけにほぼ満席。

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by capricciosam | 2017-09-15 23:58 | 音楽 | Comments(2)

札幌交響楽団第602回定期演奏会@Kitara2017

【プログラム】

1 ベートーヴェン 序曲「レオノーレ」第3番
2 モーツァルト 協奏交響曲変ホ長調
3 フランク 交響曲ニ短調

指揮:ユベール・スダーン
ソロ:関美矢子(オーボエ)、三瓶佳紀(クラリネット)、山田圭祐(ホルン)、
坂口聡(ファゴット)

フルート、クラリネット、トロンボーン、オーボエの各首席奏者をソロに起用した
「札響ザ・プリンシパルズ-札響管楽器首席奏者たちとボレロの祭典」
2013年7月に特別演奏会として実施された。その時は、各楽器の協奏曲で4曲演奏され、
最後はその各楽器が活躍するボレロだった(しかも各首席は演奏しない)だけに
企画に相当な自信ありと見たが、本当に充実した良い演奏会だった。
当時のプリンシパルの皆さんは下記のとおり。
高橋聖純(フルート)、三瓶佳紀(クラリネット)、山下友輔(トロンボーン)、
金子亜未(オーボエ、現新日本フィル首席)

また、2015年1月定期演奏会でのユベール・スダーンさんの情感を保ちつつ、
表現の限界を追求するかのごとき指揮ぶりには感心したものだった。

今回は定期演奏会で「ザ・プリンシパルズ」を再現し、しかもスダーンさんの指揮
となれば、期待をするなというのは無理というものだ。
4年前はソロ楽器同士で響きあう妙はなかったが、今回は協奏交響曲という

「1770年代から80年代にかけてパリを中心に大流行し、やがて姿を消していった」
(会場で配布された資料からの引用)

形式のため

「4つの管楽器の魅力的な音色が織りなす豊麗な響きの饗宴が楽しい。」
(会場で配布された資料からの引用)

2はたとえ偽作の疑いがあろうとも、典雅にして喜悦に満ちた雰囲気には
何人をも惹きつけて止まない力があると思っている。
楽器は前回のフルート、トロンボーンの代わりにホルン、ファゴットだが、
例え楽器の構成は異なろうとも、単独でソロを務めても、ソロ楽器同士が
協奏しても、作品の雰囲気を壊すことなく見事な演奏を披露してくれた。
改めて札響の充実ぶりに感心したが、プリンシパルを活かすこの企画は
不定期でも良いので、ぜひ継続してもらいたいと思う。

1は札響の演奏回数も31回になるくらいだが、それにしても弛緩とは無縁な
良い演奏だった。今まで聴いた中では最良。
バンダトランペットは8月で退団する松田副首席。
会場から惜しみない拍手が送られていた。

3はもっぱらCDでしか聞いたことがなかったので楽しみにしていた。

「暗から明への流れが全曲を貫き、考え抜かれた転調が深い意味を告げ、
循環形式によって全体の統一が図られている。オルガン奏者として
身についた重厚な響き、ストップ操作を想わせる音色やフェルマータの
使用など独自の世界を生み出している。」
(会場で配布された資料からの引用)

ある種のストイックさにも通じるような抑制された感情が、
やがて光あふれる世界に到達するまでの葛藤でも描いたかのような
独特の趣きを感じる作品だが、スダーンさんは細部まで克明に描きつつ、
引き締まった演奏に仕上げていた。札響も2で登場した首席奏者の不在を
いささかも感じさせず、各パート一体となった演奏は見事だった。

今シーズン定期演奏会でも注目していた演奏会だったが、満足度は高い。
昼公演。客入りは9割か。

<蛇足>
2ではオーボエの関美矢子さんが鮮やかなブルーのドレスで登場
(会場も一瞬どよめいていましたね)他の3名はいつも通り燕尾なのですが、
チーフの色はブルー。「はて、珍しいな」と思っていたのですが、
関さんのドレスの端切れであつらえたものとか。
こういうセンス、素敵ですね。

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by capricciosam | 2017-08-26 23:39 | 音楽 | Comments(0)